プリズナーズ・オブ・ゴーストランドの町山智浩さんの解説レビュー
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映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)で、『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。
町山さん『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』解説レビューの概要
①園子温監督がハリウッドデビュー
②日本で全て撮影し、主演はニコラス・ケイジ
③銀行強盗として捕まったニコラス・ケイジが市長の娘を探しに行くストーリー
④ニコラス・ケイジが超大作に出なくなったのは何故か
⑤ニコラス・ケイジは○○○な生活で破産
⑥ニコラス・ケイジの浪費癖
⑦ニコラス・ケイジの離婚歴
⑧4日で離婚した理由は、○○○
⑨ニコラス・ケイジが本人役を演じる『偉大すぎる才能の耐えられない重さ』は来年アメリカ公開予定
※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。
プリズナーズ・オブ・ゴーストランド町山さんの解説書き起こし
(町山智浩)
日本の誇るですね、映画監督、園子温監督がハリウッドデビューをしたんですよ。
(赤江珠緒)
んー!そうなんですね、園子温さん!
(町山智浩)
それがえぇと・・来週から公開される『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』という映画で、ハリウッド映画なんですが日本で全部撮影してるんですね。で、日本で全部スタッフも。ただ、主演はニコラス・ケイジです。
(山里亮太)
えっ想像がつかない、どんな映画になるのか。
園子温監督が主演ニコラス・ケイジでハリウッドデビュー
(町山智浩)
話はニコラス・ケイジが銀行強盗なんですが、その銀行がある場所がですね、西部劇の荒野の街みたいな街と、日本の江戸時代の街がゴッチャになった謎の世界なんですよ。
(赤江珠緒)
どういう感じだろう。(笑)へ〜。
(町山智浩)
あのね、侍がいて、花魁がいて、ガンマンがいるんですね、はい。そこで、ニコラス・ケイジはその街で銀行強盗として捕まってしまって、その街の市長から「行方不明になってる娘を探し出してくれ!」と頼まれて、断ったらスーツを着せられて、そのスーツには爆弾が付いてるんですね。
(山里亮太)
あー。(笑)
銀行強盗として捕まったニコラス・ケイジが市長の娘を探しに行くストーリー
(町山智浩)
でまぁ逃げられなくなって娘探しに出かけるという話がその『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』なんですけど、その爆弾がですね、やっぱり園子温監督だから、首とかにも付いてるんですけど、股間のとこに付いてるんですね。
(山里亮太)
はははははは。(笑)
(町山智浩)
その爆弾が丁寧にですね、2つずつ付いてて。
(山里亮太)
!!(笑)
特殊なスーツは、股間に2つ爆弾が付いている
(町山智浩)
1個ずつアソコを破壊するようになってると言うね。(笑)で、ニコラス・ケイジもだから、1個は予備という事でね、あれは。1個やられてもまだね、もう1個があるぞっていう事なんでしょうけども。(笑)
(赤江珠緒)
そこが丁寧に、なるほど、描写されて。
(町山智浩)
描写されてますね。あとね、荒野に向かって、その娘が誘拐されてる場所を探しに行く訳ですけども、荒野に向かってヒーローが行くというのになぜかですね、ニコラス・ケイジが乗ってるのはママチャリなんですよ。
(赤江珠緒)
えっ!?
ママチャリで荒野に向かうニコラス・ケイジ
(町山智浩)
あの・・馬とかすごい車にして欲しいところをね、ママチャリでキコキコ漕ぎながら、荒野に向かってニコラス・ケイジが走って行くと言うね。
(赤江珠緒)
ほぉ〜・・なかなか不思議な世界観になってますねこれ。
(町山智浩)
全編そういう調子なんでね。だからとんでもない事になってる映画が、『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』なんで、はい。まかセットとかすごいんですけどね。で、ニコラス・ケイジ、どうしてそういう映画ばっかりに出てるのかっていう問題がありまして。ニコラス・ケイジ最近そういう映画ばっかりなんですよ。
(赤江珠緒)
そうなんですか!なんかザ・ハリウッドスターって言うね。
(山里亮太)
ねぇスーパースターって感じ・・。
ニコラス・ケイジが超大作に出なくなったのは何故か
(町山智浩)
もちろん、かつてはスーパースターで『ザ・ロック』とかですね『フェイス/オフ』とか出てまして。あと『ナショナル・トレジャー』シリーズとかね。ハリウッド超大作に出てて、それがでも2007年ぐらいまではそういうハリウッドの大物映画に出てたんですが、まぁあと彼はアカデミー賞も取ってますよ、1995年に『リービング・ラスベガス』というね、”ラスベガスを出ていく”というタイトルの映画で、そのラスベガスで・・ラスベガスってのはね、お酒タダなんですよ。行った事ありますよね?
(赤江珠緒)
えっ!知らなかったです。タダなんですか?
(山里亮太)
タダなんだ。
(町山智浩)
タダなんですよ。
(赤江珠緒)
えー!
ラスベガスのカジノはアルコール無料
(町山智浩)
だから博打してると、お酒をどんどん持ってきてくれるんですよ。
(山里亮太)
あーカジノってそうか!
(町山智浩)
カジノは。何故かっていうと、感覚が麻痺してどんどん賭けるから。
(山里亮太)
はー!(笑)理にかなってる!(笑)
(町山智浩)
ね。ニコラス・ケイジはアル中で、お金もないんだけどそこで死にたいからってラスベガスに来て、酒に溺れてるアル中の役をやってるんですね。それでアカデミー賞をニコラス・ケイジは取ってます。主演男優賞。そういう俳優なんですが、2008年ぐらいからですね、へんてこな映画にしか出なくなっちゃったんですよ。
(赤江珠緒)
えぇー!
(町山智浩)
どうもハリウッドから仕事が来ないのか、彼が断っているのかはわからないんですが、その頃に破産するですね彼は。
(山里亮太)
ほう!えー破産て・・。
ニコラス・ケイジはハチャメチャな生活で破産
(町山智浩)
そう。ニコラス・ケイジのね、ハチャメチャな私生活の話をずっとしていく事になるんですが。(笑)
(赤江珠緒)
ちょっと聞きたい。
(町山智浩)
この人ね、150億円ぐらい資産があったらしいんですよ、その頃。
(赤江珠緒)
そんなに!
(山里亮太)
それがなくなる!?
(赤江珠緒)
それが破産?150億円が?
(町山智浩)
それ全部なくしたんです。そう。全部使っちゃったんですね。パチンコじゃないんですけどね。(笑)パチンコのコマーシャルに出てましたけど。(笑)
(赤江珠緒)
どうやって?(笑)
ニコラス・ケイジの浪費癖
(町山智浩)
浪費癖なんですよ。めちゃくちゃ浪費癖で、世界中にお城とか買ってるんですよ。で、お城ってね、買ってもね、その維持費が大変なんですね。
(山里亮太)
あーなるほど。
(町山智浩)
だから持ってると、どんどんお金がなくなっちゃうんですよ。
(赤江珠緒)
あぁそうか・・。
(町山智浩)
あとね、島買ってましたね。カリブの方に。それもだから島買ったって言っても、観光客が来たりする事ができる島じゃなくて無人島で、1家族しか住めないようなリゾートの島を買って、すぐにやっぱり手放してますけどね。
(赤江珠緒)
えー。。
お化け屋敷を3.5億円で購入
(町山智浩)
あとね、まぁニューオリンズにですね、お化け屋敷があるんですよ。そこはですね、南北戦争前にそこを持っていたフランス系の貴族の奥さんが、そこで何十人もの黒人奴隷を拷問して生体解剖してたっていう事で、大変な事になっちゃったお化け屋敷があってですね、怒った人達に1回焼かれて建て直した所なんですけど、それをニコラス・ケイジ3.5億円で買ってるんですね、3億5000万円で。
(赤江珠緒)
なんで?えっ?
(町山智浩)
で、破産する時にこれを売らなきゃって事に・・誰も買わなかったですね。
(山里亮太)
ははは、そっか。(笑)
(町山智浩)
買わないよ、そんなものはね、気持ち悪い。
(赤江珠緒)
そりゃそうですよね、なんで3億5000万もかけて・・。
車もヨットも次々と購入
(町山智浩)
そう。それで銀行管理になってるのかな?今。そういう馬鹿げた事をしまくっているうちに、どんどんお金がなくなって。あとフェラーリとかロールスロイスとかランボルギーニとかですね、すごい車を次々と50台持ってたのかな?
(山里亮太)
えぇっ!?
(赤江珠緒)
もう・・。(笑)
(町山智浩)
ジャガーとかね。バイクも30台ぐらい持ってて、まぁ乗れないですよね、そんだけ持っててもね。
(赤江珠緒)
そりゃそうですねぇ。。
(町山智浩)
ただね、それもね、いっぺんに買うんじゃなくてローンとかで買ってんですよね。でやっぱり滞納しまして。全部取り上げられてます。あとヨットが4個ぐらいあるのかな?
(山里亮太)
わーすご。
(町山智浩)
で、1つのヨットはねベッドルームが12個あるヨットですね、巨大なクルーザーを持ってて。はい。
(山里亮太)
えっ!?ケタ違いだな、やっぱ。。
(町山智浩)
そう。それもね、いらないって言うかね、持っててもしょうがないんでね、結局全部取り上げられて。あとね、ティラノザウルスの頭蓋骨の化石をね、3500万で買ったりとか。
(赤江珠緒)
いや〜なんかもうちょっとお金の使い方ほんと・・めちゃくちゃですね。
(町山智浩)
それは密輸品でね、モンゴルから密輸されて要するに盗品だったんですね。で結局返さなきゃなんなくなったりね。
(赤江珠緒)
あればあるだけ使ってしまう人なんですね。
(山里亮太)
そうねぇ、まぁスターっちゃスターっぽいけど。
ニコラス・ケイジの離婚歴
(町山智浩)
さらにね、離婚もしてるんですよね何回もね。で、離婚をすると最初の取り決めがある場合は別として半分取られますからね、資産のね。アメリカの場合。
(赤江珠緒)
そうらしいですね、アメリカはね。
(町山智浩)
5回結婚してますね、この人ね。
(赤江珠緒)
5回も結婚してるの?
(町山智浩)
はい。でね、最初の頃の結婚はパトリシア・アークエットっていう女優さんで結構ちゃんとした女優さんで、その彼女と離婚してからね、例えばエルヴィス・プレスリーの娘さんと結婚して、3ヵ月で離婚してるんですね。
(赤江珠緒)
うーん3ヵ月。。
(町山智浩)
このプレスリーの娘さんはニコラス・ケイジ以外にマイケル・ジャクソンとも結婚しててね。
(赤江珠緒)
えぇっ!
(町山智浩)
なんだかかなりとんでもない人なんですけど。(笑)で2004年にはね、ニコラス・ケイジはロサンゼルスのお寿司屋さんで働いてたバイトの女の子と結婚してますね。
(山里亮太)
どうやって・・。(笑)
20歳以上年下の女性と結婚
(町山智浩)
20歳ぐらいの自分の娘ぐらいの人と結婚してます、韓国系の子ですけど。で、その間には子供ができたんですけど、やっぱり別れて。その次は日本人の女性と結婚してますね、日系人の。コイケ・エリカさんっていう人と結婚してますね。これも、やっぱり彼女もね、20歳ぐらい歳が若いんですけど。つまり、めちゃくちゃ若くて自分の娘ぐらいの年齢のアジア人が好きなんですよ。
(赤江珠緒)
ほーー!
(町山智浩)
とんでもないスケベオヤジですけど。(笑)このコイケ・エリカさんとはね4日で離婚ですね。
(赤江珠緒)
4日!?あらららら。
(町山智浩)
でね、離婚した理由は、結婚した時にお互い酔っ払ってたからって言う。
(赤江珠緒)
ははは。(笑)かなりハチャメチャな感じになってきましたね本当・・。
(町山智浩)
メチャクチャですよね。で今年入って2月に結婚してます、また日本人の女性と。
(赤江珠緒)
あぁそうだったんですね。
(町山智浩)
そう。これたぶんね、この『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』を撮影してる時かなんかに日本に来てて、で結婚したんじゃないかって言われてますけど。その女性も31歳年下ですね。で、結婚したんだけど、一緒に住んでないみたいで、よくわかんないんですよ、この人。で、こういう事を繰り返してて、ついこの間、3日ぐらい前?ラスベガスのレストランにニコラス・ケイジが入ってきて、酔っ払って入ってきたんで、ホームレスと間違われて店を追い出されましたね。
(山里亮太)
えぇー!!
酔っ払ってラスベガスを去る
(町山智浩)
はい。あの・・酔っぱらってラスベガスを去るって、『リービング・ラスベガス』かお前はって言われてますけど。
(赤江珠緒)
wwwwほんとだよ。(笑)
(町山智浩)
これスマホで撮られてて、本当にねベロベロに酔っ払ってしかもそのサンダル履きで短パンかなんかで来て。
(赤江珠緒)
でもお店の人とかは気付かなかったんですか?
(町山智浩)
気付かなかったんですよ、ただの酔っぱらいかと思って・・追い出しちゃってるんですよ。というね、とんでもない事になってるニコラス・ケイジさんなんですが。(笑)変な映画にいっぱい出てるんですけど、その中にね、すごいいい映画があったんでね、ちょっとそれを紹介したいんですね。
この映画ね、日本ではまだ公開予定がないんですが、タイトルは『PIG』って言うんですよ。
(山里亮太)
ピッグ!?
『PIG』という映画について
(町山智浩)
”豚”!というタイトルでですね、これねニコラス・ケイジは豚を飼って、トリュフを見つける仕事をしている人なんですね。
(赤江珠緒)
あ〜〜。
(町山智浩)
これトリュフハンターという仕事がちゃんとあるんですけども、トリュフってあの・・。
(赤江珠緒)
高級食材とかでね。
(町山智浩)
フランス料理とかに削ってかけるだけでいきなり5000円増しとかの世界ですよ。
(赤江珠緒)
そうですね。昔から言いますけども豚で探すと言いますけど、やっぱりそうなんですね。
トリュフハンターという仕事
(町山智浩)
そうなんですよ。地面の下にあるんですね、そのキノコは。だからその匂いを嗅ぎ出す特殊な訓練された優秀な豚じゃないと見つけられないらしいんですけど、それを飼ってる人がトリュフハンターで、非常にお金が儲かるみたいですよ。
(赤江珠緒)
へぇ〜!
(町山智浩)
トリュフってほら、大きいものだと1個10万円ぐらいするんですよ。トリュフってでも食べても・・よく分かんないよね、あれね。
(赤江珠緒)
よく分かんないんですよ、そうなんですよ。
(町山智浩)
よくわかんないよね、そんなに香るかなって言う・・松茸のがね、松茸の方が全然いいですよね。
(赤江珠緒)
確かに。いやでも”イイモノ”を食べてないのかもしれないから、なんとも言えないですね。(笑)
(山里亮太)
知らないのかも。(笑)
(町山智浩)
かもしれないです。(笑)すごい高いのは本当に違うのかもしれないですけど。
(赤江珠緒)
そうなんですよね。
ポートランドの雨林の中で孤独に暮らす老人役
(町山智浩)
それを見つける事で暮らしてて、そのポートランドっていうオレゴン州にはたくさん温帯雨林があるんで、その雨林の中でトリュフハンターをして暮らしてる老人が、そのニコラス・ケイジなんですね。で、その豚と2人暮らしなんですよ。ボロボロの老人なんですが。で、豚を抱っこしてですね、その山小屋の中で人里離れた所で孤独に暮らしてる謎の老人がニコラス・ケイジなんですけども、そこに強盗が来てですね、その豚ちゃんをさらってっちゃうんですよ。つまり、その豚はすごい価値がある訳ですよ、分かります?
(赤江珠緒)
そうか、そうだ。
(町山智浩)
で、その豚を探す旅にニコラス・ケイジが出るっていう映画がこの『PIG』なんですよ。
(赤江珠緒)
えー!珍しい話ですね!
(山里亮太)
面白い!
ポートランドはアメリカ最大のグルメタウン
(町山智浩)
そうなんです。でね、これポートランドっていう所が舞台なのがね、非常に重要で、ポートランドっていう街はね、アメリカで最大のグルメタウンになってるんですよ。これね、本当に高級なその通好みのレストランがたくさんあって、それを食べる為に大金持ち達がセカンドハウスをたくさん持ってるんですね、ポートランドに。で、ポートランドってね、僕も行きましたけどもすごくいい所で水がキレイなんで、ビールとかですね、日本酒とかがすごく美味しいんですよ。そこで作られるお酒が。で、日本の色んなレストラン業界の人達も勉強する為にポートランドにわざわざ研修に行ったりしてるような所なんですね。
(山里亮太)
へえ〜!
(町山智浩)
で、そこのレストランはですね、例えばだからメニューに、例えば豚肉とか写真が載ってて、それは、日本なんかでも焼肉屋で時々ありますけど、「こういう風に育てましたって事が詳しく書いてあるんですよ。
(赤江珠緒)
はいはいはいはい。
(町山智浩)
この野菜はこういう人がこういう農場で育てて、この豚ちゃんはこういう所で育てて、この牛はこういう所で部屋に押し込めないでね、自由に牧草食べて楽しく育ったんですよ、とか。育てた人とかが、「私が育てました!」とか。
(赤江珠緒)
ありますね。
ポートランドの建物の地下は・・
(町山智浩)
っていう風にメニューに載っているような所なんですよ、ポートランドって。とにかく通好みの世界なんで、そこに提供してたんですよ、彼は。トリュフを。で、トリュフを見つける豚を持ってったのは、絶対そのポートランドのレストラン業界と関係してるんだって事で、今度そのポートランドのレストランに行くと、レストランのキッチンから地下に入ってくんですよ。これはね、ポートランドの建物の、まぁ住宅じゃないですけども、お店とかの地下は全部、地下室で繋がっているんですね。
(赤江珠緒)
ふーん!うん。
(町山智浩)
今は繋がっていない所が多いんですが、かつては全部繋がってたんです。
(山里亮太)
へー!
(赤江珠緒)
面白い街。
(町山智浩)
地下に暗黒街があったんですよ。
(赤江珠緒)
えー!
(町山智浩)
要するにまぁギャングとかが、地下で人を人身売買をしたりね、麻薬を売買したり、禁酒法時代はそこでお酒を保存してたりね。あと秘密の賭博をやってたりしてたんですよ。でアメリカは結構、シカゴとかにもこの地下はあって。よくアメリカの言葉で”アンダーグラウンド”という言葉が出てくるんですけど、あれは本当の地下を意味してるんです。物理的に。地下にそういう闇の世界があったんですよ、かなり。アメリカの色んな都市には。で、そこは今残ってないんですが、この映画の中だと残ってて、そこの地下に入ると地下に巨大なホールがあって、そこで高級レストランのシェフ達が闇のバトルを繰り広げてるんです。
(赤江珠緒)
シェフ達が?うん。
シェフ達がバトルを繰り広げている
(町山智浩)
シェフ達が。闇のバトルを繰り広げてるんですよ。(笑)そこに入ってニコラス・ケイジがボロボロの姿で「俺の豚をどこやった?」って言うんですよ。そうすると、「お前何なんだよお前、ここは入っちゃいけないんだよ普通の人は。」って言われて。「俺の本名は・・○○だ!」って言うんですね。するとみんなが、シェフ達が、おーー!!ってどよめくんですよ。実はニコラス・ケイジはかつて、そのシェフ界の大スターだったんですよ。スーパーシェフだったんですよ!
(赤江珠緒)
えぇっ!?その老人が?
(町山智浩)
スーパースーパーシェフだったんですよ!で、彼らにとっては伝説で・・って言う、なんか『刃牙』みたいな話になってるんですよ。(笑)地下にそのシェフ達の闘技場があってって言うんで。というね、もう5分枚に訳のわかんない事が起こる映画が『PIG』で。(笑)これはとんでもない映画でしたね。
(赤江珠緒)
へ〜!これどうなっていくんですか?どこにゴール向かっていくんだろう?
ニコラス・ケイジの次の新作『偉大すぎる才能の耐えられない重さ』
(町山智浩)
だろうと思いますよ、本当にね。でもこれ、まだ日本の公開は決まってないんですが、『PIG』はぜひ日本の人、日本の映画会社、公開して欲しいんですが。ただね、まだね、ニコラス・ケイジ、次の新作が4月ぐらいにアメリカ公開予定なんですよ。それがですね、タイトルが、『偉大すぎる才能の耐えられない重さ(The Unbearable Weight of Massive Talent)』っていうタイトルなんです。自分の演技の才能の事を言ってるんです。
(赤江珠緒)
ほぉ〜。。
(町山智浩)
要するに、彼は演技の才能がありすぎたんで、崩壊してしまったと、その重さによって、と。言う事を言ってるタイトルで、ニコラス・ケイジの役はニコラス・ケイジです。
(赤江珠緒)
えー!!
ニコラス・ケイジが本人役を演じる
(町山智浩)
はい。かつてハリウッドの大スターで、アカデミー賞を取ったんだけども、今は破産してしまって、ハリウッドからの仕事が来ない俳優の役です。ってか本当の役。(笑)
(赤江珠緒)
ってか本当の話になってる。(笑)
(町山智浩)
で、そこに、ものすごい大富豪からですね、「僕はニコラス・ケイジさんの大ファンなんです!」と。「誕生パーティーをやるんで、是非来てください!」って誘われるという話なんですよ。
(赤江珠緒)
それもありそうですもんね。
(町山智浩)
そう。で、ニコラス・ケイジはお金がないからパーティーに行こうって事になるんですけども、そこでCIAだかFBIだかが来るんですね。で、「ニコラス・ケイジさん。あなたを呼んだ大富豪は実は国際的な麻薬ネットワークのウルトラボスなんです。超大物の帝王なんです。」と。で、「彼らをどうしても逮捕したいんで、私達のスパイになってくれ!」って言われて、アメリカ政府のスパイとしてその犯罪王のパーティーに行くという話なんですね。ニコラス・ケイジ自身が。すると、その大富豪の麻薬王は、ニコラス・ケイジが大好きで。家中ニコラス・ケイジの色んな映画、『フェイス/オフ』とかね、『ザ・ロック』とかの、色んなグッズで博物館みたいなのを作ってるっていう話なんですよ。で、その中で段々その彼が、自分の本当のファンで、本当に愛してるって事が分かるんで、それを彼が裏切れるのか、みたいな話になるんですよ。
(赤江珠緒)
えー!(笑)自分の今までのキャリアを全部そこに、投げ打つみたいな作品ですよ?
ニコラス・ケイジの『偉大すぎる才能の耐えられない重さ』の感想
(町山智浩)
はい。でもう撮影は終わってるらしいんですけど、ニコラス・ケイジさんインタビューで、
『偉大すぎる才能の耐えられない重さ』ってどんな映画ですか?
って聞かれて、
「僕、これ完成しても見る気しないんだよ、めちゃくちゃ過ぎる。」って言ってるんですね。(笑)
(赤江珠緒)
えー!
(山里亮太)
めちゃくちゃやってきた人が?(笑)
(町山智浩)
そう。もう自分の出た映画を見る事もできない状態になってると言うね。(笑)見たくないって言ってるんですけど、すごい事になってるんでね。まぁ本当に日本のパチンコ業界もね、またニコラス・ケイジを助けてほしいと思いますが。
(山里亮太)
助けた事あったんでしたっけ?
(町山智浩)
ありましたよ!「アイ・ラブ・パチンコ!」ってコマーシャルに出てましたからね。
(赤江珠緒)
あぁそうか!
(山里亮太)
あー!メーカーのコマーシャルであったあった!(笑)
(町山智浩)
もうみんな忘れますが。はい。というね、事でね、ニコラス・ケイジが大変な事になってるぞという事でね。
(赤江珠緒)
そうだったんですね、そこまでとは・・。
(山里亮太)
はーそれで園子温さんの。。
(町山智浩)
ただ、この『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』もある種のアートなんですけど、この『PIG』もね、実はアート映画なんですよ。芸術作品ですんで、是非ご覧になってください、はい。
(赤江珠緒)
ちょっとこの解説を聞いて見るとね、より味わい深いかもしれない。
(山里亮太)
そうね!
(町山智浩)
日本の配給会社が配給してください。是非です。
(赤江珠緒)
『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』は10月8日からTOHOシネマズ日比谷ほか、全国ロードショーです。町山さん、ありがとうございました。
(山里亮太)
ありしたー!
(町山智浩)
どもでした!
※書き起こし終わり
○○に入る言葉のこたえ
⑤ニコラス・ケイジはハチャメチャな生活で破産
⑧4日で離婚した理由は、結婚した時にお互い酔っ払ってたから