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引用:IMDb.com

ドーナツキングの町山智浩さんの解説レビュー

2021年10月07日更新
”ドーナツキング”というカンボジア系の人がいて、その人が、そのドーナツ経営で成功したんでカンボジア人ばっかりになったんだって事が分かっていくんですよ。ところがその人は、一時ですね、もう億万長者になって、アメリカの共和党の政治家、レーガン大統領とかブッシュ父親とかに寄付をしてですね、もう政治的な権力者にもなったすごい大金持ちだったのに、その後、ホームレスにまで落ちぶれるんですよ。(TBSラジオ「たまむすび」より)

映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)で、『ドーナツキング』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。

町山さん『ドーナツキング』解説レビューの概要

①”ドーナツの帝王”と呼ばれている人のドキュメンタリー
②アメリカ・カリフォルニア州ある5000店のドーナツ店の、8割が○○○○○系の人の経営
③ドーナツキングは政治的な権力者になり大金持ちだったのに、その後○○○○○にまで落ちぶれる
④主人公テッドは貧乏な高校生だけどお姫様に恋をする
⑤ドキュメンタリーとは思えない展開に
⑥カンボジアでの内戦をきっかけに難民としてアメリカに移民する事に
⑦やると決めたらスグやる性格で、ドーナツ屋をオープン。
⑧ポル・ポト政権の大虐殺が起き、カンボジアから難民申請をした人をテッドさんが引き受ける
⑨カンボジアから移民して来た人にドーナツ屋のノウハウを教え、カンボジア系の店舗が増えていった
⑩ところがその財産も地位も尊敬も、全て失ってしまう

※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。

『ドーナツキング』町山さん評価の書き起こし

(町山智浩)
それで今日、ご紹介する映画もコレものすごく面白いドキュメンタリー映画なんですが『ドーナツキング』という映画ですね。来月11月公開なんですけれども、これね、”ドーナツの帝王”と呼ばれている人のドキュメンタリーなんですが、アメリカ・カリフォルニア州にはドーナツ店がね、5000店あるんですけど。

(山里亮太)
多いな〜。

(町山智浩)
そのうち、8割がカンボジア系の人の経営なんですよよ。

(赤江珠緒)
あぁそうなんですか!へぇ〜!

引用:IMDb.com

アメリカ・カリフォルニア州ある5000店のドーナツ店の、8割がカンボジア系の人の経営

(町山智浩)
はい。で、なんでそうなったかと言うのを、この監督の・・中国系アメリカ人のアリス・グーさんという女性がですね、不思議に思って。まだ若かったんで知らなくて。で、なんでって言う事で調べていったら、実は”ドーナツキング”というカンボジア系の人がいて、その人が、そのドーナツ経営で成功したんでカンボジア人ばっかりになったんだって事が分かっていくんですよ。ところがその人は、一時ですね、もう億万長者になって、アメリカの共和党の政治家、レーガン大統領とかブッシュ父親とかに寄付をしてですね、もう政治的な権力者にもなったすごい大金持ちだったのに、その後、ホームレスにまで落ちぶれるんですよ。

(山里亮太)
えっ!何が・・?

ドーナツキングは政治的な権力者になり大金持ちだったのに、その後ホームレスにまで落ちぶれる

(町山智浩)
何があったのか!って言うのがこの『ドーナツキング』なんですよ。

(山里亮太)
そっか!ほぉ〜!

(町山智浩)
で、まぁこの人の人生がとにかくすごいんですよね。天国に行ったり地獄行ったりね。で、この人はテッド・ノイさんという人でカンボジアに生まれてですね、貧乏な家の子だったんですけれども、ある日スゴイ美人の自分と同じ歳のクリスティさんという人に一目惚れするんですね。で、今もこの方もう60過ぎてもすごい美人なんですが、このクリスティさん。で、とにかくこの彼女と結婚すれば俺は何とかなるぜって思ったんですね。

(赤江珠緒)
へぇ〜!うん。

主人公テッドは貧乏な高校生だけどお姫様に恋をする

(町山智浩)
ところが彼女はですね、カンボジアのその当時の政府の高官のご令嬢でお屋敷に住んでたんですよ。お姫様だったんです、つまり。ところが彼はただの貧乏な高校生だったんです、テッドさんは。で、どうしたかって言うと、近所の家からですね、そのお屋敷の近くからですね、毎晩フルートを吹いたんです。

(赤江珠緒)
うん。

(町山智浩)
で、なんて素敵な曲だろう。誰かが、恋をしてる人が吹いているの。とか、勝手に言ってたんですね、そのクリスティさん達が、お母さんとね。

(赤江珠緒)
えー・・、うん。

クリスティさんに出した手紙

(町山智浩)
そしたら手紙を今度、送って、その手紙に、「このフルートを吹いているのは私です。あなたに恋をしてるんです。これからあなたの部屋に行ってもいいですか?」っていう手紙を出すんですよ。

(山里亮太)
ほお!

(町山智浩)
そしたらそのクリスティさんが、ちょっと冗談でね、「私の部屋に入るって言っても間違ってお母さんの部屋に入んないでね。」って書いたんですね。だからそれがオッケーだとテッドは思い込んでですね、本当に窓から入っちゃうんですよ!

(赤江珠緒)
うーわ!

(町山智浩)
で、娘さんはビックリして。もうそれどうしようもないから家の人に知られたら困るから、ベッドの下に隠すんですよ彼を。でもやっぱり見つかっちゃうんですよ。で、なんだこいつ!って事になったら、そのテッドはナイフで自分を刺して重傷を負うんです。

(赤江珠緒)
ええ!?

(町山智浩)
彼女と結婚させてくれなければれば死ぬ!ってやるんですよ。

(赤江珠緒)
えーーー!!

(町山智浩)
で、しょうがないからって事で結婚を許すんですよ。

(山里亮太)
えっ、これ、ド・・ドキュメンタリーですよね!?

(町山智浩)
ドキュメンタリーですよ!はい!

引用:IMDb.com

ドキュメンタリーとは思えない展開に

(赤江珠緒)
そんな迫り方〜?

(町山智浩)
で、お父さんは政府の政府のお偉いさんだから、このどうしようもない高校生と自分の娘が結婚してしまったと。だから、政府の外交官として彼をタイに送り込むんです。仕事をやるんですよ。

(赤江珠緒)
はぁ〜!うん。

(町山智浩)
しょうがないよねぇ。結婚しちゃったんだから。ねぇ。・・と言うとこから始まるんで、このテッドさんっていう人の人生こんな調子なんですよ、全編。

(赤江珠緒)
行き当たりばったりでもう、ねぇ。

(山里亮太)
めちゃくちゃだぁ。

テッドさんの人生

(町山智浩)
いやもうスゴイですよ。欲しい物があったら取りに行くんです。で今度、タイで暮らしてると。優雅に外交官としてね。ところが1970年から、あ、この人テッドさん今80歳ですね、ぐらいなんですよ。で、1970年にですね、カンボジアで内戦が起こって。ポル・ポト、クメール・ルージュという中国の共産党の毛沢東主義の影響を受けた、共産ゲリラが、このプノンペンに入ってですね、政府を倒しちゃうんですよ。で、テッドさん達は国に帰れなくなっちゃうんですよ、タイにいたから。で、アメリカに難民申請をします。それでこの夫妻は、アメリカに渡るんですが。13万人ぐらいの難民がアメリカに移民するんですが、で子供もいて。ただ、奥さんはお姫様ですよ?

(赤江珠緒)
うーん。

難民としてアメリカに移民する事に

(町山智浩)
それがいきなり難民キャンプですよ。アメリカの。で、キリスト教の教会がカリフォルニアにあって、そこがカンボジア難民を受け入れてくれたんで、そこで住み込みで用務員をしながら働くんですね、テッドさんは。これも大変だよね、それまでお嬢様だったね、奥さん連れてね、子供もいるし。ところがその教会の近くからイイ匂いがするんですよ。それが、ドーナツ屋さんの匂いなんですね。で、ドーナツを見るのはテッドさん初めてだったんですけども、カンボジアにそっくりなお菓子があるんですよ。ノムコンって言うんですが、米粉をね、ココナッツミルクで溶いて輪っかにして油で揚げたものなんですよ。

(赤江珠緒)
本当に似てますね、輪っかにする所まで。へぇー!

(町山智浩)
そう。ただね中はモチモチなんですね、まぁ米粉だから。外側がサクサクで中がモチモチって、ちょっとおいしそうですけど。だからドーナツを見てね、これだ!と思ったんですよ。懐かしい!と。俺がやるのはこれだと。でドーナツ屋で働き始めるんですよ。で、ノウハウを学んで、今度は奥さんと家族でドーナツ屋を始めるんですね。

(赤江珠緒)
ふ〜ん。バイタリティーがすごいありますね。

やると決めたらスグやる性格で、ドーナツ屋をオープン。

(町山智浩)
すごいんです!この人やると決めたらスグやるんですよ。僕ね昔ね、10年以上前にアメリカで、「俺ラーメン屋やったら儲かるかな」と思ってたらね、あの思ってるうちにやらなかったけど、その後にラーメンブームになったんで大失敗しましたけど。

(赤江珠緒)
はははははは!

(町山智浩)
そう。この人は、やる!と思ったらやるんですよすぐに。テッドさんは。で、アメリカのねドーナツ屋さんってただね24時間営業なんです。あのね、夜勤のね、人達がよく来るんですよ、ドーナツ屋さんって。

(赤江珠緒)
へぇ〜!

(町山智浩)
タクシー運転手とかトラック運転手とか、あとは警察官が多いんです。見廻りの警察官がドーナツ屋さんに来ると、ドーナツをタダでもらえるんですけどね。

(山里亮太)
あっ、そうなんだ。

(町山智浩)
そう。そうするとあの、警察官がいつも来る所になると安全になるからです。

(山里亮太)
あっ!なるほど!

(町山智浩)
だから24時間経営をしなきゃならないんだけれども、家族でやるんですよ、このテッドさん一家は。で、奥さんも働いた事がないのにね。ドーナツ屋さんとして、あと子供達も。8歳と9歳の子供達まで働かせて、家族全員でドーナツ屋を24時間切り盛りしたんですよ。でも誰も雇わないから売り上げ全部自分達の物になるんですね。

(赤江珠緒)
あぁ、家族経営で。

(町山智浩)
そう。で、この人達はなんと2年間で、当時のお金で、1970年代のお金で4万ドルだから、現在の1000万円ぐらいを貯めるんですよ。

(赤江珠緒)
2年で!?えー!

(町山智浩)
2年で。まぁ死物狂いで働いたんですね。で、成功した理由はね、ドーナツの箱にピンク色の紙を使ったんですよ。

(赤江珠緒)
ほお?

(町山智浩)
ただそれだけの事なんだけれども、今アメリカ中のドーナツ屋の箱は・・ドーナツの箱は全てピンクなんですよ。

(赤江珠緒)
あぁ、そうですか!でも確かにピンクってポップでかわいい感じになってね。今まではなかった、ピンクじゃなかったの。へぇ〜!

引用:IMDb.com

ドーナツ屋で大成功

(町山智浩)
そうなんです。で大成功をするんですよ。で、その1985年、だからこの人達ドーナツ屋さんを始めたのが、始めたと言うか難民として来たのは1975年なんですけど、1985年、たった10年間で、カリフォルニアのドーナツショップの8割はテッドさんの傘下の店になっちゃうんです。

(山里亮太)
へぇ〜!

(町山智浩)
で、大金持ちになります、この人。大富豪になって豪邸に住んで。でさっき言ったみたいに共和党に対しても大物の、政治的権力まで持ってしまうんですよ。で、ところがその間に、1970年代にね、彼の母国、カンボジアでは何があったか。ポル・ポト政権が大虐殺をするんですよ。もう200万人以上殺されましたね。で、彼らはその原始的な農業国にしようとして、インテリを皆殺しにしました。

(赤江珠緒)
めちゃくちゃですよね・・。

(町山智浩)
勉強ができる人は大っ嫌いなんです。大学出てる人とか。なんかどっかの国の自民党みたいな人達でね。とにかく英語ができたり、学問を持ってる人達を片っ端から殺してったんですよ。

(赤江珠緒)
えぇ・・。

(町山智浩)
で!奥さんのご家族も・・みな殺されてしまいました。

(赤江珠緒)
えっ・・クリスティさんの。。

(町山智浩)
政府高官だったから。前の政権のね。

(赤江珠緒)
あー・・そうか。。

ポル・ポト政権の大虐殺

(町山智浩)
ただ、テッドさんの方は貧乏な家だったんで、生き残ってたんですけども。で、タイに脱出したんで難民申請をするんですね。で身元引受人で、こっち側でお金があるから、テッドさんはその家族をこっちで引き取るんですけれども。自分の家族だけ引き取ったという事は、やっぱり耐えられないという事で、そこから、片っ端から難民申請した人達を自分の家族だって嘘ついて。親戚だとか嘘ついて、片っ端から難民として引き受けるんですよ、彼が。

(赤江珠緒)
あぁすごい人じゃないですか。テッドさん。

(町山智浩)
すごいんです。で、100を超える家族を自分の親戚として、身元引受人として難民として引き受けたんです彼は。

(山里亮太)
えぇー!

(町山智浩)
すごいんです。で、それだけじゃなくて、彼らがこっちに来て仕事がないじゃないですか。ドーナツ屋のノウハウを教えてお金を貸して、ドーナツ屋を始めさせたんですよ。

(赤江珠緒)
はぁ〜はぁはぁはぁ。

カンボジアから移民して来た人にドーナツ屋のノウハウを教え、カンボジア系の店舗が増えていった

(町山智浩)
だからカリフォルニアのドーナツ屋さんはみんな、テッドさんの傘下に入った形になったんですよ。で、カンボジア難民達を助けた、ものすごい数のカンボジア難民を助けて、彼らにそのアメリカで生活する基盤を与えたって事で、神のように尊敬されたんですね、テッドさんは。

(赤江珠緒)
まぁそうなりますよね、うん。

(町山智浩)
はい。ところがその財産も地位も尊敬も、全て失っちゃうんです、その後。

(赤江珠緒)
えっ、これ失う事がある?ここから。

(町山智浩)
何もかも完全に失って、アメリカから追い出されてカンボジアに戻るんですよ!

(赤江珠緒)
なんでー!?大成功じゃないですか、人生ここまで。。

(町山智浩)
で!ホームレスになっていきます。彼は。

(山里亮太)
急に・・!

(町山智浩)
どうしてそうなるか?っていうのはまぁ、映画を見てのお楽しみ!(笑)アッ!!っと驚く、またジェットコースターみたいな人生なんですよ、この人。まぁーすごいですねこれは。

(山里亮太)
ドキュメンタリー。

(赤江珠緒)
ねぇ本当ですね。いやなんかこう、ここまでだとね。なんかすごいイイ、アメリカンドリームというかなんかね、そんな話なのに、ここから?

(山里亮太)
そうね!

(町山智浩)
これはまだ物語の序の口です。

(山里亮太)
あっそうなんだ。ここが目的というよりも?

(町山智浩)
というね、あっと驚くドキュメンタリー映画『ドーナツキング』は11月12日から日本公開です。

※書き起こし終わり

○○に入る言葉のこたえ

②アメリカ・カリフォルニア州ある5000店のドーナツ店の、8割がカンボジア系の人の経営
③ドーナツキングは政治的な権力者になり大金持ちだったのに、その後ホームレスにまで落ちぶれる

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