キャンディマンの町山智浩さんの解説レビュー
記事内に商品プロモーションを含む場合があります
映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)で、『キャンディマン』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。
町山さん『キャンディマン』解説レビューの概要
①ジョーダン・ピール制作・脚本『キャンディマン』
②キャンディマンは、○○○○○
③キャンディマンというコンセプトのアートを画廊に出し・・
④「ジェントリフィケーション」という問題を描いた社会派ホラーでもある
⑤貧しい人が追い出されている現実
※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。
ジョーダン・ピール制作・脚本『キャンディマン』
(町山智浩)
次はね、ホラー映画でね、『キャンディマン』っていうホラー映画ですね。これね1992年に作られた『キャンディマン』という映画の続編なんですけれども、『キャンディマン』って言うのはね、子供にお菓子、キャンディをくれるおじさんのことなんですが。
(赤江珠緒)
はい・・。
キャンディマンは、黒人の幽霊
(町山智浩)
彼は実は、幽霊なんですね。昔、黒人がその白人達にリンチされて、殺されて、その幽霊が蘇ってると。で、片腕を切り落とされた所にですね、”肉鈎”っていうフックを付けて、それで人を殺す・・まぁ黒人の幽霊なんですね、キャンディマンって言うのは。
で、それ伝説になってて、鏡を見ながら鏡の前で5回、「キャンディマン、キャンディマン、キャンディマン・・」って唱えると、キャンディマンが現れて、そこにいる人間を皆殺しにするという伝説があるんですよ。
(山里亮太)
こわ・・。
(赤江珠緒)
結構あっさり呼べますね。うん。
うっかりキャンディマンを呼びそうになる
(町山智浩)
そうそう、5回言いそうになりましたけども、今。(笑)
(山里亮太)
そうですね!(笑)
(町山智浩)
言っちゃいけませんよ!はい。(笑)キャンディマン出て来ますから。
(山里亮太)
あーよかった。
キャンディマンというコンセプトのアートを画廊に出し・・
(町山智浩)
で、それを知ったね、アーティストがいて。コンテンポラリーアートっていうまぁ現代美術をやってる人が・・画家が、それを展覧会に出すんですよ、キャンディマンっていうコンセプトのアートを。で、それは鏡なんですよ。
(赤江珠緒)
うん!
(山里亮太)
ほう!
(町山智浩)
で、画廊に飾ってね、その鏡を。で、そこの説明文を見ると、”これはキャンディマンっていう伝説があって、5回唱えるとキャンディマンが出てきます。”って書いてあるアートなんですよ。
(山里亮太)
はいはいはい。
(町山智浩)
それを飾っちゃった為に、本当にキャンディマンが現れるという話なんですけど。
(赤江珠緒)
あらーっ!
(山里亮太)
あぁやだ絶対に怖いやつだ。
「ジェントリフィケーション」という問題を描いた社会派ホラーでもある
(町山智浩)
もう怖いやつなんですけど、ただね、これね、アメリカにおける「ジェントリフィケーション」っていう問題を描いた社会派ホラーでもあって、これね、中に出てくるそのキャンディマンが実際に出てきたのは、その黒人がリンチされた黒人のその貧困層住宅というものがシカゴにあったんですね。プロジェクトというんですが。それが壊されて、すごい高級なコンドミニアム。高級なタワーマンションになっちゃってる時代の、今の話なんですよ。
(山里亮太)
ほうほう。
(町山智浩)
で、その黒人達もみんな豊かになって、そこに住んでね。で黒人達のその非常に悲惨な歴史っていうものをみんな忘れてると。言う所でキャンディマンが蘇ってくるっていう物語になってるんですけど。
(山里亮太)
はーなるほど。
貧しい人が追い出されている現実
(町山智浩)
で、これはね、アメリカ各地で今ね、そういったハーレムとか・・ニューヨークにはハーレムっていうまぁ黒人地区があるんですが、そういう所も今、高級住宅地になっちゃってるんですよ。
(赤江珠緒)
へぇ〜!
(町山智浩)
で、貧しい人達はそこに住めなくなっちゃったんですよ。
(赤江珠緒)
あぁ・・時を経て変わってきてるんですね、そういうとこもね。
(町山智浩)
そうなんですよ。もうどんどんどんどん追い出されてる。さっきも言ったように、だからホームレスが増えてるんですよ。その、年収400万円あってもホームレスになっちゃうんですよ、大都会だと。アメリカだと。高級住宅ばっかりになっちゃってるから。そういう事も描いている非常に深い映画がこの『キャンディマン』ですね。
※書き起こし終わり
○○に入る言葉のこたえ
②キャンディマンは、黒人の幽霊