スペンサー ダイアナの決意の町山智浩さんの解説レビュー
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映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)で、『スペンサー』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。
町山さん『スペンサー』解説レビューの概要
①ロサンゼルスにはストリンガーという、テレビ局の代わりに現場取材し映像を売るビデオジャーナリストがいる
②町山さんが取材に同行したストリンガーは元々○○○○○をしていた
③スペンサーはイギリスの皇太子妃だったダイアナさんの旧姓
④パパラッチに追われ交通事故で亡くなったダイアナさんが離婚を決めた時のドラマ
⑤1991年クリスマス、ロイヤルファミリーが1つの別荘に集まり年末年始を共に過ごす
⑥別荘に行ってまずする事が、○○○
⑦ダイアナさんは拒食症になっていた
⑧イギリス国王ヘンリー8世の妻、アン王女の悲惨な出来事について
⑨ホラー映画シャイニングとスペンサーの共通点
⑩ダイアナさんを演じる女優クリステン・スチュワートのキャスティングが面白い
※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。
ロサンゼルスからのご出演
(赤江珠緒)今日は町山さん、出張中という事でロサンゼルスからのご出演です。もしもーし町山さーん?
(町山智浩)はい町山です。よろしくお願いします。
(山里亮太)お願いしまーす!
(赤江珠緒)町山さんなんでロサンゼルスにいらっしゃるんですか?
(町山智浩)えっと、テレビ番組を僕やってますんで、『町山智浩のアメリカの今を知るTV』と。いうので。
(山里亮太)はいはい!
(町山智浩)それで、ちょっと”ストリンガー”という物の同行取材をしてるんですよ。
(山里亮太)ストリンガー?
職業ストリンガーとは?
(町山智浩)ストリンガーと言うのはね、テレビ局の代わりに取材に行って、現場撮影をして、それをテレビ局に売るフリーのなんて言うかビデオジャーナリスト達ですね。で、具体的にはね、まぁ夜テレビ局っていうのは動いてないですから、彼らが夜に起こった事件を全部カバーするんですよ。
(赤江珠緒)うん!
(町山智浩)で、交通事故とか・・まあ大抵犯罪は夜起こりますよね。で、警察の無線を傍受しまして、警察が無線で”ドコドコで事件が起こってる”とか言うじゃないですか、銃撃とか。そこにどこよりも早く駆けつけて、そこでカメラを回して、現場のビデオを撮って、テレビ局に競売にかけさせる、オークションでその映像を売るんですよ。
(山里亮太)へぇ〜!
(町山智浩)っていう仕事があって、映画にもなってるんですけど。『ナイトクローラー』っていうタイトルで、ロサンゼルスだけで成立してて他の所にいないんですね。
(町山智浩)やっぱりロサンゼルスはね、犯罪がすごい多いですからね、ギャングがいっぱいいてね。それでやっぱ広いから、車で逃げるんですよ。犯人がね。するとカーチェイスになるんですよ。そういう事もあって、あと銃を持ってる人がすごく多いので、銃撃戦も多いので。で、この商売はね、他は世界中のどこにもないみたいですね。
(赤江珠緒)そうですね。まぁ一応ね、夜も放送局って人がスタンバイしてて、誰か何かあったら行くとはなってますからね。
(山里亮太)それ専門のって人は聞かないですね、確かに。
(赤江珠緒)でもそれよりも早く、いち早くって事か。
(町山智浩)そうそうそうそう。テレビ局は基本的には夜中あんまりアメリカの方は動いてないらしくて。
(赤江珠緒)あぁそうなんですね。
(町山智浩)カメラマンとかはその人達に任せて、買うんですよ。で、その人達の車にずっと乗ってですね、警察無線を聞きながら、何が起こるかなって待ってるっていう変な仕事でしたよ。で、結構”銃撃があった”とか警察から聞こえる訳ですよ、無線からね。すると僕は「行かないでいいの!?」って言うと、「ただの銃撃だろ?銃撃なんて日常茶飯事だから。5分に1回起こるからいちいち行けねえよ。」って言われた。(笑)
(赤江珠緒)えーー!!
銃撃なんて日常茶飯事
(町山智浩)そう。で、誰かが撃たれて亡くなったとか、そういう時に初めて動くんですよ彼ら。
(赤江珠緒)そうなんだ。。
(町山智浩)あと交通事故とかも、どのくらいのクラッシュかによって行ったり行かなかったりするんですけども、ちょうど僕が行った時は、たぶん車泥棒かなんかあって、警察のチェイス、追跡が始まったんですね。だからそれはね、すごく同行して、そのカーチェイスに参加できたんですけど、はい。そういうのを今度、僕の番組でやりますんで。でね、その、やってた彼に・・マーク君という彼に「なんでこんな事してんの?」って聞いたら、元々はパパラッチというのをやっていた人なんですよ。
(赤江珠緒)はい!うん。
パパラッチブーム
(町山智浩)パパラッチはだからセレブですね、スターとかが、なんかスキャンダルを起こしたりすると、その人の周りにまとわりついてですね、彼氏と結婚するみたいな事があると2人でいる所を撮ったりとかね、そういう事をして週刊誌とかに売るという仕事があって最初はそれをやってたんですけども、段々パパラッチブームがなくなってっちゃったらしいんですよ、アメリカで。
(赤江珠緒)ふーん!うん。
(町山智浩)そう。それはね、1番それを買ってくれるのが週刊誌だったんですよね。タブロイド紙とかね。それがね、アメリカ滅んじゃったんで、買い手がいなくなっちゃったんですよ。で、テレビ局にそういう事故とか銃撃戦を売るというね、仕事に切り替えたんですけれども、やっぱりね、セレブとかを追跡するっていう事自体があんまり良くない事なので。
(赤江珠緒)そりゃそうですねぇ。
(町山智浩)ねぇ。ブリトニー・スピアーズさんとかはね、それで追われているうちに、自分の父親から彼女はおかしいって決めつけられてね、個人としての権利を全部失うというね、事態にもなりましたからね。
(赤江珠緒)そうですよね。
スペンサーはダイアナさんの旧姓
(町山智浩)彼はね、そのスターの追っかけみたいな事はね、もうやめようかなって事でやめたと言ってましたけど。今日、紹介する映画はね、結構そういう話なんですよ。『スペンサー』っていうタイトルの映画なんですが。
これね、スペンサーってなんなんねん?って思う訳ですけど。これね、あのイギリスの皇太子妃だったダイアナさんいますね。プリンセス・ダイアナ。の旧姓ですね。結婚する前はダイアナ・スペンサーだったんですね。
(赤江珠緒)そうか!そうね、ダイアナさんっていえばもうパパラッチって言うぐらいね。
(町山智浩)そうなんですよ。ダイアナさんはね、フランスでパパラッチに車で追われてチェイスになって、交通事故で亡くなると。
(赤江珠緒)ね、そういう悲劇でしたよね。
パパラッチに追われ交通事故で亡くなったダイアナさんが離婚を決めた時のドラマ
(町山智浩)1996年に36歳で亡くなったんですけども。まぁそういう事もありましたね。で、この映画『スペンサー』はね、ダイアナさんが離婚を決めた時のドラマなんですよ。
(山里亮太)ほう。
(町山智浩)で、離婚自体はですね、結構後の事なんですけども。その離婚しよう!別居しよう!という事を決めるに至る葛藤を描いています。で、これはですね1991年のクリスマスに、イギリスの王族の人達がその1ヶ所に集まって暮らさなきゃなんないんですよ毎年。
(赤江珠緒)ふーん。うん。
1991年のクリスマスの話
(町山智浩)ロイヤルファミリーがそのエリザベス女王のですね別荘の、サンドリンガム・ハウスという所にみんな集まって、そこで何日間かを、クリスマスから年明けぐらいまでね、一緒に暮らさなきゃならないという伝統がありまして。そこにそのダイアナさんが行かなきゃならない。ただその時すごくダイアナさんはつらくて・・と言うのは、その旦那さんがね、チャールズ皇太子がその頃、まぁ有名なんですけども、昔から付き合ってた女性との婚外の関係が発覚しましたね。カミラさん。で既に報道されているというという状態で、一緒に暮らしてても、もう完全に仮面夫婦になっていると。その状況でエリザベス女王と一緒に暮らさなきゃなんないんですよ。だからこれはきついと。
(赤江珠緒)そうですね。
(町山智浩)はい。で、その何日間かの物語を描いているのがこの『スペンサー』という映画ですね。で、このまずね、別荘に行くところが結構きついんですよ。中に入るとですね、いきなりね体重計があるんですよ。で体重を測られるんですよ。
(赤江珠緒)なんで?
別荘に行ってまずする事が、体重計で体重を測る
(町山智浩)なんで!と思うんですけど、クリスマスの間、いっぱいご馳走を食べて幸せだったら体重が増えるはずだと。
(赤江珠緒)いやいやいや。(笑)
(町山智浩)そういう決まりらしいんですよ。
(赤江珠緒)そんな短期間で太れと?じゃぁ。
(町山智浩)太れと。だから最低でも3パウンド増やさなきゃいけないっていう決まりがあるらしいんですよ。
(赤江珠緒)いやそれは体質にもよるし・・。
ダイアナさんは拒食症になっていた
(町山智浩)そう。ね。ところがこの時ですね、ダイアナさんはいわゆる拒食症になってるんですよ。これ結構報道されたんですけど、まぁ食べても吐いちゃうという状態で、だから体重は増えないんですね。そうすると「あなたは幸せじゃない!」「幸せじゃないのは良くない!」っていう事で、もう居場所がなくなっちゃうんですよ。ロイヤルファミリーの間で。そういうね、まぁ非常に困ったプレッシャーの中でこのクリスマスの日々が始まるんですけれども。まずネックレスをするんですね、ダイアナさんが。すごい巨大なパールの真珠のネックレスなんですけど、それと同じネックレスをカミラさんがしてる写真を見たっていう事で、どうも同じ物を旦那が両方に贈ってたみたいだと。
(赤江珠緒)かー・・。
(町山智浩)で、そのネックレスをしなきゃいけないって言われるんですよ。食事する時にね。するともう、ご飯を食べる気にはなんない訳ですよ、つらくて。そこで彼女はだんだん幽霊を見始めるんですよ。その幽霊というのは、アン・ブーリンというですね、お妃の幽霊なんですね。
(赤江珠緒)うん。
(町山智浩)で、このアン王女というのは非常に有名な人でですね、イギリス国王でヘンリー8世という人がいたんですよ。
(赤江珠緒)はいはい。
イギリス国王ヘンリー8世とアン王女
(町山智浩)で次々と結婚離婚を繰り返してた事で有名で、それまで・・ヘンリー8世まではイギリスはカトリックだったんですよ、宗教がね。離婚する為にカトリックは離婚を許してないんで、カトリック教会から離脱して、いわゆる英国教会というですね、プロテスタントに移行した事は有名な話なんですけども。そこまでやって、つまりそのローマ法王に逆らってまで前の奥さんと離婚して、このアン・ブーリンさんと結婚したんですけどヘンリー8世は。・・すぐ飽きちゃったんですね。
(赤江珠緒)うわぁ。。
(町山智浩)で、そのアン・ブーリンさんの侍女だった女性に手を付けて、で、彼女の方を好きになっちゃって、ところがまぁ2度もそんな感じで離婚できない訳で。でヘンリー8世が考えたのは、「アン・ブーリンを殺せばいいんだ」っていう事なんですよ。
(赤江珠緒)もうヘンリー最低だな。
かわいそうなアン王女の悲劇
(町山智浩)最低なんですよこの人ね。で、どうしたかと言うと、このアン・ブーリンさんが他の男と密通していると。というまぁ濡れ衣を着せて。そしてまぁ自分をね、暗殺して亡き者にしようとしていると。いう濡れ衣を着せて、国家反逆罪という事で、離婚をしたいだけの奥さんを斬首して、首を切って殺してるんですね。はい。それがまぁかわいそうなアンさんの話なんですけど、ただこのヘンリー8世とアンさんの間に生まれたのがエリザベス1世なんですよ。エリザベス1世というのは、それまでイギリスっていうのはワン・オブ・ゼムの、ヨーロッパのいくつかある国のうちの1つだったんですけど、エリザベス1世の時に殆ど全世界を支配するという巨大な大英帝国を築いたんですよ。
(赤江珠緒)そうですよね。偉大な女王。
(町山智浩)そう。偉大な女王を産んだ人がこのアンさんなんですけど、まぁ彼女自身は夫に首を切られて死んでるんですよね。ひどい話なんですけど。その霊をダイアナさんは見るようになるんですよ。要するに自分も、嫁入りしたけれども、元々愛がない結婚だったし。で、他の女を皇太子は好きだから、私も殺されるんじゃないかっていう妄想にとりつかれていくんですよ。そういうね、一種のホラー映画ですね。
(赤江珠緒)ふーん。
(町山智浩)で、『シャイニング』というホラー映画がありまして。
(山里亮太)はいはい!
(町山智浩)スティーヴン・キングが書いた幽霊屋敷物でですね、巨大なホテルに冬の間ですね、雪で閉じ込められてるホテルの番をする事になった夫婦が、だんだん幽霊に取りつかれていくという映画なんですけども、それに非常によく似てますね、この『スペンサー』っていう映画は。
シャイニングとスペンサーの共通点
(町山智浩)一種のホラーみたいになっています。で、このアンさんのですね、霊を見て自分もそうなるんじゃないかって思ってるうちにですね、だんだん拒食症と過食症の繰り返しでおかしくなっていくんですけども、ダイアナさんはね。で、このダイアナさんを演じてる女優さんがですね、クリステン・スチュワートという女優さんで、この人は若い子にすっごく人気がある人なんですけど、どうしてかって言うと、『トワイライト』っていうシリーズの主役だったんですよ。で、『トワイライト』っていうのは1人のそのクリステン・スチュワート扮する女性と、彼女を愛する吸血鬼と、狼男の取り合いという三角関係というドラマだったんですね。で、ハンサムな吸血鬼とハンサムな狼男の両方からモテモテっていうラノベのような・・ラノベですね。(笑)
(赤江珠緒)ハハハ、そうですね、そのね、設定は。
ダイアナさんを演じる女優クリステン・スチュワートについて
(町山智浩)設定はね。それですごい人気が出て。ただ、彼女自身もすごいスキャンダルと、まぁパパラッチに追われて大変だったんですよ。で、その吸血鬼役の・・ヴァンパイア役をやっていたロバート・パティンソンっていう俳優さんと付き合ってたんですけども。まぁ別の映画の監督と浮気して別れたとか、結構スキャンダルの女王みたいになっていっちゃったんですよ、このクリステン・スチュワートさんは。だから彼女がこのダイアナを演じてると、すごくダブってくるんですね。見てると。本人も色々苦労して。で、バイセクシャルだったりしてね。付き合ってる人が女性になったりとかしたり。クリステン・スチュワートは。この人ね、色々と面白くて。殆どの映画でですね、演技してないんですよこの人ね。だいたい同じなんです、キャラが。そう。なんていうかですね、非常にその・・例えばこう一生懸命やらなきゃ!っていう感じじゃなくて、「えっ?めんどくせっしー・・」みたいな感じなんですよ。かったるいし!みたいな、ちょっと何ていうかヤンキー入ってる感じがね。
(赤江珠緒)あぁそうなんだ、そういうタイプの人がでも、ダイアナさんをやるんですか?
(町山智浩)そういうタイプの人なんです。だからダイアナさんをやるっていうのは面白いキャスティングなんですよすごく。ダイアナさんはほら、どんなにつらくてもしょうがないって。ねぇ。しょうがないですよねぇ王妃になる人ですからね。それこそ、クイーンになるような所に自分の意志じゃなくて、はめ込まれてしまって、その中で苦しんでたという人の役を、こんな「うるせっしー」みたいな事を言ってる人がね、女優さんがやるっていうのはすごく面白いんですよ。だからね、時々、クリステン・スチュワートが出てくるんですよ。だから例えば、この映画の中でダイアナさん結構ね、何回かですよ「ファック」って言うんですよ。
(赤江珠緒)ええっ!
ダイアナさんがファック?
(町山智浩)それはないよなって思ってたんですけど。(笑)言ってたのかもしれないけど、「ファック」は言わないんじゃない?っみたいなね。とかもあってね、そこも面白いですよ。あとね、ずっとお付きの人がついてまわるんですね。で、服もね、自分で選べないんですよ。ものすごい数の服を持ってるんですけど、この時はこれを着きなさい。これを着なさい。これ着なさい。ってドレッサーがいて、着付け係がいて。で決めてくんで、選べないんですね。で、まぁ私もうこんな気持ちじゃないから本当は黒着たい!みたいな感じなんですけども、「黒なんか絶対ダメです!それは人が死んだ時しか着れません!」とか言われたりするんですけど。ただね、あんまりあんまりこう、その人達、お付きの人達がまとわりつくんでね、クリステン・スチュワート演じるダイアナさんはですね、「ちょっと出てってよ!オナニーするんだから!」って言うんですよ。
(赤江珠緒)ええっ?
(町山智浩)言わねえだろそれは!!(笑)っていう所もあってね、すごく面白いんですけど。これ日本じゃ作れないよね。
(赤江珠緒)そうですね。だってそのポスターの写真だけ見たら、すごくダイアナさんっぽい感じに・・寄せてますもんね。
(山里亮太)ねぇ、似てるね。
(町山智浩)そう。すごく物憂げなね、雰囲気とかがね。でもね、そのチラチラッと出てくるクリステン・スチュワート性がすごく面白いんですよ。うぜぇし!みたいなのが出てきててね、面白いんですけど。ただ、こういう話を日本で作れるかなって思うんですよね。これすごいですよね。だって、勝手に想像してるんですよ?
(赤江珠緒)そういう事ですよね。
真実は誰も知らない
(町山智浩)だって、事実なのかな〜?という風に思うところもあるんですけど、彼女が1人きりのシーンがすごく多いんですよ。要するに孤独だから。周りにいっぱいこう、たくさんお付きの人とかロイヤルファミリーに囲まれてはいるんですけれども、心がものすごく孤独な訳ですよ。で、1人になってこうしましたっていう所が何ヶ所かあるんですけど、ダイアナさんが1人で何かしたのかなんて誰も知らない訳ですから。
(赤江珠緒)そうですね。
(町山智浩)だからすげえ想像で膨らませているんですけど。これはね、イギリス独特ですね。例えばね、『クイーン』っていう映画があるんですよ。これは、ダイアナさんが交通事故で亡くなった後に、そのエリザベス女王が1週間ぐらい追悼の意を示さなかった事があるんですよ。
(山里亮太)ほーお!
(町山智浩)それはね、ダイアナさんがああいう離婚とかでスキャンダルになったんで、彼女が悪いんだ、我慢しなかったから悪いんだみたいに女王が思ってて・・エリザベス女王がね。でも、国民はみんなダイアナさんを愛してるから。女王陛下がちゃんと追悼の意を示してくださいとね。言って、その頃の英国のブレア首相が説得するっていうドラマだったんですね。それが『クイーン』という映画だったんですよ。それでも、その女王が1人で色々考えたりするシーンとかいっぱいあるんですけど、誰も見てないし知らない訳なんだから、全部作ってる訳ですよそれ。
(赤江珠緒)そうですよねぇ。しかも今、今のねぇ女王のをね。
メーガンさんの王室離脱
(町山智浩)だからそういう点でね、すごくイギリス独特のねぇ、許されるんだ、これが許されるんだ、開かれた王室というのはこういうものなのかとも思うんですけど。それでも一方でこの間ね、ダイアナさんの息子さんのね、ヘンリー王子の奥さんが実はイジメがあったってね。メーガンさんが告白したりね。
(赤江珠緒)王室離脱っていう事がありましたね。
(町山智浩)そう結局王室離脱するっていう事があったりしてね。まぁ色々考えさせる映画でね。今すごく裏でですね、ポップな音楽かかってますけど、この映画ではこれがかかるところがもうスカッとするシーンなんですよ。
〜音楽〜
(赤江珠緒)この曲がかかるシーンがあるんですね。
(町山智浩)はい。これはね、「僕がほしいのは奇跡だ」っていう歌なんですね。で、これはあの、途中で息子さん2人とダイアナさんが「何が欲しい?」「奇跡なの!」っていう所と結びついてくるシーンなんですけども。このシーンは超スカッとするんですが、この曲が流れる所は、まさかそんな事ねえだろうと思う事をします!ダイアナさんは。それはねえだろうって思うんですけど、それは本当にあった事なんです。
(赤江珠緒)へ〜!
日本も似たようなもの
(町山智浩)はい。これは是非、映画をご覧になって見て頂きたいなと思いますけども。ただね日本もなんか似たような物じゃないですかその、まぁ芸能関係の人達がね、皇室の人を追っかけ回してね。ニューヨークまで追っかけ回して。で、旦那がスター・ウォーズの靴を履いてたとかどうとか・・スター・ウォーズの靴ぐらい履くよ!普通。
(赤江珠緒)そうですよね〜本当に。
(町山智浩)スター・ウォーズの靴履いている奴に悪い奴いねぇと思うんですけども。(笑)それは個人的な意見ですが。はい。ましてや皇室を離脱したのに追っかけ続けて、それは私人に対する完全な違法行為ですからね。
(赤江珠緒)人権の問題になってきますよね。
(町山智浩)人権の問題ですからね。もういい加減にしてほしいと思うんですけど週刊文春はね。って俺連載してるんですけど。(笑)本当に、連載者の1人として抗議しますよ。眞子さん問題とかもうやめろと思いますが。という事で、色んな事を考えさせられる映画、『スペンサー』は来年公開です。
(赤江珠緒)はい。そうですね。日本では来年2022年公開予定という事です。はい。町山さん、ありがとうございました。
(山里亮太)ありしたーっ!
(町山智浩)どもでした!
※書き起こし終わり
○○に入る言葉のこたえ
②町山さんが取材に同行したストリンガーは元々パパラッチをしていた
⑥別荘に行ってまずする事が、体重計で体重を測る