ただ悪より救いたまえの町山智浩さんの解説レビュー
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映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)で、『ただ悪より救いたまえ』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。
町山さん『ただ悪より救いたまえ』解説レビューの概要
①韓国バイオレンス映画『ただ悪より救いたまえ』
②ファン・ジョンミンとイ・ジョンジェがまたコンビを結成
③イ・ジョンジェは『○○ゲーム』にも出演
④殺し屋のファン・ジョンミンが娘を救うためタイのバンコクへ
⑤娘を探す過程でイ・ジョンジェの兄を殺害する
⑥イ・ジョンジェは完全な殺人マシーン役
※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。
韓国バイオレンス『ただ悪より救いたまえ』
(町山智浩)(『レイジング・ファイア』の紹介に続き)でもう1本ですね、香港映画はね、最近こういうアクション映画は少なかったんですよ。韓国バイオレンスに押されちゃってたんで久々の香港バイオレンスなんですけども。それに対してやっぱり韓国バイオレンスがですね、今は俺たちだぜって感じでガンとぶつけてくるのがですね、やっぱり24日クリスマス公開のですね、『ただ悪より救いたまえ』っていう映画なんですよ。
(赤江珠緒)ほう。
(町山智浩)これはね、すごくて。出演はね、ファン・ジョンミンという人で、この人は『アシュラ』というノワール物で、ものすごい凶悪な汚職市長を演じてた人なんですけど。
この人が昔『新しき世界』っていう映画で、
友情を結んだ潜入刑事の俳優さんがいて、この人はイ・ジョンジェという俳優さんなんですが、その人とまたコンビを結成するんですね。これすごいのは、イ・ジョンジェって人ね、『イカゲーム』の人ですよ。
ファン・ジョンミンとイ・ジョンジェがまたコンビを結成
(山里亮太)あーーー!!
(赤江珠緒)今大ヒットの。うん。
(町山智浩)『イカゲーム』見ました?
(山里亮太)見ました!
(町山智浩)あの情けな〜いほら、お父さん。
(山里亮太)はいはい!ね〜あの、歳取った母親からお金をくすねてギャンブルに行くような・・。
(町山智浩)そうそう、それでもう娘に会いたいんだけど金がなくて会えなくて、それであの殺人ゲームのイカゲームに参加しちゃうかわいそうな、なんていうかリリー・フランキーを若くしたみたいな感じの人。
(山里亮太)はいはい!あの方が!あぁ、確かに。(笑)
(町山智浩)ね〜似てるでしょう?
(山里亮太)似てます!
(町山智浩)あの情けない・・あの人がイ・ジョンジェっていう人なんですけど、あの人実は他の映画ではめっちゃくちゃイケメンなんですよ。
(山里亮太)そうなんだ・・!
(町山智浩)で実は筋肉がブリブリなんですよ、あの体は。
(赤江珠緒)ブリブリって言う・・。なるほど。(笑)
ファン・ジョンミンさんは色んな映画に出ている
(町山智浩)すごいんです。で、これね、まずねこのファン・ジョンミンさんはね、顔見るとね色んな映画に出てるんでね、もうみんなわかると思うんですけど、『哭声 コクソン』とかにも出てますね、はい。
この人がね、韓国の政府の下でですね、暗殺とか拷問をやっていたプロなんですね。ところがもう、韓国側がやっぱりそういうのを国としてやってるのはちょっとマズいっていう事で、どっかへ飛べって事になって日本に逃されるんですよ。で、その時まぁ奥さんとかになる人もいたんですけど、それを捨てて日本に潜伏してるんですが、日本でもやっぱりその腕を生かして殺し屋をやってて。で、豊原功補さんが演じるですね、ヤクザをですね暗殺したりしてるんですけども、その殺し方もすごくてね。こう日本語でね、「静かにしてね。静かにしてね。」って言いながらこう殺していくんですよ。1人、1人。
(赤江珠緒)やめてやめて〜・・うん。
暗殺と拷問のプロであるファン・ジョンミン
(町山智浩)怖いんです、このファン・ジョンミンがね。で、そうやってると、韓国から連絡が入ってくるんですよ。で、どうしたのかってしたら、君のね、婚約者が・・実はタイのバンコクに行ったんだけど、殺されちゃったんだと。で、実は君の子供を向こうで産んでいて、君の娘は今9歳になるんだけど、行方不明になってると。その娘は誘拐されて、どうも、タイの子供売買組織にさらわれているらしいと。警察と結託したものすごく巨大な、子供売買組織がある、そこに自分の娘がさらわれてると。だから、もうこのファン・ジョンミンが暗殺と拷問のプロなんで、娘を探す探す為にタイに入ってですね、片っ端から娘の手掛かりを追って殺しまくって壊しまくるんですよ。
(赤江珠緒)わあっ!
(町山智浩)クリスマスでしょう・・?
(赤江珠緒)いやいやいや。(笑)
(町山智浩)メリークリスマス!っていう感じしません?
(山里亮太)イメージがもうバイオレンスなんだよな、町山さんのクリスマス。
(赤江珠緒)ほんとよ〜。
娘を救う為にタイのバンコクへ
(町山智浩)ところがね、最初にそのファン・ジョンミンが殺したヤクザにですね、弟がいたんですね。ものすごいその弟が、なんと、イ・ジョンジェなんですね。実はそのイ・ジョンジェは、完全な殺人マシーンなんですよ。で、俺の兄貴を殺したのは誰だ!って言って片っ端から殺してって拷問をしていくんですね。
(赤江珠緒)うわ。
(町山智浩)で、とうとうそのファン・ジョンミンが自分の兄を殺した敵だって気が付いてですね。彼はバンコクにいるんだ。という事でバンコクに彼を追ってくんですよ。で、やはりそのファン・ジョンミンのいる先々で、人を殺していくというですね、まぁこれすごい事になってて、『レイジング・ファイア』もそうですけども、どっちもその、『キングコング対ゴジラ』みたいな話なんですよ。で、他の人達はみんなキングコングとゴジラの足元で踏み潰される人達ですね。
(山里亮太)わぁ、そういう事か・・。
(町山智浩)たくさんの人が踏みつぶされてるんですけど。
(赤江珠緒)巻き添えみたいな人がいっぱいいるんだ。
(町山智浩)巻き添えで。で、全然気にしてないんですね、そのキングコングとゴジラは。で、まぁ延々と戦いが続くという、とんでもない映画がね、この『ただ悪より救いたまえ』という映画なんですけども。
(赤江珠緒)これも12月24日から公開。
(町山智浩)12月24日、クリスマス・ダブルバイオレンスですよ!
(山里亮太)ははははは!(笑)
(町山智浩)これね、すごいなと思ったのはね、このさらわれた娘の名前がユミンって言うんですね。だからちゃんとユーミンも入ってるんですよ。
(赤江珠緒)いやユーミンを急に入れないで!(笑)
(町山智浩)『恋人がサンタクロース』なんですよ、これ。ねぇ。サンタが殺しにやってくるっていう感じなんですけど。まぁ〜すごい。これ2本ね、続けて見るといいと思いますよ。
(山里亮太)濃厚だな〜。
(町山智浩)『レイジング・ファイア』と『ただ悪より救いたまえ』を。でね、数えると・・よく道端で数えてる人いますけど、あれ持ってってね、何人死ぬか数えるといいと思いますよ。
(赤江珠緒)そんなに!
(町山智浩)すっごい死ぬから。でね、『ただ悪より救いたまえ』の方もね、手榴弾をやたらと使うんですよ。手榴弾をバンバン投げるんですよね。これね、見ながらね、あぁ韓国映画と香港映画はまぁすごいわと。これ日本映画に何が足りないのか、よくわかりましたね。
(赤江珠緒)そうですか・・。
日本映画に足りないものは手榴弾
(町山智浩)日本映画に足りないものは、手榴弾です!
(赤江珠緒)はははは!
(山里亮太)あ、シンプルにね!
(町山智浩)手榴弾が足りないんだって事が本っ当によくわかった!
(赤江珠緒)手榴弾、確かにあんまり見ないな、最近。
(山里亮太)いや出し所難しくないですか、手榴弾。
(町山智浩)この1年ぐらい、色んな映画あったじゃないですか。ねぇ。で、思い出してみると、手榴弾がどれだけ爆発したか、日本映画で。
(山里亮太)日本映画でヒットした物の中で・・。
(町山智浩)ほとんど思い出せないですよ、手榴弾。
(山里亮太)出て来ないですね。
(町山智浩)こういう事で日本映画はいいんだろうか?手榴弾なしに日本映画このままやってくんだろうかって俺今日、酒入ってますね、すいませんでした、はい。(笑)
(赤江珠緒)不思議な所にたどり着いた結論ですよ、町山さん。(笑)
(町山智浩)いや、本当にね、これはもう勝てないわと思いましたよ。
(赤江珠緒)まぁそれぐらいもう・・すごいアクション映画になっちゃってるんだ。
(町山智浩)これでね、やっぱりね、デートで『レイジング・ファイア』とね『ただ悪より救いたまえ』を見てね、「あぁ、もう私もう、メロメロ!どっか行きましょう!」ってなりますよ、これ。
(赤江珠緒)はははっ!なるかなあ?(笑)
(山里亮太)でもそうなったら結構長く付き合えると思うよ、趣味ドンピシャだから。
(町山智浩)でボコボコにされたりするんですよね。(笑)彼女が、「はぁ〜やる?」とか言ってボッコボコにされて。(笑)
(山里亮太)気合入っちゃって。(笑)
(町山智浩)というね、まぁすっごい映画2本ですね。
(赤江珠緒)そうですね。今、聞いただけですごいなっていう事がわかりましたね、はい。
※書き起こし終わり
○○に入る言葉のこたえ
③イ・ジョンジェは『イカゲーム』にも出演