ハウス・オブ・グッチの町山智浩さんの解説レビュー
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映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)で、『ハウス・オブ・グッチ』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。
町山さん『ハウス・オブ・グッチ』解説レビューの概要
①『ハウス・オブ・グッチ』と言うのは”グッチ家の一族”という意味
②家族経営していたグッチ一族が90年代に権利を争い最終的には○○○○に発展して崩壊してしまった
③パトリツィアを演じるレディー・ガガさんのセックスシーンがすごい
④結婚が認められずグッチ家から出る事に
⑤孫が出来、グッチ家に戻る事を許されるもズサンな経営に気付く
⑥グッチを心配したパトリツィアは占い師にハマり経営の権利を握ろうとする
⑦ダメ息子のパオロを煽り、総帥である父を脱税で通報する
⑧次にパオロをも排除する
⑨離婚してしまったパトリツィアは元夫までも殺害しようとする
⑩すべて実話で、パトリツィアは懲役29年の刑となる
⑪グッチの関係者はどう思っているのか
※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。
『ハウス・オブ・グッチ』町山さんの評価は
(町山智浩)今日紹介する映画は、今週だと思うんですけど1月14日から日本公開の映画で『ハウス・オブ・グッチ』!紹介します。『ハウス・オブ・グッチ』って言うのは”グッチ家の一族”という意味ですけど。グッチってアレですね、イタリアのファッションブランドですけども。
(赤江珠緒)はい!
(町山智浩)そこはまぁ家族経営してたんですねグッチ一族という所で。で、彼らがですね90年代に、権利を争って。家族同士で。最終的には殺し合いに発展して崩壊してしまったと。
(山里亮太)ほぉ〜〜・・。
(町山智浩)と言う実話を映画化した物がこの『ハウス・オブ・グッチ』ですね。で、1番話題になってるのはレディー・ガガさんが、そのパトリツィア・レッジャーニと言うんですが、グッチ家のお嫁さんを演じて、まぁすごい演技という事で話題になってます。
レディー・ガガの演技が話題に
(町山智浩)で、グッチ家についてはですね、元々靴屋さんでカバンとかを作ってたんですけども、アルド・グッチと言う人がですね、まぁ世界的なブランドに発展させたんですけども。ところがですね、70年代に、グッチ家のロドルフォという五男、アルドの弟の人の息子さん、のマウリツィオと言う人と、このパトリツィアが出会って結婚するところから始まります、この映画は。
(赤江珠緒)あぁそのマウリツィオはグッチ創業者の孫って言う事ですね。
(町山智浩)そうですね。この人をアダム・ドライバーという『スター・ウォーズ』でカイロ・レンを演じているですね、俳優が演じて。彼はあんまりグッチ家を継ぐ気がなくて弁護士になろうとして、大学で法律を学んでるんですけども、パーティーでパトリツィアと出会うんですね。レディー・ガガさんに。2人ともまだ20代なんですけども、はい。で、グッチって言う名前を聞いて、「あっ!グッチの所の御曹司だわ!」って言う事で、もうグイグイ押して押してくんですよ彼女が。
(山里亮太)ほぉ〜〜!
(町山智浩)もうなんか、追っかけ回すんですけど、「偶然ね!これって、運命よ!」とかなんとか言って。(笑)運命じゃねえよ、お前!みたいな。で彼と仲良くなって結婚しようとするんですが、グッチ家からは反対されるんですよ。って言うのは、庶民じゃないかって事なんですね。
(山里亮太)ほぉ〜〜!
(町山智浩)このパトリツィアの家はトラック会社なんですけど、運送屋さんなんですよ。そんなとこの嫁なんかもらえないよみたいな事を言われるんですねお父さんに。で、その時に、このマウリツィオは「じゃか家を捨てるよ」って家捨てたんですよ。
(赤江珠緒)グッチから出ちゃった?
(町山智浩)グッチ家から出て、そのパトリツィアの家がやってる運送屋で働くんです、汗水を垂らして。
(赤江珠緒)へー!
恋人を優先してグッチ家から出る
(町山智浩)いい話だなと思うんですよね!ここまでは。
(赤江珠緒)でもパトリツィアとしては、そうじゃないんだって言う感じじゃないんですか?
(町山智浩)そうなんですよ!その通り!
(赤江珠緒)ねぇ。(笑)
(町山智浩)ええっ!?じゃぁグッチ家と結婚した意味ねえじゃん!って話になってくんですよ。で、何とかグッチ家に戻そうとするんですよ。彼女が。で、その時にそのグッチ家の総帥のアルド。と言う人を説得する形になってくんですけど。このアルドを演じるのはハリウッドの大スターの大物のアル・パチーノさんですけどね。
(赤江珠緒)アル・パチーノさん!はい。
(町山智浩)『ゴッドファーザー』の。はい。
(町山智浩)で、そのアルドさんがこのパトリツィアをちょっと好きになるんですよ。まぁすごくやる気のある人だから。それで、彼の方は、マウリツィオの方は、やっぱりファッションビジネスにそのものに全然興味がなくて、貧しくても夫婦で仲暮らせればいいって言うような人なんですよ、質素な。
でも、それは違う!って事で、なんとかグッチ家のビジネスに参加させようとパトリツィアが、嫁が一生懸命するんですね。で、この映画ね、すごい変なんですけど、ものすごいセックスシーンなんですよ!
(山里亮太)おお!
(赤江珠緒)笑。
(町山智浩)もうすごい、レディー・ガガさん頑張ってるんですけど。はい。
(赤江珠緒)えー!
レディー・ガガさんのセックスシーンがすごい
(町山智浩)それでもう、メロメロになっちゃうんですけどもね、旦那の方がね、マウリツィオの方が。で、反対されてはいるんですが、とうとう正式に結婚して、ところが結婚式にね、グッチ家誰も来ないんですよ。
(山里亮太)あ〜〜認めてないから。
(町山智浩)認めてないから。あんな庶民とは結婚させん!みたいな事で。ところがね、大事なのはやっぱりアレですよ。孫。
(赤江珠緒)あーーー!
(町山智浩)孫ができたらもうね。もうね。許しますよね。嬉しいから。で、やっぱりグッチ家に戻れって言う事になって、グッチ家にマウリツィオは戻って、とうとうレディー・ガガさん、パトリツィアもグッチ家の嫁として正式に認められる形になるんですよ。で、リッチな生活が始まるんですが!これはおかしいって分かるんですね、彼女は。
(赤江珠緒)ん?
孫が出来、グッチ家に戻るも・・
(町山智浩)経営がズサンだと。で、変なグッチ商品がいっぱいあるって事に気が付いてくんですよ。そこらへんに偽グッチがいっぱいある訳ですよ。なんかグッチが作ってるはずのない物がいっぱいあって、グッチそっくりなんだけど、どうも違うとかとかね。グッチ裕三とかいる訳ですよ。
(山里亮太)それも?(笑)
(町山智浩)それは違うだろ、それグッチじゃねえだろ!って話ですよね。(笑)
(赤江珠緒)パトリツィアさんそこまで言った?(笑)
(町山智浩)パトリツィアやっぱりグッチ裕三は違うと思ったと思うんですよ。(笑)
(山里亮太)それもう僕らも気付けますからね。(笑)
(町山智浩)これね、グッチのブランドをちょっとね、色々と毀損してるぞっていう事で、そのアルドさんとか、アルドさんもう総帥なんですが、に言うんですけど、「いやそんなの気にするなよ。」と。「どうせ所詮偽物じゃないか」と。で、どうもちゃんと話を聞いてくれないしブランドの品質管理が出来てないだろうと言う話になってくんですよ。
(赤江珠緒)ほうほうほう。
(町山智浩)で、これは、誰も本気で心配をしてないけど、このグッチというブランドを本当に心配してるのは私だけだわ!と。
(赤江珠緒)意外に野望と共に、そういうちゃんとした経営の目もあったんですね。
グッチを心配し占い師にハマっていく
(町山智浩)そうなんですよ。で、ただね。その野望が出てくるのはね、彼女がね、テレビでたまたま見た占い師にハマっちゃうんですね。
(山里亮太)わー・・
(町山智浩)これもよくある話で、あの韓国のパク・クネ大統領が占い師にハマりましたけど。占い師にハマって、その占い師がね、サルマ・ハエックさんが演じてるんですけど、「あなたの方が才能あるわ!」とかね、「あなたこそグッチ家を支配するべきよ!」とか「あなたはグッチ家の女王になるべきだわ!」とか言って、やたらとなんと言うか煽るんですよ。もちろん、そうした方がお金が入ってくるからですけどね占い師としてはね。で彼女に煽られて、どんどん野望が燃え上がっちゃうんですね。で、このアルドを排除すればいいんだ。という事で。アルドさんには息子がいるんですけども、その人はあんまり才能ない感じなんですよ。パオロ・グッチっていう人で。そのパオロを、まぁ気があんまり強くない人だから、何とか騙して、父親を裏切らせようとするんですねパトリツィアは。で、ここでね、このパオロを演じている人の写真ってそこにありますか?
(赤江珠緒)ありますあります。
(町山智浩)このなんて言うか、落ち武者みたいな感じの人ですけど。この人ね、ジャレッド・レトという俳優さんが演じてるんですよ。ジャレッド・レトという人の写真がそこに手元にないと思うんですけど。
(山里亮太)ありますあります!
(町山智浩)ありますか?この人超イケメンなんですよ。
(赤江珠緒)全っ然違う!
(町山智浩)全然違うんですよ。この人はイケメンでスタイルもいいからグッチのモデルまでやってた人なんですよ?
(赤江珠緒)えー!そしてすごい長髪の。
ジャレッド・レトの特殊メイク
(町山智浩)そうそうそうそう。ロックスターですね。それを特殊メイクで、このなんと言うか、しょぼくれた落ち武者みたいな人にしちゃってるんですよ。すごいなと思って。なんにも・・そんな事をしてもいい事なんてないのにと思いますけど、役者根性なんですね。
(赤江珠緒)あらでも違和感なく本当特殊メイクですね。
(町山智浩)すごいんですよ。全然気が付かない人も多いと思いますけど。彼はまぁグッチで色んな服を作りたいんだけども、「お前のセンスは悪い。」って言われて、全然この経営に参画できないんですね。親父からも認められてないって事でウジウジしてる所にこのパトリツィア、ガガさんが来て、「あなたはね、本当はこのグッチを支配するべきよ。お父さんを排除するべきよ!」みたいな感じで煽るから、このダメ息子のパオロは、お父さんを税務署に売っちゃうんですよ。脱税で。
(赤江珠緒)あらーっ!
(町山智浩)で、このお父さんのアルド、アル・パチーノ。要するにグッチ家の総帥は、刑務所にぶち込まれちゃうんです。で、乗っ取っちゃうんですよ、経営を。
(赤江珠緒)そうなりますね、うん。
(町山智浩)この自分の旦那のマウリツィオとこのパオロで、まず経営を取るんですね。で、今度はこのパオロが邪魔になるから、このパオロを排除するという方向に向かうんですよ。
(赤江珠緒)うぅわ〜、うん。
(町山智浩)完全にこのマウリツィオとこのパトリツィアの夫婦でグッチ家を支配しようとすると言う、これ、なんて言うかシェイクスピアの『マクベス』ですね。マクベス夫人の役目のパトリツィアなんですね。ところがその『マクベス』よりももっとひどい事になっていくのは、この夫婦の愛が冷めちゃうんですよ。で、女ができちゃうんですねぇ。
(赤江珠緒)あらぁ・・。
マクベスよりひどい事に
(町山智浩)で、離婚という事になっていくんですよ。91年かな?で、まぁ離婚する時に、慰謝料がすごいんですね。子供がいたからっていうのもあるんですけども、慰謝料1億5000万円。それを毎年!
(赤江珠緒)えっ!毎年?
(町山智浩)毎年1億5000万円。ちょっと「えっ!?」っていう感じですけど。それでまぁ離婚をするんですが。彼が再婚しそうになっちゃうんですよ。再婚しちゃうと、それがが削られちゃうんですね。
(山里亮太)あっ、慰謝料1億5000万円が削られちゃう。
(町山智浩)そう。で、また権利もそっちの方に行っちゃう訳ですよ。要するに、娘はこっちにいる訳だから、娘は遺産相続人だったんですけども、向こうで再婚しちゃうと遺産相続人がさらに増えちゃうんですよ。
(赤江珠緒)まぁそうなりますね。
(町山智浩)だから再婚だけは阻止しなきゃなんないって。言ってるとまたサルマ・ハエックの占い師が出てきて、「いい手があるわよ。」って言うんですよ。「私、ヤクザさんに知り合いがいるの。」
(山里亮太)こわーー。
慰謝料の為、元夫の殺害
(町山智浩)それで、暗殺するっていう方向になってくんですよ。
(赤江珠緒)暗殺!?えー・・これ、じ、実話?
(町山智浩)これ実話なんですよ。実話だから、もう既に終わった事だし95年に大ニュースになったから言っちゃっていいと思うんですけど、ヤクザに金払って、借金を抱えたピザ屋のオヤジに銃持たせて、自分の旦那を射殺させちゃうんですよ。ひどい話なんですよこれ。ちなみに殺しの代金3000万円だったんですけど。まぁすごい事になっていくというねぇ話がこの『ハウス・オブ・グッチ』なんですけど。で、話聞くと、本当かよって思いますよね?(笑)
(赤江珠緒)そうですよね。小説じゃないんだからみたいな事になりますね本当。
(町山智浩)本当かよっていう話なんですが、本当なんですよねこれ。実話なんでね。
(赤江珠緒)慰謝料が減るって言ったって、すごい額は入りますけどね。1年にね。
すべて実話、実名でパトリツィアは懲役29年の刑となる
(町山智浩)そうですよ。でも、9000万円ぐらいになるって聞いたら、「そんなのはした金よ!」って言ってるんですね。このパトリツィアはね。すごいんですけど。でね、裁判の様子とかも結構テレビで報道されたりしてるんで、知ってる人は知ってると思いますね。この辺実話なんでね、もうネタバレとかいう話じゃないと思うんで言っちゃうとまぁ、懲役29年の刑みたいな事になるんですけどね。ただですね、再犯の恐れはないし彼女自身は凶悪じゃないですからね。まぁお金を払っただけなんでね。一応ね。で、途中で保釈をするっていう話になったんですよ。一時。で、日本と違ってアメリカとかヨーロッパには保釈の条件として、働いてね。なんて言うか介護施設とか身体障害の人達の為に働くとか、そういう汗水垂らして働く経験をさせるって言う事で減刑するという条件があるんですよ。日本にはないんですけど。これね日本でもやった方がいいと思うんですけど、いわゆる社会奉仕をすると。いう条件で保釈するよって言われたんですよ2011年に、彼女は。パトリツィアは。そしたら保釈を拒否したんですよ彼女は。
(赤江珠緒)なぜ?
(町山智浩)私ずーっとお金持ちで、働いた事ないから。刑務所のがいいわ!って。
(赤江珠緒)刑務所の方がいい?
(町山智浩)どうしてかって言うと、この人はお金・・それでも毎年1億円はもらってたから、そのお金を刑務所にぶち込んで、普通に家にいるのとほとんど同じ優雅な生活を刑務所の中でもしてたんですよ。
(赤江珠緒)えっ!そんな事をしちゃってたの?
(町山智浩)そう。で、好きな物を食べて、ペットまで飼って、フェレットかなんか飼って。で、面会も自由。で、囚人は番号で呼ばれなきゃいけないんだけど、番号で呼ばせるなって言って、パトリツィア様って言われてたんですよ、刑務所の中で。
(赤江珠緒)えっそんなのが通用するんですか?またそれも変な。
(町山智浩)金の力?ですね。でも、アル・カポネとかもアメリカで最初に刑務所に入った時はものすごい豪華な部屋にいて。毎日シェフの料理を食べてたんで、やっぱりそういう事が起こるんですね。刑務所はお金がないっていう問題もあるんで、金持ちが入ってお金をたくさん払ってくれるといいっていう問題もあるみたいですね。
(赤江珠緒)はははは、上客みたいに言わないでほしいですね。(笑)
(町山智浩)上客みたいな感じですよ。(笑)そういうね、とんでもない話なんですけど。これすごいなと僕が思うのは、全員、実名なんですよ。これって日本でなんできないんだろうなって思うんですよね。「○○家の人々」っていう事で映画にした方がいい人がいっぱい日本にもいるのにね。
(山里亮太)確かに。
グッチの関係者はどう思っているのか
(赤江珠緒)え、でもこれ、グッチの関係者の方はOKなんですか?
(町山智浩)OKじゃないです、みんな怒ってます。
(山里亮太)やっぱそうなんだ、ちゃんと。(笑)
(町山智浩)みんな怒ってますよ。ただこれは、『ハウス・オブ・グッチ』というノンフィクション小説があって、それの映画化という形だからいいんです!でも別に、それの映画じゃなかったとしても、基本的にはアメリカはこういったスキャンダル物は全部実話で、実名でやっちゃうんですよね。前に紹介した『スキャンダル』という映画ではその、FOXニュースという保守系のニュースチャンネルでね、あったセクハラ事件を全員実名でやってましたけど、それもつい1年前にあった事で、出てくる人全員存命してるのに全部実名でやってましたよね。許可なしで。
(赤江珠緒)あぁ〜そうか。
(町山智浩)一切許可なし。だからそれは”映画、芸術は自由なんだ”って言うのがやっぱりヨーロッパやアメリカのポリシーなんで。なんで日本でそれをやらないかと思うんですが、やるべきなんです!やって裁判になってそれで判例が出たらその後は全部OKになるから、誰かどこかの映画関係者やテレビ関係者が勇気を出して、裁判の危険を冒してやるべきです。実名で。で1回通ったらあとOKだから。判例になるから。誰かやらねーかおいって思いましたね、これを見て。
(赤江珠緒)ほんと。(笑)ちょっと占い師ばりに焚き付けてますけども、町山さんが。(笑)
(町山智浩)占い師さんがね、サルマ・ハエックっていうのがまたすごいんですよ。っていうのはね、サルマ・ハエックってメキシコ出身のハリウッド女優なんですけども、この人ね。フランソワ・アンリ・ピノーという人と結婚したんですね。その人の3人目の奥さんになったんですけども、このフランソワ・アンリ・ピノーっていう人はですね、総資産が540億ドルなんですよ。約5兆5000億円なんですよ。
(山里亮太)おっほっほ!
(赤江珠緒)えー!
サルマ・ハエックさんの旦那
(町山智浩)その人の3人目の奥さんになったんですけど、サルマ・ハエックは。この人のその旦那が持ってる会社って言うのはケリングっていう会社なんですね。日本でも表参道かなんかにありますけど。このケリングっていうのは高級品のブランドを、次々と買収して傘下に収めるブランド・コングロマリットなんですよ。
(赤江珠緒)うん!うんうん。
(町山智浩)で、このケリングが持ってる会社はバレンシアガとサン・ローランとグッチなんですよ。
(赤江珠緒)えーー!
(町山智浩)グッチは最終的に買収されて、サルマ・ハエックの旦那の物になってるんですよ現在は。だから占い師としてパトリツィアを煽って、グッチ家を崩壊させたサルマ・ハエックが本当の犯人だったんだって言うね。
(山里亮太)わーーーー!!
(町山智浩)前後関係めちゃくちゃですが、言ってる事の。(笑)
(赤江珠緒)なんという、そうね。でもちょっと因縁めいたキャスティングでございますね。
(町山智浩)すごい話なんですけどね。そういうね、僕もね、『映画秘宝』というブランドを立ち上げた男としてね、それが色んな事があってですね、乗っ取られたり、色々あるというのでね、他人事じゃなかったですよ本当にもう。だからアルドのアル・パチーノにめちゃくちゃもう感情移入しながら見てましたよ。
(赤江珠緒)はははは。(笑)
(町山智浩)何もかも、失ってくんですよ本当に。グッチの人々が。みんな、これからグッチを買う時はね、このグッチ作った人達はもう何もかも失って死んでったんだって言うのを本当に思いながらね・・まぁそんなに気安く買わないですけどねグッチってね。(笑)
(山里亮太)そうですね。もし物を持つ時はね、色々な思いを馳せながら。
(町山智浩)そう。大変ですよ。グッチっていう名前だけでグッチ家は全部、滅びてるんですよ。
(赤江珠緒)そうですね。
(山里亮太)実際に本当の話だっていうのがすごいですねこれ。
(町山智浩)本当の話というか、ついこの間の話なんですけどね。
(山里亮太)ですよね。
(町山智浩)もう本当にブランドとかね、高級だとは言いますけれども。それを作った人達が幸せとは限らないというね。
(赤江珠緒)本当ですね。
(町山智浩)まぁ強烈な映画がね、この『ハウス・オブ・グッチ』なんで。今週末公開ですから是非ご覧ください。
あっ!監督は巨匠リドリー・スコットでした!忘れてました!(笑)『エイリアン』『ブレードランナー』の巨匠でした。巨匠の名前を忘れて、どうしようもないな映画評論家としては。(笑)はい。すいませんでした。
(赤江珠緒)『ハウス・オブ・グッチ』は1月14日から公開でございます。町山さん、ありがとうございました。
(山里亮太)ありしたーっ!
(町山智浩)どもでした!
※書き起こし終わり
○○に入る言葉のこたえ
②家族経営していたグッチ一族が90年代に権利を争い最終的には殺し合いに発展して崩壊してしまった