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引用:IMDb.com

工作 黒金星と呼ばれた男の町山智浩さんの解説レビュー

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2021年06月01日更新
1997年大統領選の裏にあった北風事件を暴く韓国現代史実録サスペンス!これで泣かせるのかよ!っていうラストなんですよ。めっちゃ感動しました!これ。(TBSラジオ「たまむすび」&twitterより)

映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)
で、『工作 黒金星と呼ばれた男』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。

映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。

町山さん『工作 黒金星と呼ばれた男』解説レビューの概要

①実際にあった話です。これは大変に面白い映画なんですよ!あっと驚く話です。
②韓国の安企部から、ブラック・ヴィーナスというコードネームの男が「北朝鮮に潜入しろ」という命令を受ける。まさかの事実を元にした映画。
③スパイとして北朝鮮を倒したいという気持ちと、北朝鮮の餓死している子供達を見て助けてあげたいという気持ちの葛藤など、友情とスパイしての使命の中で引き裂かれていく物語。
④韓国与党が選挙で勝つ為に仕組まれた北風工作とは、○○○○だった。

※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。

『工作 黒金星と呼ばれた男』町山さんの感想

(町山智浩)
こないだ日本でですね、JASRAC、日本音楽著作権協会がですね、自分の職員を約2年間に渡って音楽教室に潜入捜査させていたっていう事件がありましたよね?

(赤江珠緒)
うん!今ニュースになってますよ、はい。

引用:IMDb.com

JASRACが音楽教室に潜入捜査

(町山智浩)
で、なんか2年間もやっている間ヴァイオリンの上級者コースで、コンサートまでやったらしいんですね、そのスパイは。で、僕すごく不思議に思うのは、先生とスパイである生徒との間に、絶対2年もやって演奏会までやっていたら、師弟の絆みたいなものができていたと思うんですよ。

(赤江珠緒)
生まれてくるでしょうね、さすがに。

(町山智浩)
ねぇ。「がんばろう!」みたいな感じでね。その、心の絆は一体どうなったんだろうっていう事ですよね。

(赤江珠緒)
そう、確かに。だって自分の腕前も上がったでしょうよ、そりゃ2年もやってると。

(山里亮太)
そうね、うん。

(町山智浩)
と、思うんですよ。やっぱり芸術を作るっていう事だから、非常に感情的な事なんだけど、それを使って音楽教室の中で音楽を勝手にやっている、お金を取れみたいな話になっているわけじゃないですか。

(赤江珠緒)
そう。だから、そこまでやるんだJASRACは!ってちょっと思いましたけどね。

(町山智浩)
これすごい潜入捜査物の映画にしたらいいと思うんですよ。

(山里亮太)
スパイの心の葛藤とかもあるでしょうしね!

(町山智浩)
そうそうそう!で、今回紹介する映画なんですがスパイ映画です。

(山里亮太)
あ、また繋がったんですね。

『工作 黒金星と呼ばれた男』

(町山智浩)
ちゃんと繋がってるんですよ。前振りでした。(笑)工作、ブラック・ヴィーナスと呼ばれた男っていうタイトルの映画なんですよ。ブラック・ヴィーナスっていうのは黒星金と書いてブラックビーナスと読むんですね。これでも、このメガネのおじさんなんですよブラック・ヴィーナスって。

(赤江珠緒)
うん、女性かなって思いましたね、ブラック・ヴィーナスって聞くと。

(町山智浩)
黒人の美女かなんかだと思うじゃないですか、ブラック・ヴィーナスって聞くと。(笑)このおじさんはどう見ても松重豊さんにそっくりな渋めのおじさんですよ。

(赤江珠緒)
あ、なるほどね。(笑)

(町山智浩)
『孤独のグルメ』みたいなおじさんですよ(笑)。

(山里亮太)
本当に、(写真を見ると)まさにそう。(笑)ヴィーナス感がない!

(赤江珠緒)
ブラック・ヴィーナスって呼ばれてたんだ。

コードネームがブラック・ヴィーナス

(町山智浩)
韓国の諜報部の安企部というのがあるんですね。国家安全企画部というのがあるんですが、そこがつけたコードネームがブラック・ヴィーナスなんですよ。

(赤江珠緒)
ふーん!

(町山智浩)
だからね、このオッサンなんですけども、正体はこの40過ぎの。これね、実際にあった話です。これは大変に面白い映画なんですよ!あっと驚く話です。

(赤江珠緒)
へぇ!実在のスパイ。はい。

引用:IMDb.com

「北朝鮮に潜入しろ」

(町山智浩)
実在のスパイです。この国家安全企画部、韓国の安企部からですね、1人の軍人、パク・ソギュンという軍人がですね、「北朝鮮に潜入しろ」という命令を受けるんです。その人がそのブラック・ヴィーナスなんですが、その人の話なんです実話です。で、まずその目的は核開発をしている、プルトニウムを作って核爆弾を作っているらしいと。北朝鮮が。それを捜査する事が目的なんですね。で、その為にこのパクさんは、元は軍人なんですけど、ビジネスマンのふりをするんですよ。当時ね、北朝鮮がお金がなくて、外貨獲得の為に色んな事をやっているんですね。有名なのはインチキなロレックスを作っていたとかありますよね、北朝鮮が。

(赤江珠緒)
はいはい。

北朝鮮相手のビジネスがしたいんだ

(町山智浩)
とにかく、なんでもやっているから、お金が儲かるとなれば北朝鮮も絶対にその餌に食いついてくるだろうっていう事でこのパクさんは北京で「北朝鮮相手のビジネスがしたいんだ」ってそこらじゅうでしゃべって、色々やって、餌をばらまくんです。そしたらですね、北朝鮮政府の、外貨獲得班の所長のリーさんという人がですね、食いついてくるんですよそれに。で、「なんかお金儲けができないだろうか?韓国と。」っていう事で、パクさんとリーさんが会うんですけれども、このリーさんという北朝鮮の所長さんはお金儲けの為に徹底的に資本主義のビジネスを研究した人で、なんというか官僚なんですね。

(山里亮太)
はい。

どうせスパイだろう?

(町山智浩)
で、とにかくお金がほしいということでパクさんと交渉をするんですけど、そこにチョン課長という北朝鮮の軍人が付いてくるんですよ。で、この人はものすごく鋭い軍人で、秘密警察みたいな男なんですね?で、このパクさんを「どうせスパイだろう?」っていう事で徹底的に怪しんでいくんですよ。で、北朝鮮の内部に入って、キム・ジョンイルに会うのが最終目的なんですけども、このパクさんの。ところが、今までそういった形で北朝鮮に潜入させたスパイというのは一杯いたんですね、安企部から。でも、誰も帰ってきていないっていうんですよ。

(赤江珠緒)
怖い怖い怖い・・。

(山里亮太)
これ、みんな・・?

引用:IMDb.com

北朝鮮に行ったスパイは誰も帰ってきていない

(町山智浩)
みんなバレちゃって殺されていると。で、「君もその1人に過ぎなくて、もしバレたとしても我々安企部も韓国政府も一切感知しないからそのつもりで。」って言われるんですよ。

(山里亮太)
怖いミッションだなこれ。。

(町山智浩)
これはもう、エクスペンダブルなミッションなんですよね、スーサイドな。で、命がけで北朝鮮に行くんですけれども、そうしている間に経済所長のリーさんとの間に友情が段々段々と芽生えていっちゃうんですよ。

(赤江珠緒)
ほーう!

(山里亮太)
さっきのヴァイオリンの先生と生徒のように。

友情とスパイとしての使命

(町山智浩)
そう!その通りなんですよ。で、このリー所長という人は北朝鮮の人なんだけども、すごく真面目な人で。北朝鮮があまりにも貧しいから、なんとかお金を稼ぎたいと思って必死なんですね。それでパクさんの方も北朝鮮に行って、餓死している子供達を見ちゃうんですよ。で、お金をなんとかあげたいっていう気持ちと、このひどい軍事独裁政権をやっているキム・ジョンイルは絶対に許せないから韓国のスパイとして倒したいっていう気持ちも一杯になって。でも、騙しているということもあって、友情とスパイとしての使命の中で引き裂かれていくっていう話なんですよ。

(赤江珠緒)
ほーー。それは板挟みになりますね!

(町山智浩)
なるんですよ。しかも、彼がスパイだってずーっと疑っている軍人は自白剤まで打ってなんとか吐かせようとするんですよ。て言うすごい、もうどうしようのない状況の中でですね、さらにもうひとつ巨大な陰謀がそこにのしかかってくるんです。この陰謀っていうのがすごいんですけど、「北風工作(きたかぜこうさく)」という陰謀なんですね。

(山里亮太)
はい。

1996年から97年、韓国では大統領選挙があった

(町山智浩)
これはね、このパクさんが潜入している時がですね1996年から97年なんですけども。この時、韓国では大統領選挙があるんですね。それで、ずーっと与党が勝ってきていたんですけど、そこで初めて野党のキム・デジュン(金大中)候補が勝利しそうな勢いになっているんですよ。その勝利を絶対に阻止しなければならないという事で、安企部が裏工作を始めるんですよ。

(山里亮太)
ふん!

(町山智浩)
で、というのは、”野党だから阻止しなきゃならない”という事じゃなくて、安企部にとってキム・デジュンは、もう長年の宿敵なんですよ。これね話が長くなるのでちょっとゆっくり聞いてくださいね。
元々安企部というのは「KCIA」という組織だったんですよ。大韓民国中央情報部という組織だったんですね。で、韓国は1962年にパク・チョンヒ(朴正煕)という軍人が軍事クーデターを起こして政権を奪った軍事独裁国家だったんです。

(赤江珠緒)
あのパク・クネさんのお父さん?

引用:IMDb.com

軍事独裁国家だった

(町山智浩)
そうです。で、軍事独裁国家だったのでKCIAは、反体制運動家を見つけ出して捕まえて拷問をする秘密警察だったんですよ。それが安企部の前身です。それでキム・デジュンさんはそのパク・チョンヒの軍事独裁に対してですね、自由と民主化を求めて挑戦していた勇気ある政治家だったんですよ。で非常に人気もあったんですね。だからKCIAはキム・デジュン氏を何度も何度も暗殺しようとしました。

(赤江珠緒)
実際に日本でもなんか拉致されたりとかありましたもんね?

(町山智浩)
そうなんです!僕はもう完全にリアルタイムで覚えているんですけども。事件があった飯田橋のホテルの近くに住んでいたので。警察とか来て大変だったんですよ。

(赤江珠緒)
あ、そうですか。我々はもう生まれる前だったんですけども、やっぱり事件として大きかったという事で。

日本でも拉致事件があった

(町山智浩)
大変な事件だったんです。まず、1971年にKCIAはトラックをキム・デジュンさんの車に突っ込ませて、そこにいた人を皆殺しにするみたいなひどい暗殺をやったんですけど。標的のキム・デジュンさんは運良く生き延びちゃったんですよ。そこで、1973年に、キム・デジュンさんが日本の自民党に呼ばれて来日したんですね?その時に飯田橋のホテルの部屋でKCIAの職員達がキム・デジュンさんを誘拐して拉致して、そのまま船に乗せて日本海に漕ぎ出出て。漕いでないですけど。(笑)ね、そこで船の上で体に鎖巻き付けて重り付けて、海に投げ捨てようとしたんですよ。

(赤江珠緒)
いや、もうこれは考えられないですよ、最近ですもんね。

(町山智浩)
1973年なんですよ。で、まさにその現場を日本の海上保安庁のヘリコプターが発見して、それを照らして邪魔をしたんですよ。ライトで。照明弾か。で、そのままずっとその船についていったんで、殺せなかったんですよ。日本の海上保安庁、お手柄なんですけども。

(山里亮太)
すごい!

日本の海上保安庁、お手柄!

(町山智浩)
で、殺されずに済んだんですが、その後にパク・チョンヒは暗殺されて、チョン・ドファン(全斗煥)大統領になるんですが、彼も独裁政権を続けるんですね?で、1980年に光州事件というのが起こるんですよ。

(赤江珠緒)
ああー!以前、町山さんになんか紹介してもらいましたね、光州事件。

(町山智浩)
あの『タクシー運転手』という映画です。光州というところで反政府デモをやっていたら、そこに武力でですね、鎮圧をかけて大量虐殺になってしまったという事件ですね?で、その最初の反政府デモの主導者がキム・デジュンだという濡れ衣を着せて、彼に死刑判決を出したんですよ。

(赤江珠緒)
とにかくキム・デジュンさんを抹殺したかったんですね。

引用:IMDb.com

光州事件

(町山智浩)
とにかく殺したかったんですよ。で、「キム・デジュン氏は北朝鮮と通じているスパイで、反政府デモをリードしたんだ」ということで死刑判決が下るんですよ。いわゆるでっち上げなんですけども、そのでっち上げをしたのがKCIAなんですね。で、その時に日本の鈴木善幸総理大臣が抗議をしまして。その死刑に対して。で、海外からも激しい抗議を受けたのでキム・デジュン氏は死刑を免れたんです。

(山里亮太)
はーあ!

(町山智浩)
この人いつもギリギリなんですよ。

(赤江珠緒)
そうですね。何回もね、命からがら助かっている感じが。。

(町山智浩)
そう。ギリギリのところで助かっているんですけども。KCIAにとっては殺したくてしょうがないんですよ。で、次に1987年に、ついに軍事独裁政権に対して韓国の民衆が蜂起して。これも映画で紹介しましたよね?『1987、ある闘いの真実』という映画で、最近映画化されましたけども。

(赤江珠緒)
はい。

『1987、ある闘いの真実』

(町山智浩)
それでとうとう、民衆が一斉に蜂起したんで、ついに大統領選挙が行われるんですね。それまでは選挙はなかったんですよ韓国では。で、とうとう選挙が行われたんですが、キム・デジュン氏も立候補するんですけども、野党候補を一本化できなかったんで、勝てなかったんです。

(山里亮太)
なるほどぉ。。

(町山智浩)
で、その後も10年間ですね、その軍事独裁政権の流れを組む与党がずっと韓国の政権を取り続けたんですね。ただ、その間に与党はものすごく腐敗しちゃって。もう次々と汚職、汚職、汚職と。あとは経済政策が失敗して、韓国は大変な経済危機に陥っちゃうんですよ。

(赤江珠緒)
うん。

キム・デジュンさんが絶対に勝つだろう

(町山智浩)
そこに、またキム・デジュンさんが大統領選挙に出てきたんですね、1997年。で、これはもうキム・デジュンさんが絶対に勝つだろうっていう状態だったんですよ。

(赤江珠緒)
そうですね、状況から言って。

(町山智浩)
でも、もしキム・デジュンさんが勝ってね、大統領になったら。元KCIAであるその安企部は。安企部はね、名前がね、「KCIA」っていう名前がまずいっていうことで民衆の蜂起の後で安企部という名前に改名されるんですよ。基本的には同じ組織なんですけどね。
で、もしキム・デジュンさんが大統領になったら、安企部はたぶん廃止されるでしょう。だって自分を何度も殺そうとしてきたんだから。

(赤江珠緒)
うん。散々狙ってきた組織ですもんね。

(町山智浩)
でしょ?しかもね、キム・デジュンさんのご長男もKCIAに拷問されて、体に一生残る障害を受けたんですよ。

(赤江珠緒)
えーっ?

引用:IMDb.com

KCIA、安企部が生き残る為の作戦、北風工作

(町山智浩)
はい。だからこれ絶対に潰すでしょうKCIA、安企部は。だから安企部は生き残る為に、ある作戦を考えたんですよ。それが北風工作って言うんですよ。

(赤江珠緒)
ええっ、生き残る方法あります??

(町山智浩)
なんだと思います?どうしたら与党を勝たせることができるか、この状況で。要するに、腐敗がすごくて、ぐちゃぐちゃで。。

(赤江珠緒)
北風・・「太陽政策」に対する北風っていうことですか?

(山里亮太)
強引に?

北朝鮮の脅威を利用

(町山智浩)
あのね、この北風工作っていうのはちょっと違ってて。実はその前に選挙があって。選挙があった時に、北朝鮮が軍事行動を起こしたんで、与党が勝っちゃったんですよ。つまり、北朝鮮の脅威があると、やっぱり軍事的に強い与党の方が安心だって事で、与党に支持率が行くんですね?それを北から吹いてきた風が野党を蹴散らしたということで「北風」と呼んだんですよ。

(赤江珠緒)
はーー!!

(町山智浩)
はい。という事は、キム・デジュンが勝ちそうだったら、安企部は一体何をすればいいでしょうか?

(赤江珠緒)
でもまさかの?

(山里亮太)
北朝鮮に、攻撃をさせるっていう事ですか?

(町山智浩)
その通りなんです!

(赤江珠緒)
ええっ?そこ、通じちゃってて?え?究極のマッチポンプじゃないですか、それ。

究極のマッチポンプ

(町山智浩)
究極のマッチポンプなんですよ。安企部は、北朝鮮政府を買収して、大統領選挙の前に、韓国に対して武力攻撃をして欲しいと依頼をしたんです。

(赤江珠緒)
うわわわわっ!とんでもない話ですね!

(町山智浩)
とんでもない!本当かよ?って思いましたよ。ねぇ。まぁ、攻撃って言ってもちょこっと砲撃するとか、ロケット弾を打ち込むとか、まぁミサイルをちょっと海に打ち込むとか、そういう事ですよね。で、もしそういう事があれば、隣国が大変に怖いと。いう事になれば、国民はハト派的なキム・デジュンよりも、タカ派で軍事的に強硬派の与党を支持するだろうという事ですよ。

(赤江珠緒)
そうなりますね、心理的にはねぇ。。えぇっ?

(町山智浩)
ねぇ。で、これ北朝鮮側もよく受けるなってなりますよね。

(赤江珠緒)
そうそう。そこ、仲良しなの?みたいな。

引用:IMDb.com

北朝鮮にもメリットが

(町山智浩)
そう。でもこれもね、韓国が北朝鮮に対してね、敵対的な方が北朝鮮の軍事独裁政権を維持する理由になるからですよ。要するに”韓国が、我々に対して、軍事独裁政権を維持し続けているから、我々も軍事を強くしなければならない、独裁を強くしなければならない”っていう言い訳ができる訳じゃないですか。

(赤江珠緒)
そうか。お互いね、存続の為には。

(町山智浩)
そう。お互い、南北対立をしていた方が、南も北も独裁政権だから、政権が安定するんですよ。

(山里亮太)
不思議だなぁ〜。

(町山智浩)
これ、利害が一致しちゃうんですよ。南北の両国がお互いの存続のために軍事的緊張をでっち上げるんですよ。びっくりしましたよ!

(赤江珠緒)
ねえ!何をやってるんだっていう話ですけどね。

愛国を語る人達の実態

(町山智浩)
でしょう!?だからこれがなんか、愛国を語る人達の実態なんだなって思うんですけども、これにね、パクさんが巻き込まれていくんですよ。で、大統領選挙は一体どうなる?っていう映画なんですね。この『工作』という映画は。

(赤江珠緒)
そうですね、うん。

(山里亮太)
そっか。。

(町山智浩)
これ大変な映画ですよ、これ。

(赤江珠緒)
えー・・事実に基づいているの?えー・・。

事実に基づいている

(町山智浩)
事実に基づいているんですよ、これ。これは既に公開されている1980年の光州事件を描いた『タクシー運転手』と1987年の民主化を描いた『1987、ある闘いの真実』に続いてこの映画が来るんですね。1997年の大統領選。これ、三部作だなって思うんですけど、まぁすごいことになっちゃっているんで、びっくりしましたけども。

(山里亮太)
しかもそんなに昔の事ではないっていうね。

(赤江珠緒)
そう、ね。

(町山智浩)
そうなんですよ。この主人公になったブラック・ヴィーナスという人が逮捕されたのは2010年なんですよね。

(山里亮太)
うわっ!こわっ!

引用:IMDb.com

ブラック・ヴィーナス逮捕、2016年に釈放

(町山智浩)
で2016年に釈放をされているんで、つい最近の事なんですね。だから映画化できたんですけども。

(山里亮太)
そうか、実際に話を聞いて?

(町山智浩)
はい。これねー・・で、そうするとすごく国際陰謀論的な映画だと思うじゃないですか。でもね、この映画の軸になっているのはね、友情なんですよ。

(山里亮太)
あ、所長と、パクさんの。

(町山智浩)
テーマは友情。で、それを通して本当の祖国愛とは一体何か?っていうことを問いかけている映画なんですよ。

(赤江珠緒)
だって人類史上レベルのもう大スキャンダルですもんね、中身は。

テーマは友情

(町山智浩)
大スキャンダルですよ。で、もう選挙の為だったんだっていうね。選挙の為に戦争状態をでっち上げるというすごい話なんですけども、でも最後はものすごい感動的で、本当に涙ボロボロです、これ。

(赤江珠緒)
へー!

(町山智浩)
わっ!これで泣かせるのかよ!っていうラストなんですよ。めっちゃ感動しました!これ。

(赤江珠緒)
わぁ、そうですか。『工作 黒金星と呼ばれた男』は日本は7月19日公開予定です。

(山里亮太)
間もなくだ!

(町山智浩)
はい。これね、7月19日公開なので是非ご覧になって、7月21日の参院選の投票にぜひ行って下さい!

(赤江珠緒)
なるほど。へぇ〜・・ちょっとね、これが史実というのもまたびっくりで御座いますが。町山さん、ありがとうございました。

(町山智浩)
はい。『工作 黒金星と呼ばれた男』でした!


※書き起こし終わり


○○に入る言葉のこたえ

④韓国与党が選挙で勝つ為に仕組まれた北風工作とは、”北朝鮮に攻撃をさせる”という工作だった。

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