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親愛なる同志たちへの町山智浩さんの解説レビュー

2022年04月07日更新
『親愛なる同志達へ』というタイトルの、これロシア映画です。これね、見てびっくりしたんですけど、1番最初にいきなりね、ロシアの国の国旗がバーン!って出るんですよ。で、「製作:ロシア文化庁」って出るんです。国策映画なんですよ。(TBSラジオ「たまむすび」より)

映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)で、『親愛なる同志たちへ』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。

町山さん『親愛なる同志たちへ』解説レビューの概要

①ロシアのウクライナ侵攻は今に始まった事じゃないんじゃないかという事を考えさせる映画2本
②ロシア映画『親愛なる同志達へ』
③なんと、○○○○○が作成した○○映画
④1962年にソ連の南の町であった事件を映画化
⑤主人公は共産党のお偉いさんの女性
⑥共産党の悪口を言ったら逮捕されて殺されちゃう世界
⑦スターリンが亡くなり雪どけ時代に
⑧言論が自由になりストライキをする国民を軍が無差別射殺
⑨この事件はソ連共産党によりなかった事にされていた

※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。

『親愛なる同志たちへ』町山さんの評価とは

(町山智浩)アメリカではですね、今日のニュースは結構ウクライナのニュースばっかりだったんですよ。

(赤江珠緒)うーん!

(町山智浩)はい。というのは、ブチャという町でロシア軍が撤退して見たら、そこに入ったらウクライナの一般市民達がですね手を後ろに縛られた状態で射殺された死体が300体ぐらい出てきたんですね。

(赤江珠緒)そうそうそう。日本でもね結構それは報道されてますね。

ウクライナのブチャ虐殺

(町山智浩)で、今までNATOとかアメリカとか、まぁウクライナっていう国自体もね、ある程度ロシアと交渉して停戦するという事は考えられていて、特に問題の発端になった東部のですねドンバスという地区があって、そこがロシア系の人がいっぱい住んでるんで、2014年に彼らが独立しようとしてウクライナ政府に対して反乱を起こして、それにロシア軍が介入したって事が1番最初の発端であって、で今回もそこに住んでるロシア系住民達を保護するみたいな事で、なぜかロシア軍が全然離れた首都の方に入り込んだんですけどね。

で、そのドンバスのあたりをどうするかっていう事になった訳ですけど、この虐殺を見ちゃうとウクライナ人が住んでる地域をロシア側に占領させたまま停戦する事は不可能に近いっていう事がわかってきたんですね。そこに住んでるウクライナの人達は民間人で、たとえ完全にロシアに対して降伏したとしても皆殺しにされちゃう可能性が出てきたんで。簡単に停戦ができなくなったんで、まぁアメリカはそのニュースばっかりなんですが。

(赤江珠緒)本当にひどい映像が届いてますもんね。

(町山智浩)ねぇ。これはまぁロシアが命令してやってるっていうか、現場の方の指揮ができなかったんじゃないかと。統率が全然取れてないんじゃないかとか色んな説がありますけどね。ただ、実はこれは今に始まった事じゃないんじゃないかっていう事を考えさせる映画がちょうど日本で公開されるんですよ、続けて。それを紹介します。

(山里亮太)はい!

ロシアのウクライナ侵攻は今に始まった事じゃないんじゃないかという事を考えさせる映画2本

(町山智浩)1本は4月8日・・だからもうなんだ?3日後に公開の映画なんですが。(笑)『親愛なる同志達へ』というタイトルの、これロシア映画です。はい。

(赤江珠緒)ほう。

(町山智浩)これね、見てびっくりしたんですけど、1番最初にいきなりね、ロシアの国の国旗がバーン!って出るんですよ。で、「製作:ロシア文化庁」って出るんです。国策映画なんですよ。

(赤江珠緒)ほう!ロシアが作っている映画なんですか?

(町山智浩)作ってる映画!それでいきなりね、ロシアの国歌が流れるんですよ。あ〜あ〜ってやつが。で、「うっわ、引くなこれ・・!」って思って見たんですけど、これはね、ロシアのね巨匠でアンドレイ・コンチャロフスキーっていう監督がいて今84歳なんですけども。この人はね黒澤明さんの脚本を元にしてハリウッド映画の『暴走機関車』っていうアクション映画を撮ったりしてる人なんです。世界的監督なんですけどね。で、この『親愛なる同志達へ』という映画は1962年、僕が生まれた年ですけども、6月にですねソ連の南の町であった事件を映画化した物なんですよ。

(山里亮太)はい。

1962年にソ連の南の町であった事件を映画化

(町山智浩)で、これはノボル・・これ僕言えないんですよ、ロシア語って。(笑)ノボチェルカッスクっていう町なんですね。主人公はね、共産党側の人。その頃ソ連ですから、共産党のお偉いさんですね。役人さんのリューダさんっていう中年の女性なんですね。これ演じるのは監督自身の奥さんなんですけど。で、ここはすごく物資不足が起こって、食料がなくなって、もうみんな、食べる物がないって困ってるんですけど、このリューダさんだけは共産党のお偉いさんだから、裏から、その食料店の裏から入ってしっかり肉とかもらえるんですよ。まぁはっきり言って汚職ですけどね。だから共産党がいかに威張ってひどい事をしてたかという事がよくわかるんですが。で、町の人はもう餓死寸前なんですけど、その店の人が「本当に食べ物とかなくて困ってるんですよ。」とか言うと、そのリューダさんは食べ物もらってるくせにね、「ロシアが飢える訳ないでしょ!そんな事を言うと逮捕するわよ!」とか言ってね、すごい圧力をかけるんですよ。その頃とにかく国の悪口、共産党の悪口を言ったら、もうみんな逮捕されて殺されちゃう世界だから、誰も逆らえないんですね。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)ただちょっと状況がその頃は変わってきてですね。1953年までスターリンという独裁者がロシアでは威張って人をまぁ殺しまくってた訳ですけども。この人が1953年に亡くなったんで、その後継者である指導者のフルシチョフという人が、スターリンはひどかったと。言って、もう少し自由にするって言ったんですね。

(赤江珠緒)ふんふんふん。

雪どけ時代

(町山智浩)それでロシアがちょっと自由になったんですよ。ちょっと民主的になったんですよ。その時代を、民主化時代を”雪どけ時代”って言うんですね。で、雪どけ時代になったんで少し自由になってるんですけど、まぁ物資とかがなくて苦労していて、ただ、少し言論の自由が出てきたんで、それに対して電気機関車を作ってる工場でですね、ストライキが発生するんですよ。これはですね、物資が不足してるのに物価がどんどん上がってね、物価は上がるんだけど全然賃上げされないという、なんか今の日本みたいな状況ですけど。(笑)

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)ただ、日本と違ってロシアの人達は言論が自由になってるから、みんな怒ってストライキをする訳ですよ。それに対してこのリューダさん達、共産党員は抑え込みに行くんですよ、そこに行って。

(赤江珠緒)あ〜〜、はい。

(町山智浩)で、抑え込むんだけど、もうどうしようもないんで、軍隊を呼んでですね、それを押さえつけようとするんですね、労働者達のストライキを。そうすると今度は労働者達は赤旗を立てて、つまりロシアの国旗を立てて、私達は労働者なんだと。立て万国の労働者!って歌い出すんですよ。つまり、ソ連って言うのは、共産主義の国で労働者の国だろうと。だから我々は労働者として、労働者の権利を主張するという、非常に正しい愛国的な行為なんだという事で、ソ連の真っ赤な国旗を掲げて労働運動をするんですが、これなら手を出せないだろうと思う訳ですよね。

(赤江珠緒)そうですね。

(町山智浩)・・平気で軍はそれを射殺するんです。バーーーッと無差別射撃するんですよ。

(赤江珠緒)はぁ・・。

コンチャロフスキー監督の演出テクニック

(町山智浩)ここがねすごいんです。これコンチャロフスキー監督の演出テクニックで、その虐殺のシーンをね、美容室の中から撮ってるんですよ。あの、パーマ屋さんね。で窓ガラスが広いから、その窓の向こうではものすごい事が行われてるんですけど、音が一切、画面のこちら側には聞こえないんですね。それで、美容室の中でラジオが聞こえるじゃないですかか、昼の番組の。結構陽気な。その音楽に合わせて、ものすごい虐殺を見せられるというね。

(赤江珠緒)じゃぁ本当にもう日常の中で突然起きてるっていう事ですね。

(町山智浩)そうなんです。まぁすごいシーンでね。これはすごい演出力だなと思いましたが。

(赤江珠緒)でもこれよく、ロシアの文化庁が作りましたね?

(町山智浩)ねぇ!これね、この虐殺はですね、プーチンはこの虐殺を認めて、この虐殺を慰霊する式典まで開いてるんですよ。つまり、これは前の政権がやった共産主義政権がやった悪事であって、我々はそれを批判するという立場を現在のロシアは取ってるんで、ロシアは国としてこの映画を製作しているんですよ。

(赤江珠緒)あぁそういう事か。はい。

(町山智浩)そうなんです。でもね。ねぇ?

(赤江珠緒)ねぇ!

(町山智浩)やってる訳ですよ、今。だからね、自分の事は見えないんだなっていう気がしますね。すごく。で、この映画が怖いのは、その虐殺シーンよりももっと怖いのは、すぐにソ連共産党が、これをなかった事にしちゃうんですよ。

(赤江珠緒)なかった事に?

この事件はソ連共産党によりなかった事にされていた

(町山智浩)というのは目撃者とか関係者を次々と逮捕して、どこか行方不明になっちゃうんですよみんな。

(赤江珠緒)えーーー!

(町山智浩)で、このリューダさんの娘が16歳なんですけど、その騒乱に巻き込まれて行方不明になっちゃうんですよ。

(赤江珠緒)えっ!この共産党員の、そっちの立場だったのに?

(町山智浩)そう。娘がいなくなっちゃうんですね。で、それなのに事態はどんどんどんどん解決されていって、大した事件じゃなかったって事に・・もうすごい死んでるんですけど人は。これはなかったっていう事にして、その虐殺自体はソ連の歴史から消えて最近まで、実はなかった事になってたんですよ。

(赤江珠緒)怖い怖い怖い!そんな、なかった事にできちゃう?怖い怖い。

(町山智浩)なかった事しちゃうんですよ。全て。その記録とか全部消して。消しちゃって、で関係者も全部行方不明になっちゃうから。まぁ死んじゃうんですけど。て言うね。だから今でも正確な死者数とかわからないんですよ。そういうね怖い話で。これね、言っていいと思うんですけど、この映画の中で、悲劇的なんですけども、でも、いい世の中になるよって言葉が出てくるんですよ。・・・なんないんだよね。怖いな〜と思いましたね。その言葉はすごく虚しく響く映画なんですけど。

(赤江珠緒)うん。

でも、いい世の中になるよ

(町山智浩)はい。でね、もう1つの映画がね、『ドンバス』って、そのもの。『ドンバス』いうタイトルの映画で、これね、5月21日に東京のシアター・イメージフォーラムっていう所で公開されるんですけども、これそのものずばり、その2014年にウクライナから独立しようとしたロシア系の住民がすごく多いドンバスが舞台なんですよ。

※書き起こし終わり

○○に入る言葉のこたえ

③なんと、ロシア文化庁が作成した国策映画

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