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エルヴィスの町山智浩さんの解説レビュー

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2022年07月29日更新
エルヴィスはロックンロールで革命を起こして、黒人と白人の壁を取り払った人なんですけども。元々彼はそんな事をしようとは全然思ってなかったんですよ。ロックンロール歌手になろうとも思ってなかったんです。(TBSラジオ「たまむすび」より)

映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)で、『エルヴィス』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。

町山さん『エルヴィス』解説レビューの概要

①ブルースが生まれた場所、メンフィス
②メンフィスでエルヴィス・プレスリーが生まれた
③ドキュメンタリー映画ではなく、キンキラキンのド派手なミュージカルになっている
④エルヴィスはロックンロールで革命を起こして、黒人と白人の○を取り払った人
⑤エルヴィスは貧乏で黒人しかいないような場所で生まれ育った為、黒人音楽が身にしみていた
⑥ゴスペルとブルースの影響を受けたエルヴィス
⑦ゴスペルは神様にこのひどい黒人の生活から救ってくださいとお願いをする歌
⑧ブルースはやってらんねーぜ!という歌で○○の音楽と言われている

※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。

ブルースが生まれた場所、メンフィス

(町山智浩)僕、今ですねメンフィスっていう所にいるんですよ。

(赤江珠緒)はい。

(町山智浩)これアメリカの南部なんですけども、本当にもう黒人の人達が農場で奴隷として働かされてた所なんですよ。で、ここからブルースが生まれてるんですよ。

(赤江珠緒)へぇ〜。

(町山智浩)ここで働いた人達がもうクタクタに疲れた後に、酒場でですね、ブルースを歌うんですね。今日の仕事はつらかったとかね。もう嫌になったー!とかですね。そういう歌を歌ってた所なんですけども。今日紹介する映画の、主人公が生まれ育った場所でもあるんですよ、このメンフィスって言うのは。今日紹介する映画はですね、エルヴィス・プレスリーの伝記映画『エルヴィス』です。

(町山智浩)はい。エルヴィス・プレスリーの『Hound Dog』ですけど、エルヴィス・プレスリーっていうと、どういう人だと思います?

引用:IMDb.com

エルヴィス・プレスリーのイメージ

(赤江珠緒)なんか華やかなスーパースターで、ちょっとドーナツが好きだったとかね。そういうイメージですけどね。

(町山智浩)はい。音楽的にはどんな?

(赤江珠緒)あ、やっぱりロック?

(山里亮太)うん。

(赤江珠緒)ロックンロールみたいなね。

(町山智浩)はい。まぁこの人がロックンロールというものを、全人類のポップソングにしたんですよ。それまではこういう音楽は、黒人しか聞く事のできない音楽でした。

(赤江珠緒)あっ!そう、エルヴィスから。うんうん。

(町山智浩)エルヴィスからです白人が本格的に歌って世界的に大ヒットしたのは。で、この映画、『エルヴィス』という映画は、そこの部分に非常に焦点を当てた話になってるんですね。ただ、すごく事実をしっかり描くという非常にドキュメンタリータッチの映画じゃなくてですね、赤江さんが言ったみたいに豪華絢爛のきらびやかなですね、もうキンキラキンのド派手なミュージカルになってます。

(山里亮太)ミュージカル!?

キンキラキンのド派手なミュージカル映画『エルヴィス』

(町山智浩)はい。ミュージカルです。で、現実的ではないぐらいにですねキラキラなんですけども、これは監督がですねバズ・ラーマンという人で、この人は『ロミオとジュリエット』をディカプリオで撮ってますけど、それはそのルネッサンス期のイタリアが舞台の原作をですね現代のメキシコのギャングの抗争にして映画化したりね。

あと『ムーラン・ルージュ』という映画がありましたね。

(山里亮太)はい!

映画「」のポスター

(町山智浩)19世紀終わりのパリが舞台なのに、音楽はマドンナやビートルズだったというね。だから何でもありで、時代考証とかですね、現実、事実はかなり面白くねじ曲げる監督なんですよ。

(赤江珠緒)あぁそうですか!

(町山智浩)そういう映画になってますね、『エルヴィス』は。で、これはどういう映画かというと、一種の神話のような話になってます。バズ・ラーマンバージョンは。神話です。だから偉大なるその人類史上の英雄が、どのように生まれて、どのように滅びていったかというような神話として描いてるんですね。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)というのは、エルヴィスはロックンロールで革命を起こして、黒人と白人の壁を取り払った人なんですけども。元々彼はそんな事をしようとは全然思ってなかったんですよ。

(山里亮太)えっ。

(町山智浩)ロックンロール歌手になろうとも思ってなかったんです。

(赤江珠緒)あ、歌手にもなろうと思ってなかった?

引用:IMDb.com

エルヴィスはロックンロールで革命を起こして、黒人と白人の壁を取り払った人

(町山智浩)この人トラック運転手をやってたんです、田舎で。メンフィスの田舎で。で、元々そんなに真剣にスターになろうと思ってなくて、ましてやロックンロール歌ってなかったんですよ。ところがレコードスタジオに行って、ちょっとレコードを作りたいんだみたいな話でオーディションを受けてるうちにですね、彼が子供の頃から聞いてたブルースを歌い始めたんですね。これ、『Thats Alright (Mama)』っていう歌をうんですけども。もしあったらかけて下さい。

(町山智浩)はい。これが『Thats Alright (Mama)』っていう歌なんですけども、元々、黒人のブルースなんですよこれ。アーサー・クルダップっていう人が吹き込んだ歌で、これもあったらかけてほしいんですけども。ないか。(笑)それを歌ったんですね。したらこれはすごい!って事で、レコーディングして。あ、これかな。

(町山智浩)これをね、彼がその場で思いついて歌って、それがレコーディングされて、彼はそれから段々とスターになっていくんですけども。どうして、そのエルヴィス・プレスリーが黒人しか歌っていなかった当時のブルースを歌ったかっていうと、彼ものすごく貧しかったんですよ。すっごい貧乏で、黒人しかいないような貧乏な所に生まれ育って、周りも黒人ばっかりだったんですよ。ミシシッピーなんで。

(赤江珠緒)えー・・!

(町山智浩)で、すごく信心深く真面目な少年で教会に通ってたんですけど、教会も黒人教会に行ってたんですね。で、黒人教会に行くと、ゴスペルという音楽をやってるんですよ。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)もしゴスペルあったらかけてほしいんですけど。

〜音楽〜

(町山智浩)はい。こういうやつです。

(赤江珠緒)そうですね。

(町山智浩)これ聞いてどう思います?

(赤江珠緒)かなりなんかこう、こぶしが入っている感じの。

(町山智浩)そう!その通りです。こぶしが効いているんです。シャウトなんですよ。このシャウトの歌い方っていうのは、白人は誰も歌ってなかったんです当時。

(山里亮太)へぇ〜!

(町山智浩)こういうその黒人の教会の歌い方を聞いてエルヴィスはそれに影響されるんですよ。

(赤江珠緒)へぇ〜!

ゴスペルとブルースの影響を受けたエルヴィス

(町山智浩)それで、彼は真面目なんで、ゴスペルを習い始めるというか真似し始めるんですけど、その一方でブルースを聞くんですね。でブルースっていうのはさっき言ったみたいに酒場で聞く音楽なんですよ。で、歌の内容は、もうふざけんじゃねえよとかね、あの女が欲しくてしょうがねえとかね。あの男が出て行ったけども、あたしゃあんな男は必要ないみたいな、すごく下世話な歌なんですよブルースってのは。

(赤江珠緒)愚痴っぽいところがあるんですね。

(町山智浩)で、ゴスペルはね、神様にこのひどい黒人の生活から救ってくださいってお願いをする歌なんですけど、ブルースは「まったくツラくてやってらんねーぜ!」っていう歌なんですよ。同じ所から生まれるんですけど黒人の不満から。ただ歌い方が逆なんですよね。

(赤江珠緒)そうですね。

(町山智浩)神に向かって歌うか、ふざけんじゃねえ!って歌うかと。で、ブルースは教会からは”悪魔の音楽”って言われてたんですよ。

(赤江珠緒)あー!

(町山智浩)神の音楽と悪魔の音楽なんですよ、ゴスペルとブルース。

(赤江珠緒)あぁそんなに違うんだ!

引用:IMDb.com

神の音楽と悪魔の音楽、ゴスペルとブルース。

(町山智浩)神と悪魔なんです。で、ブルース歌手で有名なロバート・ジョンソンっていう人は本当に悪魔と契約してブルース歌手になったって言われるぐらい悪魔の音楽と言われていたんですよ当時。で、プレスリーはその間にいるんです両方に影響を受けて。それで、でも彼はそれが当たり前だと思ったんで、あんまり気にしなくて、で、レコーディングをしてですね、白人の前で歌うんですよ彼は。この映画の中で。で、ところがこのプレスリーの歌い方って言うのは、その歌っていうのは白人は聞いた事なかったんですよ、その当時。というのは、南部では特にそうなんですけど、黒人と白人というのは人種隔離という政策で完全に生活が別だったんです。

(赤江珠緒)あああ、そういう時代だ、うん。

(町山智浩)住む所も学校もレストランも公衆トイレも駅もバスも、全く別で、ラジオも別だったんですよ。だから黒人音楽ってのは白人はほとんど聞かないんです。ジャズは聞いてたんですけどねちょっと。でもブルースとか、ゴスペルは白人は聞いた事がなかったんですよ。ところが、プレスリーはそこで育ってる訳ですよ。で、白人の前でこういったすごく強烈なリズムで、ものすごい唸るような「ウワーン!」っていう歌い方で歌ったんですよね。そしたら白人達は、初めて聞くんでまずビックリするんですよ。

(赤江珠緒)まぁ度肝を抜かれる感じになりますね。

(町山智浩)聞いた事ない音楽なんですよ。ところが、体が動き出しちゃうんですよ。なぜか、体が勝手に動き出すんですよ。黒人音楽っていうのはシンコペーションっていうリズムがあって、体が勝手に動き出すような音楽なんです。

(赤江珠緒)はぁ〜。

(町山智浩)だから、白人教会でも禁じられてたんですよ。踊ったりする事はよくないからって事で。で、それだけじゃなくてプレスリー自身が踊りながら歌ったんですよ。その頃の歌手って、白人の方は直立不動で歌ってたんですよ。

(赤江珠緒)あ〜〜そうかぁ!

当時の白人の歌い方ではない歌い方、踊り方

(町山智浩)で、これでもう、この踊り方が黒人の人のダンスだったんですよ。黒人のダンスというのは腰を振るんですよ。腰をグイグイ振りながら、プレスリーが歌ったんで、なんというかですね、まぁHの時の腰の動きなんですね。だから禁じられたんです当時は。

(赤江珠緒)あ、なるほどね。

(町山智浩)そう。それで、白人の前でプレスリーがこれを歌ったら、白人達は踊り出して、叫び出して、暴動みたいになっちゃうんですよ。このシーンがすごいんですよ、この『エルヴィス』という映画は。というのは、プレスリーもそんな事が起こると思ってなかったからね呆然とするんですよ。大変な事が起こってしまった。俺には大変な魔法がある。びっくりした!っていうシーンなんですよ。

(赤江珠緒)本当ですね。魔法みたいに、本当ね。

(町山智浩)だから、白人達が初めて黒人音楽に初めて触れる瞬間なんですねそれが。で、そこからスターになっていくっていういい話じゃないんですよ。

(赤江珠緒)えっ?

(町山智浩)そこに悪魔が登場するんです。そこにマネージャーとして名乗り出るトム・パーカー大佐という男がプレスリーに「マネージャーやってやるよ」ってくるんですよ。

(赤江珠緒)うん。うんうん。

引用:IMDb.com

マネージャーのトム・パーカー大佐

(町山智浩)この人はトム・パーカーというのも偽名だし、大佐っていうのも嘘っぱちの肩書きで、本当はオランダからアメリカに密航してきた国籍もない詐欺師なんですよ。

(赤江珠緒)ええーっ?

(町山智浩)で、彼はそれまでサーカスの見世物とかを営業していた見世物師だったんですけれども、プレスリーに目をつけて”こいつは売れる!”ってんでマネージャーになるんですよ。で、プレスリーはその頃はまだ10代なので、何も知らないから、この悪魔のような男と契約しちゃうんですよ。

(赤江珠緒)あらららら。

(町山智浩)その悪魔のようなトム・パーカーを演じるのは、トム・ハンクスなんです。

(赤江珠緒)あらトム・ハンクスさん!はい。

(町山智浩)いつもいい人ばっかりやってるけど。この映画の中ではもんのすごい悪いやつなんですよ。で、その純粋無垢な世間知らずな田舎の真面目なキリスト教を信じる青年プレスリーが、交わした契約っていうのは、収益の50%をトム・パーカーが持ってくっていうとんでもない契約なんですよ。

(山里亮太)ええーーっ!!

(町山智浩)本当は15とか多くても20なんですね。50持ってっちゃって、半分。これは本当に悪魔との契約なんですよね。で、とにかく売り出したら『Heartbreak Hotel』でデビューするんですけども。

(町山智浩)この曲、『Heartbreak Hotel』って完全にブルースなんですよ。曲の構造自体、作りがね。で、それを流したんで、まずみんな、黒人が歌ってると思ったんですよ。ブルースを白人が歌うなんて考えられないから。で、これがまた非常に美しい青年が歌ってるって事で、まぁ大人気になっちゃうんですけども。

(赤江珠緒)そうか、そういう背景もあるのかそうか。

(町山智浩)でも、ラジオで白人が聞くラジオでも流してたんですよ、白人が歌っているから。ところが聞いてた人は「黒人音楽を白人ラジオで流しやがって!」ってなって大騒ぎになっちゃうんですね。で「放送禁止にしろ!」とか、「発売禁止にしろ!」とかで大変なパニックになるんですよ南部の方は白人と黒人は分離されていなければいけないって法律で決まってましたから。その白人と黒人の隔離っていうものをプレスリーが音楽で突破しちゃうんですよ。

(赤江珠緒)本当ですね。

(町山智浩)で大変な事になるんですけど。で今度テレビが出てくるとテレビで歌うんですが、例の腰振りをやっちゃうんですよ。プレスリーが。で今度はそれがテレビで放送したら、「TVでこんなHみたいな動きをして許されない!!」っていう事で、また全米が大パニックに陥るんですよ。

(赤江珠緒)はー!

全米が大パニックに

(町山智浩)で、コンサートに行くと、その女の子達がね、それまでその時代の女の子達っていうのは本当におとなしくて、日曜日になると教会に行って、で10代で結婚する。大学なんてほとんど行かないと。そういう時代なのに、おとなしいおとなしいおとなしい女性達が、プレスリー見るとみんなキャーーーッ!って言って、叫び出す訳ですよ。で、大人とか白人のおじさん達が、みんな病気になっちゃったと思うんですよ。

(赤江珠緒)まぁそうでしょうね。そういう時代背景を聞くとね。

(町山智浩)そんなもの見た事ないんですよ、女の子達が叫んで、キャーッ!!って失神したりする訳ですから。で、裁判所とか警察がですね、プレスリーに、「コンサートでお前なぁ、腰を振ったら逮捕するぞ!」って圧力をかけたりするんですよ。

(町山智浩)どんな罪だ。(笑)

(町山智浩)大変な事になってくんですね。その白人からの圧力が。黒人音楽をやる白人の裏切り者だっていう事で。そこでトム・パーカー、トム・ハンクスはですね、言われた通りにやりなさいと。まぁ白人っぽくやりなさいと。いい子ちゃんになって大スターになりましょうみたいな方向に持ってこうとするんですよ。トム・パーカー、全く音楽に興味がないのでね。そうするとプレスリーは、どんどんどんどんつらくなってくんですよ。そんな事やりたくないから。で、このメンフィスの彼が生まれ育ったとこのメンフィスに酒場がずっと並んでいるビールストリートという所があって、そこはもうドロドロの黒人音楽をいつもやってる通りなんですね。そこに戻ってくるんですよ。白人のいい子ちゃんにされそうになったプレスリーが。そこで、黒人のミュージシャン達、ブルースマン達、B.B.キングとかリトル・リチャードとか、そういった人達に会って、黒人パワーを注入してもらってですね、それでコンサートでゴリゴリのブルースを歌ってまた警察沙汰になっちゃうんですよ。

(赤江珠緒)えぇ〜〜〜。

引用:IMDb.com

黒人パワーを注入

(町山智浩)という物語がこの『エルヴィス』で。その黒人音楽のエネルギーで、人種の壁を突破して、若者達にものすごい革命のエネルギーを、プレスリーは全然そういうつもりはないのに。そういうエネルギーを与える魔法を神様から選ばれて持ってしまった青年が、それを持て余しながら、白人社会がプレスリーを普通の白人にしよう普通の白人にしようとするんだけども、でも彼はつらくなってくると黒人音楽に戻ってエネルギーを注入してまた爆発するっていうのを繰り返するんですよ。

(赤江珠緒)あ、それが神話っぽいっていうのはそういう事なんですね。

(町山智浩)神話っぽいんですよ。で特にね、ギリシャ神話で、「人類には炎を与えるな。火を与えるな。」って言われた、プロメテウスが火を人類に与えるじゃないですか。で、彼は神を裏切った者として処刑されるんですけどもプロメテウスは。プレスリーはこの映画の中では禁じられたものであるロックという黒人音楽というものを白人に与えたプロメテウスのように描かれてるんですよ。

(赤江珠緒)なるほど!

(町山智浩)だから、プロメテウスのように罰せられなきゃならないって事で、まぁどんどん大変な事になっていくんですね。で、特にこのパーカー大佐っていうのは当時よくやってたんですけど、タレントに薬を与えちゃうんですよ。プレスリーに薬を与えてこき使うんですけど、そこでどんどん崩壊してくんですが、今ちょっとかけてもらってる曲はプレスリーが本当にいい子ちゃんで社会的なメッセージとか1曲も歌わなかったんですけど1曲だけ歌ってるんですよ。それはメンフィスで暗殺されたキング牧師に捧げる歌でそれがこの歌なんですね。

(町山智浩)キング牧師は黒人の平等を達成しようとして戦って、暗殺されたんですけども。実は音楽で白人の側からそれをやったのがプレスリーだったんですよ。

(赤江珠緒)へぇ〜!!

(町山智浩)で、プレスリーはメンフィスから出てきて、キング牧師はメンフィスで殺されるんですよ。で、その時にメンフィスで殺されたキング牧師の事を悼んで歌ったのがこの『If I Can Dream』という歌で、キング牧師が「私には夢がある(I have a Dream)。人々が肌の色で差別されない世の中になるように。」と。言って、でも倒れてしまったので、プレスリーはこの歌でですね、「なぜ夢は叶わないのか?でも僕は立ち上がり、夢を見続けるんだ。」っていう歌を歌ったんですよ。プレスリーっていうと、メッセージソングなんかないと思ってる人もいるかもしれないですけど、これがあるんですよ。

(赤江珠緒)へぇ〜〜!

(町山智浩)という歌がこの『If I Can Dream』という歌なんですけど、『エルヴィス』という映画は7月1日から日本公開ですね。

(赤江珠緒)うん。今時代超えて考えるとその当時その当時のね、常識と言われたものなんて、なんて変な事がまかり通ってたんだみたいに思いますけど、それを突破するのはね、そりゃあ、大変な軋轢もあったでしょうね。確かにねぇ。

(町山智浩)はい。そういう人だったんですよプレスリーというのは。まぁ知らなかった人も多いと思うんですが。この映画はものすごくわかりやすく描いてて、全然知らない人でもわかるようにできてますんで、是非ご覧ください。

(赤江珠緒)『エルヴィス』は7月1日からの日本公開です。はい。という事で、町山さん今日はそのメンフィスから、ありがとうございました。

(町山智浩)どもでした!

(山里亮太)ありした!

(町山智浩)7月1日は投票に行きましょう!

(赤江珠緒)はい!

※書き起こし終わり

○○に入る言葉のこたえ

④エルヴィスはロックンロールで革命を起こして、黒人と白人の壁を取り払った人
⑧ブルースはやってらんねーぜ!という歌で悪魔の音楽と言われている

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