少女バーディ ~大人への階段~の町山智浩さんの解説レビュー
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映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)で、『少女バーディ 大人への階段』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。
町山さん『少女バーディ 大人への階段』解説レビューの概要
①『少女バーディ 大人への階段』の日本語タイトルの是非について
②主人公は14歳ぐらいの領主の娘でお嬢様
③父親は金遣いが荒く借金を抱えてしまう
④親の借金の為に○○○
⑤お見合い相手と別れるために○○○をした
※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。
少女バーディ 大人への階段 町山さん解説書き起こし
(町山智浩)今日はですね、映画を2本紹介したいんですが、女の子についての映画なんですね。で、1本はですね、『少女バーディ 大人への階段』というタイトルの映画で、もう1本は『The Woman King』というタイトルなんですけれども。どちらもね、タイトルからはわかんないですけど、歴史的な時代劇なんですね。で、『少女バーディ 大人への階段』というのは・・少女バーディ、大人への階段ってタイトルこれ、日本語タイトル、ないよねこれね?
(赤江珠緒)確かに。(笑)そうですね。
(山里亮太)こう、クリックしづらいっていうか。
(町山智浩)ていうかなんか、テツandトモのような気がしますよね。(笑)
(山里亮太)なんでだろう。(笑)
(町山智浩)大人の階段の〜ぼる〜♪ってあるじゃないですか。もう知らないかみんな!?H2Oですよ!君はまだシンデレラさ♪って。思い出しますけど全然そんな話じゃなくて。13世紀の中世イギリスを舞台にした時代劇なんですよ。で、『The Woman King』の方は、1729年、だから18世紀のアフリカが舞台なんですね。ただ両方とも少女、10代の少女が主人公なんですが。で、『少女バーディ 大人への階段』の主人公は14歳ぐらいの女の子のキャサリンという子なんですが、領主の娘なんですね。
(赤江珠緒)ふんふん。
主人公は14歳ぐらいの領主の娘
(町山智浩)で、中世イギリスの領主だからまぁお殿様ですよ。城を持っててね、土地を持ってて。だからお姫様になるのか、そうすると。ただ、すごくおてんばでですね、動物と泥んこになって遊んでたりするんですけど。で、”バーディ”という風に自分を呼んでて、友達にもバーディって呼ばせてて、それでバーディというのは”小鳥ちゃん”っていう意味なんですね。で、小鳥をいっぱい飼ってるんですよ、自分の部屋の中に。で、友達はね幼なじみの羊飼いの男の子で、でも男とか女とか関係なくですね2人で子犬みたいにじゃれてるんですね。全然まだなんていうか思春期にもなってないんですよ。ただですね、このお父さん、領主、お殿様はですね、無駄遣いがひどい金遣いの荒い男なんですね。なんとね、シベリアからトラを輸入するとか、そういうバカな事をしてですね、ものすごいお金を無駄遣いしちゃうんですね。
(赤江珠緒)ほうほう。
(町山智浩)で結構なんていうか酒ばっかり飲んでてですね、どうしようもないお父ちゃんで、借金を抱えちゃうんですね、お殿様なんですが。それで、これにはもう、自分の娘をですね、どこかの金持ちに嫁入りさせて・・要するに娘を売ろうとするんですよ。それを察したバーディちゃんはですね、売られては嫌だと。つまり金持ちに売られるって事は、ジジイに売られるっていう事ですよね。汚いジジイにね。嫁に行かされると。それが嫌だから、ただ、初潮さえ来なければ嫁に行かされないで済むから。だから初潮が来ても隠すんですよそれを。
(赤江珠緒)あ〜。
親の借金の為に金持ちに売られそうに
(町山智浩)これ結構ねリアルでね。まぁなんていうか生々しい映画になってますね。で、中世のイギリスというのは、どういう生活をしてたかっていうのもかなりリアルに描かれていて。中世イギリスってまぁ不潔なんですよ、ハッキリ言って。
(赤江珠緒)まぁそうですね。今考えたらね、色々と、そうでしょうね。
(町山智浩)そうなんですよ。トイレもね、室内になくてね。で、なんというか汲み取り式だしね。色んな事で、動物とかが部屋の中を行ったり来たりしてたりとかね。非常に不潔なんですけど、なんだけれどもそれなりに非常に美しい物もあって、衣装とかそういうのも本当にきらびやかでですね。超リアルに描かれていて、それ見てるだけでもすごいんですが。すごく時代考証をしっかりやっているみたいですね。
時代考証がしっかりされていて超リアルに描かれる映像美
(町山智浩)で、このバーディが1番嫌なのは、彼女はとにかく女の子に生まれてつまんないんですよ。だから、おじさんが戦争に行くんですね。十字軍の遠征があったんで。で、エルサレムまで行く訳ですよヨーロッパを。そんなの自分には一生ないんですよ、そんなチャンスは。で、当時の13世紀の女の子っていうのは、基本的に家事と、あと、羊の毛から糸を紡ぐ事ね。それとあと刺繍をする事。あとはまぁ子育て、子供を産む事。それ以外は基本的にやる事が許されないんですよ。でもこのバーディは、剣を振るって誰かを殺したいとかそんな事ばっかり考えてるんですね。その頃はサムライになりたい訳ですよ、騎士になりたい。でもそんなのはありえないですね。で、このままだと変なジジイの所に嫁に行かされるっていうんで、羊飼いの男の子にね、私を連れて逃げてって言うんですけど、羊飼いの子は領主の娘を連れて逃げれないですよね。
(山里亮太)あ〜確かに。
(町山智浩)で、お見合いをさせられちゃうんですよ、とうとうもう。初潮が来たのがバレちゃって。
(赤江珠緒)あらら。
(町山智浩)で、次々とお見合いさせられるんですけど、それを次々とブチ壊していくという話なんですね、これ。
(赤江珠緒)ほう。自分で?
(町山智浩)自分でブチ壊しちゃう。まぁ昔からよく、どうしてもその人と別れたかったら、こうしろっていう話ってあるじゃないですか。
(赤江珠緒)あ〜〜はいはいはい。
(町山智浩)聞いた事あります?
人と別れたい時、どうする?
(赤江珠緒)もうとにかく相手から嫌われるっていうね、バカなふりをするとか。
(町山智浩)バカなふりっていうか、絶対に嫌われる方法って昔から言いますよね?
(赤江珠緒)えっ?
(町山智浩)えっ?すごく有名な話で、男でも女でも使える、絶対に嫌われる方法。
(山里亮太)絶対に嫌われる方法・・。
(町山智浩)一緒に寝てるベッドで・・。
(山里亮太)あっ!
(町山智浩)ねぇ、有名な話ですね。
(山里亮太)おもらしですか!
(町山智浩)ウンコを漏らすという。非常に有名な、王道と言われている・・どんな王道だよ。(笑)ありますが。彼女はですね、汚いジジイが嫁にくれって言ってきたんで、関節炎に効く薬ですとか言ってウンコをあげたりしてね。そういう事をして嫌われようとするんですが、このジジイが何をされてもですね、めげない男で。徹底的にこの少女と結婚しようとするんですよ変態親父が。
(赤江珠緒)うわ〜〜。
(山里亮太)コメディだ、こういう。
(町山智浩)これコメディですよこれ。(笑)これねぇ『少女バーディ 大人への階段』って聞いて、うんこコメディだとは思わないですよね?普通。(笑)基本的にこれコメディですんで。ただ時代考証は非常にリアルなんですけどね。でやっぱり女の子は嫁に行くしかないんだっていう時代と戦う女の子の話ではあるんですけども。『少女バーディ』はもうね、Amazonプライムで配信が始まってるんで日本でもう見れます!
(赤江珠緒)確かに映像綺麗ですね。
(町山智浩)あぁもうすごくリアルなんですよ。非常に綺麗です。
※書き起こし終わり
○○に入る言葉のこたえ
④親の借金の為に金持ちに売られそうに
⑤お見合い相手と別れるためにウンコをした