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引用:IMDb.com

AIR/エアの町山智浩さんの解説レビュー

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2023年09月14日更新
エアジョーダンがいかに始まったかっていう話なんですね、この映画がね。(TBSラジオ「こねくと」より)

映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『こねくと』(https://www.tbsradio.jp/cnt/)で、『AIR/エア』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。

町山さん『AIR/エア』解説レビューの概要

①ナイキのエアジョーダンが商品化した時の苦労話を映画化したもの
②50億ドル売り上げるエアジョーダンがいかに始まったか
③エアジョーダンの靴の企画時、マイケル・ジョーダンはスーパースターではなかった
④エアジョーダンの靴の企画時、マイケル・ジョーダンは〇〇○だった
⑤マイケル・ジョーダンを見出したソニー・ヴァッカロ
⑥高級なバスケットボールシューズでヒット
⑦ナイキは業界トップだったコンバースを買収するまでに
⑧当時のユニフォームも変えたマイケル・ジョーダン
⑨マット・デイモン扮するソニー・ヴァッカロさんはその後○○

※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。

『AIR/エア』町山さんの評価とは

(町山智浩)今日はですね、もう公開中なんですけど日本では。『AIR/エア』という映画です。

(石山蓮華)うん、えあー?

(でか美ちゃん)いや私これ見たいんですよ。まだ見れてないんですけど。

(町山智浩)知ってます?

(でか美ちゃん)知ってます。もう結構周りで評判が良い。

(町山智浩)あぁ本当に。もう既に評判いいんだ。これ『AIR/エア』っていうタイトルで映画館行かないよね、これね。

(でか美ちゃん)まぁどんなお話なんだろうって思いますが。

(石山蓮華)ねぇ。空気のエア。

(町山智浩)だってエアが付いてるのって、そのなんて言うの?エア飲み会とかさ。

(でか美ちゃん)なんかリモート的な?

(町山智浩)そうそうリモート的な。実際飲み会してなかったりするのね。エアっていうのは、実際にしてない事を、エアギターってあるじゃないですか。

(でか美ちゃん)あぁ確かにね。エアギターとかが1番こうパッと思い付くか。

(石山蓮華)そうですね。

(町山智浩)ねぇ。『AIR/エア』って言って大丈夫かその映画って思っちゃいますよね普通ね、タイトルがね。これはね使えなかったんですね、他のタイトルが。これエアジョーダンというバスケットシューズがありますけども。

(でか美ちゃん)はいはい。ナイキの。

(町山智浩)ナイキのですね。それがナイキが商品化した時の苦労話を映画化したものなんですよ。

(でか美ちゃん)ほう。じゃぁちょっと先週の『テトリス』と近いような。

(町山智浩)すごい近い。

(でか美ちゃん)そうですよね。

引用:IMDb.com

ナイキのエアジョーダンが商品化した時の苦労話を映画化

(町山智浩)けど、あれは90年代だったんだけど、さらに昔の話になりますよ1984年です。

(石山蓮華)じゃあ39年くらい前ですかね。

(町山智浩)40年くらい前ですよ。で、僕はもうこの時もう働き始めてたんでいかにジジイかよくわかりますけどね。で、エアジョーダンのは今でも売ってるから、見た事はありますよね?

(でか美ちゃん)もうめちゃめちゃメジャーなスニーカーですよね。ピンキリある感じのね。

(町山智浩)そうそうそう。色んなバージョンが出てるんですけど、最初は1バージョンだけだったんですけど赤と白と黒のね。で、これがどのくらい年間売り上げてるかっていうと、ここに記録があるんですけど。50億ドルですって、年間の売上が。

(でか美ちゃん)ええっ!すご!まぁ世界中で売ってるっていうのもありますよね。アメリカだけじゃなくて日本でも見るし。

(町山智浩)そうそう。あのね、中国ですごい売れてるんですよね。

(でか美ちゃん)へぇ〜!

(町山智浩)中国はずっと前ヤオ選手が出てからNBA、アメリカのプロバスケットボールがものすごいブームになって、中国全土で何億人もの人がバスケットボールをやってる状態なんで。

(石山蓮華)そうなんですね。

(町山智浩)バカ売れしててですね。50億ドルってだって5000億円以上ですよね?

(でか美ちゃん)想像もつかない額だな。

(石山蓮華)ほんとですね。

50億ドル売り上げるエアジョーダンがいかに始まったか

(町山智浩)国家予算ですよ殆ど。すごい事になってるんですけど、そのエアジョーダンがいかに始まったかっていう話なんですね、この映画がね。で、監督があのベン・アフレックで、主演がマット・デイモンというね、この2人は幼なじみで昔から映画を一緒に作ってるんですけども。で、これマット・デイモンが主人公のソニー・ヴァッカロというナイキの社員で、マイケル・ジョーダンというNBAの選手の契約をした人なんですね、それが主人公でソニーさんなんですけども、これすごいのはそのエアジョーダンっていうのはマイケル・ジョーダンっていうNBAの選手で、とにかくエアジョーダンと言われるほどジャンプがすごかったんですね。

(でか美ちゃん)そう、知らなかったんですけど、対空時間からあだ名付けられてたんですね。

(町山智浩)そうなんですよ。本当に空を飛んでるように見えて、空中でボールを持ち替えたりするんですよね、滞空時間が長いから。

(でか美ちゃん)本当にもう、スーパースターじゃないですか。

(石山蓮華)そうですね。私でも、本当にスポーツは疎い石山なんですが、私でも知ってる選手です。

(町山智浩)でしょう?でも、このエアジョーダンっていう靴を企画して契約した時は、マイケル・ジョーダンはスーパースターじゃなかったんですよ。

引用:IMDb.com

エアジョーダンの靴の企画時、エアジョーダンはスーパースターではなかった

(でか美ちゃん)えー!なんかスターのモデルが、そのギターでね、布袋さんのギターが出るみたいな、そういう事だと思ってたんですけど。

(町山智浩)そうそう。布袋さんのテレキャスターとかね。マイケル・ジョーダンこの時、実はNBAにも入ってなかったんですよ。

(でか美ちゃん)え!!何してたんですか!

(町山智浩)大学生。

(石山蓮華)大学生!?えっ、大学生のモデルを作ったんですか?

(町山智浩)作っちゃったんですよ。

エアジョーダンは当時大学生だった

(でか美ちゃん)えっそれはなぜできたんですか、そんな事が。

(町山智浩)これはまずナイキっていう会社でそのソニーさんって人がね、ナイキの次のスターというかナイキその頃めちゃくちゃ会社としてはダメだったんですよ、バスケットボールが。バスケットシューズがね。で、このマイケル・ジョーダンという学生に全てをぶち込もうと。

(でか美ちゃん)えーー!結構な判断だと思うんですけど。

(町山智浩)大変な判断ですよだ。だって、エアジョーダン自体が契約したのが1984年の10月なんですけども、1984年の10月にマイケル・ジョーダンはプロデビューしてるんですよ。

(でか美ちゃん)えっ・・それは何から見出したんですかね。

(町山智浩)あのねビデオを見てて。学生時代の試合を見ていて、マイケル・ジョーダンの落ち着き方を見てソニー・ヴァッカロさんが、こいつは将来のスーパースターになるって思い込んで。(笑)

(でか美ちゃん)練習してる風景とかじゃなくて、佇まいで判断したんですか?

(町山智浩)佇まいなんですよ。

(でか美ちゃん)えー!

引用:IMDb.com

エアジョーダンを見出したソニー・ヴァッカロ

(町山智浩)試合の最中に、パスを受ける前に待ってる状態のマイケル・ジョーダンの顔を見て、この自信はすごいって言うんで、こいつにナイキの全てを賭けようって事になるんですよ。

(でか美ちゃん)すっごいギャンブラーだな!

(石山蓮華)聞いてるだけでちょっと鳥肌立つぐらいの。

(でか美ちゃん)だって、ナイキでしょう?会社でしょう?

(町山智浩)そうなんですよ。それで今ギャンブラーだなって話が出たんですけど、このソニー・ヴァッカロさんっていう人は本当にギャンブラーなんですよ。

(でか美ちゃん)あぁ本当にお好きなんだ。(笑)ギャンブルが。

(町山智浩)ギャンブルが大好きで。この映画の最初にマット・デイモン扮するソニーさんはラスベガスに行って数100万円をサイコロを転がすクラップスっていう博打で、1つの目にオールインしちゃうんですよ。

(石山蓮華)えっ!オールイン!すご!

(町山智浩)そう。全賭けってやつですね。それして、数100万を一瞬で失うっていうシーンがあって。

(でか美ちゃん)失った経験もあるのに、ジョーダンに全ベット。オールインしようってなったという事ですよね。

(町山智浩)そうなんですよ。それを聞いたらナイキの社長は、なんで?この人誰?っていう話ですよね。まず最初に。

(でか美ちゃん)ねぇ。なになになに!ってなっちゃうよ。

(石山蓮華)ちょっと止めようかなって思いますよね。

(町山智浩)最初、止めようとしますよ、さすがにね。だってルーキーだからって言って。で、試合の成績はどのぐらいなんだ?いや、まだ試合出てませんって。ジョーダン、ドラフトされて、シカゴ・ブルズっていうその頃あんまり強くない所に入ったばっかりですって。

(でか美ちゃん)あぁシカゴ・ブルズも強くなかったんだ。めちゃめちゃ有名なチームですよね?

(町山智浩)強くなかったんですよ。マイケル・ジョーダンが強くしたんです。その後強くなるんですけど。

(でか美ちゃん)まぁそういう物語か。

(町山智浩)で、そんな事まずできるの?っていう所から、あとまぁナイキっていう会社が、その頃実はすごいちっちゃい会社だったんすよ。

(でか美ちゃん)あぁそうだったんですね。

(町山智浩)これね、僕の年齢だと1962年生まれ・・ちなみに僕マイケル・ジョーダンと学年が一緒です。

(でか美ちゃん)えっ!タメ?ジョーダン世代!

町山さんはマイケル・ジョーダンと同じ学年

(町山智浩)そう。同じ世代でジョーダン世代なんですけど。で、その頃は、バスケットボールシューズって言うと、僕が子供の頃は全部コンバース一色だったんですよ。

(でか美ちゃん)へぇそうなんですね。

(町山智浩)みんなコンバースで。その頃学生って中学生はみんな学ラン着てたんですけど男の子はね。みんな黒のコンバースしか履いてなかったです。

(でか美ちゃん)へぇ大流行。

(町山智浩)大流行。というかそれしかなかった状態だったんです。

(でか美ちゃん)そうか、1番ベタな物だったんだ。

(町山智浩)そう、コンバースオールスターっていうのをみんな履いてて。キャンバス地のやつね。

(でか美ちゃん)あ、今でもね、定番のデザイン。

(石山蓮華)うちにもありますね。

引用:IMDb.com

アディダスやコンバースが主流の時代だった

(町山智浩)今でも定番ですけど、それが1970年代ですよ。その後、1980年代に入ってアディダスがバスケットボールシューズで売れ始めるんですよ。で、それはRun-D.M.C.っていうラップグループが履いてたんでね、アディダスのスーパースターってやつを。で、売れるんですけど、ナイキはその頃とんど全く売れてなかったんです。

(石山蓮華)へ〜そうだったんですか!

(でか美ちゃん)今やね、並ぶ・・そのアディダスとナイキは並んでますけどね。

(町山智浩)いやナイキトップですよ今。シェアでは。60%ぐらいです現在は。でもその頃は12.3%しかないんですよ。というのは、これ知ってる人は知ってる・・年齢的に僕ぐらいの世代は知ってるんですけど、ナイキっていうのは陸上競技の靴だったんですよ。

(でか美ちゃん)あぁそうなんですね。へぇ。

(町山智浩)元々ナイキの社長の人がですね、フィル・ナイトさんって人なんですが。この人オニツカタイガーで働いてた人なんですよ。

(でか美ちゃん)へ〜そうなんだ。あ、日本の。

(町山智浩)オニツカタイガーって、まぁアシックスですけど、陸上競技ですごく当時人気があって。で、この社長さんはジョギングするのが大好きな人で、元ヒッピーなんですね。で、その頃は瞑想してジョギングをしてってのが流行ってたんですよ、で、ヨガをやってっていうのがね。ニューエイジというもので、で彼はジョギングが好きだったんで、オニツカタイガーで自分が理想とするジョギング用の靴、ランニング用の靴を作るってことでナイキっていう会社を作ったんで、そのバスケットシューズは全然売れてなかったんですよ。

(でか美ちゃん)そもそもそのつもりじゃない会社だったって事ですね。

ナイキの社長はオニツカタイガー出身でランニング用の靴を作っていた

(町山智浩)そうそうそう。興味がないんです全然。この人は。ところが、ソニーさんっていう人がこのマイケル・ジョーダンという若者。その当時21歳ですよ。に、ナイキの全てを賭けてバスケットボールシューズを、彼専用のやつを作ろうって言い出すんですよ。

(でか美ちゃん)だってまさにロゴというかジョーダンのマークがね、パッと跳んでる瞬間のが入ってますもんね。

(町山智浩)そうそう。マイケル・ジョーダンが足を広げてね。ジャンプしてる。今はアイコンになってるんですけど、その頃は・・日本の人がすごかったのが、僕も実はエアジョーダン持ってたんですけど、85年に。買ったんですが。実はマイケル・ジョーダンていう選手を殆ど日本の人は知らないでエアジョーダン買ってたんですよ。

(でか美ちゃん)あ、最初は。そうなんですね。

(石山蓮華)じゃぁ逆転現象って感じだったんですかね?

(町山智浩)そうなんです。

(でか美ちゃん)靴の人がこの人かって事ですよね。

(町山智浩)そうそうそうそうそう。というのはだって、試合にルーキーとして・・1年目ですから。しかもシカゴ・ブルズが優勝するのってその何年も後なんですよ。

(でか美ちゃん)そうかジョーダンが来て、強くなっていくから。そっか、日本で強いぞって伝わるまでにはそれぐらいかかるのか。

(石山蓮華)ラグがあったんですね。

(町山智浩)そう。だからマイケル・ジョーダンっていう人の靴だって事は知ってるんだけども、その頃は全然有名じゃないのにバカ売れしたんですよ。日本でも。すごいんですよ。これだからね、すごかったのはね、その最初の年だけでとんでもなく儲けちゃうんですね。で、試合自体には殆ど出始めで、それなのに126ミリオン最初の1年であげちゃうんですよ、売上を。

(でか美ちゃん)何がそこまで売れたんですかね。

(石山蓮華)やっぱデザインとかですか?

(町山智浩)デザインなんですね。あのね、ハイカットだったんですよ、エアジョーダンって。で全部完全にレザーだったんです。その頃のアディダスは、完全レザーじゃなくてゴム入ってたりしたんですよね、ゴムカップが付いてたりして。で、コンバースはキャンバス地だったんで。1番高級感があったんですよ。それで1番高かったんです、エアジョーダンが。

(でか美ちゃん)それでも1番売れた?

引用:IMDb.com

高級なバスケットボールシューズでヒット

(町山智浩)そう1番売れた、高級なバスケットボールシューズという、よく考えるとよくわからない物で、その当時にね大体日本では大体1万円ぐらいで売ってたんですけど、現在それを保存していれば、80万円ぐらいらしいんですよ。

(でか美ちゃん)ええ!でもエアジョーダンって、この1番最初の作品の元になってるのもそうですけど、結構新しく出てもプレミア付いてますもんね、いつもスニーカーって。

(町山智浩)発売した瞬間にみんな買って、特に靴オタクの人達は履かないでケースに入れて透明の。

(でか美ちゃん)ね、入れておくんですよね。

(町山智浩)それで保存するんですよ。で時々、1ヶ月に1回ぐらい履いて、ウーンとか言うんですよ。(笑)

(石山蓮華)え、それは家の中で履いてウーンって言うんですか?

(町山智浩)そうですよ。外で履いたら価値が落ちちゃうからですよ。

(でか美ちゃん)コレクションとしてのね。

(町山智浩)そう。そういう物はなかったんですけど、そういう物を作ったんですよ、ナイキが。文化そのものを。

(でか美ちゃん)そもそも、色々差別とかもある中で黒人の方がこうやって何かのアイコンになるって事自体が素晴らしいし、すごい事ですもんね当時だと。

(町山智浩)当時としてはすごい事ですよ。ゴルフウェアとかでねアーノルド・パーマーとかあったんですけどね。で、このエアジョーダンがすごいのは、実はマイケル・ジョーダン自身がバスケットボールの年俸とかで売り上げた物よりはるかに、なんていうかね、例えば去年のエアジョーダンの売り上げのパーセンテージでマイケル・ジョーダンがもらった額だけで、彼がNBAに在籍してもらった年俸の総額の2倍なんですよ。

(石山蓮華)えー!総額の2倍!すごい。

(町山智浩)そのぐらいすごいのを稼ぐようになったのは、実は売り上げのうち5%をマイケル・ジョーダンが受け取るという契約をしたからなんですよ。それまでのスポーツウェアっていうのは基本的に、アーノルド・パーマーとかは別なんですけど。例えばアディダスはある選手に靴を試合で履いてもらって、コマーシャルに出てもらってっていう形で。その選手のブランドを作った事はなかったんですよね。あまり靴ではね。

(でか美ちゃん)そうですね。そのスポンサー的な事しかあんまないですよね本来。

(町山智浩)そうそう。スポンサーだったんですよ。そうじゃなくてブランドを作っちゃったんですよ。

(石山蓮華)じゃぁそのエアジョーダンからマイケル・ジョーダンもナイキも、ものすごい名前を上げていったんですね。

(町山智浩)だってナイキはその後コンバース買収しちゃいますからね。

(石山蓮華)あぁそうなんですか!

(でか美ちゃん)そうですよね。

ナイキは業界トップだったコンバースを買収するまでに

(町山智浩)業界トップだったコンバースを買収しちゃうんですよ。

(でか美ちゃん)だからその3つがどんどん相乗効果で上がってくっていう物語なんだろうなという事はわかったんですけど、やっぱり実績ない学生にオールインするっていう背景がちょっと気になりすぎる。

(石山蓮華)気になりますね。

(町山智浩)そう。これは映画を見てもらってもね、はっきり言ってよくわからないんですよ。だから説得するのは大変なんですよ。なんであの人なのあの子なのみたいな。でも、俺は絶対にいくと思うんだってマット・デイモンが言い続けるんで。ただね、マイケル・ジョーダンっていう人はやっぱりね、選手としてのね、技術とかそういった事以上に天才的な所がやっぱりあったんですよ。

(でか美ちゃん)天才的な、と言うと?

(町山智浩)あのね、マイケル・ジョーダンが出てくる前のバスケットボールのプロもアマチュアも含めて、ユニフォームって見た事あります?

(でか美ちゃん)あ〜、でもバスケのユニフォームのイメージは、タンクトップみたいな、ちょっとシャカシャカ?薄手のビブス?の素材で、ダボッとしてて、ちょっとヒップホップ要素がある感じのかっこいいイメージですね。

(町山智浩)でしょ!?僕が子供の頃とか中学の頃は違ったんです。マイケル・ジョーダン以前は違ったんですバスケットボールは。

(石山蓮華)ジョーダン以前、以後で違うんですね。

(でか美ちゃん)え、何着てたんだろ。

(町山智浩)パンパンの短パンだったんですよ、ユニフォームが。

(石山蓮華)ぱんぱんの・・?

(でか美ちゃん)えっ!ピチパツだったって事ですか?

(町山智浩)ピチパツだったんです。もうキツキツの短パンだったんです。

引用:IMDb.com

当時のユニフォームも変えたマイケル・ジョーダン

(でか美ちゃん)でも動きづらくないですか、陸上選手みたいなやつですか?

(町山智浩)あのね、まぁピンク・レディーが『サウスポー』で履いていたようなやつです。

(でか美ちゃん)あー!めっちゃすぐ想像ついた!ああいう感じか!

(町山智浩)ああいう感じなんです。

(でか美ちゃん)スタイルがこう、ボディラインが出ちゃうぐらいの?

(町山智浩)出まくりです。

(石山蓮華)結構足がすごいよく見える感じなんですか?

(町山智浩)もうお尻プリップリなんですよ、バスケットボール選手、もうみんな当時は。

(でか美ちゃん)動きづらいじゃん、バスケ。

(町山智浩)プリプリプリプリしてる感じで前の方なんかはみ出そうなんですよ、もう。

(でか美ちゃん)ははは!

(町山智浩)まぁそれはセクシーでちょっと良かったんですけど。

(でか美ちゃん)町山さん1番イキイキしてるけど。(笑)

(石山蓮華)でも、はみ出ちゃう事もあったんですかね?

(でか美ちゃん)危なくない?ほんとに。

(町山智浩)もう試合に集中できないですよ、あんなのセクシーすぎて。この当時のバスケットボールは。

(石山蓮華)どっちのボールがシュートしちゃうんだろう。

(でか美ちゃん)www2つあるし。

(町山智浩)そういう問題があったんですよ。それを、これはエロすぎるからやめようって言って、やめたのがマイケル・ジョーダンなんですよ。

(でか美ちゃん)えらい!みんなの為に動いてくれたんだ。

(町山智浩)そう。で、あのガバガバの、今みんなが知ってるダボッとしたショーツに彼が変えたんで、他の選手も、いや俺も今まで恥ずかしかったんだよみたいなね。

(でか美ちゃん)そっか、言い出せないというか、そういうもんだと思ってたからみんな着てたけども。

(町山智浩)そう。気が散っちゃってとかね。前の選手のがちょっと・・気が散っちゃってとかね。それで、みんな一斉に変えたんですよ。

(でか美ちゃん)しかもバスケットの選手なんてね、結構背も高い方が殆どでしょうから余計ね。

(石山蓮華)接触も多いスポーツですしね。

(町山智浩)接触も多いからあんなプリプリでやられると色々と困るんですよ。だからマイケル・ジョーダンがいなかったらね『SLAM DUNK』とか大変な事になってましたよプリプリで。

(石山蓮華)確かに。そうかも。

(町山智浩)もう流川君なんか大変ですよ。俺こんなの履くの〜みたいな世界ですからね。

(でか美ちゃん)ていうか流行らなかったかもしんないですよね。マジでバスケが。

(石山蓮華)競技人口の母数も変えたかもしれないですね。

(町山智浩)そう。だからマイケル・ジョーダンそこらへんも天才だったんですけどね。で、あんまり天才だからあれですよ、金八先生も言ってたんですよね。

(でか美ちゃん)えっ。なんて言ってました?

(石山蓮華)金八先生が?

(町山智浩)人という漢字はマイケル・ジョーダンがジャンプしているところから・・。

(でか美ちゃん)ジジイ!テメ嘘つきやがったなコノヤロ!今週も!

(石山蓮華)私もそれはわかりますよ!(笑)

(町山智浩)武田鉄矢さんはすごいマイケル・ジョーダンのファンで、『JODAN JODAN』っていう歌まで出してたんですよ本当に。

(でか美ちゃん)うわっこれ際どいぞ、どっちだ。(笑)

(町山智浩)際どいですよ、はいこれは本当です。(笑)あとね、すごかったのが。エアジョーダンが画期的だったのは、赤黒白だったからですよ。

(でか美ちゃん)あぁ、あのね、初代のデザインすごい有名な。あれが画期的だったんですか?

(石山蓮華)ね。映画のビジュアルも赤黒白ですね。

画期的な初代デザイン

(町山智浩)あれはね、NBAでは反則だったんですよ。

(石山蓮華)反則?

(でか美ちゃん)えっ、なんで?

(町山智浩)白い色が全体の面積の51%を超えてないといけないっていうルールがあったんですよ。

でか美ちゃん)あっ、そうなんですね、知らなかった。

(町山智浩)で、そういう色の付いたのを履いて試合に出ると1試合ごとにかなりの額のですね、罰金を取られる事になってたんですよ当時

(でか美ちゃん)でも履いてたんですか?

(町山智浩)それもね、マイケル・ジョーダンが無理やり履いて、最初は罰金をナイキが代わりに払ってたんですけど、3回履いて続けて試合に出たら、もういいやって事でそのルールがなくなったんですよ。

(でか美ちゃん)へ〜!じゃぁ本当に色々変えた人なんだマイケル・ジョーダン。

(町山智浩)そうなんですよ。だからその事を歌ったのが、その当時のアイドルの芳本美代子さんの『白いバスケット・シューズ』っていう歌なんですよ。

(でか美ちゃん)へー!嘘かぁ?これは?

(町山智浩)これは嘘です。はい。(笑)という事でね、時間だな!はい。

(でか美ちゃん)言い逃げだ!言い逃げだぞ!(笑)でも気になります、見てみたい。

(町山智浩)今公開中なんで、是非!ご覧いただきたいと思います。

(石山蓮華)ありがとうございました!以上!映画評論家町山智浩さんのアメリカ流れ者でした。町山さん、ありがとうございました!

(でか美ちゃん)ありがとうございました!

(町山智浩)どもでした!

引用:IMDb.com

2023年4月18日放送のTBSラジオ『こねくと』にて。

(石山蓮華)先週ご紹介いただいた映画『AIR/エア』、見ました。2人とも。

(でか美ちゃん)見ましたー!面白かったです!

(町山智浩)おお!ありがとうございます!面白かった?どの辺?

(石山蓮華)なんか、映画・・私ふんわりとこう細々仕事をやってきたんですが、まぁ通いの仕事を始めてその2週間ぐらいのタイミングで見たので、仕事頑張ろう!っていう気になりましたね。結構そのビジネスとか、その自分の仕事をどうやって人に広めて、それが物っていうものがそのカルチャーになって世界を変えていくこれからっていう所で、非常に勇気づけられる点がありました。

(でか美ちゃん)私、でか美ちゃんはですね、町山さんがご紹介して説明してくれた以上に色んな人が首の皮1枚の状態で、ジョーダンのあのエアジョーダンに繋がったっていうのが結構面白くて。本当、『桐島、部活やめるってよ』じゃないけど、ジョーダンの存在感がそこまでスポット当たってない感じとかも私は好きでしたね。

(町山智浩)本人が見えないですからね、画面の中にね。

(でか美ちゃん)あのお母さんがいいんだよな。

(石山蓮華)あっ!お母さんよかったですねー!

(町山智浩)そう。ヴィオラ・デイヴィスさんっていう名女優ですね。

(でか美ちゃん)なんか私ちょっと影響受けて、エアジョーダンじゃないけど今日エアフォースワンを履いてます。

(石山蓮華)さくらんぼ柄の!

(でか美ちゃん)ナイキ履いちゃってる!(笑)もうすぐに影響されますから。

(町山智浩)実はね、あの映画ね。ナイキの宣伝映画みたいに見えるじゃないですか。

(でか美ちゃん)見えちゃってますよ?

(町山智浩)ナイキは一切協力してないんですよ。

(でか美ちゃん)ええっ!協力してくれよ!

(町山智浩)だって自分の宣伝になるって思うじゃないですか普通。

(石山蓮華)ね、思いますよね。

(町山智浩)ナイキ側はあの映画の主人公がマット・デイモン扮するソニー・ヴァッカロっていうスポーツ選手を口説いてくる担当の人なんですけど、あの人のおかげでエアジョーダンが商品化されたとナイキは思ってないんですよ。

(でか美ちゃん)えーー、ちょっとぉ。

(石山蓮華)それはナイキ側はどういう風に思ってるんですか?

(町山智浩)ナイキは会社全体としてやった事で、彼1人の手柄みたいになってる所がやっぱりちょっと違うというのと、あのマット・デイモン扮するソニー・ヴァッカロさんはあの後ですね、ナイキをクビになってます。

(でか美ちゃん)えーー!社会って怖いぜ!

(町山智浩)世の中怖いですよ本当に!で、クビになったから頭来て、ライバルのアディダスに就職してますね彼は。

(でか美ちゃん)うわー!そういう展開があるんだ!面白い!教えてもらってよかった!

(石山蓮華)映画の外にも物語が。

(町山智浩)大人の世界があるなと思いましたよね。

※書き起こし終わり

○○に入る言葉のこたえ

④エアジョーダンの靴の企画時、エアジョーダンは大学生だった
⑨マット・デイモン扮するソニー・ヴァッカロさんはその後ナイキをクビになった

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