検索 映画ポップコーンについて
登録/ログイン
引用:IMDb.com

君の名前で僕を呼んでの町山智浩さんの解説レビュー

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

2020年04月08日更新
この映画、すっごい変な映画なんですよ。ものすごい奇妙な映画なんです。今までこれだけ言って、一体どうなるの?って、ちゃんと最後、オチが付きます。(TBSラジオ「たまむすび」より)

映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)
で、『君の名前で僕を呼んで』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。

映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。

町山さん『君の名前で僕を呼んで』解説レビューの概要
①いわゆるBL物ですが、映像が美しく、したたるような映画。
②主演のティモシー・シャラメ君が実生活も超天才でスゴイ!
③古代ローマやギリシャで作られた男の人の裸の彫刻。あれは、当時の○○だった!!


※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。


(町山智浩)
『君の名前で僕を呼んで』という不思議なタイトルの映画ですね。

(海保知里)
どういう意味なんだろう・・。

(町山智浩)
これね、すごく音楽がいいんですけど、ピアノがずっと流れているんですけど。これ主人公が17才の少年で、エリオ君という男の子なんですが、彼はすごいピアノとかギターとか、なんでもできるんですよ。この映画の中でもずっとピアノを弾いているんですけども、その17才の少年のエリオくんが1983年の夏休みにイタリアに家族と一緒に住んでいるんですね?で、そこに現れた24才の、大学の博士課程の研究生オリバーと彼が恋に落ちるという話なんですよ。

(海保知里)
あ〜男性同士っていう。

(町山智浩)
いわゆるその、BL物ですけど。「いわゆる」ね。はい。ただ、これがものすごい映像が美しくて、したたるような映画なんですよ。

(山里亮太)
したたる?

(町山智浩)
あのね、具体的にはね、具体的に物がしたたっている感じの映画なんですけど。(笑)

(山里亮太)
えっ・・何が・・。

(町山智浩)
あのねこれね、このエリオ君を演じる俳優さんはですね、今ものすごくアメリカで注目されているティモシー・シャラメ君という男の子です。

(山里亮太)
あーっ男前ですな!

(町山智浩)
これ写真を見てくださいよ、すっごいでしょ、美少年で。

(山里亮太)
きれいな美少年ですね!

(海保知里)
なんか素敵なのに、またかわいい感じもあって。

(町山智浩)
そうそう。ちょっと子供っぽい感じで。実際体つきもですね、ものすごくなで肩でやせっぽっちで、子供というか少年っぽいんですよ。で、この彼がですね、すごい才能で。実はまぁ、名門コロンビア大学とニューヨーク大学に行っているような超天才なんですよ。

(海保知里)
ええっ!2つ行っているの?すごい!

(町山智浩)
そう。で映画の中で弾いているバッハとかも全部本当に生で弾いているんですよね。

(山里亮太)
なんでもできるんだ・・!

(町山智浩)
だからもう、顔がこれでね、でまぁ才能もあってすごいんで、このティモシー君はすっごい注目されている俳優さんです。

(山里亮太)
はぁー!

(町山智浩)
で、この「したたる」って言ったのは、彼この映画で殆ど全部裸です。

(山里亮太)
あら?今日も裸情報があるという噂は聞いてたんですけども。

(町山智浩)
これ裸情報じゃなくて、全編裸ですから。

(山里亮太)
全編!?(笑)

(町山智浩)
全編なんで、ちょっと情報として抽出しにくいんですが。(笑)はい。っていうのはね、これね、夏休みの、イタリアなんですよ。暑いからずっと裸なんですよ。

(海保知里)
あ、自然にね?

(町山智浩)
そう。パンツ一丁なんですよ、ずっと。


(山里亮太)
ほう!

(町山智浩)
はい。で、この相手の24才の青年を演じるのはアーミー・ハマーという俳優なんですが、この人の顔も見てください。

(山里亮太)
めっちゃくちゃ男前!

(海保知里)
ねぇ、イケメン。好きですよアーミー・ハマー。

(山里亮太)
ハンサム!って感じですね。

(町山智浩)
もう本当に昔のハンサムですよね、この人ね、アメリカの石油王の御曹司です。

(山里亮太)
ええっ!!

(海保知里)
すごい大金持ちの・・。

(町山智浩)
で、その関連会社の経営者でもあります。この顔で、しかも身長が190ぐらいあるんですよ。

(山里亮太)
わー・・無敵だもう。

(海保知里)
本当、非の打ち所がない。。

(町山智浩)
で、奥さんモデルです。

(山里亮太)
うわっもう・・。何もかも手にしたな。(笑)

(町山智浩)
でしょう?ふざけんな、バーカ!って思いますよね。(笑)

(山里亮太)
思いますよそりゃあ!!

(町山智浩)
ねぇ。(笑)この人は『J・エドガー』っていう映画で、FBIの創立者であり長官であるフーヴァー長官、ディカプリオが演じていたんですけど、恋人を演じていましたね。

(海保知里)
えぇえぇ。やってましたね。

(町山智浩)
そう。あまりにも完璧だから、ちょっとヘテロセクシャルな役があまり合わない人なんですよ、この人。

(山里亮太)
ヘテロセクシャル?

(町山智浩)
「ヘテロセクシャル」っていうのは女性と男性の関係性なんですけども、彼の場合にはあまりにもなんていうか。まぁギリシャ彫刻みたいな感じ、なんですよ。ローマ時代の彫刻みたいな。で、ちょっと非現実的なんで、まぁそういう役柄が多いんですね。

この間もジャコメッティっていう彫刻家、まぁその人もゲイだったんですけども、そのモデルの役とか、そういう役が多いんですよ。モデル系なんですよねだから。彫刻の。で、この2人がずっとイタリアの美しい自然の中で、プールで遊んだり、日光浴をしたりですね、ピアノを弾いたり、芸術について語ったり、美味しいものを食べたりする映画です。

(山里亮太)
えー。(笑)ちょっと、今のところ私、まだ、どうやって見たらいいだろうっていう気持ちなんですけども。

(町山智浩)
いや、もうずーーっと裸ですからもう。

(山里亮太)
これはだから・・そうですか。イケメンが。。

(町山智浩)
そう。汗の玉がこう出てきたり。あと、川とか池とかで2人でこう、泳いでイチャついたりとか。

(山里亮太)
それでしたたっている感じが?

(町山智浩)
したたっている感じですよ。だから本当に水がしたたってるんですけどね。

(海保知里)
そういう事なんですね。きっとじゃあ、女性が見てても、すごく綺麗な感じなのかしら?

(町山智浩)
綺麗ですよ。だから、本当に、古代ローマの研究をしているんですね、この主人公のエリオ君のお父さんが何故そこにいるかって言うと、イタリアに。彼は大学教授なんですよ、ニューヨークかなんかの。お父さん。でも文学とか研究してるんですけど、古代ローマに非常に興味があって、古代ローマの遺跡とかが発掘されるんで夏休みにそこに家族で暮らしているんですね?で、この家族がまたものすごくエリートで、このエリオ君は、ピアノだけじゃなくてありとあらゆる文学をあらゆる言語で読んでいるんですよ。

(海保知里)
ええええええ!

(町山智浩)
イタリア語とかフランス語とか。それで喋るんですよ。ペラペラ。イタリア語とかフランス語。

(山里亮太)
はぇー!

(町山智浩)
すごいでしょう?彼らの話も芸術的素養がすごく高くて、ハイデガーの話、哲学の話とか、アプリコットの語源についてとか、そういう事をずーっと話してるんですよ。だから、はっきり言うと、貴族ですよ。

(山里亮太)
そうですよね。

(海保知里)
ピッタリくる、貴族。

(町山智浩)
これね、奥さんもいるんですね、お母さんも。なんにもしないです。

(海保知里)
何もしない?

(町山智浩)
メイドさんがずっとご飯を作ったり片付けとかしてるんです。

(海保知里)
そうか、貴族だね。(笑)

(町山智浩)
貴族なんです。で、みんなでですね、オシャレな会話をしながら、美味しいものすごいご馳走を朝から晩まで食べ続けてるんですよ。で、これが何故そういうシーンになっているかというと、古代ローマとかギリシャとかの貴族はそうだったんですよね?で、古代ローマやギリシャの彫刻っていう話をさっきしましたけれども、そういった彫刻って男の人の裸が多いですよね?

(山里亮太)
はいはい。多いです多いです。基本裸ですよね。

(町山智浩)
裸ですよねぇ。あれはなんで男の人の裸の彫刻ばっかり古代ローマやギリシャから出てくるかっていうと。あれは、当時のエロ本なんですよ。

(海保知里)
えーーー!あれがエロ本なの!?

(町山智浩)
そう。明らかにセクシーでエロチックな目的で作られているらしいんですよ。

(海保知里)
でもそのエロ本が教科書に載っちゃう訳ですよね?

(町山智浩)
だからチンコとか載っていますけどね、教科書にね。あっちなみに!ちなみに!古代ローマとかギリシャの彫刻見ると、ものすごくチンコ小さいですよ!まぁそれはいいですが!(笑)

(山里亮太)
あっ!確かにそうだ!

(町山智浩)
それは置いといて。「ざまーみろ!」とか思いますけど!(笑)

(山里亮太)
はははははは!!(笑)

(町山智浩)
「ちゃっちい!」とか思いますが、それは置いておいてですが。(笑)

(山里亮太)
ライバル視してたんですね、ちょっと。(笑)

(町山智浩)
そう。(笑)古代ローマやギリシャは、男性同士の恋愛っていうのは普通だったんですよ。

(海保知里)
あーそうだったんだ。

(町山智浩)
全く、何も隠していない状態だったんですね?何もタブーでもないんですよ。で、まぁ日本もそうでしたけど、明治維新前はね。(笑)まぁ、そうだったんですが、その感じなんですよ、この映画ってずっと。舞台は1983年なんですけども、それでまぁ、17才のエリオ君は、24才のオリバーさんを好きになるんですけども、この中にゲイとしての葛藤とか全くないです。

(山里亮太)
あ、へぇ〜。

(町山智浩)
「僕は男の人が好きになっちゃったんだけど、どうしよう。」みたいな悩みもないんですよ。

(山里亮太)
もうスッと?

(町山智浩)
スッと。で、このエリオ君もオリバー君も、こんな顔でモテモテですから、女の人ともエッチしてるんですよ、ちゃんと。

(山里亮太)
モテモテですよね。あれ?

(町山智浩)
すっごい美女の彼女とかいるんですよ。同い年の。エリオ君。で、普通にセックスとかしてるんですけど、このオリバーさんを好きになっちゃうんですね?でも悩まないんですよ別に。「俺はゲイなんだ」とか全然悩まないんですよ。

(山里亮太)
へぇー!

(町山智浩)
っていう古代ローマ的な状況を1983年に持ってきた映画なんですね?

(山里亮太)
なるほど・・!

(町山智浩)
だからすごく、今までの色んなゲイ映画とか同性愛を扱った映画と決定的にそこが違うところなんですよ。でね、すごい果物とか食べ物を一杯食べているという話をしたんですけど、桃を食べるシーンがあるんですよ、エリオ君がね、17才の。

(山里亮太)
はい。

(町山智浩)
桃ってよく見てると、何かみたいですよね?

(山里亮太)
いや私、小学校の山里亮太だったら完全に、「おしり!」って言っていますけど。

(町山智浩)
お尻とか色んなものに見えますよね?で、思わずその中の種をエリオ君くり抜いて取り出して捨てて、中を空洞にして、ホールに使うシーンがありますね。

(山里亮太)
はははは。桃ホールに。はぁー!

(町山智浩)
そう。だからそういうね、食欲とか性欲は同じものなんだっていう映画なんですよ。普通なんだよって。

(山里亮太)
ちゃんとさ、これ、だから町山さんに見方を教えてもらってなかったら、「なんかちょっと、えっ?エロい映画?」っていう感じだった、ただただ。

(町山智浩)
だから、男も女も何もないんだと。食欲も性欲もみんな同じなんだよっていう映画なんですよ。

(山里亮太)
根底に流れているのはそういうちゃんとした文学とか芸術とか文化とか。

(町山智浩)
そうそう。だから「昔はそうだったでしょ?」っていう映画なんですけど。ただ、これは原作がアメリカでまずベストセラーになって、ゲイの人の間とかでもすごく売れてたんで映画化されたんですけども。これ原作はね、アンドレ・アシマンっていう人で。この人は1951年にエジプトで生まれた大学教授です。で、現在もニューヨーク大学で教えてて、で、イタリアに少年の頃に住んでいて、その思い出を元にしているみたいなんですよ。ただ、この人インタビューされた時に、この原作者が、「私は1度も同性愛の経験がない」って答えているんですね?で、彼自身、実際に奥さんもいて、息子さんもいるんです、もう成人の。で、それなのに、あきらかに少年の思い出として描かれているんですよ、これ。

(海保知里)
ほう!

(町山智浩)
ねぇ。すごく奇妙な映画なんですよ。だからこの映画、見ただけだと、わからないんです。一体この映画は何を言ってるの?っていうのが。これね、非常に近い映画があるんですよ。実はこの映画って、監督はルカ・グァダニーノっていう、言いにくいんですけど。(笑)イタリア系の人なんですけど、脚本はね、ジェームズ・アイボリーっていう人が書いてます。この人巨匠なんですけど、『日の名残り』とかの監督なんですが。この人の映画で、『モーリス』っていう映画があるんですよ。『モーリス』って1987年の映画で、まぁいわゆる同性愛映画の金字塔と言われているんですが、ご存知ないですか?

(海保知里)
いやぁちょっと知らないです・・『モーリス』。へぇー。

(町山智浩)
これはだから19世紀終わり20世紀始めぐらいのイギリスを舞台に、同性愛の青年達の成長を描いた物語なんですね?『モーリス』というのは。これが問題だったのは、イギリスでは1967年まで同性愛は犯罪だったんです。

(海保知里)
あー・・。

(町山智浩)
で、これは原作者がE・M・フォースターという、この人もまぁ大作家なんですけども、『インドへの道』とかを書いている人なんですが、この人が1967年のゲイが犯罪だった頃に、誰にも読ませる訳ではなく、自分の為に書いた小説がその『モーリス』の原作なんですよ。

(海保知里)
ふ〜ん!

(町山智浩)
フォースターという人も、1回も、死ぬまでゲイである事はカミングアウトしなかった人なんですよ。そういう時代じゃなかったんですね、できなかったんですよ。刑務所にぶち込まれたんですから。

(海保知里)
逮捕されちゃいますもんね。

(町山智浩)
だから、誰にも読ませる訳でもなく書いたのが『モーリス』だったんですよ。

(海保知里)
なるほど。

(町山智浩)
ね。それがまぁ映画化されたんですけども1987年に。こういう物っていくつもあって、例えばアカデミー賞で、去年アカデミー賞を取った『ムーンライト』っていう映画がありますね。

(山里亮太)
あ、はいはいはい!

(町山智浩)
あれは脚本というか、原作を書いたタレル・アルヴィン・マクレイニーという人の子供の頃の思い出を元にしてるんですけど、あれも元々誰にも読ませる目的もなく自分の為に思い出をまとめる為に書いたものだったんですよ。

(海保知里)
そうかそうか、そうだったんだ。

(町山智浩)
そう。あれは自分がずっとゲイである事がすごく苦しくて、悩んでた事とか、好きになった男の子の事とかを書いた話だったんですけども、誰かに読ませるんじゃなくて自分の為に書いたんです。それが『ムーンライト』なんです。

(山里亮太)
そうなんだ・・!

(町山智浩)
この『君の名前で僕を呼んで』もこのアンドレ・アシマンっていう人のたぶん、そういう物なんですよ。

(山里亮太)
なるほど、自分の事を。

(町山智浩)
そう。で、彼は大学教授で、このお父さんは大学教授なんですよ。で、1980年代に博士号を取ろうとしていた、このアーミー・ハマー演じる人っていうのは、実はこのアンドレ・アシマンはその頃、博士号を取ろうとしてるんですよ。

(山里亮太)
じゃもう完全に自分と、照らし合わせてるんだ。

(町山智浩)
いや、これ変ですよ。だって、少年の頃イタリアに住んでいたエリオ君と、83年に博士号を取ろうとしていたオリバーと、その大学教授のお父さんっていう3人の登場人物が全部、この作者1人なんですよ。

(山里亮太)
あー!!そうだそうだ!全部自分の事だ。

(町山智浩)
全部自分の事なんですよ。非常に奇妙な小説ですこれ。で、こういう誰にも読ませる訳でもなく書く物っていうのは、僕も漫画とかを書くんですけど、あるんですよ。

(山里亮太)
はいはい、わかります、僕も書いたりしますんで。(笑)

(海保知里)
なんかね、そんな話がね、今日出てましたけど。(笑)

(町山智浩)
あのね、手塚治虫大先生がですね、引き出しに鍵をかけたまま亡くなったんで、娘さんが、悪い娘ですね、引き出しを開けちゃったんですね、亡くなってから20年ぐらい経ってから。中から出てきたのは、エロチックな動物のヌード漫画だったんですね。

(山里亮太)
はいはいはいはい。

(町山智浩)
手塚先生ご自身がお描きになった、ヘビとかネズミとかがセクシーな女の人として書かれている、女体として描かれている絵だったんですよ。それは、誰に見せる為でもなくて、手塚先生ご自身の為にお描きになったものなんですよね?

(山里亮太)
ほぁーーー!

(町山智浩)
そこには真実があるんですよ。

(山里亮太)
なるほど・・!

(町山智浩)
手塚先生はアメリカでも、「Furry」(ファーリー)と言われている、日本では「ケモナー」って言われている、動物を人間として描くエロチシズムの巨匠と言われているんですけども、アメリカでも。『ジャングル大帝』とかみんなそうなんですよ。『W3』(ワンダースリー)とかエロい動物がいっぱい出てくるんで。

(山里亮太)
はぁ〜確かに!そっかぁ!

(町山智浩)
そうなんですけども。だからこういうね、誰にも見せない自分の為の物語って、すごく面白いと思いますよ僕。

(山里亮太)
確かに、なんの遠慮もなくね、自分の欲しい表現とかをバンバン使えますもんね。こういう事をしたいとかされたいとか。

(町山智浩)
そうなんですよ。だからね、この『君の名前で僕を呼んで』っていうタイトルもすごい、そこと絡んでくるんです。さっき言ったんですけど、出てくる人達がみんなその原作者の分身なんですよね?ね?で、『君の名前で僕を呼んで』っていうのは、エッチするんですけど、まぁこの17才のエリオ君と24才のオリバーさんが。
エッチしながらこう言うんですよ、オリバーがね、「エリオ君、エリオ、君の名前で僕を呼んで」って言うんですよ。そうするとエッチしながら、エリオがオリバーに対して、「エリオ、エリオ。」って言うんですよ。「エリオ、好きだよ」って言うんですよ。これ、山里さんだったらどういう事になるんですか、これは。

(海保知里)
いやいやいやいや!(笑)

(山里亮太)
いや、町山さんね、僕もね、綺麗な男性2人をですね、今当てはめて、ね、「あぁ、これだったら芸術的な画になるのかな」って思ったんですけど、町山さん。ご提案で顔を山里に変えた瞬間に、目も当てられなくなりましたよ!(笑)

(町山智浩)
これだって山里さんが、「亮太、亮太、亮太かわいいよ亮太。亮太。」って言うんですよ?言いながら、エッチするんですよ?

(山里亮太)
えーーーーと。ちょっとこれ映画のジャンルがホラーに変わりましたね!?

(町山智浩)
ねぇこれ、「亮太。あ、亮太、こんなんなっているよ」とか言うんですよ?

(山里亮太)
怖い怖い!町山さん!怖い映画になっちゃったよぉ!(笑)

(町山智浩)
ねぇ。すっごい映画に。この映画、すっごい変な映画なんですよ。ものすごい奇妙な映画なんです。今までこれだけ言って、一体どうなるの?って、ちゃんと最後、オチが付きます。

(山里亮太)
へーえ!あ、オチがあるんだ、この話に。

(町山智浩)
あのね、これね、すごいの、このアンドレ・アシマンっていう人はこの映画の中にね、ゲイのカップルとして登場するんですよ。

(山里亮太)
えっあっ!ご本人が?

(町山智浩)
ご本人が。歳を取ったゲイのカップルとして出て来るんですけど、本人は「私はゲイの経験はない!一度もないんだ!」って言っている人がそういう役で出ているんですけども、一体、さっきから言った事、全部僕が言った事はパズルになってますから。

(山里亮太)
えっ?

(町山智浩)
パズルなんですよ僕が言った事って。断片をつなぎあわせる一言が最後に出てきます、この映画は。

(山里亮太)
ええーっ!!

(町山智浩)
「あぁ、そういう事かぁ!」っていうのがわかるんですよ。

(海保知里)
えぇっ・・!うっまい・・もう・・。

(山里亮太)
そうか。もう。見たくさせるわー!(笑)

(町山智浩)
というね、もうしたたるような、しずる感あふれる映画ですから。1個だけ問題があるとしたらね、このアーミー・ハマーっていう人が24才の役をやっているんですけど、ちょっとそれないですね。

(海保知里)
年齢が合っていないですね、ちょっとね。(笑)

(町山智浩)
そう。ドテッとしているんですよ、この人。ちょっと体が。1番ね、これはないなと思ったのは、ディスコで踊るシーンがあるんですこの人が。完全にオヤジのディスコなんですよ、踊りが。

(山里亮太)
あぁ若い人のディスコじゃないんだ。

(町山智浩)
そう。わかるでしょ、それ。松田優作さんの『探偵物語』っていうドラマの最終回で、ヤクザの親分がディスコで踊っているシーンのような踊りなんですよ。(笑)例えが難しいですかね?(笑)

(山里亮太)
オヤジ感?オヤジ感が出ちゃう?(笑)

(町山智浩)
オヤジ感が出ちゃっててね。そこだけなんとかしてほしかったなと思いました。

(山里亮太)
でも、そこだけ!

(町山智浩)
そこだけですね!あとはね、もうお尻見放題。お腹見放題。体見放題ですからね、全部見えます!はい。

(海保知里)
全部見える。(笑)でもね、アカデミー賞にね、ノミネートされるんじゃないかって今かなり話題になっているという。

(町山智浩)
そうなんですよ。宝物のような映画でした。

(海保知里)
宝物のような!(笑)

(山里亮太)
色んな裸が入っているという。

(町山智浩)
そう。『君の名前で僕を呼んで』。ね。「亮太ぁ、亮太ぁ。亮太ぁ。」って。(笑)

(山里亮太)
今ね、俺と町山さんがさっきからずっとベッドの中に一緒にいるのよ。(笑)

(町山智浩)
あぁそうか、そうなっちゃうか。(笑)

(山里亮太)
メガネがカッチャカッチャ当たっちゃって(笑)

(海保知里)
お願い、お腹が苦しくて。もう。(笑)

(町山智浩)
日本公開はいつですか?これ。

(海保知里)
4月公開予定だそうです。

(町山智浩)
あぁそうですか。長いですね。みんな待ちきれないですね。

(山里亮太)
今日だってちゃんともう1回ラジコ等で聞き直して、パズルのピースを1回みんな書き出しておいた方がいいかもしれないですね!

(町山智浩)
そうですね!

(海保知里)
という事で、『君の名前で僕を呼んで』。町山さんご紹介頂きありがとうございました。

(山里亮太)
ありしたーっ!

(町山智浩)
どもでした!

※書き起こし終わり


○○に入る言葉のこたえ
③古代ローマやギリシャで作られた男の人の裸の彫刻。あれは、当時のエロ本だった!!

オススメ情報

↓↓みんなが読んでいる人気記事↓↓

【2024年】動画配信サービスおすすめランキングに注意!人気を無料や利用者数、売上で比較!徹底版

→【すぐわかる】動画配信サービスおすすめランキング【忙しいあなたへ】人気を無料や利用者数、売上で比較!簡易版

映画のレビューを書くと、あなたの好みの映画が見つかります!

解説レビューの評論家について

解説レビューの作品情報

この記事の著作者

映画好き🎬話題の映画や、無料で見られる映画、映画の見る前情報、見た後の映画解説など1サイトでぜーんぶ出来る映画ポップコーン🍿を広め隊🌸
アマプラ、Netflix、Disney+をよく見ます😋

似ている作品

町山智浩さんの他の解説レビュー

町山智浩さんの映画解説をもっと見る