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パスト ライブス/再会の町山智浩さんの解説レビュー

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2024年04月23日更新
すごくドラマチックに盛り上がるっていうよりは、本当にやっぱりね韓国人らしい、アジア人らしい、抑えた恋愛映画ではあるんですよね。その辺はね、逆に日本の人はね、わかりやすい感じだと思いますよ。(TBSラジオ「こねくと」より)

映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『こねくと』(https://www.tbsradio.jp/cnt/)で、『パスト ライブス/再会』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。

町山さん『パスト ライブス/再会』解説レビューの概要

①アカデミー賞複数賞ノミネート作品
②セリーヌ・ソンさん監督の実体験をもとにした映画
③12歳の時に結婚を近った彼と24年ぶりに連絡をとる
④主人公ノーラはアーサーという白人の男性と○○している
⑤ニューヨークに会いにくるヘソン
⑥『パスト ライブス』は○○という意味

※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。

『パスト ライブス/再会』町山さんの評価とは

(町山智浩)今日2本ね、今週公開されるんでね、紹介しなきゃなんなくてちょっと急ぎなんですが。1本は『パスト ライブス/再会』という映画なんですね。

〜音楽〜

(町山智浩)この音楽で何となく雰囲気はわかると思うんですけどラブストーリーです。で、これね監督が、韓国系のカナダ人の女性監督でセリーヌ・ソンさんっていう人ですね。この映画はアカデミー賞でもですね、いくつかの賞にノミネートされてた映画で、これセリーヌ・ソンさん自身の体験をもとにした映画なんですが。

(石山蓮華)へ〜!

(町山智浩)24年前にね彼女は韓国で12歳の少女だったんですけれども、その時に幼なじみの同じ年の12歳の男といつも仲良くて、ヘソンという男の子なんですが、彼と結婚すると思うとか言ってるんですね。

(石山蓮華)うん〜かわいい!

(町山智浩)かわいいんですけど。ただお父さんとお母さんが韓国を出てカナダに移住しようという事で引っ越す事になっちゃうんですね。で、2度とヘソン君に会えないのかなと思ってると、今はインターネットがありますのでね。

(石山蓮華)あぁそうですよね。

(でか美ちゃん)時を経て!

引用:IMDb.com

24年の時を経て、結婚を約束した彼と連絡を

(町山智浩)で、24年ぐらいしてから彼を・・お互いに見つけてですねネットで。連絡を取り合うんですけれども、その時は会えなくて。そこからですね、この彼女、主人公はノーラという女性なんですが。結婚しちゃうんですよ。

(石山蓮華)あーー・・まぁねぇ。

(でか美ちゃん)まぁ、それぞれの人生もあるし。

(町山智浩)そうなんですね。で、彼女はシナリオライターを目指していて劇作家を目指していて。で、そういうアートサークル、アートの仲間達の間で、なんていうかね、激しい恋愛をしてとかそういうんじゃなくて、なんとなく結婚しちゃうんですよ。

(石山蓮華)ああーー。

(でか美ちゃん)うーん。

(町山智浩)このノーラさんは。なんとなく気が合うしいつもいると楽だしみたいな。で、いつもいるうちになんとなくアーサーという白人の男性と結婚してしまうんですけれども、ものすごい恋愛感情ある訳じゃないんですよ。

(でか美ちゃん)そうかぁ。

(石山蓮華)まぁね、そういう事もありますもんね。

主人公ノーラはアーサーという白人の男性と結婚している

(町山智浩)ところがその間ヘソン君の方はですね、韓国ですごくエリートとしてですね、非常にイケメンのエリートに成長してる訳ですよ。

(でか美ちゃん)ちょっと危うい香りがしてきたぞ?

(石山蓮華)これは。

(町山智浩)で、しかもノーラさんの事をですね、ずーっと思ってるんですね。何十年も。

(石山蓮華)えー!そんなに長くですかあ!?

(町山智浩)はい24年です。

(でか美ちゃん)思いつつなんかはあったでしょうって思っちゃうけどね。

(石山蓮華)12歳の時のねぇ。

(町山智浩)で、あるんですよ。色んな女の子と付き合おうとするんですけども。24年間やっぱり忘れられなくて。

(石山蓮華)はぁ〜。

(町山智浩)幼なじみのノーラさんの事を。で、なんとニューヨークに会いに行くっていう話なんです。

(石山蓮華)うわ〜ロマンティック〜〜!

引用:IMDb.com

ニューヨークに会いにくるヘソン

(町山智浩)で、これは本当に、その監督のセリーヌ・ソンさんにあった事らしいんですね。

(でか美ちゃん)これがね、めちゃめちゃこんなのドラマとか漫画とかでしかないと思ったら。そうだ。言ってた最初に。

(石山蓮華)経験談なんですか!

(町山智浩)経験談なんですよ。

(でか美ちゃん)素敵だなぁ。

(石山蓮華)素敵ぃ。

(町山智浩)で、これね、『パスト ライブス』っていうタイトルはね、”前世”っていう意味ですね。で韓国とか日本ではよく、なんでこんなにこの人、もう本当に会った時から好きなんだろうって思った時に、前世で一緒だったんじゃないかって思うじゃないですか。

『パスト ライブス』は前世という意味

(でか美ちゃん)はいはい。ずっと繋がりがあった縁があった気がするみたいなね。

(町山智浩)そうそうそう。前世とか輪廻転生って仏教の考え方なんであんまりアメリカやヨーロッパはないんですね。中国、日本、韓国の独特な考え方なんですけども。最初はこの彼とね、ヘソン君がその前世から繋がってる運命の相手だと思ってるんですけども。でも、そういうのを忘れて。なんとなく生活の中で日常的に一緒にいる男性、白人男性のアーサー君と結婚してしまって。そこに運命の人が帰ってくる訳ですよ。で、どうしよう。でもこのアーサー君って言う人はすごくいい人なんですよ、旦那。もっさいんだけど、ものすごくセクシーな魅力はないんだけども、とにかく優しくて。で、この事情を話しても、普通、そんな男と会うのか!って話になるじゃないですか。そこまで怒らなくて。ただ寂しく、負けちゃうかもなみたいに思ってるんですよ。

(でか美ちゃん)えっ。。

(石山蓮華)なんていいやつ!

(でか美ちゃん)そっちのがよくない?って私はもうあらすじだけで揺れ動いている。

(町山智浩)あ、ほんとに。で彼女はそこで揺れ動くんですけども。で、彼の方はもし、本当にうちのカミさんが、彼の方が運命の相手だったら、俺は負けるから身を引くよぐらいの優しい男なんですよその旦那さんは。

(でか美ちゃん)でもどこにでもいるな、ラブストーリーには。そういう、ね。

(町山智浩)そういうね、話なんですけども。

(石山蓮華)幸せになってほしい!

(町山智浩)でもどっちで幸せになれるのかって事なんですよね。

(石山蓮華)そうですねぇ。。

(町山智浩)どこに行ったらいいのかっていう映画なんですけども。まぁ本当に、ハリウッド的なラブコメ!みたいな感じの話はなくて、すごくドラマチックに盛り上がるっていうよりは、本当にやっぱりね韓国人らしい、アジア人らしい、抑えた恋愛映画ではあるんですよね。その辺はね、逆に日本の人はね、わかりやすい感じだと思いますよ。

(でか美ちゃん)たしかに。人気出そうですね日本でもね。

(町山智浩)と思います。

(石山蓮華)これ見たいですね。

(でか美ちゃん)見たい。

(石山蓮華)『パスト ライブス/再会』、今週4月5日金曜日公開。デートとかにもいいかもしれませんね。

(でか美ちゃん)確かに、いやでもデートで見たらさ、ねぇ。お互いに運命の人がいたどうしようってちょっとざわつくんじゃないですか。(笑)

(石山蓮華)そっかぁ〜!いやでもざわついてこそ楽しいんじゃないですか?そんな事ないかぁ?

(でか美ちゃん)じゃぁ付き合う直前ぐらいで見ると1番盛り上がるかもしれないですね。(笑)

(町山智浩)そうですね。でもその運命的なものを感じました?でか美さんは。

引用:IMDb.com

運命的なものを感じた経験は?

(でか美ちゃん)あぁ、サツマカワRPGにですか?

(石山蓮華)夫のねぇ。

(町山智浩)どっちでした?この人といると楽なのか、あっこの人が!ていうののどっちでした?

(でか美ちゃん)でも楽もあるし、なんか仕事に対するスタンスが好きなんで、初めて見た時は尊敬はしてましたね。でもそんななんかロマンティックな、ビビビ!私絶対この人と結婚するわ!とかは全くなかったです。(笑)

(町山智浩)あっ、そうなんですか。そういう人にはまだ会ってない?

(でか美ちゃん)まだ会ってないのか、やばいな、そうなると登場するのかっていう話が。(笑)

(石山蓮華)ちょっと町山さんは何を引き出そうとしてるんですか。(笑)

(町山智浩)いやいや、いやこれだからそういう困る話なんですよすごく。だからデートで見れないの、だからすごく。

(石山蓮華)ちなみに町山さんは今の奥様とはビビビだったんですか?

町山さんの運命の人は

(町山智浩)うちね、僕が22の時に会ってて彼女は19から20歳になるぐらいの頃だったんですよ。

(石山蓮華)へぇ、お若いですね。

(町山智浩)でもね、それはね、会った瞬間にもうあぁ結婚するなって思いましたね。お互いに。

(石山蓮華)ここにいた!

(でか美ちゃん)わー!かっこいー!ちょっとー!拍手しちゃった!

(石山蓮華)運命の人と会ってる!

(でか美ちゃん)会ってた!

(町山智浩)でもね、話してないんですよ一切。2人とも。顔を見ただけなんですよ。で、その後もね、話してないんですよずっと。でも会った時に、あぁ結婚するんだって。その衝撃じゃなくて、結婚するんだなこの人とって、普通に思うみたいな感じだったんですね。

(でか美ちゃん)かっけー!

(町山智浩)もう40年いますけど一緒に。

(でか美ちゃん)うわっかっこいい!

(石山蓮華)ここに本当の運命の人が意外と近くにあるんですね。

(町山智浩)すごい不思議な感じですよ。だから恋愛をしてないのお互いに。あぁこの人と結婚するんだなってなるんで、もう終わっちゃった感じなんですよその段階で。盛り上がらないの全然。

(でか美ちゃん)でもなんか素敵ですね。本当にあるんだねって思うね。

(町山智浩)逆に盛り上がらないんですよでも、好きとか。(笑)

(石山蓮華)でもね40年、やっぱり仲良く一緒にい続けられるってねぇ。

(でか美ちゃん)それが1番素敵だと思いますよ。私あの婚姻届出した日が2月29日なんで、とりあえず次の2月29日まで頑張ろうってまず思ってますからね。4年に1回しかないから。(笑)

(町山智浩)4年に1回しかない結婚記念日。(笑)

(でか美ちゃん)とりあえず次まで頑張ろうっていう気持ちでいますけども。

(石山蓮華)運命とか、意外と近いところにあるのかもしれませんね。

(町山智浩)まぁそういう、色々考えさせられるる恋愛映画が『パスト ライブス/再会』なんですけど。

もう1個は全然違う映画で、アイアンクローというプロレス映画です。はい。全然違う。(笑)

引用:IMDb.com

■後日談

(町山智浩)『パスト ライブス』、いかがでしたか?

(石山蓮華)よかったですねー!なんか名作だーと思って、人と人が時間や距離を経て再会するっていう事、そのシンプルな事なんですけどすごくこう物語になるんだなっていう事と、あとその子供があっという間に大人になって、で大人になってある地点の、ある時代の自分を起点として今大人になった自分を見るみたいなその目線って、あるよなって、私は今自分を何歳の視点から見てあぁ大人になったなとか成長したのかなって感じているかなっていう事を思ったりしました。

(町山智浩)この映画でもすごく難しい選択を迫られる訳ですね、ヒロインはね。その12歳の時に会った幼なじみの男の子がいて、その子とはもうずっと、運命で結ばれてると思ってて。それから24年間まぁネットとかでずっと繋がり続けながら会わないでいた訳ですね。で彼の方は24年待ってたんですよずっと。彼女を。ところが彼女の方はアメリカに渡って、お父さんお母さんと一緒にね。で、何となく楽だからっていういう事で結婚しちゃってたんですね既に。で、そこに24年ぶりにその運命の人が、しかもイケメンの。

(石山蓮華)かっこいいですね〜。

(町山智浩)エリートの。で、もっさいんですよ旦那の方はね。優しいんですけど。

(石山蓮華)あの、お家に帰るとヘッドホンしてゲームしてるんですよね。

(町山智浩)そうオタクなんですね。旦那がね。

(でか美ちゃん)まぁだから優しいとかもあるんだろうけど。

(町山智浩)まぁいい人だとは思うんですけど。これ、究極の選択についての話なんですが、どうでしたこれは。

(石山蓮華)えぇと私は、なんかねでも・・これは、ちょっとその核心に関わるところなのでホワ〜ッとしゃべりますけど。

(町山智浩)個人的な話。

(石山蓮華)個人的には、私だったらそうはしないかもしれないなって思っちゃいました。ただ、だからこそ、このラストだからこそこの映画はすごくいいんだなという風にも思います。

(町山智浩)ふふふ。(笑)

(石山蓮華)フワッとしてますけれども。

(でか美ちゃん)楽しみだな見るの。え、誰と見に行くべきだと思った?町山さんは先週カップルで行かない方がいいって言ってましたけど。蓮華ちゃん見た上で。

(石山蓮華)私は、カップルで見に行くのは全然ありだと思います。喧々諤々、色々しゃべり甲斐のある映画じゃないかなという気もしますね。

(町山智浩)この人は本当に私の運命の人なんだろうかっていう疑問をね、持ってしまうでしょうね。

(石山蓮華)そうですね。

(町山智浩)でも、その運命って一体、何?っていう映画でもあるんですね。まぁあんまり言うとあれになるんですけども。

※書き起こし終わり

○○に入る言葉のこたえ

④主人公ノーラはアーサーという白人の男性と結婚している
⑥『パスト ライブス』は前世という意味

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