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人間の境界の町山智浩さんの解説レビュー

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2024年05月21日更新
この『人間の境界』っていう映画には、そういう事に対して、戦う、その難民爆弾に対して難民を兵器として使わない、使えなくするための方法がですね最後に示されます。そこは非常に希望があるシーンになってるんで。それがですね、こういう人を人とも思わないやつらの作戦に対して戦う手段なので。この『人間の境界』の最後のところを見ていただきたいなと思いますね。(TBSラジオ「こねくと」より)

映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『こねくと』(https://www.tbsradio.jp/cnt/)で、『人間の境界』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。

町山さん『人間の境界』解説レビューの概要

①東京オリンピックで、ベラルーシの女性陸上選手が帰国を拒否
②ベラルーシのルカシェンコ大統領はヒトラーとプーチンを尊敬している
③ポーランドとベラルーシの関係が悪化
④EUに加入しているポーランドがベラルーシに対し経済制裁
⑤ベラルーシのルカシェンコは難民攻撃をした
⑥難民攻撃とは、○○○○
⑦主人公は3人。1人目は難民である5人家族のバシールさん一家
⑧2人目は国境警備隊の若者
⑨3人目は難民を助ける精神科医の女性

※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。

『人間の境界』町山さんの評価とは

(町山智浩)今日もね、もうすぐ5月3日から公開になるポーランド映画で、『人間の境界』という映画をご紹介します。これね、『人間の境界』っていうタイトル自体なんだそれって思うんですけど、元のタイトルは『Green Border』というタイトルなんですよ。緑の国境線という意味なんですね。で、これポーランドという国は東ヨーロッパにありますが、その右側、右側っていうとアレか、東側にはいはいベラルーシっていう国があるんですね。で、その間にある国境が、国境線に何もなくて、森だけがあるんですよ。森の中に有刺鉄線がちょっとあるぐらいで簡単に国境を越えられるんですけれども、これを意味してるんですねこの映画のタイトルは。で、これね2021年に実際にあった事件を元にした映画が『人間の境界』なんですけど、2021年にベラルーシ絡みで1つ日本絡みの事件があったのって覚えてます?

(石山蓮華)えっ・・。すいません私ちょっとパッと全く出てこなくて。

(でか美ちゃん)はい。

(町山智浩)東京オリンピックで、ベラルーシの女性の陸上選手がベラルーシに帰るのを嫌だって・・。

(でか美ちゃん)あ〜ありましたね。

2021年東京オリンピックで、ベラルーシの女性陸上選手が帰国を拒否

(町山智浩)クリスツィナ・ツィマノウスカヤさんが、羽田でそれでベラルーシの政府が無理やり強制的にベラルーシに帰そうとしてね。で、まぁ色々あってポーランドに亡命するって形になったんですけど。あの、ルカシェンコ大統領という人がいてベラルーシにいて。まぁとにかく、なんというか、ろくでもない親父なんですよこの人が。で独裁政権をやっていまして、大変な問題があったのがこの2021年なんですね。でまぁルカシェンコってどういう人かっていうとヒトラーを尊敬してる人なんで。ヒトラーとあとプーチンを尊敬してる人ですよ。2人も尊敬してます。

(でか美ちゃん)すごく、わかりやすいですね。

(石山蓮華)わかりやすい。

ベラルーシのルカシェンコ大統領はヒトラーとプーチンを尊敬している

(町山智浩)トリプルですよ。3倍満みたいな人なんですよ。すごくわかりやすい人ですね。はい。でスケベです。

(でか美ちゃん)はぁ。

(町山智浩)まぁそういう人なので。でも酒はやらないんですけどね。それはどうでもいいですが。(笑)で、この人が要するにポーランドと揉めたんですよその時に。隣の国の。で、ポーランドとベラルーシってのは歴史的に互いに侵略され合ったりしてる国ではあるんですけども。ベラルーシがですね、ポーランドの飛行機を無理やりジェット戦闘機で強制着陸させるって事をやりまして。それはどうしてかっていうと、その飛行機にベラルーシのルカシェンコに反対する反政府運動家が乗ってたっていう事で。それでポーランド国籍の飛行機を、ジェット機で強制着陸させるっていう事をやって、それでまたポーランドに亡命する人を受け入れたりポーランドがしたんでね、ベラルーシとポーランドの間がものすごく関係性が悪くなってったんですよ。で、ポーランドはEU。ヨーロッパ共同体に入ってますので、でベラルーシに対して政治的な制裁をしたんですね。要するに国交しないとか経済的な封鎖をするとか。そしたらそれに対してベラルーシのルカシェンコ大統領がやったのがですね、難民攻撃というのをやったんですよ。

(石山蓮華)ふーん?

ベラルーシのルカシェンコは難民攻撃をした

(町山智浩)これどういうのかっていうと、トルコとかイラクにいるクルド系の人達がいっぱいいますね、クルド人難民の人達が。それとかアフガンから逃げてきた難民とかシリアから来た人とか。その難民キャンプの人達を、ベラルーシが国営旅行会社の飛行機で無理やりベラルーシに連れてきて。

(石山蓮華)えぇ!?

(町山智浩)無理やりって訳でもなくて、ヨーロッパで難民できますよ、難民受け入れやってますよって嘘をついてですね、飛行機に乗せて連れてくんですよ。で、この映画、『人間の境界』って映画はその飛行機の中から始まるんですね。でまぁ、難民の一家がいて、特に主人公はバシールさんというお父さんと、その3人の子供と奥さんの5人家族がいてですね。これからベラルーシの人達がベラルーシに連れてってくれて、ポーランドに入れてくれて、私達はヨーロッパの難民として受け入れられるよとか言って、よかったね!とか言ってるんですね。で、ベラルーシに行くと、ベラルーシの国境警備隊が彼ら難民をこれ、何万人規模だったらしいんですけども。それをポーランドとかリトアニアとかラトビアとかのベラルーシと国境を接してる国の国境に連れてって、その国境から無理やり流し込むんですよ難民を。で、あとは放っておくんですね。

(石山蓮華)えっ。全然聞いていた事と違いますよね。

(でか美ちゃん)ねぇ。

(町山智浩)違うんです。ポーランドもリトアニアも難民の受け入れをやってないのにも関わらず、何千人何万人規模の難民を送り込んだんですよ。

(石山蓮華)あらー。

何千人何万人規模の難民を送り込んだ

(町山智浩)だから難民を一種の兵器として使ったんですね、ベラルーシは。

(でか美ちゃん)ええええ。

(町山智浩)すごい話でね。それでポーランドの方は、一応EU諸国だから難民受け入れをやってるっていう形はとってるんですよ。ところがポーランドのその国境地帯の森がある訳ですけど、その森を完全に立ち入り禁止にして、民間人が一切入れないようにしたんですねポーランド軍は。で、密かに国境警備隊をそこに配備して、ベラルーシから入ってきた難民をベラルーシにまた強制送還するという事、密かにしてたそうです。要するに表向きにはあんまり知られたくない事だったから、難民を受け入れなかったっていう事は。だから隠してたんですね、人が入れないようにして。

(石山蓮華)えぇっ、それもまたひどい話ですね。

(でか美ちゃん)でもポーランド側もそんな数突然来るって思ってないからみたいな部分もあるんです、普段はそれなりに受け入れているんですかね。

主人公は3人

(町山智浩)それもあるんですが、ポーランドには、すごく今、保守的な反難民勢力が、強い政党があるんですよ。その政党が一時その大統領選に勝ってしまって政権を取った事もあるぐらいなんですよ。右派ポピュリスト政権ですね。日本にもいますが。あえて政党名は出しませんが、みんなわかると思いますけれども。そういう政党がいる訳ですね。で、それが非常に強いから、みんなあんまり難民を受け入れたくない訳ですよ政府としても。で、あんまり揉め事がないようにって事で密かに軍隊を使って送り返すんですが、この映画3人主人公がいて、3人、3グループの主人公がいて、1つはそのバシールさん一家で、もう1つはその国境警備隊の若者なんですね。彼はすごく優しい人で、難民にも同情心があるんですけど、お金がないんで。奥さんがその妊娠して子供ができるんでね。でその非常に非道な仕事をする訳ですよ。で難民の人達、子供。本当にちっちゃい子とかいて赤ちゃんとかいるんですよ。で、ご飯食べられないし、もう足とかもずっと歩いてきてボロボロで裸足になっちゃって、靴の底がなくなっちゃって。ボロボロの難民をまた有刺鉄線の境界線を越えてベラルーシに送り出すと、ベラルーシがまたポーランドに送り返すんですよ。

(石山蓮華)うわ。ずーっとこの行ったり来たりをさせられるんですね。

(町山智浩)行ったり来たりさせられるんですそのバシール一家が。で、その中で子供達も死んでくんですよね。で、3人の主人公がいるって言ったんですけど、3つめの主人公はそういった事を全然知らなかった、立ち入り禁止区域のギリギリの所に住んでた精神科医の女性なんですね。ある日なんか音が庭の方で聞こえるからなんだろうと思って行ったら、その難民の人が立ち入り禁止区域を越えて、そこまで来たんだけどそこで力尽きて死にそうになってるんですよ。で、それを助けるんですけど、1人の子供は死んじゃうんですね。で、もう1人のアフガンから逃げてきた女性は病院に何とか送り込むんですけど。病院で治療を受けてる最中にそのポーランドの国境警備隊が入り込んで。そいつはその不法移民だから、ベラルーシへ送り返すからっつって病院から連れてっちゃうんですよ。それを見たその女性が、これはおかしな事が起こってるという事で、その難民救済グループに入って、立ち入り禁止区域に密かに入ってですね難民を助けようとするんですね。でもうボロボロの人達がいる訳ですよ。大怪我したり。で治療とかはするんですけど。水をあげたり食べ物あげたり、お金をあげたりはするんですけど。それ以上はできないんですよ。というのは、彼らを救って難民として立ち入り禁止区域を越えて救済すると、人身売買になるって言われるんですよ。

(石山蓮華)ええーーっ。

(でか美ちゃん)なんで?って思っちゃうけど。

禁止区域を越えて救済すると、人身売買になる

(町山智浩)これねヒューマントラフィックっていう罪で、アメリカとかヨーロッパはね、そうやって人を運んじゃいけない事になってるんですよ。国境を越えては。国境を越えるのに加担してはいけないんですよ。

(でか美ちゃん)そもそも騙して連れてきてんじゃんって思っちゃいますけどね。

(石山蓮華)そうですよね。場合が違うって思うような気がしますけど。

(町山智浩)そうなんですけどね。で国境の突破に加担した事になるんで、それはできないと。だからもう助ける事ができなくて。どうしようって事になるという話で。これ実は監督がですね、この人ポーランドの監督で、これね、すごいの。ポーランド政府がお金を出してるんですよ。

(でか美ちゃん)えー!!なんかその中で頑張っている人がいるのかって感じがしますよね。

(町山智浩)いや、これはね。ヨーロッパの映画はほとんどがそうなんですけれども。前も紹介した『落下の解剖学』。ああいうのはみんなフランス政府がお金出したりしてて。ヨーロッパの多くの政府は、EUに入ってる国の映画はですね、全部国がお金を出して作ってて、映画の内容に一切タッチしない事になってます。もちろん、作った後、これは国に対して反抗的な映画だっていう事で嫌がらせしたりとか上映禁止にしたりはするんですけども、一応建前としては映画の内容には一切口を出さないと。でもお金だけは出すという事になっていて、今是枝監督とかが日本政府とやろうとしている事はこれなんですよ。

(でか美ちゃん)そうなんですか。

日本でも政府に映画の制作費を出してもらう働きかけが

(町山智浩)今是枝監督と、『ゴジラ-1.0』の監督、山崎貴監督が、日本政府もヨーロッパの諸国のように、映画の内容にタッチしないで制作費を出せっていう事で働きかけてるんですけど、政府に。でも日本政府はそういう事しないのでね。色々難しい事になってるんですけれど、この映画はポーランドに対して非常に批判的な映画であるにも関わらず、ポーランド政府はお金を出してますね。で、これね。監督がですね、ずっとポーランドで映画を撮り続けてる女性監督なんですけれども。この人この前に撮った映画がですね、ナチスにポーランドが占領された時に、そこにいたユダヤ系の人達を、地下水道にかくまって救済したという実際にあった事件を元にした映画を撮った人で、今回も視点的にはそれと同じなんですね。要するに助ける人達の物語になってるんですよ。で、この映画がね、すごく面白いところは、その助けない人達。国境警備隊の人達の物語もちゃんとあるんですよ。

(石山蓮華)ほぉ〜。。

(町山智浩)彼らは、これはやってる事はひどい事だなと思いながらも、政府の仕事だし自分の生活だしって事でやらざるを得ないと。いう事で泣いてる子供とかを捕まえて、ポーランドとベラルーシの国境の有刺鉄線から放り投げたりする訳ですよ。

(石山蓮華)自分もね、これから子供が生まれるっていう時に。

(町山智浩)そうなんですよ。だからね、一方的な映画にはなってなくて。でまたその、助ける側の方もですね、若い学生さん達がいるんですけども。運動家の。それが非常にデタラメだったりするとこもリアルなんですね。酒飲んでセックスして、遊びながらなんかやっててね。そういうところもね非常にリアルで。すごく取材して、実際にその救済する人達と生活したりしながら、この映画を作ってったみたいなんですけども。この監督はね、アグニエシュカ・ホランドさんという人で、さっき言ったナチの時代に、ユダヤ人の人達を地下水道にかくまってた人の映画というのは『ソハの地下水道』という映画ですね。

映画「」のポスター

(町山智浩)2012年の映画ですけれども。でね、この映画はねポーランドにとっては非常に難しい映画で。さっき言ったみたいに右派政党の法と正義という保守系の政党が、カチンスキという大統領を2005年から2007年までですね大統領にしたぐらいのですね、反移民がすごく今ポーランド内部で広がっていて。なんていうか最近ではLGBTを一切認めない法律を作ったりね。

(石山蓮華)えー。

(町山智浩)すごい今保守化してるんですよポーランドが。でもね、難民を送り込むというねベラルーシの酷い作戦というのは、アメリカが真似しました。

(でか美ちゃん)うわー!

(町山智浩)これね、2023年にテキサス州っていうメキシコとの国境にある州のアボットというまぁ非常に保守的な州知事がいまして。その人がテキサス州に難民が入ってくるんで、グアテマラとかベネズエラのね。その人達に難民として受け入れてあげるって嘘をついて、バスとか飛行機に乗せて、ニューヨークとかですね、民主党が政権を取っている街や州にその難民爆弾を送り込んでるんですよ。お前ら難民受け入れろとか言ってるけど、お前のところは難民来ないじゃないかと。うちの州は難民いっぱい来るんだから、難民ほしいんだったらくれてやるって、大量にバスとかで送り込んでるんですよ。これはベラルーシのルカシェンコの真似をしてるんですけど。

(石山蓮華)なんか人間に対してする事じゃないですね……。

(町山智浩)そう。そうなんですよ。人を何だと思ってるんだっていうね。この映画の中でセリフでね、これからの戦争はハイブリッドになるっていうセリフが出てきて。何の説明もないんでなんだかわかんないんですけど。これはね、昔の戦争っていうのは正規軍が宣戦布告をして戦争を始めたんですね。今は難民を送り込んだりサイバー攻撃をしたりね、ゴミを捨てたりとか。ありとあらゆる手法が使われる事をハイブリッド戦争って言うらしいんですよ。嫌な時代になってて。色々あれなんですけど、それでこのルカシェンコの難民爆弾はすでに終わっています。どうして終わったかっていうとロシアがウクライナに攻め込んじゃったからなんですよ。

(でか美ちゃん)いやなんか全然、解決してないというか。

(町山智浩)解決してないんですよ。もっとひどい事になっちゃったんですよ。で、このルカシェンコっていう人は実はプーチンの番犬みたいな人なんですけど。プーチンがウクライナ戦争に参加しろっつったから、それは嫌なんですよ。一緒にウクライナに攻め込め!って言われて、いやそれはちょっと勘弁してくださいっていうところがあるんで、急に距離を置いておとなしくなっちゃったんですよ今。その辺もね、小ずるいところで笑っちゃうんですけど。まぁだから良くない事が良くない事で消えてなくなったというね。困ったもんだというね話なんですけどね。

(でか美ちゃん)いやなんか難民受け入れやってるんだから、いっぱい送り込むぜ!みたいなやり方って、すごい汚いですよね。なんか受け入れている側とか州とか国も、別にそういう事じゃないというか。ちゃんと受け入れるための制度とか設備込みでやってますよって事なんだから。なんか、でもこういう論破の仕方みたいなのって最近すごい多いですよね。論破になってないんだけども。

(石山蓮華)そう。なんか詭弁がまかり通ってるって。その社会の中で政治の中でっていうのは本当に、なんかもう選挙に行かなきゃなっていう事を毎回思うんですけれど。ちょっとこの映画を見て改めて考えようと思います。

(町山智浩)だからよくほら。クルド人の問題になってて、今川口にクルド人の人達が多くて追い出そうとしてる人達がデモとかやってて。それに対して言うと、お前らもクルド人が来たら嫌だろうみたいな事を言うんですね。そういう言い方をするんですけど、この『人間の境界』っていう映画には、そういう事に対して、戦う、その難民爆弾に対して難民を兵器として使わない、使えなくするための方法がですね最後に示されます。そこは非常に希望があるシーンになってるんで。それがですね、こういう人を人とも思わないやつらの作戦に対して戦う手段なので。この『人間の境界』の最後のところを見ていただきたいなと思いますね。

(石山蓮華)はい。今日は来週5月3日金曜日公開の映画『人間の境界』をご紹介いただきました。町山さん、そしてえーとですね、以前ご紹介いただいたアカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞した『マリウポリの20日間』が、こちらも今週26日金曜日より全国公開スタートしたという事でmぜひ併せてご覧ください。

(町山智浩)これはウクライナにロシアが攻め込んだ最初の20日間を、そこに残ったカメラマンが撮った映画でアカデミー賞を取ったんですけども、この監督はアカデミー賞を取った時に私はこんな映画でアカデミー賞を取りたくなかったって言ったんですね。本当にもうこれはロシア軍がウクライナのね、産婦人科を攻撃するシーンが映ってるとんでもない内容のドキュメンタリーなんですけども。あれもね、ロシアはそんな事してないよとか言って、ウクライナの嘘だよって言ってますけど、証拠ですからこの映画が。是非見ていただきたいと思います。

■後日談

(石山蓮華)でか美ちゃんも、私石山も見てきまして。

(でか美ちゃん)公開はね、5月3日金曜日なんですけどちょっと一足先に死者で拝見しまして。

(石山蓮華)つらかったですね。

(でか美ちゃん)いやぁすごいつらい映画。なんかこう試写っていう環境で見てると、正直自分のタイミングで止められるは止められるから。ちょっとしんどすぎるなって思った場面が私はすごくあったんですけど、いや見なきゃと思ってもちろん最後まで見て。ただなんかこう、映画っていう作品として見た時に、こう難民の人を兵器として送り込むっていうものすごいこう非道なやり方を・・。

(町山智浩)ほんとにやってんですからね。

(でか美ちゃん)難民の視点と・・視点ごとに4つ場面が切り替わる活動家と国境警備隊の隊員とっていうんで、見やすさみたいなのをきっとすごい意識して作られたんだろうなと思ったんで、そこの構成のわかりやすさとかもどれだけ監督がこの事を絶対に伝えなくちゃいけないって思ってるとかがすごい伝わってきて。大ヒット映画ってなるタイプではないかもしんないけど日本で。必ず見てほしいなと思いましたね。

(町山智浩)そうですねそれぞれの立場があるんだっていう事をちゃんと描いてて。難民の人だけに寄り添ったりとか、それを排除する人だけにって言うんじゃなくて、全員の立場をそれぞれ仕方なくあるんだという事をちゃんと見せてね、いますんで。クルドからクルド系の人とねアフガンの人達とシリアの難民の人達が来るんですけども、足とかボロボロになっちゃうのね。

(でか美ちゃん)そうなんですよ。

(町山智浩)ね。その国境のところ、ポーランドとベラルーシの国境のところを行ったり来たりさせて。でも最初、ベラルーシが飛行機までチャーターして、すごくいい事ありますよってみんな助かるんだってベラルーシと。

(石山蓮華)ほんとにうやうやしく扱ってもらって。その人達をこんな目に?っていう事が本当に起こってるんだと、劇映画ですけど、本当に起こってるんだって。

(町山智浩)本当に起こった事ですよ、難民を色んな所から集めてきて、隣国のポーランドに嫌がらせで送ったんですよ、ベラルーシが。そんな事する?っていうね。

(でか美ちゃん)『オッペンハイマー』の時にもすごいこう感じたんですけど。

映画「」のポスター

戦争っていうものとか国同士の外交的な部分で色んな事が悪い方悪い方へ始まっちゃった時に、もうそこに加担したくないとか思ってても、本当にその上層部というか、本当にごく一部の人達の戦争をして得をしたいっていう人達のものに巻き込まれてしまうんだっていう、その国境警備隊の心を痛めながらね、仕事をするしかなくてしてる人の視点とかが、なんか1番こう正直感情移入しやすかったんですけど。自分は。

(町山智浩)そうなんですよ。彼がね、すごくつらくて。自分がやってる事が。難民を送り返すって事がね。ぎりぎりのところで彼が何か出来るだろうかって悩む所がね。1番彼に寄り添ってるんじゃないかなって、この映画はね。そういう人がいっっぱいいると思うんですよ。でもやれる事あるよって。

(石山蓮華)そうなんですよね。やっぱりその、この作品の中でえっとリベラルとしてその市民のなんだろうメッセージ、に署名をするっていうとか活動はするけど実際に動き出せないみたいなキャラクターが1人いて、そこに対する本当にそれだけでいいんですかっていう事のメッセージもすごくこう感じましたし、じゃぁ何ができるのかっていう事を考えるために、まずこの『人間の境界』は見た方がいいなというのは本当に痛感しましたね。

(町山智浩)難民を武器として使うってね、難民をぶつけていくって敵国にね。それを武器にしない方法というのがあって、それは難民の人達を人間として扱う事なんですよ。人間だと思ってないから、嫌だ嫌だこっち来るな来るなってやってるから武器になっちゃう訳で。人間として扱えばいいんじゃないのっていう事をちゃんと示している映画なんで、これ日本語タイトルはいいなっと思いますね。

※書き起こし終わり

○○に入る言葉のこたえ

⑥難民攻撃とは、何千人何万人規模の難民を送り込んだ

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