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胸騒ぎの町山智浩さんの解説レビュー

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2024年05月21日更新
人には人の領域に入り込んでくる人がいるんだと。その場合に領域に入られてもそれを譲る人と出会うと、その譲る人はどんどんどんどん侵略されてっちゃうんだよって話なんですよ。(TBSラジオ「こねくと」より)

映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『こねくと』(https://www.tbsradio.jp/cnt/)で、『ぼくは君達を憎まない事にした』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。

町山さん『胸騒ぎ』解説レビューの概要

①最初はハッピーな感じで始まる
②主人公夫婦の旅行先で出会うオランダ人の夫妻、パトリックとカリン
③気さくなパトリック夫妻
④主人公夫婦は非常に内向的なタイプ
⑤後日パトリック夫妻のホームパーティーに招待されるも、ボロ家で胸騒ぎがする
⑥パトリック夫妻の子どもは○○○○○○
⑦人の領域に入り込んでくる人がいて、譲る人はどんどん侵略されていってしまう
⑧人の領域を犯すのが犯罪的な人達の特徴

※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。

町山さん『胸騒ぎ』評価とは

(町山智浩)今日はですね、この曲を聞いてください。

(町山智浩)いやでもね、『胸騒ぎ』っていうとすぐこれを思い出すんですよ。

(でか美ちゃん)ねぇ。こんななんか陽気なイメージで。

(石山蓮華)何か、起きそうですね。

(町山智浩)でこれ『胸騒ぎ』っていう映画なんですが今日紹介するのは。胸騒ぎっていうと、こういう感じじゃないですか。

(でか美ちゃん)そうそうちょっとハッピー寄りな。

(石山蓮華)何かワイワイ、みんなで盛り上がっちゃうぞみたいな。

(町山智浩)最初はそういう映画なんです、この映画。この映画ね、最初はハッピーな感じで始まるんですよ。イタリアの、トスカーナ地方っていうまぁ美味しい料理とねワインがある所に主人公夫婦が旅行に行くんですね。で、この主人公はデンマークのちょっとお金持ちみたいな夫婦と、娘さんがいて。幼い娘さんがいて。その3人でイタリアでまぁ高級ななんていうかジビエ食べたりね。ワイナリーでみたいな事をしていると、そこでですね。オランダ人の夫妻と会うんですね。同じ所に泊まった。。その夫妻がパトリックとカリンという夫妻で、すごく、なんというか気さくなんですよ。で、どんどん話しかけてきて、楽しくしてくれて。でこの主人公はデンマーク人のビャアンっていうルイーセっていう夫妻は非常に内向的なんですね。非常に内向的で、だから向こうからどんどんどんどん気さくに楽しもうよ!パーティーしようよ!みたいに来ると、すごく楽なんですよ。

(石山蓮華)あ〜そうですね。

内向的な主人公夫妻

(町山智浩)僕も結構、そういう風な人が来てくれるのが楽だと思う時もあるんで、楽しくそこでリゾートを過ごして、でデンマークに帰った後、手紙が来て、そのパトリック夫妻から。オランダのうちの方にちょっと来てみないかと。招待されるんですね。そこへ行ってみるんですけれども。最初パトリックは自分は医者だって言ってたんで、それなりに豊かなのかなと思って着いてみたらボロボロの家なんですよ。でド田舎で周りに人全然住んでなくて。で、大丈夫かなと思ってると・・でもなんか、胸騒ぎがする訳ですよ。

(石山蓮華)なんか、予想と違いますね。

(でか美ちゃん)ちょっと不穏な。なんかもっとね、招いてこうホームパーティーみたいなイメージでいきますよね。人柄的には。

(町山智浩)そうそうそう。そうなんですよ。で行ったら、ここに寝ればって言われた所のベッドもね、ソファベッドでね。で子供が寝る所っていうのはね、地べたなんですよ。

(石山蓮華)床に?

(でか美ちゃん)床!

ボロ家でホームパーティー

(町山智浩)で、大丈夫かこの家って思って、その予感は、胸騒ぎは正しいんですけど。この主人公はですね、これは彼ならなりのおもてなしなんだから、あんまりここで文句を言わないで、それをちゃんと受けとめようよみたいな事で明るく振舞って、ありがとうみたいに言っているうちにですね。例えばちょっとこれ食べてみなよって言われるんですね。イノシシの肉なんですよ。で、この奥さんの方のルイーセさんは、ベジタリアンだから私は食べられないって言いましたよね?って言うんですけど。なんだよせっかくうちに招待したんだから食べなよって言って無理やり食べさせられるんですよ。イノシシの肉を。その辺からね、どんどんやばい事になっていくんですよ。で、最初の段階でおかしいなとこの夫妻は思うんですけども、パトリック夫妻の子供、幼い男の子がいるんですけど全く口をきかないんですよ。ですごい暗い顔をしてて。で、その段階でおかしいと思うべきなんですよね。

(でか美ちゃん)ね。夫婦がこんなに陽気なのにっていう感じはしますよね。家族ならば。

(町山智浩)ね。だからちょっとおかしいって言うと、パトリックは、いやうちの息子はちょっと病気でしゃべれないんで、しょうがないんだって。病気って言われると、あっ!って思っちゃうじゃないですか。

(でか美ちゃん)ちょっと触れちゃいけないとこ触れちゃったみたいな。

(町山智浩)かわいそうだなって。そう。思うんですね。でもパトリックは相変わらず気さくなんですけれども、気さくすぎてですね。・・トイレが1つしかない家なんですね。お風呂とトイレが1つだけ。鍵ないんですよ。

(石山蓮華)えー!あぁ〜・・ちょっと嫌だな。。ギリギリ嫌だなっていう事が積み重なってますね。

嫌なことが積み重なっていく

(町山智浩)相当嫌ですよこれ。でそのうちになんかお金とかも、なんかこうこの主人公達のお金を彼らは使おうとしたりね。なんかどんどんどんどん、こうこっちの領域に入り込んでくるんですよ。で、これはやばいと思って、じゃjぁちょっと逃げた方がいいんじゃないの?って。おいとました方がいいんじゃないのって思うんですけども、でも向こう悪気がないしこんなに親しくしてくれるんだから、それは失礼に当たるんじゃないのって言ってなかなか逃げられないっていうね。ホラーって言ってもそういう系統のホラーなんですよ。

(石山蓮華)人に対してモヤモヤするところ。

(でか美ちゃん)お化け系じゃない、そのなんかギリギリ体験するかもしんないぐらいの1番ゾクゾクくるやつですね。

(町山智浩)ねぇ。誰かの家に行ってご飯ごちそうになったら、すごくそのご飯がなんかっていうものだった。

(でか美ちゃん)でも向こうはお招きのスタンスでいるし。

(石山蓮華)どんどん食べなとか言うんですよね。

(でか美ちゃん)こっちも招かれてる側だし言えないよなとか。

(町山智浩)そう。それでやたらと明るいの。あとやっぱりなんか、部屋の隅っこ見ると、なんかすごく汚いなって思う時って怖くない?

(石山蓮華)ちょっと、なんか靴下とかで歩いてた時に、ふっと足の裏を見るとおって思うっていう。

(でか美ちゃん)でも人ん家だしなぁって。

嫌なことが積み重なっていくホラー映画

(町山智浩)人ん家だしね。それが積み重なっていく感じのホラー映画なんですよ。これね、この監督はねクリスチャン・タフドルップという人なんですけれども、この人ねその前に作った映画があって、実はそれ僕見てるんですね。それがね、この映画のなんて言うかまぁ試作品みたいな映画なんですよ。それは2017年にね、『A Horrible Woman』っていうね、ひどい女っていうひどいタイトルの映画を作ってますね。これ日本では公開されてないんですけ、これ主人公はやっぱり気の弱いすごく礼儀正しい男の子なんですね。でもちょっといい歳、40ぐらいまでまぁ気が弱いから女の子と付き合えないで来たんですけども。偶然すごい、自分と釣り合わないような美女と恋愛に落ちるんですね。ところがそうするとねこの彼女がだんだんとね、彼のアパートに彼女の物を持ち込むんですよ。最初歯ブラシ置いてったりするじゃないですか。

(石山蓮華)あ、ありますね。

(でか美ちゃん)なんかズルズルっとこう暮らし始めるやつ。

(町山智浩)そうそう。ズルズルと物が増えていって。そのうちに、彼のCDとか見るんですね。ニルヴァーナとかグランジ系のロックとかが多いんですけど。こんなの聞くの〜とか言うんですよ。そのシーンがあった後、しばらくした別のシーンで、フリーマーケットでそのCDを彼が売らされてるんですよ。

(でか美ちゃん)えー!かわいそう!すごい嫌だ!タイトル通り!ひどい女だ!

(石山蓮華)ひどい女だよ〜。

(でか美ちゃん)1番ダメだろうって思っちゃった。

(石山蓮華)ずっと集めてたCDですもんね。

(町山智浩)そう。それを売らされてるの。で彼はボンクラなんで、家に部屋にね、ブルース・リーのポスターとか貼ってある訳ですよ。もうダメな感じなんですけど、ブルース・リーとか『ビッグ・リボウスキ』とかのポスター貼ってあるんですけど。

(でか美ちゃん)好きでね、貼ってるんだ。

(町山智浩)それを外して、彼女がなんかアートをかけるんですよ。

(石山蓮華)うわ〜〜・・あぁ〜あぁ〜あぁ〜。

(でか美ちゃん)なんかもう・・心がググッとなるななんか。(笑)

(町山智浩)でね、スーパーに行ってお肉をこう彼が買おうとすると。2人でスーパー行ってね。彼女が、肉とか食べるの?・・それ動物虐待じゃないのとか言い始めるんですよ。で、今大豆で作られた肉あるじゃないですか。これも同じ味よって言ってそれを買わされちゃって無理矢理ベジタリアンにされちゃうんですよ。

(石山蓮華)本人の意思と違う所でって事ですよね。

(町山智浩)そうなんですよ。それでどんどんどんどん彼女が彼の領域を侵していって彼の領域がどんどんちっちゃくなるっていう映画がその『A Horrible Woman』っていう映画なんですね。

(石山蓮華)ひどい女の映画ですね。

(町山智浩)でもそれコメディなんですよ。完全にコメディなんで笑っちゃうんですけど見ていて。この彼がどうしようもなくてね。で、時々怒るんですけど、これじゃ俺のもんなんにもなくなっちゃうじゃないか!みたいな。すると彼女が、私悪かったわって言って、そのまま黙っちゃうんですよ。

(石山蓮華)うわぁ。

(町山智浩)別れた方がいいわねって言って。

(でか美ちゃん)あぁそうか。ごめんごめんってなっちゃうやつだ。(笑)

(町山智浩)そうそう、ごめんごめんって妥協してどんどんどんどん撤退していくんですよ彼が。

(石山蓮華)うわ〜どんどんその領域を自分からこう相手に渡しちゃうんですね。

(町山智浩)そう。侵略されてくんですよ。ただこの映画は、女性に対するその嫌悪感みたいなもので作られてるんじゃないかって批判されたんですね、この監督は。

(石山蓮華)ちょっとステレオタイプですもんね。

(町山智浩)そうそう。そうじゃなくてこれは男とか女とか関係ないんだと。いう事で作ったのが今回の『胸騒ぎ』で。人には人の領域に入り込んでくる人がいるんだと。その場合に領域に入られてもそれを譲る人と出会うと、その譲る人はどんどんどんどん侵略されてっちゃうんだよって話なんですよ。で、彼はどこかの段階で抵抗すればよかったのに、それがなんていうか自分自身を納得させてしないんですね。

(でか美ちゃん)まぁ招いてくれて親切でやってくれてる事だもんねでズルズルと滞在してる訳ですもんね。

人の領域に入り込んでくる人

(町山智浩)ズルズルズルズルいっちゃうんですよ。これはね、すごい怖い話でね。僕ねジャレッド・レトという俳優さんにインタビューした事があるんですけど。『スーサイド・スクワッド』っていう2016年の映画で、ジョーカーっていう殺人者のね、バットマンの役をやる事になったんで、役作りのためにシベリアの刑務所に行って、刑務所の人にお金を払って連続殺人犯と面会したんです。

映画「」のポスター

お金払えばロシアは何でもできるんでね。で、その時にね。どういう特徴があったかっていうと、まずね近づいてくるんですって。とにかく距離を詰めようとするんです。顔も近づけるし手も触ってくるんです。連続殺人犯っていうのは。で、その間ずっと、このジャレッド・レトの目をずっと見つめてるんですって。それはどういう事かって彼が言うには、とにかく物理的にも精神的にも、こちらの領域を侵犯してくるんだっていう事なんですね。で、殺人犯というのは、人の命という領域を侵してくるもの。それで人の心にも入ろうとするし、肉体にも触ろうとすると。それが、いわゆる犯罪的な人達の特徴なんだって言うんですね、ジャレッド・レトは。で、詐欺師がそうですよね。

(石山蓮華)最初はね、そのなんか心の交流を持って、信頼を得てっていう事ですよね。

人の領域を犯すのが犯罪的な人達の特徴

(町山智浩)で人の心に入ってこようとする。であと変態がそうですよね。肉体的とか物理的に人の領域に入ってくるものですよね。で、泥棒ですよね。人の財産を取っていく訳ですから。人の財産っていう領域を侵していく訳ですけど。で、そういう人達はやっぱり犯罪なんだ、そういう事が犯罪なんだと。だから、実際に犯罪が行われなくても、人の精神的な領域、例えばトイレに入ってくるとかそうですよね。

(でか美ちゃん)そうですよね。

(町山智浩)それは、実はもう大変な侵略なんだよって事なんですよ。で、それに対して、抵抗しないっていう事がどれだけ良くない事なのかというね、映画で。これはね、むしろその『胸騒ぎ』っていう映画は、アメリカ人とかヨーロッパ人は言いたい事をはっきり言う人達だから。それこそ韓国人にもそういう人が多いんですけど。日本人が見るべき映画ですよこれ。

(でか美ちゃん)確かにな〜。

(町山智浩)こういう人いっぱいいるんだもん。

(でか美ちゃん)なかなか言い返せないですよね。しかもそこに、いやでもちょっとモヤッとするけど悪意ないんだよなっていうその悪意のあるないとか。

(石山蓮華)なんか自分が嫌だと思っても、それを善意ベースで渡されると、やっぱこう断るのがいけないんじゃないかって思っちゃうんですね。

(でか美ちゃん)こっちが悪いかなみたいな。そういう国民性はあるからな〜。

(町山智浩)で、そうじゃない侵略的な人達が、権力を握っちゃうんですよ。もうはっきり言うとテレビ局とかに行くと、今はいないのかな。もういきなり馴れ馴れしく、ナントカちゃーん!って呼んできて親しくなったりする人。

(でか美ちゃん)最近は、私の体感では、最近はテレビのスタッフさんもすごくこう気を遣われて、プロデューサーの方もディレクターの方も、ADの子達をいかにキチンと育てるか意識されてる方が多いかなっていう風に、ちゃんとされた方が多いとは思いますけど、やっぱり先輩方の話とか聞いてるとね。そういう人もいた時代もあるってね。

(石山蓮華)そうですね。少し前は、色んな人がいたって。

(町山智浩)あぁ今いなくなってるんだ。

(でか美ちゃん)で、それこそその侵略じゃないけど、蓮華ちゃーん!とか言いながら肩抱いてくるみたいなね。そういうステレオタイプな。

(町山智浩)そういう人いなくなったんだ。

(でか美ちゃん)だいぶいないと思いますよ。今は。私はあんま見てないです。

(町山智浩)よかった。昔はそんなのばっかりでしたよ。だって俺にすら言うんだもんだんだってテレビに出始めた頃。

(でか美ちゃん)町山ちゃーん!とかですか?

(町山智浩)そうだよ。町山ちゃーん!って。知らねえよお前!お前なんか友達じゃねえよ馬鹿野郎!とか。(笑)そういうのばっかりでしたよ昔って結構。

(でか美ちゃん)私なんか、色々こう周り見てて、侵略してくる人って、侵略しやすそうな人を見つけの得意ですもんね。

(石山蓮華)そうなんですよね。

(町山智浩)そう!そうなんですよ。

(でか美ちゃん)この人なら行けるっしょをちゃんと見抜いてやってきてる人が多い感じがするから。

(町山智浩)そうなんですよ。カモにしようとしてるんですけど、そういう人が本当にいてね。もう日本なんかみんな、そういうのにやられちゃう人ばっかりだから。もういくら貧乏にされてもみんな言いなりになっちゃいますからね。

(石山蓮華)はぁ〜あ!

(町山智浩)革命起こってますよ日本で。日本みたいな経済状況に置かれたら国民は暴動起こしてますよ。

(石山蓮華)本当にそう思います。

強烈なシーンに注意

(町山智浩)もっと怒れよ!って思いますけど。もう本当にね胸騒ぎを感じたらね。そういう自分の本能に従って自分を守った方がいいですよという映画がこの『胸騒ぎ』で。ちょっとすごい強烈なシーンがあって、それはちょっと最初に警告しておきます。ホラー映画なんで。非常にその、幼い子に対するものすごい虐待シーンがあるんで、それだけはちょっと警告しておきますけれども。まぁ見た方がいいですよって散々勧めといてなんだって思いますけど、それで見たらとんでもない映画じゃないかつって、町山てめぇ許さねぇって言われると困るんで。(笑)ひでぇシーンがあるんで。その辺はちょっと覚悟してください。

(石山蓮華)こちらの映画PG12という事で、小学生以下のお子さんが鑑賞する際は保護者の助言指導が必要と。

(町山智浩)あ、小学生は見ない方がいいです!はい。

(でか美ちゃん)大人がね。覚悟を持って見ましょう。

(石山蓮華)という事で今日は来週5月10日金曜日公開の映画、『胸騒ぎ』をご紹介いただきました。町山さんありがとうございました。

(町山智浩)どうもでした。

■後日談

(石山蓮華)先週は旅先で意気投合した家族のおうちに遊びに行ったら、とんでもない事が次々と起こるホラー映画、『胸騒ぎ』という作品を紹介いただきまして。本当にいいタイトルですね、胸騒ぎって。見ました。

(町山智浩)ご覧になりました?

(石山蓮華)はい。あの〜、歯磨きをする音が聞こえるシーンがあったじゃないですか。歯磨きの音って日常聞いてますけど、あんなに恐ろしく響くんだなという事を思って。すごい映画でしたね。

(町山智浩)あのシーンは最悪でしたね。

(石山蓮華)最悪でしたね。なんかホラーって嫌な予感を、永遠と味わう時間を味わうみたいな事はあると思うんですけど、胸騒ぎっていうタイトル、よくつけたなと思いました。邦題。で、苦手ない人と会うとか、気がかりなイベントがあるとか私は結構その、直前に気持ちが1番落ち込むタイプなんですけど、その気持の落ち込みを映画の時間中ずっと味わうみたいな。そんな嫌さがありました。

(町山智浩)映画だとそれが娯楽なんですけどね。

(石山蓮華)そうですね。

(町山智浩)嫌な思いをしにこの映画をみんな見に行くんで。嫌であればあるほど、まぁそれは楽しいんですよ。

(石山蓮華)そうなんですよ〜。でも、ねぇ。近年見た映画の中で1番胸糞悪かったです。(笑)

(町山智浩)そう。胸糞ですよね、わりとね。(笑)

(石山蓮華)そうですね。

(でか美ちゃん)私はちょっとすいません、今週見る時間作れなかったんですけど、ちょっと映画とズレちゃうかもしれないんですけど、先週紹介してもらう中で、侵略される人は、侵略しやすい人を探すみたいな話があったじゃないですか。私ありとあらゆるXのアカウント見るのめっちゃ好きなんです。パパ活してる女性のアカウントとか。(笑)共同親権に賛成してる人のアカウント見るのとか。自分と違う人の意見とか見たいと思って見てるんですけど、なんかそういうこうSNSにおいて、主義主張をするのが、それが自分が賛同できるできないに関わらず、主義主張がうまくて、フォロワーを獲得するのが上手な人種っていうのがいて、そういう人達はかなり侵略しやすい人を見抜く選球眼があるのかなというのをすごく考えてた一週間でした。

(石山蓮華)へぇ〜。

(町山智浩)あぁ。

(でか美ちゃん)まだ自分も紹介の面だけでまだ見れてないのにアレですけど、そういう人全員集めてみんなで見れば、結構反省するんじゃないかって。(笑)自分もちょっとね、侵略する側の正確ではある自覚はあるから。なんかこう相手をなんだろうな、説得するのとかがうまいタイプの自覚があるんで、ぼんやりこう考えながら生きてたんですけど。なんか胸糞なんだとしたらみんなで反省できれば。みんなで行った方がいいかも。

(町山智浩)この映画ね、『胸騒ぎ』っていう映画はさっきの歯磨きのシーンはね、映画館で見た時はね、爆笑だったんですよ。だから1番悪い、嫌な物を見る時って結構笑うんですよね。

(石山蓮華)そうですね!

(でか美ちゃん)ボーの時めっちゃそうだった私。爆笑しちゃった。

ボーはおそれている

映画「」のポスター

(町山智浩)そうそう。ここまでやるか!っていうね、笑いになるんですけど。この『胸騒ぎ』っていう映画の中で、ある刑罰が出てくるんですよ。刑罰が。それは古代から世界各地で行われてた刑罰で、刑罰の中でもっとも重い、最も悪い人を罰する刑なんですね、それがね。まぁ言えませんけど。この映画で誰がその刑罰を受けるかっていう事なんですよ。その人が1番悪いんですよこの映画の中で。

(石山蓮華)わぁ〜ほんっとにその主人公の性格だったり善良な性格だったり振る舞いによるものなのかなと思ったりするんですけど、まぁそれが関係する部分があるのかなと思うんですけど、私はわりと素直で、聞き分けがいいタイプの人間としてやっていきたいなと思っていたところがあるので、本当に身にしみる話でした。

(でか美ちゃん)見た上で蓮華ちゃん今日朝イチで、私ホームパーティーとか行っちゃうんだよなって言ってて、大丈夫かなって。(笑)

(石山蓮華)本当に人の家誘われたりとか、明るい人が声かけてくるの本当うれしいんですよね。

(でか美ちゃん)私も大好き。

(町山智浩)そうなんだよね、自分からそういうのは・・僕も実は、されてる方が楽なんで。

(でか美ちゃん)ねぇそうそう、きてもらう方が楽ですもんね。

(町山智浩)でもグイグイ来られて、知らないうちに心を侵略されてるんですよ、本当に。ね。気をつけたほうがいいですね。何されても何も文句言わないのがね、日本人のいいところでもあり、悪い所でもあるんで、本当に気をつけましょうというね。『胸騒ぎ』だったですね。

■後日談2

(でか美ちゃん)あと私はちょっと1週遅れですが、『胸騒ぎ』を見てきました。

(町山智浩)胸がムカムカする映画ですね。

(でか美ちゃん)もう本当に。でも何だろうな?なんか監督が言いたかった事とか、町山さんが解説の時にもおっしゃってましたけど、自分の意見を言わないとどんどん侵略される側に飲まれてくよっていう話がすごい伝わってきたんで。でこういうのって私は正直作品見ながら私絶対NOって言えるって思ったんですよ。

(町山智浩)あぁ、いいですね。

(でか美ちゃん)そう思ったんだけど、こうやって見て言ってるやつが1番危ないよなという自覚もあります。

(石山蓮華)なるほどね。

(でか美ちゃん)意外とほだされちゃう。

(町山智浩)あれね、何度も何度もやってるうちにどんどんどんどん、もう本当言うチャンスを失っていっちゃうんですよね。

(石山蓮華)うわーー!

(でか美ちゃん)そういう事ですね。

(町山智浩)あれ、決定的なチャンスがありますよね。あの映画ね。

(石山蓮華)ありましたねぇ!

(でか美ちゃん)あります。

(町山智浩)それを逃すのかと。ねぇ。だからもう本当に日本の人に本当に見てほしいんですよ。ここで戦わなきゃ。

(でか美ちゃん)あれって、なんかネタバレになんない程度の話をしたいんですけど、エンディングに宗教画みたいなのが出てくるのは、そういう事なんですか?

(町山智浩)だと思いますよ。

(でか美ちゃん)ですよね。なんかすごくエンディングも怖かったです。

(町山智浩)怖かったでしょう。特に、今言いそうになりましたけど。(笑)ある刑罰が出てくるんですが、それは聖書とかに出てくる刑罰なんですよ。で、それは最も罪が深い人に対して行う事なんで、この映画で本当に誰が悪いのかって事はよく考えていただきたいと思いましたね。

(でか美ちゃん)いや、そうだろうなって思って。あーあという気持ちになりましたね。

(石山蓮華)そうですね。

(町山智浩)色んな事を考える事ができる映画なんで、そういう映画はいい映画ですね。

(でか美ちゃん)なんか映画見てウウウッってなりたいのが、なるのが好きな人は、絶対に見た方がいいです。

(石山蓮華)あ、絶対に。もう間違いない。

(でか美ちゃん)ウウウってなりますから。こういうのが好きな人が1番好きなタイプの映画。(笑)

(石山蓮華)そうです。

(町山智浩)ははっ。ねぇ。やる側のやつも好きだけどね、こういう映画ね。(笑)こういう風に、攻める側のやつもいるから困ったもんですけど。(笑)

※書き起こし終わり

○○に入る言葉のこたえ

⑥パトリック夫妻の子どもは口がきけない

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