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医学生 ガザへ行くの町山智浩さんの解説レビュー

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2024年05月22日更新
1番恐ろしいのはラストシーンなんですよ。1番最後なんですよ。1番最後の字幕なんですよ。これは2019年に撮影されたもので、現在リッカルドくんが行ったところ。大学。救急病院。もうありませんって終わるんです。(TBSラジオ「こねくと」より)

映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『こねくと』(https://www.tbsradio.jp/cnt/)で、『医学生 ガザへ行く』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。

町山さん『医学生 ガザへ行く』解説レビューの概要

①アメリカの学生が大学内でデモをしている
②大学が、ガザに攻撃をしているイスラエル系ないしはイスラエルを支援する企業に寄付や投資をしている
③学費をイスラエルへのお金に使われる事への抗議
④イスラエル首相は停戦条件を飲まず攻撃を続けると発言
⑤『医学生 ガザへ行く』は楽しい映画
⑥イタリア人学生が1番世界で救急外科医を求めてる所であるガザ地区の救急病院で研修をしたというドキュメンタリー
⑦爆撃が始まると、ガザ地区に住むアダムは○○し始める

※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。

町山さん『医学生 ガザへ行く』評価とは

(町山智浩)それで今日、お話ししたいのはね、アメリカで今、こないだというか一昨日か、卒業式シーズンだったんですよ、こないだの土曜日。

でもうアメリカ全土で卒業式が行われて、特に大学ですね。で、各大学で卒業式の壇上とかで学生さん達がパレスチナを支援し、パレスチナのガザ地区を攻撃し続けているイスラエルに抗議したんですけれども、日本でね、アメリカの大学生がパレスチナ問題に対して抗議の為にそのキャンプを学校内で行ってるっていう事は報道されてますよね?

(石山蓮華)されてる・・と。思います。はい。

(でか美ちゃん)でも大体的にニュースでっていうよりかは、関心がある人には届いてるというくらいですかね。

(町山智浩)あぁ、あれですごく誤解があるのが、学生っていうのは正義感があるからこうやって子供達が殺されてるのに我慢できないからね、大学内でデモをしてると。で、それに何の意味があるのかっていう事を日本のテレビで言ってる人とかがいるんですよ。

(石山蓮華)ふーん。

アメリカの学生が大学内でデモをしているのは非常に意味がある事

(町山智浩)それは、全然わかってないんですよ。えぇまず、彼らが直接的に抗議してるのは、自分が通ってる大学が、投資とかですね寄付とかでイスラエル系ないしはイスラエルを支援している企業や投資家達と付き合ってるのをやめろと言ってるんです。これがどのくらいの規模になっているのかというと、例えばハーバード大学ではですね、ガザへの攻撃するイスラエルに大して学生達がデモをしていたら、ハーバード大学に寄付している寄付者達が寄付を停止すると。いう脅しをかけたんで、ハーバードの学長がですね、学生デモを放置したという事でクビになりました。

(でか美ちゃん)へぇ〜。

(町山智浩)学長が世界の大学、ハーバード大学の学長をクビにする力が、イスラエルを支持する投資家達の間にあるんです。これ巨大なものです。直接的にはビル・アックマンというですね、億万長者がしかけたんですけども、それが実は全大学であります。全大学で莫大な寄付をそういった人達から受けてたり、そういった人達のファンドに投資してたりするんですよ。もう1つこれは知られてない情報なんですが、今イスラエルの首相としてガザを攻撃してるネタニヤフという人はアメリカで投資ファンドをやってた人です。あの人ほとんどアメリカ人です。

(石山蓮華)うーん。

(町山智浩)アメリカに移住してそこで育って、首相になる前はボストンの投資ファンドで働いていて、そこで共和党とかとの非常に近い繋がりを持った人で、アメリカの投資ファンドはイスラエルとベッタリです。で、そういう所にお金を入れるなと学生が怒ってるんですが、それを学生が言う権利があります。

(石山蓮華)そうですよね。

(町山智浩)今回デモを起こしている多くの学校が私(わたくし)立大学です。お金払ってるんですよ。彼らも、月謝を。

(石山蓮華)学費としてって事ですよね。

学費をイスラエルへのお金に使われる

(町山智浩)学費として。それをそういったイスラエルへのお金に使われてると。それが許せない、それが子供を殺す事に繋がってるんだと。で、公立大学でもみんな反対してるんですが、公立大学の場合にはそれほど投資といのはないんですが、それでもやっぱりやってるんですよ、寄付もらったりね。で、だからそれは権利があるんですよ、大学の学生側に。ヨーロッパとかアメリカの大学っていうのは元々、学生達が始めたもので、国とかが始めたものではないんです。元々大学というものの起源は、パリで勉強したい学生達が自分達でお金を出し合って先生を雇うっていう事が大学の始まりなんです。だから、大学において学生はクライアントなんです。

(石山蓮華)はい。

(町山智浩)先生達、大学側は雇われてるんです、学生に。日本でそう思ってる人いないでしょ。

(でか美ちゃん)普通に考えたらたしかに本来そうですよね。入学したいって人がいなくなっちゃったら1番困るのは大学な訳で。学費を払ってる訳で。ねぇ。

(町山智浩)そうなんです。だから学生達は大学側にそれを要求する権利があってやってるんですよ。

(でか美ちゃん)当然ですよね。

(町山智浩)それが理解されないと、学生達が反戦運動してるとかいうバカがいますけども、それは全然間違ってますからね。で、まぁそういう事がアメリカで行われていて、うちの1番近所のUCバークレー大学ではですね、カリフォルニア州大学ではですね、キャンプとかデモが行われてるんですが、学長は一切そこに警察権力を入れないと言ってるんですよ。立ち退かせないって言ってるんですよ。で、他の学校、テキサス大学とかコロンビア大学では学生達を立ち退かせようとして警察を入れたりしたんですけど、こっちは入れないって言ってるんですね。で、土曜日に卒業式があって学長さんが演説をしたんですが、ここで学生達がキャンプを行ったりデモを行ったりするのは、市民の不服従という市民の権利と義務を果たしてるだけと言ったんですね。これも日本では殆ど知られてない言葉で、市民の不服従と言うのは、政府であるとか権力であるとか市民に対してですね、横暴な事をした場合にはそれに対して抵抗する事が国民の義務であり、権利なんだと。いう考えがアメリカ人にはあるんですよ。日本にもあるはずなのに日本の人は絶対に言わないですね。

(でか美ちゃん)うん。

横暴な事には抵抗する事が国民の義務であり権利

(町山智浩)ね。で、それを学長さんが言って、非常に喝采を浴びたんですね。という事で大学によって違うし、そのデモに対する対応とかね、その辺がちゃんと日本で報道されているといいなと思うんですが。特にこないだの卒業式の時にみんながその戦ったのはですね、ガザ地区を支配しているハマスというイスラム教の政治グループがですね、停戦条件を飲んだんですよ。要するにもう言う通りにすると。だからもう攻撃しないでくれって言ったんですね、イスラエルに対して。そしたらイスラエルの政府の首相のネタニヤフは、関係ない、攻撃すると。で、今日の演説では最後の1人までやるって言ったんですよ。

(石山蓮華)いやなんか、ほんとにどんどんどんどんキナ臭い話が増えているなって。新聞で出ているレベルでもそのインターネットとか他のニュースサイトで見るレベルでも、えっそこまでいってしまうのかっていう事がどんどんどんどん起こってきて。

(でか美ちゃん)ね。出てきてるし。

(石山蓮華)で、ね。デモっていうのは、本当にまっすぐに意見を言う機会、あの『胸騒ぎ』を見てからすごくこう思っていたんですね。なんか自分が言葉を伝える機会っていうのを逃してしまったら、それはもう一過性のものであってなかなか取り返そうと思っても戻って来ないんだって事をすごい思います。

(町山智浩)そうなんですよ。ここで言っておかないと、抵抗しておかないと後でもう遅いんですよ。

(でか美ちゃん)戦争っていうものに対して大義名分なんてハナからないって私は思ってますけど、でもあるような感じでやっていた訳じゃないですか、イスラエルがパレスチナに対して。でも、この今の状況って、停戦条件飲みます、いや関係ないっていうのは、もう大義名分とかも。

(町山智浩)もうない。

イスラエル首相は停戦条件を飲まず攻撃を続けると発言

(でか美ちゃん)いいんだっていう。それ、言っちゃうんだ。なんか、国単位でというか。

(町山智浩)そうなんですよ。で、こないだ発表されたんですけども、イスラエルの攻撃で亡くなったガザの人達が35000人で、半分ぐらいが女性か子供という事なんですね。これ当たり前なんでね、住宅地にミサイル打ち込んでるんでね。どこの街いっても住宅地にミサイル打ち込んだら半分は女性か子供ですよ死者は。これはもう完全におかしいんで。それでまぁ、今日ご紹介したい映画が、『医学生 ガザへ行く』というドキュメンタリー映画なんですが、既にもう日本では公開されてるんですが。明後日から拡大公開になるらしいですね。

(石山蓮華)はい。えと16日の木曜日から田端のCINEMA Chupki TABATA。17日金曜日からは青梅市の、シネマネコでも公開されるそうです。

(町山智浩)はい。かわいい映画館ですね、シネマネコ。

(石山蓮華)ね、シネマネコ。

(町山智浩)これはね、救急病院の救急外科医になりたいと、いうイタリア人の学生さんがですねリッカルドという学生さんが1番世界で救急外科医を求めてる所であるガザ地区の救急病院で研修をしたというドキュメンタリーなんですよ。そう聞くと結構ハードな映画のような気がしますよね。

(でか美ちゃん)はい。

(町山智浩)これね、楽しい映画なんです。

(石山蓮華)うーん!

ガザ地区の救急病院で研修をしたというドキュメンタリー

(町山智浩)これね、実はこのような状況なる前の、2019年に撮影されてるんですね。ついこの間なんですけど5年前なんですが。そこにまず行くとですね。リッカルドくんは何も知らないんですよ。ガザってどんな所か。で、まず巨大な壁が建ってるんですね。イスラエルの中に。で、その壁の内側に閉じ込められていて完全に収容所みたいになってるんですね。で入るのも許可がいるし、出るのも許可がいると。だから完全に刑務所ですよ、巨大な。で、そこに入ったらどうなるかリッカルドくんはわからないんでドキドキしてるんですけど、行くとね。いいとこなんですよ意外と。彼が留学した大学はですねガザイスラム大学という大学でこれは新しいんですけども、ガザって前は大学なかったんですよ。

(石山蓮華)あ、そうなんですね。

(町山智浩)70年代まで大学はなくて、大学に行く事はできなかったんです。ガザに住んでる人達は一生出れないので。一生大学に行けないっていう事だったんですよ。で、そこに大学を作って、すごく綺麗な大学なんですよここは。立派で、しかもね。学生のレベルがものすごく高くて、この映画ね、彼がイタリア人で、ガザの人達はイスラム教なんでアラビア語をしゃべってるとね、思うじゃないですか。でもこの映画会話の8割が英語なんですよ。

(でか美ちゃん)へ〜そうなんですね。

(町山智浩)英語をしゃべれる人が多い。うん。ペラペラみんな。で、レベルが非常に高くて、彼がホームステイをするんですが、ジャッド家というとこにホームステイをするんですね。そこの家にはアダムっていう同い年の男の子がいるんですけど、弁護士をやっててですね、イケメンなんですよすごい。本当にかっこいいんですね。で仲良くなって、で医学部の友達としてはねサアディくんという眼鏡でね、ぽっちゃり型の、写真があると思うんですけど。

(でか美ちゃん)めっちゃ優しそう。(笑)陽気そう。

ガザ地区の日常

(町山智浩)すっごいいいやつなの、彼が。で、彼らね2人ともね、ものすごいインテリなんですよ。で、非常に楽しくて明るくてですね。最初はそんな所で留学生活するなんて大変なんじゃないとみんな思うんですけど、もうねスーパーマーケット行っても色んなものがあってね。で、なんていうかカフェがね、結構おしゃれなんですよ。すごく美味しそうなね、チーズケーキにシロップをかけてピスタチオをまぶしたやつがあるんですけど。

(石山蓮華)えーおいしそう。

(町山智浩)フナーファって言うんですけど激甘なんですよ。僕食べた事があるんで、もう地獄のように甘くて。

(でか美ちゃん)わぁでも美味しそうだなぁ。

(町山智浩)それを食べたりして。してね。あとねクラブにも行くんですよ。リッカルドくん。クラブに行って驚くんですよ彼。男ばっかりなんですよ。で、ゲイクラブなのかなって思うんですけど、どうもそうじゃなくて、伝統的なイスラム教徒の結構厳しい人達は、男女で同じ場所で遊ばないんですね。中東行った人だとわかるんですけど、カフェとかでも男女わかれてる場合があるんですよ結構。

(石山蓮華)そうなんですね。

(町山智浩)融合してる所もあるんですが、分かれてる所が伝統的なんですね。だからゲイクラブかと思ったらそうじゃなくて、クラブでみんな踊ってるんですけどEDMで。男ばっかりなんですよ。それで最初びっくりするんですけど、でも結構音楽とかも現代的だしね。みんなが考えてるような非常に伝統的な物ばかりじゃないんですね。で、結構美人が多いんですよそれで。

(でか美ちゃん)なんか結構、聞く限りキラキラ学生生活ですね。かなり。

(町山智浩)そうなんですよ。それがね、ちょっと意外で。重くないのこの映画って思うじゃないですか。『医学生 ガザへ行く』って。そうじゃないんですよ。またこのリッカルドくん、イタリア人なんでチャラいから、ナンパしたいんだけどみたいな話をすると、それはちょっとイスラム教的にはあり得ないよ君!とか言わるんですよサアディ君に。

(でか美ちゃん)なんで分けて座ってるんだっていう話ですからね、カフェとかで。

異常な事もいくつもある

(町山智浩)いや僕がそんな女の子が好きで好きでしょうがない変態みたいに言わないでくれよ!みたいな事を言うんですけど。その辺のねギャップがおかしかったりするんですけどね。そういう中で、やっぱり異常な事ってのいうのはいくつもあって。まず電気が時々しか通じないんですよね。1日4時間かなんかしか電気が通じないかな?であと水道も止められちゃってるんですよ。で、みんな水を汲んで持っていかなきゃなんないんですけど高いビルでも何でも。それはね、水道とかガスとか水をイスラエル側がコントロールしてるからなんですよ。だから止めたりするのも自由自在なんですよ。あとやっぱり彼自身が働かなきゃなんないその救急医療センター。ERに担ぎ込まれる怪我人の殆どが銃弾を受けてるんですよ。これはまぁ常時ですね、デモ隊とかに対してイスラエル側が狙い撃ちをしてるんですね。

(石山蓮華)はいはい。

(町山智浩)で、殺さない程度に撃つみたいな感じで足を撃ってくるんで、足がない人がいっぱいいるんですよ。もうちっちゃい子供もそうなんですね。イタリアにいたらそんな銃弾の傷を治すなんて事はたぶんほとんどないです。でもこのリッカルドくんはものすごい数の銃傷を治療するというですね仕事をしなきゃならないんですけども。だからそのへんはハードですね。あとやっぱり、これはねちょっとね考えられないようなシーンがあるんですけど、爆撃が始まる訳ですよイスラエル軍からのね。で、そこら中に爆弾が近くで落ちてて地面が揺れてるんですけど。そうするとそのイケメンのアダムくんがですね、突然部屋の掃除を始めるんですよ。

(でか美ちゃん)え。そんな時にって思っちゃう。

(石山蓮華)悠長な。

(町山智浩)で、リッカルド驚いて、お前何やってんだって。爆弾バンバン落ちてるのになんで掃除するのって。いや、こうせざるを得ないんだよって。だから、なんだろうな。現実逃避。かなぁ?あと精神を落ち着かせるためかな?なんかわからないけど突然、部屋の掃除を夜中の11時に始めるんですよ。そういうとこもね、知らないリアリズムですよね。こんな事あるんだっていうね。

(でか美ちゃん)なんか変な一種の正常性バイアスじゃないけど。

(町山智浩)そうでしょうね。

(でか美ちゃん)感じですよね。

(町山智浩)全くそうだと思います。そういう感じなんだと思いますよ。でね、すごくいいシーンがあってね。ちょっと1つね音楽をかけてほしいんですけど。よろしいですか、『Bella Ciao』っていう歌なんですが。

(町山智浩)これは『Bella Ciao』というイタリアの歌なんですけども日本では『さらば恋人』というタイトルで知られてるんですが、これをですねリッカルドくんとサアディくんが一緒に歌うんですよ。で、この歌は知ってるよって言うんんですね、サアディくんが。イタリアの歌だけど。で、なんで知ってるかというとですねこれは世界の独裁者とか軍事独裁国の中で、市民がそういう政府と戦う時に歌う歌なんですよ。

(石山蓮華)ん〜。

(町山智浩)で、これは第二次大戦の終わりの1943年にですねまぁイタリアはヒットラーとね、組んでファシスト政権っていうのがあったんですが。市民が銃を取って立ち上がってですね、そのヒットラーと組んでるファシスト政権に対して抵抗したんですねイタリアで。ゲリラとして。そのイタリアの反軍事政権ゲリラの人達が歌い始めた歌なので。他の国。たとえばインドでもこの歌すごく人気でいっぱい色んな映画に出てくるんですよ。でタイとかチリでも軍事政権に対して抵抗するデモ隊がこの歌を歌ってたんですけども。これは、我々の敵が我々を苦しめてるから、恋人よ、さらばだ。僕は戦いに行くっていう歌なんですよ。これをね、最近だとスティーブ・アオキもやってますよ。

(石山蓮華)あ、そうなんですね。

(町山智浩)EDMバージョンで。

(石山蓮華)えぇっ。

(でか美ちゃん)EDMで。ちょっと想像つかない。

(町山智浩)EDMでやってますこれ。で、そのぐらいね全世界で戦う人々の歌としてですね歌われてるんですけど。これをそのパレスチナでサアディくんが歌ってたっていうのは非常に深い問題があって。元々はイタリア人がナチスと戦うために作った歌なんですよ。ところが、イスラエルに攻撃されているパレスチナ人のサアディくんがこれを歌ってるんですよ。イスラエルはかつてナチに虐殺された側なのに、なんでナチの側になっちゃってんの?って事ですよね。

(でか美ちゃん)歴史からこうね、学べてないって思っちゃいますよね。

(町山智浩)そうなんですよね。で学べてないのかね、僕が思うのはなんていうか、DVをやられた子供とかは自分の子供にDVするじゃないですか。

(でか美ちゃん)連鎖しちゃうことがね、ありますよね。

(町山智浩)そう。だから一種の暴力の連鎖だなと思うんですよ。イスラエルがやってる事ってね、悪い意味でね。で、この映画ね楽しい映画なんですけど、1番恐ろしいのはラストシーンなんですよ。1番最後なんですよ。1番最後の字幕なんですよ。これは2019年に撮影されたもので、現在リッカルドくんが行ったところ。大学。救急病院。もうありませんって終わるんです。

(石山蓮華)うわぁ・・そうか、そうだよなぁ。

(町山智浩)これ写真があると思うんですけど。彼が行ってたその大学。ガザイスラム大学とアル・シファ救急病院という立派な大学と病院があるんですけど、これ猛爆撃でもう木っ端微塵ですよ今。

(でか美ちゃん)ちょっとね今、写真の資料拝見してますけど。

(石山蓮華)ショッキングですね。

(でか美ちゃん)はい。かなりショッキングな。すごくすごく綺麗な病院と大学だったのに。

(町山智浩)そうなんですよ。病院もすごくいい病院でね、施設もよかったんですけど。しかもその病院で働いてた医師をイスラエル軍は逮捕してですね拷問して殺してるんですよ。病院だよ?救急病院だよ? で、その救急病院にいっぱい子供がいたんですけどもみんな死にましたよね。病院とか大学を爆撃するってどれだけ人間として、どんな神経をしてるのか俺にはもうわかんないですけど。

(石山蓮華)いや、本当にその人の戦争ってここまでやるのかっていう事をこう全部やっていくような戦争だなっていうのを思っているんですけど、『ガザ 素顔の日常』というご紹介いただいた映画を見て、

 

映画「」のポスター

前線でイスラエルに抗議活動をしている方とかって結構その若いそのえぇ医学生と同じぐらいの年齢の方が多かった印象なんですけど、なんかそういう人をこうどんどんどんどん運ばれてきて医学生として診るっていうのはまた、どういう経験なのかなというのを思いました。

 

(町山智浩)彼らね、だから皆さんが思っているようなアラブ人みたいなものではなくて、本当にイケメンでそのアダムくんとかハリウッド映画に出てもおかしくないようなイケメンなんですよ。で明るくて勉強ができて英語がペラペラなんですけど。彼らは一生ガザから出れないんですよ。

(でか美ちゃん)ねぇ。なんか日常っていうものがね、全然私達が思ってるようなものじゃないけど、その中で楽しく暮らしてる瞬間も2019年はあって。という風にこう見ると、うーん。

(町山智浩)この映画はね、もうなくなってしまったかつてのガザを見るという意味で非常に貴重な映画だと思います。

(石山蓮華)今日は『医学生 ガザへ行く』という映画をご紹介いただきました。町山さんありがとうございました。

(でか美ちゃん)ありがとうございました。

(町山智浩)どうもでした。

※書き起こし終わり

○○に入る言葉のこたえ

⑦爆撃が始まると、ガザ地区に住むアダムは掃除し始める

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