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マッドマックス:フュリオサの町山智浩さんの解説レビュー

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2024年06月13日更新
まぁとんでもない2時間・・2時間半ですよ、しかも。それで。はい。すごいフルスロットルでね。(TBSラジオ「こねくと」より)

映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『こねくと』(https://www.tbsradio.jp/cnt/)で、『マッドマックス:フュリオサ』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。

町山さん『マッドマックス:フュリオサ』解説レビューの概要

①2015年に公開された映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の前日譚
②暴力だけが支配する弱肉強食の世界での、馬の代わりにバイクとかトラックで西部劇をするというシリーズ
③マッドマックス過去作について
④『怒りのデス・ロード』がすごいのは、○○○○○○○しかない
⑤『怒りのデス・ロード』ではフュリオサが何者か語られなかった
⑥前回を超えるアクションシーン

※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。

町山さん『マッドマックス:フュリオサ』評価とは

(町山智浩)今日紹介するのはですね、『マッドマックス:フュリオサ』という映画なんです。

〜音楽〜

(町山智浩)はい。もうすごいエンジンの爆音がバーーーン!と響きましたね。

(石山蓮華)はーい。

(町山智浩)これはですね、2015年に公開された映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の前日譚なんですね。

映画「」のポスター

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』っていうのは、『マッドマックス』シリーズの続きなんですけれども、マックスって主人公がいて、彼がヒーローでずっと続いてきたんですけども、『怒りのデス・ロード』はマックスは脇役なんですよ。で、フュリオサという女性の女戦士が主人公になってまして。ただ、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』っていう映画は、これねストーリーをざっと説明すると核戦争で。地球の文明が完全に壊滅してですね、もう水とか食料とか石油が非常に貴重な状態になった荒野で話が進行するんですけども、そこで・・まぁともかく法律も国家も何もなくなってるんで、暴力だけが支配する弱肉強食の世界での、馬の代わりにバイクとかトラックで西部劇をするっていう話がマッドマックスシリーズですね簡単に言うと。(笑)

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の前日譚

(石山蓮華)はい。

(町山智浩)『北斗の拳』に1番影響を与えてますね。はい。『北斗の拳』の前に『マッドマックス2』っていう映画があって、そこでヒャッハー!とか言いながら、モヒカンの人がバイクで走ってきて悪い事をするという映画だったんで、それが『北斗の拳』になった訳ですけれども。ただね、それがね1番最初の『マッドマックス』はね、地球滅亡前の世界だったんですけどね。1978年に公開されて大ヒットしてずっと続いてるんですが。もう何年続いてるんだ?1978年だから、とんでもなく長く続いてますが。

(石山蓮華)うーん、たしかに。

(町山智浩)1番わかりやすいのは、僕が高校生でした。

(石山蓮華)うわあ!うわぁって言うのもなんか、アレですけど。

(でか美ちゃん)青春と共に『マッドマックス』が始まり。

(石山蓮華)そうですねぇ。

『マッドマックス』最初の1作目

(町山智浩)そうなんですよ。で、『マッドマックス』は最初の1作目はマックス扮する交通警官がですね、まぁパトカーの警官なんですけど、奥さんと子供を悪い暴走族に殺されて、暴走族に復讐をするっていう話だったんですね。で、監督はジョージ・ミラーっていう人でこの人はお医者さんだったんですよ。外科医で、救急病院で働いてて。でオーストラリアって、北海道の何10倍もある広い所でですね。誰も、交通法規を守らないと。荒野では。人もいないしね。だから、ものすごい交通事故が多くて。で、そこで救急病院で働いてたんで、これは大変な事だと。いう事で、ホラー映画なんだけれども、ナイフとかそういったもので殺しに来るんじゃなくて、自動車とかバイクで殺しにくるっていう話を作る。ホラー映画の基本的な殺人者が出てきてとか怪物が出てきてっていうのを全部、暴走族に置き換えてるんですよ。

(でか美ちゃん)はえ〜。

(町山智浩)だからものすごく強烈なんですよ。バイオレントで。であとスピードがめちゃくちゃオーストラリアだから速いんですね。カーブとかない訳ですから。何10キロも。

(石山蓮華)そっか。

(町山智浩)だから『マッドマックス』を見た後はね、ハリウッドのカーチェイスがですね、徐行に見えますよ。

(でか美ちゃん)え〜〜のぐらい出てるのか。

(町山智浩)本当に。そのぐらいのスピードで時速100キロ200キロでやってるんで。

(石山蓮華)わぁ〜。

(町山智浩)すごかったんですね。『マッドマックス』1作目はご覧なってます?

(石山蓮華)いえ、私はですね。『怒りのデス・ロード』だけを見た事があります。

(町山智浩)はいはい。

(でか美ちゃん)私はないんですよ。

(町山智浩)あぁそうなんですか。

(でか美ちゃん)『マッドマックス』シリーズ。ブームに乗りそびれました。デスロードの時も。この時期本当にお金なくて。(笑)公開年見たらすごい思い出しました。

(町山智浩)言ってくれれば僕がチケットぐらいなんとかしたのに!(笑)

(でか美ちゃん)9年前ですもんね?めちゃめちゃ金がなかった時期で、ブームに乗りそびれました。

(石山蓮華)私もお金なかった。

(町山智浩)いやでもその価値のある映画ですよ。『怒りのデス・ロード』はね。

(でか美ちゃん)だから今回の楽しみなんですよ、すごい。

(町山智浩)僕『マッドマックス』を見た時が高校生で免許を持ってなかったんですけど。もう思わずバイクの免許を取りましたね。

(でか美ちゃん)へー!!すごい影響受けてる!

(石山蓮華)それで取ろうって思ったんですね!

(町山智浩)悪役なのに。(笑)

(石山蓮華)確かに。(笑)

マッドマックス過去作について

(町山智浩)暴走族、悪役で、マックスに皆殺しにされるんですけど。なぜかバイクの免許を取りたくなったんですね。はい。いやそのぐらいね、バイクの疾走感がよく出てる映画なんですよ。で、まぁその後『マッドマックス2』が核戦争後の世界になって、そこでマックスが活躍してたんですけども。あのね3作目はね、『サンダードーム』っていうんですが。核戦争後の世界でそこを支配している女王がいて。そこで、サンダードームという闘技場がありまして。ローマの闘技場みたいな。そこで命をかけた殺し合いが行われるっていう話が『マッドマックス』3作目の『サンダードーム』なんですよ。・・僕それ参加してます!!

(でか美ちゃん)ええっ!!待って待って!すごい語弊ある気がする。(笑)そんな訳ないんだから。

(町山智浩)いや、あのね。アメリカの砂漠で毎年『マッドマックス』のような核戦争後の無法地帯を再現するっていうイベントが行われてるんですよ。

(石山蓮華)えーー!!

(町山智浩)『Wasteland』って言うんですけども。そこに改造バイクを持ち寄った人達がマックスのコスプレをして、サンダードームで戦ったりしてるんですよ。

(石山蓮華)えっ!戦ったんですか?

(町山智浩)戦ったんです僕。

(石山蓮華)えっ!町山さんはどうやって戦ったんですか?

(町山智浩)あのね、武器はね、柔らかいスポンジの刀で戦うんですけど。(笑)

(でか美ちゃん)そりゃちゃんとね、現実には法とかもちゃんとあるから。(笑)その範囲内で。

(石山蓮華)あぁそっか。(笑)

(町山智浩)そうそうそう。(笑)でもね、こうワーッてやってるうちにね、手の骨が折れてたんです。

(石山蓮華)ええっ!本当に!怪我してますね町山さん!

(町山智浩)大怪我をしたんです。

(石山蓮華)大丈夫でした?

(町山智浩)ちゃんと僕、『マッドマックス』の世界のようにあのモヒカンで参加してるんですけども。

(石山蓮華)はい。あの今、手元に町山さんのXからお借りした写真があるんですけど、パッと見ても町山さんだって全然わかんなかったです。

(でか美ちゃん)全くわかんなかった。

(町山智浩)モヒカンで目の周りが真っ黒、パンダみたいになってて。で格好もマッドマックス感ありますね。

(町山智浩)あの北斗の拳であっさり殺されるザコのキャラになってますけど。(笑)

(でか美ちゃん)ね、あのヒャッハーッ!みたいな感じの町山さんがいますけども。

(町山智浩)砂漠のど真ん中でね、手の骨を折ったんで、薬指がもう完全違う方向に曲がってたんですよ。で、すぐに病院に行かなきゃって言われたんです、複雑骨折だったから。砂漠だから。砂漠の中を車で3時間走ってやっと救急病院。大変だったです。でも行ったら医者が、いきなりモヒカンの人が来たからびっくりしてたよ。(笑)

(石山蓮華)そうですよね。(笑)メイクもしっかりして。

(でか美ちゃん)ほんとに映画の中だけだ、やっぱりサンダードームやっていいの。(笑)

(町山智浩)そう。ほんとにやるのは危ない。(笑)

(でか美ちゃん)イベントとしてはね、すごいこう同じ好きなものを持つ人が集まって楽しそうですけど。

『怒りのデス・ロード』がすごいのは、クライマックスしかない

(町山智浩)いやものすごかったですよ。面白くて。楽しくて。『マッドマックス』に出てくるようなね、異常な改造車がいっぱい集まってすごかったんですけど。でね、それからねずっと経ってから、2015年に。30年後か。3作目から30年後に4作目の『怒りのデス・ロード』が作られたんですね。こんなに間が空いてるのでマッドマックス役のメル・ギブソンはおじいちゃんになったんで、今回主役じゃなくてですね。『怒りのデス・ロード』はフュリオサっていう人が、女戦士が主役になったんですが。この映画ね、『怒りのデス・ロード』がすごいすごいってみんなが言ってて、何がすごいかっていうとですね、クライマックスしかないんですよ。

(でか美ちゃん)ほえ〜。

(町山智浩)普通、物語があって誰か登場人物の紹介があって、で登場人物同士の確執というか、戦いに至るまでの経過があって、そして戦いになるじゃないですか。で、まぁカーチェイスなんですけど、『マッドマックス』は毎回戦いって言うのは。っていう風に、話の流れってのがあって物語があるじゃないですか本来。『怒りのデス・ロード』はないんです。いきなりカーチェイスで始まります。

(でか美ちゃん)えー!意味もなくカーチェイスをして。

(石山蓮華)もうなんかドンドコドンドコドンドコドンッッ!フュリオサー!行けーっ!行けーっ!!で、ずっとなんかあの2時間っていう印象ですけど。はい。

(でか美ちゃん)なんか、スポーツ観戦みたいって思ったけどスポーツも物語、めっちゃあるもんな。さすがに。

(町山智浩)でも、スポーツはほらいきなり試合が始まるじゃない?その試合に至る過程っていうのはスポーツではその競技場では見ないじゃないですか。だから物語はスラムダンクがさ、前も話したけども1つのゲームの中に物語を入れ込んでたでしょう。『怒りのデス・ロード』っていうのはそれすらしないんですよ。ほとんど。だから、ものすごい興奮してすごい楽しいんだけど、このフュリオサって誰?っていう問題がある訳ですよ。

(石山蓮華)あ〜そうかなんか今、初めてそれ言われて確かに誰だったんだって思いましたよ今。

(町山智浩)誰やん!っていう話なんですよ。

(でか美ちゃん)ブーム起きてた時も、みんなその、面白い面白いとはすごく、みんな言ってて。すごいみんなにおすすめされたしSNSとかでも毎日誰かが見に行って話題にしてたけど。何が面白いのかを確かにちゃんと語ってる人があんまいなかったかも。今思えば。

(石山蓮華)V8! V8! V8!っていう。

(町山智浩)そうそう。それはね、ウォーボーイズというね、フュリオサの敵っていうのはイモータン・ジョーという砂漠を支配してる男なんですね。男っていうか、おじいちゃんなんですけど。彼は砂漠で貴重な水を独占してるんで、独裁者として振舞ってて、そこにうぉーボーイズという彼を神のように信奉している兵隊達がいるという設定なんですね。で、そのイモータン・ジョーというのは女性達、妻が何人もいるんですよ。で、彼女達に子供を、なんていうか、俺の子供を産めや!産まへんのかー!とかなんか言っているジジイなんですが。で、その女性達、妻達をフュリオサが救い出して逃げるっていう話なんですね。それが『怒りのデス・ロード』なんですけど。フュリオサって誰なのかわからないんですよ。

(石山蓮華)そうですね。

『怒りのデス・ロード』ではフュリオサが何者か語られなかった

(町山智浩)で、フュリオサは片腕が義手なんですね。すごい金属製の義手なんですが。なんで腕を失ったかもわからないんですよ。でこれは実はちゃんと話を作ってたんですが、ジョージ・ミラー監督が。やってるうちにものすごくアクションシーンが長くなって、もうそれだけでいいって事で。(笑)

(石山蓮華)はははは。(笑)

(町山智浩)せっかく作ってた話をやらないで、アクションシーンだけで映画にしちゃったんですね。

(石山蓮華)あっ、そうだったんですね。

(町山智浩)でも、ちゃんとフュリオサの物語っていうのはあるんで、今回ちゃんとそれが作られたんで、それが『マッドマックス:フュリオサ』っていう映画なんです。

(でか美ちゃん)なるほど。やっとわかるんだ。フュリオサについて。

(町山智浩)やっとわかるんです。だから、これだけ見ても大丈夫なんですよ。

(でか美ちゃん)なるほどなるほど。

(町山智浩)『デス・ロード』の前の話だから。で、今回は若い頃の、というかまぁ子供の頃からフュリオサが育っていくのをちゃんとじっくり見せていくんで。若いフュリオサはアニャ・テイラー=ジョイさんが演じてますね。もう彼女は今すごいですねトップスターですね。で、今回の敵は、イモータン・ジョーじゃなくて、クリス・ヘムズワースという俳優が演じるディメンタスという、なんていうのかな、砂漠を旅をしながらですね、色んなものを占領してる。昔中国にね軍閥というものがあって、それに非常に近いものですね。小さなジンギスカンみたいな男です。

(石山蓮華)へ〜。

(町山智浩)まぁ、その彼がまぁ最初にアニャ・テイラー=ジョイの前に子役さんが演じてるんですけども、フュリオサを彼女が住んでいたなんて言うか理想郷みたいな所があって。水もあれば、森もある所から、幼いフュリオサを誘拐してですね、その時にそのフュリオサのお母さんを殺すっていうシーンから始まるんですよ。で、その母親を殺されたフュリオサが成長しながらそのディメンタスに復讐を誓うという話で、非常に西部劇的な話になってるんですが。今回もとにかくアクションがすごいんですね。で、前の『怒りのデス・ロード』は、なんていうかね。シルク・ドゥ・ソレイユが時速200キロで走ってくるような映画でした。

(石山蓮華)ああ!そうですね、車の上にも色々な人達がいて色んな事してましたね。

(でか美ちゃん)シルク・ドゥ・ソレイユは見に行った事があるから、あんなのが200キロで来たらやばいですよ。(笑)

(町山智浩)200キロでシルク・ドゥ・ソレイユが曲芸をしながら走ってくるっていう映画なんですよ、前のは。

(でか美ちゃん)うわっ!一気に見たくなった!

(石山蓮華)うん!

前回を超えるアクションシーン

(町山智浩)ね。で、今回はそれを超えるアクションシーンを作らなきゃなんないって事で、監督が考えたのは、空を飛んできます、敵が。

(石山蓮華)地上戦じゃなく、はい。

(町山智浩)それと、鉄球をぶんぶん振り回すタンクローリーとの空中と地上の対決になるんですけど。まぁめちゃくちゃでしたね。はい。(笑)すごいなこれはって思いました。というね、映画がこの『フュリオサ』なんですけども。これね、とにかくアニャ・テイラー=ジョイがね、あの目の力でね、セリフないんですよ殆ど。

(でか美ちゃん)あぁ、そうなんですか。主人公なのに。

(町山智浩)主人公なのに。ものすごい怒りを秘めてしゃべらないんですよね。で、顔真っ黒でね、オイル塗ってるから。目だけがギラギラ光ってすごい事なってますよ。まぁとんでもない2時間・・2時間半ですよ、しかも。それで。はい。すごいフルスロットルでね。

(でか美ちゃん)2時間半、200キロのシルク・ドゥ・ソレイユ?

(町山智浩)そう。(笑)すごいですよ。それでね、前作が非常に評判だったのは、イモータン・ジョーという男がね。女性達を完全に子供を産む道具として、家畜として扱ってるっていうシーンがあるんですよ。で、それに対して女性達が反乱を起こすというストーリーが、非常にそういう、女の人は子供を産まなきゃ価値がないとか言ったりする人が日本にも政治家にいる訳じゃないですか。

(石山蓮華)いますねー。

(町山智浩)だから非常にその現代的なテーマだったしアメリカの場合にはそれこそ、人工中絶禁止がね、実際に行われてしまったので。非常にその現実の問題とリンクする話だったんですけども。で、今回とね前作で非常に似たとこがあって。フュリオサがね、ご覧なったらわかると思うんですけども、デスロードのところで敵であるイモータン・ジョーに、覚えてるか!って言うんですよ。今回も同じセリフがあるんですよ。今回も母の仇のディメンタスに、覚えてるか!って言うんですよ。復讐の話なんでね。でもね相手は覚えてないんですよ。これね。何人もの女性を踏みにじってきてるから、いちいち相手の顔や名前を覚えてないんです。そもそも人を踏みにじってる人って、相手を1人の人間だと思ってないから覚えないんだよね。それが1番ね、フュリオサが。あ、フュリオサっていうのは”怒り”っていう意味ですけど、まさにその怒りをぶつけざるをえないところなんですけどね。という事でね、『マッドマックス:フュリオサ』、『マッドマックス』っていうタイトルつけて、マックスは出てこないんですが。(笑)

(石山蓮華)もう『フュリオサ』ですよね。

(町山智浩)もう『フュリオサ』でどんどんいくんでしょうね、今回からはね。

(でか美ちゃん)こんな長く愛されてる作品って私知らなかったです。

(町山智浩)あぁそうですか。

(でか美ちゃん)全部見たくなりました。

(町山智浩)じゃぁね、『フュリオサ』を見てから『怒りのデス・ロード』を見るというね、あんまり他の人がしてない、いい体験ができますから。

(でか美ちゃん)確かに!それしよう!やったやった!

(町山智浩)これはラッキーですよ。

(石山蓮華)という事で。今日は今週31日金曜日から公開になる、『マッドマックス:フュリオサ』という映画をご紹介いただきました。町山さん、ありがとうございました。

(町山智浩)どうもでした!

■後日談

(石山蓮華)石山、でか美ちゃん、見てきました。

(町山智浩)あっ!どうでした?はい!

(石山蓮華)私はこういう映画ばっかり見たいなと思うぐらい楽しかったですね。

(町山智浩)はははは!(笑)

(石山蓮華)ドンドコドンドコ、こう人が坂をバイクで駆け上がっていって、でもこうボロボロボロボロ脱落していくじゃないですか、人が。

(町山智浩)あれスポーツで流行ってんですよ。バイクでね、ものすごい崖を駆け上がるスポーツっていうのが実際にあって、本当に流行ってんですけど。

(でか美ちゃん)やってるんですね。あぶね!って思いながら見ちゃう。

(町山智浩)はい。崖からバンバン落ちて大怪我してますけどね。

(でか美ちゃん)ね。なんか見ちゃいますよね。たまに流れてくるとね。

(町山智浩)そうそうそうそう。YouTubeでたくさんあるんですよ。

(でか美ちゃん)私も見まして。で私はまさかの9年前の『マッドマックス』ブームに完全に乗り遅れた人間だったので、『フュリオサ』を見てから、『怒りのデス・ロード』も見ました。

(町山智浩)あぁいい順番ですね!

(石山蓮華)ね〜!

(でか美ちゃん)で、これを町山さんとか『マッドマックス』ブーム乗ってた人側がね、その順番で見れるの羨ましいって先週の放送の後いっぱい言っていただいて、リスナーさんにも。その意味がすごくわかりました!いいだろうって思ってる。今は。

(町山智浩)ねぇ。ガンガン上がりますからね。はい。

(でか美ちゃん)だからそのフュリオサがやっぱその、紹介していただいた通り、フュリオサとはどういう出自の人間だったのかっていう話だったんで、本当に『怒りのデス・ロード』を見た人は、全員見なきゃいけないと思いました。

(石山蓮華)そうですねぇ。

(町山智浩)そうなんです。誰なんだよそれって、最後までわからないまま終わっちゃうんで。

(でか美ちゃん)そう。で『フュリオサ』を見てからの『怒りのデス・ロード』はもう爽快でしかなかったから。だからその今回、『フュリオサ』見る前に『怒りのデス・ロード』見た方がいいのかな?って思ってる人は、順番どっちでもいいと思うけど。

(町山智浩)どっちでもいいですね。

(でか美ちゃん)『フュリオサ』からサクッと見に行っちゃっていいんじゃないかなって思いましたね。

(町山智浩)あぁそう思いますよ。本当にね、『怒りのデス・ロード』の方はストーリーとか基本的になくて。(笑)

(でか美ちゃん)そうそう、だからびっくりしました。『フュリオサ』が物語っていう感じというか、しっかりとねお話があったから。その『マッドマックス』ってこういう感じなのかな?と思った状態で『怒りのデス・ロード』を見たら、マジで。ドンドコドンドコ!先週おっしゃった通り。時速200キロのシルク・ドゥ・ソレイユがどんどん押し寄せてくる。

(町山智浩)本当にクライマックスのみの映画というね。すごいですよね。

(でか美ちゃん)だから二作連続で見たんで、このシーンとこのシーンの伏線とか、同じ描写とか。同じセリフとかが、新鮮なまま見れたので、それもすごいいい経験でした。

(町山智浩)そうですね。ちゃんと共鳴し合うところがあったりしてね。二作連続で見るともうなんていうか、服着て仕事に行くとかバカバカしくなるでしょう?

(でか美ちゃん)本当に。(笑)ちょっと本当にそうなんですよ。(笑)なんかもう、そうそう。

(町山智浩)裸でバイク乗って、イエー!って言いたくなるでしょ。

(でか美ちゃん)そうそう。あとやっぱり、『怒りのデス・ロード』公開された時に、このキャラが人気なんだな。見てないなりにブーム見てたんですけど、車のすごい改造車の最前列でギター弾いてる人がいるじゃないですか。でなんか人気のやつ出てきたって思ったんだけど、あの人マジでギター弾いてるだけなんだと思って超おもろかったですよ。

(町山智浩)あれは戦いの、なんていうか祭りだから。

(でか美ちゃん)士気を上げるっていう。

(町山智浩)そうそう。必ず音楽やる人がいるじゃないですか。古代からね、戦争ってね、関係ない話ですけどバンドがついてたんですよ。大昔から戦争する時ってあの原始時代から。最近だけなんですよ戦争する時バンドがついてないのは。よくない傾向ですね!はい。昔は景気づけにガンガンやってましたよ太鼓叩いて。

(でか美ちゃん)そう。だからこれを機に見直す人もいると思うんで『怒りのデス・ロード』。私が好きだったそのギターのやつのシーンをめっちゃピンポイントであげると、あっヤベエ!行かなきゃ!ってなる時に、みんなが武器持ったりとか、行くぞ!その命を賭けるぞ!っていうこう気合いの入れ直しをする時に、そいつだけギターを担ぎ直してるのがすごいかわいかったです。(笑)

(町山智浩)いやもう鼓笛兵という兵隊がいるのでね、いるんですよ元々。いやいや、いいですね。

(でか美ちゃん)いや素晴らしかったです。

※書き起こし終わり

○○に入る言葉のこたえ

④『怒りのデス・ロード』がすごいのは、クライマックスしかない

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