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東京カウボーイの町山智浩さんの解説レビュー

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2024年06月13日更新
『東京カウボーイ』は結構すごいメンバーが集まって、ほんのりほんわかした、でも雄大な景色の中でね。撮ってますんでぜひご覧ください。(TBSラジオ「こねくと」より)

映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『こねくと』(https://www.tbsradio.jp/cnt/)で、『東京カウボーイ』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。

町山さん『東京カウボーイ』解説レビューの概要

①東京で働いているサラリーマンがモンタナでカウボーイになる話
②日本人主演のアメリカ映画
③M&Aして大企業に取り込む仕事をしている
④監督は○○○○監督映画を目指した

※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。

TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。

『東京カウボーイ』町山さんの評価とは

(町山智浩)今週に公開される映画を紹介します。これね、『東京カウボーイ』という映画です。西部劇です。

〜音楽〜

(町山智浩)はい。もう本当に西部劇風のね、ウエスタン調の主題歌ですけど、これは東京で働いてるサラリーマンの、井浦新さんが、ひょんな事から大西部のモンタナ州の牧場で、カウボーイをしなきゃなんなくなるという話です。

(石山蓮華)すごい話ですね!

(でか美ちゃん)ひょんな事がmひょんすぎる!

(町山智浩)ひょんすぎるんですけども。これね、主演が井浦新さんなんですけど完全なアメリカ映画です。

(でか美ちゃん)へぇ。

東京で働いているサラリーマンがモンタナでカウボーイになる話

(町山智浩)普通こういう映画って日本がお金を出してたり、日本のスタッフが作るじゃないですか。全然違うんですよ。アメリカのスタッフで監督もそうなんですけれども、アメリカのプロデューサーが作った日本人主演のアメリカ映画というか西部劇です。これね、井浦新さんは、日本で物産会社みたいな会社のサラリーマンなんですけれども、世界各地の色んなビジネスにお金を出して、まぁM&Aですね。それに出資するっていう形で、全部取り込んじゃう仕事をしてるんですよ。前半の方でですね、日本で老舗の会社を買い取るところから始まるんですけど、日本だけに限らず今、世界中の老舗の昔からやってるその色んなブランド。それこそ和菓子だったりパンだったりから高級なバッグとかね。そういったブランドまでみんな今コングロマリットとか大企業の傘下に入っちゃってるんですよ。

あの『ハウス・オブ・グッチ』という映画がありましたけどね。

映画「」のポスター

あれなんか典型的ですよね。ずっと老舗の職人が作ってた革細工のファッションメーカーだったグッチが、結局コングロマリットに乗っ取られて、銀行とか投資家によってコントロールされて完全にブランドとして崩壊してくっていう映画だったですけど。あれ見ました?

(石山蓮華)私見てないですね。

(町山智浩)あれすごいですよ。グッチが結局、大企業によって乗っ取られてそのブランドとしての魅力を失ってくっていうか映画なんですけど。それに出ている俳優のサルマ・ハエックさんは、そのグッチを乗っ取った会社の社長の奥さんです。

(石山蓮華)そんな映画の外でも色々起こってるんですね。

(町山智浩)そう。どうしてこの人が出たのかわからないっていうね。(笑)

(でか美ちゃん)思うとこ、あって出たとしか思えないですよね。

(町山智浩)なんでなんって思いましたけど。

(石山蓮華)よくキャスティングできましたね。

(町山智浩)謎ですね。ただ奥さんが出てるから、グッチのブランドをそのまま作品中に出していいんですよ。でも、決してその、よくは扱ってないっていうすごい映画だったんですけど。そういう形で色んな老舗とか色んな昔からやってる商売とか。まぁ日本だと牧場とかが実は大企業がお金出してたりするんですよね。

(でか美ちゃん)へぇ〜。

(町山智浩)レストランが知らない間にいつの間にか裏に大企業がついてたりするじゃないですか。

(でか美ちゃん)あぁはいはい!なんか、変にコンサルを感じるなと思ったらそうなってる時ありますね。

M&Aして大企業に取り込む仕事をしている

(町山智浩)そうそうそうそうそう。そういう事をやってるのが井浦さんなんですけど。その婚約者を演じるのが藤谷文子さんですね。藤谷文子さん僕友達なんですよ。

(でか美ちゃん)へぇ〜!

(町山智浩)一緒にずっとねテレビをやってるんですけど。『町山智浩のアメリカの今を知るTV』っていうテレビ番組をやってるんですけど、それに一緒に出てくれている共演者なんですけど。彼女は昔子役として日本だと三井のリハウスのPRで三井のリハウスガールだった1人ですけど。その後平成ガメラ三部作でヒロインを演じて、その後脚本家に、20歳で脚本家になって、庵野秀明監督の映画『式日』の主演脚本をやって。

映画「」のポスター

(石山蓮華)あ、主演脚本だったんですね。

(町山智浩)あれ、藤谷さん自身の個人の物語なんですよ。それでその後アメリカに渡って、今アメリカで女優さんをしながら脚本を書いてるんですよ。すごい経歴ですね。で、彼女はこの映画で相手役である共に、この映画の脚本もやってます。

(でか美ちゃん)わ!すごい!才能あふれる。

(町山智浩)すごい人ですよ。で、その2人は一応婚約してるんですけど、井浦さんは何かトラウマがあって、どうもその結婚にも踏み出せないし自分のやってる仕事にも非常に疑問があるんですけれども、で、その会社が、アメリカのモンタナの昔からある牧場を買って、その経営を立て直すという事になって。で、そこで和牛を作るという事になるんですね。今アメリカは和牛はねすごく売られてて、アメリカで作ってるんですよ。”Wagyu”っていうんですけれども。

(でか美ちゃん)なんかローマ字で、海外流行ってるらしいですね、アメリカも。タイもちょっと聞いた事あります。

和牛を作る事に

(町山智浩)そうなんですよ。だから日本からその和牛のDNAをもらって作ってるんですけども。で、そのテコ入れのために、モンタナに彼は派遣されるんですね。井浦さんは。で、その時に和牛専門のプロを連れてくるんですけれども、それがですね國村隼さんなんですよ。國村隼さんってすごい俳優ですよあの人本当は。あの人『ブラック・レイン』でリドリー・スコット監督と仕事をして、

映画「」のポスター

その後『ハード・ボイルド』でジョン・ウー監督の映画に出て、

映画「」のポスター

その後『キル・ビル』でタランティーノの映画に出てるんすよ。

映画「」のポスター

そんな人いないですよ。リドリー・スコットとジョン・ウーとタランティーノの映画に出た人って、世界中ほとんどいないと思いますよ。

(石山蓮華)そうですよね。

(でか美ちゃん)名俳優。

(町山智浩)もう世界的な名俳優で、あの韓国映画『哭声 コクソン』ではふんどし一丁で森の中で駆けずり回って鹿の肉食ったりしてましたけど。

映画「」のポスター

(石山蓮華)いや最高でしたよね!

(町山智浩)最高でしたね、ふんどし姿。で國村隼さんが一緒に行くんですよ、モンタナの牧場に。で、國村隼さんは英語がペラペラだから。実際にもう英語ペラペラですけど、彼はね。で、その井浦さん何も考えないでついてくんですけど、行ったら國村さん何にも役に立たないんですよ。ある事が起こって。

(石山蓮華)あ〜いい役ですね!

(町山智浩)いい役ですよ!で、なんにもわからない井浦さんが、英語もできない。彼が、その牧場で牧場の立て直しをやらされる羽目になるというドタバタコメディですね。

(石山蓮華)コメディなんですね。

(町山智浩)コメディですこれ。『東京カウボーイ』は。ただ、すごくアメリカっぽい、なんていうのかな?チャカチャカしたコメディってあるじゃないですか、アメリカ。ハリウッドだなっていうか、アメリカンジョークみたいなアーハハハ!みたいなさ。そういうのじゃないんですこれ。ほんのり静かで、癒されるコメディなんです。これどうしてかって言うと監督アメリカ人だけども、彼が目指したものは山田洋次監督の映画なんです。

(でか美ちゃん)はー!たしかに。

監督は山田洋次監督映画を目指した

(町山智浩)マーク・マリオットという監督なんですが、山田洋次さんって寅さんシリーズって知られてますけど、山田洋次さんは2本、ジャパニーズウエスタンを撮ってるんですね。ひとつは『幸福の黄色いハンカチ』。もうひとつが『遙かなる山の呼び声』なんですけども。これ、山田洋次さんがものすごく西部劇が大好きで、日本で西部劇を作ろうとして撮った2本なんですよ。

(石山蓮華)あぁそうなんですか、へぇ。

(町山智浩)寅さんも流れ者だから基本的に西部劇ですよ。

(石山蓮華)あぁそっか、流れに流れて。

(町山智浩)ちなみに僕がちっちゃい頃、大きくなったらなりたかったのは寅さんでしたけど。

(石山蓮華)なれましたかね。(笑)

(町山智浩)なれました!ほとんど近いものです。(笑)で、この山田洋次が作り上げたウエスタン、アメリカの西部劇の影響を受けて作った、なんてかいうか雄大で、心癒されるような、で、人情物語というのをこのマーク・マリオット監督が日本人の俳優でアメリカで撮った映画がこの『東京カウボーイ』なんですよ。ややこしいよ!って思いますけども。で、本当にね、アメリカの雄大なところに来てその井村さんが持っていたトラウマが癒されていくと、いう映画なんですが。これね面白いのが藤谷さんと一緒に共同企画をやってる人がいて、その人ね、なんと今日本で結構Netflixで当たってる『忍びの家』っていうのがあるんですよ。賀来賢人くんが忍者の人っていうあの映画。あれの監督・脚本をやっているデイヴ・ボイルがこの映画の共同脚本を藤谷さんと一緒にやってるんですけど、すごい変なメンバーでやってる。(笑)

(石山蓮華)どういう経緯でこの人達が集まったんですかね?

(でか美ちゃん)このチームの不思議さが。

(町山智浩)そうなんですよ。すごいヘンテコな世界なんですけど。その辺もね、今度トークショーで藤谷さんと僕話しますけど。まぁトークショー、チケット売り切れちゃったみたいなんで、申し訳ないんですが。

(石山蓮華)明日、この『東京カウボーイ』のイベントがアップリンク吉祥寺にて開催という事ですが、チケット完売・・。

(町山智浩)完売しちゃったんですけど、ただね藤谷さん今ね日本にいるみたいで、引き続きこの映画のプロモーションに参加するみたいで、公開日とかの挨拶にも出るみたいで。色々と不思議な経緯を解説してくれると思います。(笑)という事でね、『東京カウボーイ』井浦さんは本当に映画選びがすごいなと、作品選びが。こういう大人しくて知的でね、でもね、映画は結構ね攻めてるんですよ、選ぶ映画は。で、いきなりアメリカ映画主演ですからね。

(でか美ちゃん)『福田村事件』もね、出られてましたし。

(町山智浩)『福田村事件』とかね。『止められるか、俺達を』をとかね。作品選びがいいんですよ、井浦さんは。今、『アンメット』っていうドラマもやってますがあれもいいですね。あれ『市子』の2人が出てるんですよね。(笑)

(でか美ちゃん)なんか全然関係ないのに、こっちでは幸せになってほしいみたいな目でちょっと見てしまう。(笑)全然関係ないのに。

(町山智浩)そうそうそう。もっと大変な事になってますけど、そう。見ちゃいますね。あれでエリートのお医者さんを井浦さんがやってますけど。まぁねちょっとね、『東京カウボーイ』は結構すごいメンバーが集まって、ほんのりほんわかした、でも雄大な景色の中でね。撮ってますんでぜひご覧ください。

(石山蓮華)はい。今日は今週7日(金)公開『東京カウボーイ』という映画をご紹介いただきました。そしてこの7日、以前紹介いただいた『チャレンジャーズ』も公開になります。

(町山智浩)あ!『チャレンジャーズ』はほんのりほんわかじゃなくてガガガガガッ!っていうドラマですけど最高に面白いんでこれもぜひ見てみてください!

(石山蓮華)町山さん、ありがとうございました!

(町山智浩)どうもでした!

■後日談

(石山蓮華)先週は井浦新さん扮する日本のサラリーマンが、アメリカでカウボーイになる『東京カウボーイ』をご紹介いただきました。でか美ちゃんも私石山も試写で拝見させていただきました。

(町山智浩)どうでした?

(石山蓮華)画が本当にきれいで。そしてあの井浦新さんが演じるこの東京のサラリーマンは、まぁ何十年か前だったら役所広司さんが演じてたのかなというような、なんとなく、しがない日本のサラリーマン、会社員という感じがすごい良かったです!本当面白い映画でした。

(でか美ちゃん)私も、井浦新さんは本当に素敵な俳優さんなんですけど。なぜこんなにもうだつの上がらない男性の役が似合うんだろうという。で、そのあらすじをね、本当に簡単に説明すると、町山さんもおっしゃってましたけど、井浦新さん扮する日本のサラリーマンがひょんな事からアメリカのカウボーイにって。ひょんすぎるでしょ!って思ってたんですけど、そのひょんの描き方が、結構ちゃんと丁寧に描かれてるから、ものすごいハチャメチャな物語ではないというか、本当必然性を持ってカウボーイになっていくっていうね。それもすごい良かった。

(町山智浩)脚本がね、奥さん役で出ている藤谷文子さんなんですよ。藤谷文子さんって昔ガメラシリーズのヒロインだった人ですけども、今はもう脚本とか、色んなとこでね活躍されてるんですけど。あのリアリティはね、日本でずっと成人するまで育った人じゃないとね書けないんですね。

(でか美ちゃん)町山さんのお友達というか、お仕事仲間でもありますし、もう本当に素晴らしかったですってね、伝えてほしいですね。ただ1個、私がちょっとクスッと来ちゃったというか。井浦新さんやっぱり、本当にうだつの上がらない日本人男性役が似合うな、さすがだなと思って見てる中で、温泉のシーン。あそこも超素敵だったんですけど、温泉のシーンで井浦新さんのちょっと引き締まった腕、肉体を見た時に、あ、この人めっちゃ俳優だ。ってこう。すごいかっこいい男性なんだっていう事を急に思い出しちゃって。あのシーンは結構セクシーでね、よかったですね。

(町山智浩)あそこね、温泉本当に見つけて、あぁいう所を。藤谷さんがね、本当の露天風呂じゃないとダメだと。アメリカのお風呂って結構コンクリで作っちゃってるんで、全然感じがしなくて、あれは発見されたお風呂なんで、本当に探してやっと発見して、現場で。で、行ってみたらね、なんか100人ぐらいでみんなお風呂で遊んでたらしくて、撮影に行ったら。で、これから映画の撮影なんでって言って、酔っ払ってるやつらをよけて撮影してたら、2人とも本当に裸になってるんですよ。もうギャラリーが何十人も、100人近くいるところで。で、もう2人が裸になってるとみんな、ウオー!とかって言って。

(でか美ちゃん)野次馬みたいな感じで。(笑)

(町山智浩)本当に大変な状態で撮影されたみたいですけど。(笑)ぶっつけで撮ってるところもすごいですね。あそこワンテイクですね。

(石山蓮華)すっごい、いいシーンでしたね。

(でか美ちゃん)そう、めちゃめちゃいいシーンだった!

(町山智浩)ものすごい美しいマジックアワーで、夢のような光景なんですけど。あれはワンチャンスワンテイクで撮ってるんですよ。

(石山蓮華)そう聞くともう1回、味わいたくなっちゃいますよね。

(町山智浩)映画の奇跡だったと思いますね、はい。

(石山蓮華)という事で『東京カウボーイ』は公開中です。

※書き起こし終わり

○○に入る言葉のこたえ

④監督は山田洋次監督映画を目指した

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