実は低予算映画
2021年2月25日 21時34分
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総合評価:
3.0
結構あちこちで高評価を得ているようなので鑑賞。
主演の女優はどこかで見たことあるなあと思ったら、エリザベス・モスだった。
彼女はドラマ「マッドメン」のペギー・オルセン役がとても印象的だった。
最近ではドラマ「ハンドメイズ・テイル」の主演でゴールデン・グローブ賞の
主演女優賞を獲得している。
本作でもとても素晴らしい演技を披露している。
自殺したはずの夫が実は死んでいなく、透明人間となって自分を陥れようとしている、
ということを周りに訴えかけていくシーンが多いのだが、信用してくれない焦燥感により
徐々に変化していく表情の危うさが抜群に良い。
しかし物語の展開はちょっと弱いと感じる部分が多かった。
例えば夫から逃げ出して身を寄せる先が妹エミリーの同僚刑事の家、となっているが、
そもそもどんなことをされたので逃げ出したのかがよく分からなく、また
何故この同僚刑事の家なのか、(サイトによっては妹の恋人と紹介しているところが
あるが、恋人ではないようだ)ということもあまり関連性がつかめない。
夫は光学科学者であるということもほとんど描かれていないにも関わらず、
自分の身近で起きる謎の現象を「光学科学者だった夫が透明人間となっている」と
セリフだけで説明してしまっているのもちょっといただけない。
ただ、初めて透明人間が悪さを起こすシーンではガスコンロの火を強くする、
というものであったり、次にその存在を観客に知らしめるのが、寒い外で吐く息が白い、
というものであったり、シャワーカーテンに手形が映ったりと、なんか演出が
妙に地味でセコく、それがかえって笑えるなあと思ってしまったのだが、
後で調べてみると製作費が700万ドルとかなり低予算での映画製作だったことが分かり
(ちなみに同じ透明人間ものの「インビジブル」は9500万ドル)お金がかけられない分
演出でなんとか頑張っているところは評価をするべきだと思った。
ラストのオチで強い女性を描いているところは現代的というべきか。