物質移送装置にたった一匹のハエが紛れて……大悲劇!!
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年9月12日 22時14分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
優れた頭脳を持つ博士が、物質転移装置を開発し、生体実験として自分の身体を利用します。このあたりでもう「やめて!」と思うのですが、その実験の際にたった一匹の「蠅」がポッドに入り込んでしまったのです!
一度物質が全て分解され、再度構成されて出力されるという装置を通過した博士は、「ハエ男」として次第に人間離れした能力を発揮します。不眠不休で動き、天井を這い、素早く空間を移動する……もはやヒトではなくなったドクターを、恋人が狙います。
当時はかなり衝撃的SFホラーでした。何せ物質転移装置からまさかハエとミックスするという考えがなかったのです。一度物質が分解され、分子レベルで転送し、再構成されるといったプロセスがこの当時仕上がっていたことが、まずびっくりさせられます。
また、ストーリーもとても切ない話です。最終的に、蠅と同一化した博士は自らが「生きられない」と悟ります。そのときに、恋人の前にあえて現れて恋人の持つ銃の先を自分の頭に置くのです。うわー!ここでは泣いてしまいます。
「ザ・フライ」はホラーですが、同時に人間とは何たるやを問いかけます。自分の願いだけを叶えるのがヒトなのか、と。博士は最終的に自らの過ちを認めるのですが、引き返すにはあまりにも遅すぎたという事実が悲しくてなりません。
イメージワード
- ・悲しい
- ・泣ける
- ・不気味
- ・恐怖
- ・絶望的
- ・パニック