映画ポップコーンの評価
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このレビューにはネタバレが含まれています
有名な都市伝説、犬鳴村を題材にしたホラー映画です。 ただまあ、あんまり面白くはないかな……というのがざっくりした感想ですね。 ただ全体的には手堅い作りだと思います。物語全体に漂う嫌な雰囲気、犬鳴村に関わったことで狂気に陥っていく人々、村に隠された過去と因縁、などなど。 でもあんまり新しくないんですよね。10年前の映画だと言われても納得してしまう感じがあります。 ストーリーには特に意外な展開もなく、あっとこちらを驚かせる恐怖演出があるわけでもなく、社会風刺などのメッセージ性が示されているわけでもない。ホラー映画の進化というか、時代の潮流に取り残されてしまっている気がします。 呪怨の清水監督が撮っていることが前面に押し出されている作品ですが、呪怨の頃からあまりにも変化がなさすぎるなという印象を受けました。 でも、中高生が観て友達や恋人と話して楽しむティーンホラーとしては需要あるんでしょうね……。清水監督にはもう一度ちゃんと怖い作品撮っていただきたいです。
オカルト・ホラー好きなら知らない人はいないであろう犬鳴村。 これを元とした映画が放映されると聞き、非常に期待していました。 出不精なので、ネット配信を待っていたのですが……。 これはちょっとだめですね。 出だしは非常にいいのです。 しかし、そこからの展開が酷いです。 登場人物の相関関係が分かりにくいまま、物語は暴走。 私はもともとJホラーが好きです。 Jホラーにある、じわっとくる湿り気のある恐怖感がいいんですよね。 しかし、本作では様々な事象が次々に起き「誰が」「どういう理由で」そうなっているのかが理解できないです。 「そうはならないだろう」という展開も多く、ホラー慣れしている身だとかなりの陳腐さを感じました。 監督は清水崇さんとのことなので、もう少しうまく撮れたはずです。 ホラー好きとしてはアウト、な本作。 しかし、ジェットコースター的勢いでホラー展開していきますので、普段ホラーを観ていない方なら楽しめるかもしれません。
予想を上回る酷さでした。。。 中田秀夫の『貞子』も相当でしたが、本作はその上を行きましたね。 ここまで「怖くない」Jホラーも珍しいんじゃないでしょうか? いや、近年ジャパニーズ・ホラーは駄作ばかりで溜息が止まらないんですが、とりわけ、とにかく怖くなかった。 清水崇は本当にあの『呪怨』を撮ったのと同一人物なのか?と疑ってしまうほどに劣化してしまっていますね。残念ですが。。。 この映画はやたらとワラワラ幽霊が出ます。 まあ村人の霊なんですが、それがボヤアとしてるんです。その表現がまた怖くない。 いろいろと考えてやってるんでしょうが、プラスに働いているとは言い難いです。 極めつけはクライマックスに登場する『犬人間』と思しきクリーチャーでしょう。 アレには笑ってしまいました。 この映画でゾゾゾっとする人間は、ホラー耐性のないウブな人だけでしょう。 そんな一見さんをターゲットにしたのかな? Jホラー黄金期を知っている人間には耐え難かったです。 にしても本作の14億の大ヒットは異常。 この事実が、イチバン怖い(ゾゾゾ)。
ホラー映画を評価するに当たって、一番大切なことは怖さである。 もちろんホラー映画を銘打っても、その中でも細かくジャンルがあるし、一概に怖さが必要かと言えばそうでもないが、それは映画自身の持つテーマがそれぞれ違うからで、観客を怖がらせようとしている以外の何物でもないホラー映画であれば、怖さが一番大切だと考えている。 この映画の致命的な部分は、怖くない、そこに尽きるのである。 元々、私が犬鳴村という実在している怪談であれば怖いだろうと簡単に解釈をして見てしまったのが間違いだった。 怖がらせようという気概と実際に演出はあるのだが、そもそものストーリーが中々理解できずに進んでいくので、どういう話なのか頭の中で考えこんでいく内に物語が終わってしまう。 恐怖という感情は不確実性から生まれると言うが、それは恐怖の根源に対する解釈であって、ストーリーや登場人物たちといった前提部分を理解しなければ、恐怖するまでに辿りつかないのだということが今回の映画でわかった。 おそらくストーリーが分かり辛かったのは、脈略がないまま次々に場面転換をするためだと思われる。 更に、登場人物たちの立ち位置が分かり辛く、家族なのか兄なのか弟なのか親子なのか恋人なのかがわからず混乱した。 中盤からの展開も理解し辛く、血族から脈々と繋がれている呪いがあることはわかったのだが、そこからタイムスリップしたり、死ぬんだろうなと思った人間がしぶとく生き残ったのにやっぱり死んだり、終盤にお決まりの後味の悪いオチが想像していた通りだったので、ホラー好きほど見辛い映画になっている。 もともと、清水監督との相性が「呪怨」から良くなかったので、自身との相性の悪さを思い知らされた作品であった。
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