ウルフ・オブ・ウォールストリートの町山智浩さんの解説レビュー
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映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)で、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。
町山さん『ウルフ・オブ・ウォールストリート』解説レビューの概要
①アメリカのホリエモンみたいな人の話
②株で儲けて実刑を食らって・・若いのに大金持ちになった男の話
③3時間のこの映画の中に、ファックというアメリカの放送禁止用語が500回出てくる。
④大成功を収めたディカプリオの滅茶苦茶な仕事の仕方
⑤ジョーダン・ベルフォードという、事件を起こした証券マン本人が書いた手記を元にしている
⑥株を売る事で儲けるのではない
⑦クズ株を素人に売り、○○○○○○○て儲けていた。
⑧相棒のデブちゃんは、さらに滅茶苦茶。
⑨資金洗浄やマネーロンダリングで捕まる。
⑩ジョーダンは実刑20年なのに、すぐに出所できた方法も映画内で語られる
※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。
ゴールデン・グローブでコメディー部門の主演男優賞を取った『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
(町山智浩)
で、今日ご紹介するのはですね、そのゴールデン・グローブでコメディー部門の主演男優賞を取ったですね、レオナルド・ディカプリオ。の、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』っていう映画を紹介します!
(赤江珠緒)
はい!
(町山智浩)
これですね、どういう映画かと言いますとですね、アメリカのホリエモンみたいな人の話ですよ。
(山里亮太)
ホリエモン!?
(赤江珠緒)
ふふ。(笑)なんかすごくわかりやすい感じになりましたね。
株で儲けて実刑を食らって・・若いのに大金持ちになった男の話
(町山智浩)
もうそれだけで大体わかるって感じなんですけど、まぁ要するにあの、株を売ってですね。儲けて、そいでまぁ、そこに不正があったって事で実刑を食らって・・というですね、非常に20代から30代にかけてのすごく若いのに大金持ちになった男。の話・・
(赤江珠緒)
これは、実際にアメリカに実在した方なんですか?
(町山智浩)
これ実際にあった事件なんですよ。それをまぁディカプリオが演じてですね、という事で今回コメディーで賞を取ってるんですけども。まぁとんでもない映画なんですよ、この映画。3時間もあるんですよ。180分近くあって。(笑)しかも、その中でずーっとですね、アメリカでさっき、言っちゃいけない言葉の中の、「F」「U」「C」「K」っていう言葉があるんですね。
(山里亮太)
あー!あれですね。
500回ファックが登場
(町山智浩)
まぁ言っちゃいけない言葉なんですけど、いわゆる。日本だと大丈夫なんで言いますけど。(笑)ラジオで絶対言っちゃいけないです、アメリカだとね。
(赤江珠緒)
アメリカは駄目なんですね。
(町山智浩)
でも日本だと言えるってのが不思議だな面白いなぁ。ファックって言葉ですけど。(笑)
(赤江珠緒)
あ、出た。(笑)
(山里亮太)
あ、サラッと出てきた。(笑)
(町山智浩)
それが500回出てくるんですよ、この映画の中で。セリフの中に。
(赤江珠緒)
えぇっっ!この3時間の中に。
(山里亮太)
どんな映画なんすか!(笑)
日本だとフクなんで縁起がいい?
(町山智浩)
3時間で500だと、殆どもう、ずーっとファックファックって言い続けてる感じなんですよ。これ不思議な言葉でね。要するにファックっていうのはそのまま読むと”フク”なんで、日本だとまぁ・・縁起がいい感じがしますけど。(笑)
(山里亮太)
しませんよ!(笑)
(赤江珠緒)
そんな意味合い、ないでしょ!
(町山智浩)
(鈴木)福くんとかねアメリカ行くとヤバいと思うんですけど。(笑)
(赤江珠緒)
はははははは!
(町山智浩)
まぁそれはいいんですが。(笑)
(山里亮太)
福くん!(笑)ちょっと!日本を代表する子役をどうイジってくれてるんですかもう!(笑)
悪い事も良い事もファック
(町山智浩)
まぁ、エッチする事を言うんですけど。(笑)強調する時になんでも使って、悪い事を言う時にもファックって言うんですけど、良い事もファックなんですよ。
(赤江珠緒)
えぇっ!?
(町山智浩)
だからね、これ日本語でも最近その傾向があって。寒い時に、クソっていう言葉をすごく汚いから使いたくないんだけど、若い子達やたらと使うでしょ?
(山里亮太)
あ〜クソ寒いとか。
(町山智浩)
クソかわいいって言うんだよね。
(赤江珠緒)
クソかわいい!?はい。
強調する言葉
(町山智浩)
だからそれ、本当は間違ってるんだけど、でも英語のファックの使い方に非常に近いんですよ。
(山里亮太)
おー。強調する言葉なの。
(町山智浩)
すごくいい時にも”クソ”使うんですよね、最近の若い子は。だからね、すごくアメリカ的になってきたのかなって思うんですけど。で、それを、500回。殆どディカプリオが言ってますけど。(笑)っていうのがこの『ウルフ・オブ・ウォールストリート』っていう映画なんですけど。
(山里亮太)
wwwって言うのがって・・(笑)町山さん。どんな映画!(笑)
(赤江珠緒)
全然あの、掴みきれないんですけど。(笑)コメディーですよね?
要するに株屋の話
(町山智浩)
要するに株屋の話なんですけども、証券を売ってるんですけど、彼は自分達をすごく気合をいれて売りまくるために、あの、要するにファックっていう言葉をやたらと使って、ものすごくハイになった状態で売るんですよ。
(赤江珠緒)
おぉ〜。
(山里亮太)
キーワードなんですね。
(町山智浩)
そう。キーワードなんですよ。で、それを言えみたいな。最初言えないんですよ。ディカプリオが最初に・・ディカプリオ扮する役はですね、ジョーダン君っていう実在の人物なんですけど、ジョーダンは最初ですね、25才くらいで、いわゆるブラックマンデーっていう株価大暴落があった1987年の直前にウォールストリートで働き始めるんですね。電話セールスをするためにね。要するに「株買ってください!」って電話して、掛けまくって株を売るんですけども。そこの所でですね、普通にしゃべっていたら、マシュー・マコノヒーがやってくる訳ですよ、そこに。
(赤江珠緒)
はい。あのマシュー・マコノヒー。
マシュー・マコノヒーからのアドバイス
(町山智浩)
マシュー・マコノヒーが。(笑)今回、ドラマ部門とコメディー部門でアカデミー賞で2人、激突しますけど。激突するんですね、このウォールストリートの冒頭で。でマシュー・マコノヒーはものすごく株を売っている男でね、新米のディカプリオに「お前は言葉の使い方がチョロいぜ!」みたいな感じで、「ファックファック言いまくるんだ!ファーーック!」っていう感じで。もう、すごく師匠になるんですよ、彼の。
(赤江珠緒)
えー!
(山里亮太)
ファック師匠・・!
ファック師匠
(町山智浩)
で、仕事しながらコカインをバーッて吸ってですね、酒ガーン!と飲んでですね、で酒とコカインやったギンギンになった状態で株を売りまくれって言うんですね。で、もしアッチの方もギンギンになっちゃったらその場で抜け!って言うんですよ。
(赤江珠緒)
ふっふっふ・・(笑)ん?(笑)
(町山智浩)
どうかしてるんですよ!
(赤江珠緒)
どうかしてますよ、そのアドバイス。(笑)
(山里亮太)
どうかしてますよこれ!この映画!(笑)
(町山智浩)
完全に!(笑)どうかしてるんですけども、この人に完全にいかれちゃって。「あ、そうか!」って言って、で、「お前、株屋ってのは、証券マンってのは何が仕事か知ってるか?」ってマコちゃんが言うんですね。で、ディカプーが・・
(山里亮太)
マコちゃん。。ディカプー!
マコちゃんとディカプー
(町山智浩)
ディカプーが、「それはあの、いい投資をお客さんに教えてあげて、お客様を儲けさせる事じゃないんですか?」って言うと「バーカ!」って言われるんですよ。
(赤江珠緒)
ふふっ。ほう。
(町山智浩)
「バカな奴の財布から金をブン取る事なんだよ!」って言うんですよ。
(山里亮太)
うわぁ・・!
(町山智浩)
それが証券マンの仕事だ!ってマシュー・マコノヒーが言って、そこから始まるんですよ映画が。酷いですよ。
(赤江珠緒)
ええっ・・!身も蓋もない・・。ねぇ。
数年後のディカプリオはフェラーリ
(町山智浩)
身も蓋もないんですよ。で、次にはですね、いきなりフェラーリが走ってるんですよ。バーンつって。で、それはね、数年後のそのディカプリオなんですね。
(山里亮太)
おおっ。
(町山智浩)
(ディカプリオの役名の)ジョーダンなんですけども。「これ俺の車」って言うんですよ。で、これもう1988年ぐらいなんですけども、俺26才で、年収は49億円とか言うんですよ。
(赤江珠緒)
うわあ!
(山里亮太)
大成功を収めてる。
(町山智浩)
そうなんですよ。それで、「でもね、ちょっと足りなかったのが悔しいんだよね。もうちょっと頑張れば週に1億円儲かったのに。」って言うんですよ。
(赤江珠緒)
か〜〜!はははは。(笑)
金髪のかわいい女性が・・
(町山智浩)
で、しかもそのフェラーリ飛ばしながらですね、なんか金髪のかわいい女の子が助手席に座ってですね、ディカプリオにフェラーリしてるんですよね。
(山里亮太)
キャッハハハハハハ(笑)
(赤江珠緒)
ちょっとちょっと!?ええっ!?
(町山智浩)
ダブルフェラーリな感じなんですけど。大変な事になってる。
(山里亮太)
町山さん、町山さん!(笑)
(赤江珠緒)
ちょ、1回、1回ちょっと・・ははは(笑)
町山さんのブレーキが壊れる?
(山里亮太)
町山さん、ちょっと・・ひょっとしてこの映画のテイストを伝えようという影響なのかな。(笑)ちょっとね、ブレーキ壊れちゃってるかな?町山さん。お昼っていうブレーキがちょっと・・!(笑)
(町山智浩)
ほんとですか!すみません。ちょっと・・いや、車の車種を言っただけなんですけど・・。
(赤江珠緒)
あ、そうですよね、すいません。(笑)
(町山智浩)
この映画自体はその、ジョーダン・ベルフォードっていう事件を起こした、証券マン本人が書いた手記を元にしてるんですよ。で、彼のめちゃくちゃな金儲け生活が延々と描かれててですね。なんと言うかですね、ヘリポート付きの豪華ヨットを持ってたりするんですよ。
(山里亮太)
えっ?ヨットで?
(町山智浩)
ヨットなんだけど、ヘリコプターが着陸できるようになってるんですよ。
(山里亮太)
は〜!!
ラリラリの状態
(町山智浩)
で、通勤にはヘリコプターに乗って行くんですけど。その間ずっと、要するにクスリをヤりまくってるから、ラリラリの状態でヘリコプターで飛んでいくんですね。自分で運転してるんですけどね。
(山里亮太)
ええっ!!実話でしょ?
(赤江珠緒)
滅茶苦茶ですね。
(町山智浩)
そう。それでね、要するに新しい証券会社を自分で立てるんですけど、作るんですけど。もうその証券会社では朝から晩までですね、200人ぐらいがですね、電話をかけまくるんですね。あの〜顧客にね。その間ですね、なんか裸の姉ちゃんが社内を行ったり来たりしてるんですよ。コールガールなんですよ。
(山里亮太)
ほお〜!
社内をコールガールが練り歩く
(町山智浩)
でもって、売りまくってて、カーッと来て、やりたくなったらコカインやってもいいし、女呼んでもいいんですよ。
(赤江珠緒)
はぁ〜〜!
(町山智浩)
でもって社内のエレベーターとかトイレでもう、みんなヤリまくってるんですよ。
(山里亮太)
えぇーーっ!!なに・・
(町山智浩)
この映画ね、とんでもない映画で、たぶん子供見れないですよ。殆どおっぱい出てますからね、あらゆるシーンで。
(赤江珠緒)
あらららら。でももうボロ儲けしたって事ですもんね。
どうやって儲けているか
(町山智浩)
大儲けしてるんですよ。でどうやって儲けてるかって言うと、これまず普通の株を売ろうとした場合に、いい銘柄の株っていうのは、高いんですよ。すごく高いから、やっぱり普通の人に手が出ないんですね。で今度、安いのになると非常に不安定なんで、逆に投資のプロは手を出さないんですよ。これをまぁクズ株とかボロ株とかですね、言われているものなんですけども、それを株式とか投資に関してよく知らない素人に電話で売りつけるんですよ。
(赤江珠緒)
うんうんうん。
(町山智浩)
で、要するに「株なんかやった事ないからわかんないんだけどな。」って言うと、「大丈夫です!これは絶対に上がりますから!私は知ってます!」って言うんですよ。で、「大した額じゃないから、たくさん買えますよ。」と。で、「老後とかこれで安泰ですよ!」って言って売りつけるんですよ。で、それを大量にこう、なんて言うか「上がりますよ!上がりますよ!」って、いわゆる”風説の流布”っていうやつなんですけども、それで一時的なバブル状態を作り出すんですよ。
(山里亮太)
そのクズ株を!
風説の流布で一時的なバブル状態を作る
(町山智浩)
はい。その要するにクズみたいな株がバーッと上がる訳ですね、暴騰するんですけど、実はそれがトリックで、売る事自体で儲けてないんです、この会社は。
(赤江珠緒)
ん?
(山里亮太)
あっ!!
(町山智浩)
実はこの会社の社員やディカプー達は・・ジョーダン・ベルフォード達は、その売ってるそのクズ株の株を持ってるんですよ、たくさん。
(赤江珠緒)
自分達も。うん。
(町山智浩)
そう。自分達も持っている。で、たくさん売りつけて、その株価を暴騰させる事によって、彼らの株価を上げるんですよ、持っている。
(赤江珠緒)
わっる!
株価を暴騰させる事によって、彼らの株価を上げる
(町山智浩)
バブルで。それでその頂点で売っぱらうんですよ。売り逃げるんです。で、株を売りつけられた人の手元にはクズ株だけが残るんです。
(山里亮太)
うわ!ひっで!
(赤江珠緒)
もう完全に詐欺じゃないですか!
(町山智浩)
これ詐欺ですよ。これ詐欺なんですよ。風説の流布って言うのはまぁ、ホリエモンもそれで有罪になりましたけども、これ昔からあるテクニックなんですよね。昔からずーっと、株が発明された頃から、それこそ18世紀ぐらいからずーっとあるテクニックなんですけど、それをやるんですよ彼らは。でガンガン儲けていくんですね。
(赤江珠緒)
へー!
(町山智浩)
で、要するに株価がバーッて上がった所で、売りつけられたお客さんが「私もこの株を売りたい」「手放したい」って言っても、なんだかんだ言ってそれを手放させないんですよ。
(山里亮太)
いや、こっわ・・!
(町山智浩)
売らせないんですよ。で自分達だけ売り抜けるんですね。
(赤江珠緒)
うわぁ〜・・。
どのくらい儲けていたのか
(町山智浩)
で、どのぐらい儲けるかっていうと、まずコカインを吸いまくるんですけど、コカインを吸う時にストローを作るのに、100ドル札を巻いてストローを作ってそれで吸って、吸い終わった100ドル札は丸めて捨てるんですよ。
(山里亮太)
もう意味がわからない。もうやだ!
(赤江珠緒)
うわー!
(町山智浩)
金がもう、余って余ってしょうがないんですよ。
(赤江珠緒)
ははー!そんなに!
(町山智浩)
そう。そういう映画なんですよ。
(赤江珠緒)
しかもこれが実際にあった事だという!
(山里亮太)
自分で言ってる訳ですもんね。
仕事の経験のない若者にセールストークを教えていく
(町山智浩)
実際にあった事なんですよ。彼はまだ20代で社員もみんな20代なんですよ。で大学も出てないし、親の家にいつまでも30過ぎて住んでるような奴とか、そういうのをいっぱい集めてきて。言葉がすごくうまいんで、このジョーダン・ベルフォードっていうのは。「俺がセールストークは得意だから、俺の真似をしろ。」と。「そしたらお前らでも売る事ができる。」と。相手はどうせ素人なんだって言って、徹底的にセールストークを教えるんですね。その、何にも働いた事のないような人達に。それでどんどんどんどん金を儲けていくんですよ。
(赤江珠緒)
なるほどぉ〜!
(町山智浩)
でもう、かなりこれはヤバいって事でもって、証券取引委員会とか警察とかFBIとかが目をつけるんですけども、そこで入ってきた社員達、200人ぐらいに社員がなるんですけど、自分達が悪い事をやっているって事はかっこいい事だと思ってるんですね。要するに、警察クソ喰らえみたいな感じでもって、「俺達はバカから金取るんだから悪くねーんだ!」みたいな感じで、もうギンギンになっていくんですよ、どんどん。
(山里亮太)
ハイになっちゃってんだ!
相棒も滅茶苦茶
(町山智浩)
ハイになっちゃって。とにかくね、この相棒が出てくるんですけど、このディカプリオの。相棒がジョナ・ヒルっていう俳優さんで、この人は『マネーボール』でブラッド・ピットの相棒をやっていたデブちゃんなんですけども。彼がもうメッチャクチャなんですね。ディカプリオも滅茶苦茶なんですけど、彼も滅茶苦茶で。とにかくパーティーとかでいい女が来たりするじゃないですか、モデルとかが。するとその場でチンチン出しちゃうんですよ。
(山里亮太)
あれ?(笑)
(赤江珠緒)
あらららら!
(町山智浩)
でイジっちゃうんですけど。(笑)そういうデタラメな人達なんですけど、全部本当にあった事らしいんですね!
(赤江珠緒)
えー!
全部実話
(町山智浩)
で、だんだん色んなドラッグをやってるうちに、究極のドラッグを彼らは見つけて、それがね、筋肉弛緩剤なんですよ。で、それを飲むと完全に筋肉がヘロヘロになって気持ちがいいらしいんですけども。
で、このディカプリオとジョナ・ヒルちゃんが、筋肉弛緩剤を2人ともやった状態でケンカをするシーンがあるんですけども。たぶん映画史上最低のケンカですよこれ!(笑)
(赤江珠緒)
まぁそれはそうでしょうね。弛緩してるわけですから。
(町山智浩)
筋肉フニャフニャの状態で。(笑)「おまえよーう、ふじゃけんじゃないよぉ〜。」とか言って。(笑)もう、何をやってるんだろうこの人達はっていう。(笑)
(山里亮太)
ちょっと・・ジョークがぶっ飛びすぎてる・・!(笑)
(町山智浩)
とんでもないですよこれ。本当に。全編、要するにデタラメをやってるのをずーっと見せるんですよ。
(赤江珠緒)
でもこれ、事実って事は、捕まったんですか?
(山里亮太)
ねぇ。ドラックもやってるし。。
マネーロンダリングで逮捕
(町山智浩)
捕まりました。これは98年にやっぱりね、資金洗浄、マネーロンダリングで捕まるんですよ。で、マネーロンダリング・・(笑)要するにスイスの銀行使ってマネーロンダリングをやるシーンが出てきて、そこの辺もデタラメなんですけど、言うともったいないんで、映画を見てのお楽しみにっていう感じなんですけど。
(山里亮太)
とんでもないデタラメがいっぱい見れるんだ、これ!
(町山智浩)
本当ね!どうしてこんなにズサンでデタラメな連中がこれだけ金を儲けたんだろうって思うぐらいデタラメなんですよ。緻密じゃないんですよ。彼らの犯罪っていうのは。
(山里亮太)
あと、このディカプリオってたぶん、この前もそんな役じゃなかったでしたっけ?
(町山智浩)
えーとこの人こんな役ばっかりやってます。(笑)
ディカプリオの役は最近嫌われ者が多い
(赤江珠緒)
最近ね、ちょっと・・嫌われ役というかなんか・・。
(山里亮太)
浮世離れした・・。
(町山智浩)
『アビエイター』っていう映画だと、超潔癖症のですね、大富豪が巨大な飛行機を作ろうとする映画でしたね。『J・エドガー』っていう映画では、FBIの長官だったフーバーっていう実在の人物が、実は自分はゲイなのに、それを自分で否認した為にですね、隠す為にですね、他の人達を追求していくっていう嫌な役だったんですね。ディカプリオ最近こんな役ばっかりですよ。
(山里亮太)
そうですよねぇ。
(町山智浩)
だって、『ジャンゴ』では黒人奴隷を徹底的に虐待する白人の農場主やってましたけども、本当に悪くてね。あとね、奥さんが大抵死んでます、ディカプリオの映画だと。
(赤江珠緒)
あー!そうですか!
レオ様はいずこ・・
(町山智浩)
そう。酷いんですよ旦那として。で、この映画の中でも旦那として最低な事をやりまくるんですけども。昔、ディカプリオって「レオ様」って言われてた人ですよ。
(赤江珠緒)
レオ様ですよ!
(山里亮太)
タイタニックですよ!
(町山智浩)
タイタニックですよ!キング・オブ・ザ・ワールドなんですよ!キング・オブ・ザ・ワールドの間違った方向に行っちゃった人ですね。違う方向に行っちゃったんですけど。
(赤江珠緒)
ははは。(笑)でもいいじゃないですか、そういう役のチェンジもね。うん。
試されるディカプリオファン
(町山智浩)
まぁでも、取りましたからね。そうね、ゴールデン・グローブね。本当にね、かなりすごい・・これで、ディカプリオファン、これでもついてくるかっていう感じですよ、もう。ディカプリオ、こう言ってる感じですよ。「俺のファン、ここまで酷い人間性についてこれるかな?」みたいな感じですよね。
(赤江珠緒)
うわー、いやちっとそれ、それ見たい!見たい!
(山里亮太)
見たい!いやだって酷いもん!全部。
(町山智浩)
酷いんですよ。しかもこれ逮捕されて、彼は20年の刑を食らうんですけど、ジョーダンっていうのは。実際はもう出ちゃってるんですよ。
(山里亮太)
えっ!?
ジョーダン・ベルフォードは20年の実刑だったのにもう出所している
(町山智浩)
刑務所を。ジョーダン・ベルフォードは。20年の刑を食らったのに、なぜ今出てるか?おかしいでしょ?どうして罪を軽くしてもらったかって言うのは後半で描かれるんですけど、まぁ酷いんですよその方法が。言えないんですけども。
(山里亮太)
そこまで描かれてるんだ!
(町山智浩)
人として最低の事をするんですね。(笑)はい。でね、今この人は何をしてるかって言うと、このジョーダン・ベルフォードっていうのは、この本を書いてまた何億円も儲けたんですけど。
(赤江珠緒)
ええっ!?
(山里亮太)
すごいなぁ・・。
ジョーダンの今の仕事
(町山智浩)
しかも今現在、彼の仕事っていうのは「お金儲けのやり方を教えます」とか、「セールストークのやり方を教えます」っていうですね、セミナーを開いて、それで儲けてるんですよ。
(赤江珠緒)
ちょっとおかしくないですか!?えー!
(山里亮太)
でも・・ちょっとセミナー、行ってみたいなって思っちゃったな・・・
(町山智浩)
行ってみたいと思っちゃうでしょ?この人は、これだけ、要するにまぁ犯罪になって実刑を食らったにもかかわらず、刑務所を出てきても全然人気が衰えないんですよ。
(山里亮太)
すごいな!なんだこのカリスマ性!
(赤江珠緒)
不思議な現象ですよね。だって被害に合った人いっぱいいるはずなのにね。
とんでもない映画
(町山智浩)
いやー、日本にもそういう人いますからね?そういうもんです。だって彼は悪い事したとは言え、金儲けした事は事実なんだからっていうふうに思うんですよ皆。だったらあやかりたい、彼は特別な人間なんだってみんな思うんですね。
(赤江珠緒)
は〜!
(山里亮太)
これ、とんでもない映画!
(町山智浩)
とんでもない映画だけど、大爆笑だけども!ちょっと子供には全く見せられない、とんでもない内容の映画ですね、はい。
(赤江珠緒)
そっか。。そうですよ、だってねぇ・・。
(町山智浩)
フェラーリですからね!
(山里亮太)
ははは!(笑)車のね!話ですから。
(町山智浩)
そうなんですよ!
(赤江珠緒)
町山さんも、この20分ぐらいの間にね、10回ぐらい言いましたからね。(笑)
(町山智浩)
あぁそうですか、すいません。(笑)そういう映画でね、福くんもいっぱい出てきますんで、はい。
(山里亮太)
町山さん!(笑)ローマ字を見せないで下さいよ!
(赤江珠緒)
わかりました。今日はですね・・
(町山智浩)
これは来週公開かな?
(赤江珠緒)
そうです!『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は日本では1月31日ですね、再来週か。1月31日公開という事で日本でも間もなく見る事ができます。これ、ちょっとでも、見たいですね。
(町山智浩)
3時間のもう、とんでもない福くんとフェラーリの嵐ですから。はい。
(赤江珠緒)
はははは。(笑)違うでしょ!こっからそうやってまとめたらおかしいでしょ!町山さん!(笑)
(町山智浩)
そうか、勘違いしてみんな見に来る。(笑)
※書き起こし終わり
○○に入る言葉のこたえ
⑥クズ株を素人に売り、株価を暴騰させた所で自分達で持っていた株を売って儲けていた。