引用:IMDb.com

プロミシング・ヤング・ウーマンの映画ポップコーン編集部の解説レビュー

2021年07月20日更新
映画を見た後の余韻がスゴイ。性犯罪において加害者側が受ける制裁が少なすぎる事、しかし10年前の出来事であり昔とは世論も違うので過去の出来事を10年後の価値観で非難しても良いのだろうかという思いも。復讐のストーリーでありつつも、単純にスッキリするのではなく映画を鑑賞した後にも考えさせられる、そういう意味でよく出来た脚本だと感じました。

『プロミシング・ヤング・ウーマン』を解説します

原題:Promising Young Woman

明るい未来を約束された若い女性(=プロミシング・ヤング・ウーマン)だと誰もが信じていた主人公キャシーが、ある不可解な事件によって約束された未来をふいに奪われたことから、復讐を企てる姿を描く。主人公キャシーを「17歳の肖像」「華麗なるギャツビー」のキャリー・マリガンが演じ、「スキャンダル」「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」や「スーサイド・スクワッド」で知られる女優マーゴット・ロビーが製作を務めている。

映画「プロミシング・ヤング・ウーマン」のポスター

→映画ポップコーン『プロミシング・ヤング・ウーマン』 視聴可能な動画配信サービス等がわかります。

2021年・第93回アカデミー賞で作品、監督、主演女優など5部門にノミネートされ、脚本賞を受賞した。

『プロミシング・ヤング・ウーマン』受賞一覧

■第93回 アカデミー賞 (2021年)
 受賞: 脚本賞

■第78回 ゴールデングローブ賞 (2021年)
 ノミネート: 最優秀作品賞(ドラマ) / 最優秀主演男優賞(ドラマ) / 最優秀助演女優賞 / 最優秀脚本賞

『プロミシング・ヤング・ウーマン』見た人の感想・評価まとめ

twitterで、『プロミシング・ヤング・ウーマン』を視聴した人の感想や評価を徹底調査してみました!

『プロミシング・ヤング・ウーマン』良い評価・感想

・明日公開の「プロミシング・ヤング・ウーマン」は今年1番観てほしい語り合うべき映画です。将来有望だった主人公が、ある事件をきっかけに性犯罪者たちに裁きを下していく映画だが、まさかの展開に怒りで震えて涙した映画は初めてだった。映画の中だけで終わりにしてはいけない。1人でも多くの人に届け

 

・酔ってるからレイプされても仕方ない?露出が激しいから被害に遭う?そんな意見に真っ向から間違ってる!と叩きつける「プロミシング・ヤング・ウーマン」女性たちの輝かしい将来を奪うのはレイプ犯だけでなく間違った認識で本当の罪が一体何なのか見失っている人達も含まれる

 

・『プロミシング・ヤング・ウーマン』は「前途有望な若い女性」という意味だけど、実はこれレイプ事件などで若い男性が訴えられた際に、弁護人が情状酌量を狙って「プロミシング・ヤング・マン」という常套文句に対する完全なる皮肉。
もう何から何までセンスが最高!

 

・『プロミシング・ヤング・ウーマン』

文句をつける隙が見当たらない面白いんだけどクライマックスが近づくに連れて自分でも分からないくらいに強烈な憤怒とどうしようもない切なさが込み上げてきて”これを面白がっていいのか”という自問自答をせざるを得ない強烈な映画体験だった。今年度ベスト候補。

プロミシング・ヤング・ウーマンの鑑賞報告を探すと、どこを見ても良い評価、

・センスが最高!
・強烈な映画体験
・今年度ベスト
・オスカー脚本賞も納得の秀作!

などなどの意見が多く見られ、9割以上が褒めの意見でした。

『プロミシング・ヤング・ウーマン』悪い評価・感想

一方、悪い意見は殆ど見当たりませんでしたが、このような意見もありました。

・くそー。プロミシング・ヤング・ウーマン、好きなところはあるのに自分の希望がノイズになってモヤってしまうやつだった。くそー。

 

・プロミシングヤングウーマン、めちゃくちゃ良かったんだけど主人公がどうしても40代に見えて、違和感。
カップルも年の差かなって。
帰ってきて調べたら、女優さん36歳で彼氏役が今年31歳だった。
外国人って日本人の感覚より年上に見えるから、なおさらだな。

 

・プロミシング・ヤング・ウーマン。なんかテンポが微妙でハマんなかったな。ただトキシックのアレンジがめちゃめちゃカッコよかった。

 

・#プロミシング・ヤング・ウーマン 鑑賞。「告発の行方」には成りきれないのか、目指してないのか、問題提起よりはネタバレ禁止なエンタメ性の方が目につく。面白いし、お勧めできるんだけど、アカデミー賞やで。ってドヤ顔する程かと言うと微妙かな?

・ミスキャスト?見た目の年齢が合わずに違和感を感じた
・テンポが微妙でハマらなかった
・アカデミー賞を取る程ではない

という意見の方も。実年齢36歳のキャリー・マリガンが30歳に見えないという意見は比較的多く見られました。

『プロミシング・ヤング・ウーマン』映画ポップコーンによる徹底解説

プロミシング・ヤング・ウーマンあらすじ、ストーリー

映画「プロミシング・ヤング・ウーマン」の画像引用:IMDB.com

Netflixオリジナルシリーズ「ザ・クラウン」でチャールズ皇太子の妻カミラ夫人役を演じ、テレビシリーズ「キリング・イヴ Killing Eve」では製作総指揮や脚本を担当するなど、俳優・クリエイターとして幅広く活躍するエメラルド・フェネルが、自身のオリジナル脚本でメガホンをとった長編映画監督デビュー作。

ごく平凡な生活を送っているかに見える女性キャシー。実はとてつもなく切れ者でクレバーな彼女には、周囲の知らないもうひとつの顔があり、夜ごと外出する謎めいた行動の裏には、ある目的があった。明るい未来を約束された若い女性(=プロミシング・ヤング・ウーマン)だと誰もが信じていた主人公キャシーが、ある不可解な事件によって約束された未来をふいに奪われたことから、復讐を企てる姿を描く。

プロミシング・ヤング・ウーマンを見た感想 ネタバレなし!

一言でまとめると本作はリベンジサスペンス。MeToo運動などの女性が被害に合う性犯罪スキャンダルや、女性がレイプされても男性側はお咎めなしである事が多い現状を問題提起する作品になっています。

ここ最近のアカデミー賞・脚本賞は黒人差別や貧富の差など社会問題を取り上げ問題提起する作品が選ばれていますね。

第90回(2018年)アカデミー賞、脚本賞を受賞した『ゲット・アウト

映画「プロミシング・ヤング・ウーマン」のポスター

第91回(2019年)アカデミー賞、脚本賞を受賞した『グリーンブック

映画「プロミシング・ヤング・ウーマン」のポスター

第92回(2020年)アカデミー賞、脚本賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族

映画「プロミシング・ヤング・ウーマン」のポスター

そして、本作、第93回アカデミー賞脚本賞を受賞した『プロミシング・ヤング・ウーマン』。

主人公キャシーは夜な夜な泥酔した風貌でクラブやBARに現れ、下心を持った男性が近づくのを待っています。男性に”お持ち帰り”され、酔って記憶が曖昧な女性と性行為しようとする男性に対し、突然シラフに戻り反撃。酔った状態の女性の同意なく一方的に性犯罪を犯そうとする男性に注意喚起するという不思議な日々を送っているのがキャシーです。

”泥酔してお持ち帰り”は割と身近にある話ですよね。いきすぎた性犯罪者ではなく、普通の男性たちの中にある女性蔑視、性犯罪。それが許されてしまう社会構造に一石を投じる脚本になっていました。

プロミシング・ヤング・ウーマンというタイトルに込められた痛烈な皮肉

映画「プロミシング・ヤング・ウーマン」の画像引用:IMDB.com

プロミシング・ヤング・ウーマンは、”明るい未来を約束された若い女性”という意味ですがこのタイトルには痛烈な皮肉が込められていて、「なるほど・・!」となりました。

主人公キャシーにはニーナという親友がいて、同じ医学部に通っていました。ニーナは泥酔し同じ学生の男性にレイプされてしまいます。後日ニーナはレイプされた事を訴えますが、泥酔していた事から女性にも原因があるとし男性側は無罪放免に。

キャシーはその判断をした事務長(女性)に抗議しに行きますが、事務長は「将来有望な男性(プロミシング・ヤング・マン)の将来がどうなってもいいの?」と言います。たかだか1回SEXしたくらいで、将来有望な男性の人生を壊してもいいの?という情状酌量を狙った言い訳。それに対する完全な皮肉としての『プロミシング・ヤング・ウーマン』というタイトル。このセンス、唸りました。

例えば痴漢の被害者に、「加害者にも家族や仕事がある。」と言って罪を軽くしようとしたり、告訴を辞めさせようとしたり。1度SEXや痴漢があっただけで、将来有望な男性の未来を壊すのか?と被害女性の方が逆に責められるのもよくある話。キャシーはレイプの加害者はもちろん、その事件を「プロミシング・ヤング・マン」と言ってもみ消そうとした人達にも次々と復讐をしていきます。

数々の復讐劇が痛快!

映画「プロミシング・ヤング・ウーマン」の画像引用:IMDB.com

レイプをした張本人だけでなく、それに加担した人、もみ消しに協力した人、女性だからというだけで見下す人に復讐をしていく本作。

事務長への仕返しのシーンや、車の運転中に罵声を浴びせてきた男性運転手の車をバールで滅茶苦茶にするなど、爽快な復讐シーンはスカッとしてもう1度見たい!シーンです。

ブリトニー・スピアーズやパリス・ヒルトン等、音楽にも注目

映画「プロミシング・ヤング・ウーマン」の画像引用:IMDB.com

リベンジサスペンスというシリアルなテーマですが、カラフルな衣装や音楽でポップさを出しているのも魅力の1つ。特にブリトニー・スピアーズの奇妙にアレンジされたTOXICは非常に重要なシーンで使われ気持ちが高ぶりました。

エメラルド・フェネル監督は「レイプへの復讐映画で内容がハードだからと言って、見るのがつらい映画である必要はない。」と語っていて、パリス・ヒルトンの「スターズ・アー・ブラインド」やブリトニー・スピアーズの「TOXIC」が効果的に使われています。

プロミシング・ヤング・ウーマンと小山田圭吾さん

映画「プロミシング・ヤング・ウーマン」の画像引用:IMDB.com

プロミシング・ヤング・ウーマンが日本で公開された2021年7月16日はオリンピック直前で、オリンピック開会式・閉会式の制作メンバーとして選ばれていた小山田さんの過去のいじめ・暴行が話題になっていた時期です。twitterで「プロミシング・ヤング・ウーマン」と検索すると、候補に「小山田」と表示されるほど、本作と関連が高く感じている人が多いようです。

事件があったのは過去の事とはいえ、成功している加害者と、事件がキッカケで将来がなくなってしまった被害者。いじめ問題と性犯罪という違いはありますが、「罪を犯した人は忘れているが犯された人はずっと忘れない」という共通する問題で関連深く感じました。

この先からは、プロミシング・ヤング・ストーリーのネタバレありのあらすじ内容が含まれるので閲覧注意!

プロミシング・ヤング・ウーマンを見た感想 ネタバレあり!

主人公キャシーは将来有望な医学部生でしたが、親友のニーナが同じ学生にレイプされたにも関わらず、レイプ犯に正当な制裁がくだされず、それを苦に自殺してしまった事がキッカケで自分の将来を投げ捨て復讐をしていきます。

キャシーとニーナは本当に仲が良かったようで、事件から10年経ったと思われる時でもパソコンの待ち受け画像はキャシーとニーナが2人で写った写真でした。

しかし、ニーナについてわかる情報は映画を最後まで見てもこのくらい。キャシーが自分の人生を捨ててまで復讐しようと思った動機の部分が弱く最後までわからずじまいだったのが残念でした。
肝心のニーナの事件についても、やんわりとしか語られないのに物語が進んでいく為、「テンポが悪い」「無駄な脚本が多い」という意見も頷けてしまう部分があります。

なぜ関係ない人に復讐していたのか

もう1点不思議な点を挙げると、親友ニーナがレイプを原因に自殺してしまったのであればレイプ犯に対して復讐していくのが普通の考えではないかと思います。

しかし「プロミシング・ヤング・ウーマン」では、キャシーは直接そのレイプ犯への復讐ではなく、30歳になるまでコーヒーショップで働きながら夜な夜なクラブや酒場に行き酔ったフリをして、下心を持って近づいてくる知らない男性に緩いお仕置きをするだけです。10年近い時間が流れているのに、ニーナをレイプした犯人への復讐はしていないのです。

たまたまコーヒーショップに訪れた医学部の同級生だったライアンと出会い、他の同級生の事をライアンが話し始めた事をキッカケにニーナをレイプした犯人並びに関係者達への復讐を計画します。

この空白の数年間、そして中途半端に無関係の人に復讐をしていたという意味不明な行動の理由となる要素が最後までわからず残念でした。

プロミシング・ヤング・ウーマンのラスト

映画「プロミシング・ヤング・ウーマン」の画像引用:IMDB.com

キャシーの親友、ニーナをレイプし自殺に追い込んだ犯人、アル・モンロ(Al Monroe)。アルの結婚前夜祭に娼婦のフリをして登場したキャシー。パーティーが開かれているコテージに入る前にブリトニー・スピアーズのTOXICが流れるのですが、バイオリンの効いたアレンジが恐怖感と高揚感を掻き立て非常に良い味を出していました。

アルの友人達を眠らせ、アルと2人きりの寝室でアルに手錠をかけ、持参したメスで襲いかかるキャシー。しかし片手の手錠が外れ、キャシーは簡単に返り討ちに合い殺されてしまいます。
余談ですがエメラルド・フェネル監督はインタビューで、元警察官の義理の父に人を窒息させるにはどれくらいの時間がかかるか尋ねたところ2分半と言われたと語っています。そこでエメラルドとキャリーは、2分半に及ぶ最後の窒息シーンを撮影したそうです。確かにここの尺は長く感じました。

最後に大ボスに復讐して終わり!というラストではなく、返り討ちに合ってしまったキャシー。ですが、こうなる事も想定済で、メールの予約配信などで関係各所に連絡、翌日の結婚式で警察が現れアルが逮捕・・という流れですが、スッキリ!とは言えないラストに少しもやもや。。

手錠をかけられていた事、キャシーが凶器となるメスを持っていた事などから、正当防衛が成立してしまいアル殺人罪には問われないと思われます。警察に捕まった時も死体遺棄容疑と言っていたはずです。アルへの多少の復讐は出来ましたが、命をかけるならアルを殺人罪で立証できるくらいの状況には出来なかったのか・・?ネット上のプロミシング・ヤング・ウーマンの口コミを探すと、やはり同じように気になっている方が複数いました。

映画を見た後の余韻がスゴイ

少しスッキリしないラストではあったのですが、その影響か映画を見た後の余韻がスゴイ。性犯罪において加害者側が受ける制裁が少なすぎる事、しかし10年前の出来事であり昔とは世論も違うので過去の出来事を10年後の価値観で非難しても良いのだろうかという思いも。復讐のストーリーでありつつも、あまりにも悲しい結末に単純にスッキリするのではなく映画を鑑賞した後にも考えさせられる、そういう意味でよく出来た脚本だと感じました。オススメです!是非ご覧ください!

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