tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!の町山智浩さんの解説レビュー
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映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)で、『tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。
町山さん『tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!』解説レビューの概要
①ネットフリックスのミュージカル映画
②日本語タイトルが間違っていて本当は「○○○○!」
③意味は、時計の音と爆発音でチックチック○○○!
④作者のジョナサン・ラーソンは30歳までに成功を目指していた
⑤5年後の35歳の時にラーソンのミュージカル『レント』が大ヒット
⑥『レント』はラーソン自信の食えなかった頃の話
⑦壮大過ぎるミュージカルを考えていて空回りしていた
⑧主演はアンドリュー・ガーフィールド
⑨アンドリューの現実と被るストーリー
⑩ラーソンは挫折した時にやっとうまくいくようになった
⑪しかし、ラーソンは『レント』の大ヒットを知らない
※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。
ネットフリックスのミュージカル映画、tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!
(町山智浩)
今日はですね、先週からNetflixで全世界配信が始まったミュージカル映画でですね『tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!』という非常に奇妙なタイトルの映画について紹介します。たぶんこれアカデミー賞の主演男優賞候補に上がるだろうと思ってるんですけども。これはね、『レント』というブロードウェイの人気ミュージカルがありまして・・あ、曲がかかっているかな?
〜音楽〜
(町山智浩)
はい。これはですね、『レント』というブロードウェイの人気ミュージカルの作者、それを作った人、ジョナサン・ラーソンという人の、自伝ミュージカルの映画化なんですよ。はい。これ監督はですね、ブロードウェイミュージカルの大ヒット作で『たまむすび』でも紹介した『ハミルトン』を作ったリン=マニュエル・ミランダという人です。で、これ”チック、チック…ブーン!”っていう日本語タイトルがちょっと間違ってましてですね。これ正しくはブーンじゃなくてブームです。
(赤江珠緒)
BOOMでブーム。
日本語タイトルに間違いが
(町山智浩)
そう。BOOMって言うのは爆発音なんですよ英語で。
(赤江珠緒)
ボンッ!って事か。
(町山智浩)
だからチックチックって言うのは時限爆弾の時計の音で、で、ブームなんで、チックチックドカン!っていう意味ですこれは。でこれは、この作者のジョナサン・ラーソンという人がですね、あと1週間で30歳になっちゃうと。焦ってる感じを時限爆弾になぞらえて言ってるタイトルなんですね。で今、かかってる曲がですね、『30/90』という歌でですね。
〜音楽〜
(赤江珠緒)
この曲、はい。
(町山智浩)
これはね、要するに1990年にこの作者のラーソンという人は30歳になっちゃうんで。自分は大学を卒業して8年間もミュージカルを作ろうとしてきたけども1本も完成していないと。このまま芽が出ないまま終わっちゃうのかっていう事で焦ってるんですね。それでね、ジョン・レノンは30歳でもうビートルズでやるべき事をやって、解散するのにね・・。
(赤江珠緒)
まぁまぁ。(笑)
(町山智浩)
て言うんですけど、こういう天才と自分を比べると死にたくなるからみんなやめた方がいいと思いますよ。
(赤江珠緒)
それはちょっとね。比較対象がすごいもんな。
(山里亮太)
そう!なんにもない。そう。
ミュージカル『レント』が大ヒット
(町山智浩)
天才は天才だから置いといてっていう話ですけど。でこのラーソンという人はね、この5年後に35歳の時ですね、1996年に作ったミュージカル『レント』がブロードウェイで大ヒットしてですね。この『レント』は日本でもよくやってますよ。賀来賢人さんとかソニンちゃんが主演でも上演されてますね。で、この『レント』というのはですね、主人公たちがニューヨークのビレッジっていうまぁ学生街なんですけど、そのアパートに住む”ボヘミアン”と言われる人達なんですね。ボヘミアンっていうのはあの「ボヘミア〜ン♪」っていう歌ありますけど。流れ者みたいな意味なんですけどね。
具体的にはミュージシャンを目指してたり、絵描きを目指してたり、映画監督とかダンサーとか、まぁ詩人とか、そういうのを目指して、でもちゃんとした収入はまだなくて自由に生きてる人達をボヘミアンって言うんですよ。で収入がないから家賃も払えないんですけど、この『レント』って言うのは家賃っていう意味です英語で。
(山里亮太)
ほーなるほど。
『レント』はラーソン自身の話
(町山智浩)
はい。これは彼自身の、ラーソン自身の食えなかった頃の話なんですよ。舞台は1991年なんですけれどもね。でアパートを追い出されそうになったり、ニューヨークは今も続いてますけども、ジェントリフィケーションっていう高級化でね、古いアパートとか取り壊して、どんどん新しくコンドミニアムにしちゃうんでみんな追い出されるんですけど。あと91年なんで、ゲイの人達がですね、すごくその当時はエイズで苦しんでたんで、そういう現実も描かれるのがその『レント』っていう映画なんですね。で、この『tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!』はその『レント』を書く前に、彼が何を書いたらいいかわからなくて苦しんでた、で、家賃が払えなくて困ってたっていう頃の話なんですよ。はい。でですね、彼はなんて言うのかな、ダイナーっていうね、軽食を出すレストランがあるんですねアメリカにね。そこでまぁウェイターとして働いてるんですけども、今かかってる曲は『Sunday』っていう曲で、「日曜日の朝はめちゃめちゃ混むぜ」っていう歌なんですね。
〜音楽〜
(赤江珠緒)
ふーん。爽やか〜な曲ですけど、めちゃくちゃ混むぜって話・・。
(町山智浩)
そう。これね、画面的にはめっちゃくちゃ混んでて死にそうになってるっていう画面なんですけども歌はね、非常に爽やかな歌になってるんですけども。これね、日曜日になると、僕もすごくアメリカに来て不思議だったんですけど、アメリカ人たちはね、ブランチといって遅い朝食と昼食を混ぜた物をですね、外に食べに行くんですよ。で、めちゃくちゃ忙しくなるんですけど。食べるって言ってもパンケーキとか目玉焼きとかなんですよ?そんなもん家で作って食えばいいじゃないかって思いません?
(赤江珠緒)
まぁなんでもないと言えばなんでもないねぇ。
(山里亮太)
わざわざ・・。
(町山智浩)
そう。店行く必要ねぇじゃん!って思うんですけど、それをね、実はアメリカ人も思ってたっていう事がわかったんですよこの映画で。このラーソンはめちゃくちゃ忙しいから店が。そんなもん家で食えよ!って歌なんですよこれ。(笑)
(赤江珠緒)
この歌!?そういう歌なの?(笑)
(山里亮太)
こんな爽やかなのに。(笑)
(町山智浩)
そういう歌なんですこれは。これはオペラみたいな歌なんですけれども。これプッチーニのオペラのパロディなんですよ。
(赤江珠緒)
えー!
(町山智浩)
で、これね、『ラ・ボエーム』っていうプッチーニのオペラがあって、それを元に『レント』を書いたんで、そこに引っ掛けてですね。ボエームって言うのはボヘミアンという意味なんですよイタリア語で。それでですね、彼はそうやってウェイターとして働きながら家賃に苦しんでるんですけども、8年間も書き続けているミュージカルがなかなか書けないで苦しんでるんですが、それね、ミュージカルの内容はね、『Superbia』っていうタイトルで、未来世界の巨大都市を舞台としたSF、サイエンスフィクションスペクタクル大作なんですよ。
(山里亮太)
大変そうだなぁ!
(赤江珠緒)
ふん!
(町山智浩)
それいきなりデビュー作でスケールがデカすぎるんですよ。
(山里亮太)
たしかに!
スケールが大きすぎるデビュー作を考えていた
(町山智浩)
この人、気合が入り過ぎてうまく・・なんかちょっと気合が入り過ぎてうまくいかない感じってあるじゃないですか。
(山里亮太)
ありますあります。
(赤江珠緒)
空回りしちゃって。
(町山智浩)
そうそう、空回りしてる感じなんですよ。で8年間ねぇ、苦労して、歌がなかなか出てこないんですよ。これがその歌で『Johnny Can’t Decide』っていう歌が流れるんですけども、これはジョニー、つまりラーソンの名前ですけどもジョニーは決められないっていう歌で。歌が出てこないって言う。
(赤江珠緒)
はははっ。状況を全部表してる歌ですね。(笑)
〜音楽〜
(町山智浩)
これね、でもそうやってるうちに彼が決められないうちに30になろうってのに、他のボヘミアン仲間はね、卒業してっちゃうんですよ。俳優志望だった親友もね、俳優を諦めて広告代理店に就職していきなり年収1000万を取ったりね。で、ラーソンにかわいい彼女がいてダンサー志望だったんですけれども、ダンス教室の先生の仕事に就くと。いう事でちょっと田舎に引っ越す事になって、「あなたついてくる?」って言われるんですね。でも彼はブロードウェイにいてミュージカル作家になりたいから、彼女について行けなくてグズグズしているんですよ。
(赤江珠緒)
うんうんうん。
(町山智浩)
で、歌も出てこないと。で、ジタバタしながらですね、成功した人を恨んでね、世間を恨んでくっていう歌なんですねこれ。
(赤江珠緒)
えぇっ!じめじめしてるな!
主演アンドリュー・ガーフィールド
(町山智浩)
そう。そうなんですよ。これね面白いのがね、この『tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!』でジョナサン・ラーソンっていう実在のミュージカル作家を演じる俳優がアンドリュー・ガーフィールドっていう俳優なんですが、この人はね、『アメイジング・スパイダーマン』でスパイダーマンになるピーターを演じた俳優さんだったんですよ。で、その時、『スパイダーマン』の時の相手役のエマ・ストーンと当時ニューヨークで一緒に住んでたんですけども、『アメイジング・スパイダーマン』シリーズでコケちゃって2作目で打ち切られちゃうんですよ。でエマ・ストーンとも別れるんですけども、エマ・ストーンは別れた後ですね、ミュージカル映画の『ラ・ラ・ランド』で。
(赤江珠緒)
そうだラ・ラ・ランド。
(町山智浩)
そう。コーヒーショップのウェイトレスからハリウッドスターになる役を演じてアカデミー主演女優賞を獲得するんですよ。
(赤江珠緒)
わ〜〜、なんかちょっと似てるじゃないですか!
(町山智浩)
そう!でアンドリュー・ガーフィールド君の方は、『アンダー・ザ・シルバーレイク』っていう映画に出るんですけど、そっちはハリウッドのショービジネス界に入りたくてハリウッドに来たんだけど芽が出ないままいい年になってですね、で自分を捨てた彼女がスターになって苦しむ男を演じてたんですよ。
(赤江珠緒)
えーちょっと!(笑)
(山里亮太)
わ〜〜つらい役!
アンドリューの現実と被るストーリー
(町山智浩)
非常につらい役をやっていて今回もそうなんですね。ただね、今回の『tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!』ではこれ全部自分で歌ってますから彼が。すごいんですよ。で、まぁ元カノはミュージカルで大スターになったけど彼もこれで、このミュージカルでアカデミー主演男優賞はまぁ絶対、候補には上がるだろうって言われてるんですね。その辺もね、すごく現実と映画の内容がダブる所なんですけども。で、この『tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!』のラーソン君は歌が思いつかないんですよ。でなんで思い付かないかっていうと・・自分の事しか考えてなかったからなんですよ。
(赤江珠緒)
ん?
(町山智浩)
そう。SFのすごいスペクタクルを作るとか言ってて、自分の夢に夢中で、その彼女の事も本当に真剣に考えてなかったし、で周りで友達がですね、次々とエイズで倒れてくんですけども、その事もあんまり気にかけてなかったんですよ彼は。で、実はこの時代っていうのは1980年代の終わりなんですけど、1980年代のロナルド・レーガン政権がですね、非常にゲイに対する差別的な意図のせいでですね、エイズに関する治療を全くしてなかったんです政府として。これはね、映画にもなってるんですけど、『ダラス・バイヤーズクラブ』っていう映画で。
(山里亮太)
あっ!はいはいはい!
(町山智浩)
ねぇ。あれマシュー・マコノヒーがやってた映画で、アメリカ政府がエイズの薬がもうできてるのに、それを承認しないもんだからその薬が買えなくて、エイズの人達が次々と死んでいくっていう恐ろしいその当時の現状を描いていた映画でしたけどあれは。で、そういう事が起こっているのに、彼は、ラーソンは早くミュージカルを作んなきゃもう30になっちゃうって言うばっかりで、全然こう、なんて言うか、人の事を考える余裕が全くなかったんですよ彼は。
(赤江珠緒)
あぁそういう事か、うんうん。
(町山智浩)
で、ここで彼はうまくいかなくて挫折する中で、やっと他の、自分が愛する人達の事を考えるようになるんですよね。すると、その彼らの心になんて言うかね、耳を傾けてみると、自然に歌が沸いてくるんですよ!
挫折した時にうまくいくように
(赤江珠緒)
うわー!その逆の行動の方がむしろ?
(町山智浩)
そうなんですよ。大体ほら、原稿書こうとしてパソコンに向かってワーッてやったって書けないでしょう?
(山里亮太)
はい!
(町山智浩)
ね。そうじゃなくて、自分のカミさんとか近所の人とかに話をすると沸いてくるもんなんですよ。
(山里亮太)
はーーー確かに確かに。
(町山智浩)
だからこう、ガーッてなってないで、自分の好きな人達と話をすればよかったんですよ彼は。
(赤江珠緒)
そういう事かぁ。
(町山智浩)
で、やっと歌うべき物がここで見えてくるんですね。それがまぁこの『Why』っていう歌で、自分の中学時代からの親友がエイズになってるって事にハッと気付くって言う、それで歌が出てくるっていうシーンなんですけど。でね、彼は目覚めていくんですよ。そうやって今の恐ろしい現実とかそういった物をちゃんとミュージカルにしてこうと。なんていうか、SFスペクタクルとか、地に足のついていない話じゃなくて。
目覚めていく
(赤江珠緒)
そうね!だいぶ方向転換しましたよね今話を聞いてると。へぇ〜!
(町山智浩)
そう。それで『レント』というね、ミュージカルが実際形になって生まれていくんですね。でね、この『レント』というのはとにかくその、『ウエスト・サイド物語』っていうミュージカルが昔あったじゃないですか。あれはその当時の1950年代のニューヨークの貧困層の、ポーランド系の人達とプエルトリコ系の人達との抗争を描いたんですが、その頃のミュージカルってそういった現実的なリアリティーとかマイノリティーを描くって事はなかったんですよね。だから『ウエスト・サイド物語』っていうのは画期的だったんですよ。その、ジャーナリスティックだったんです。で、それから久々のニューヨークの現実を描いたミュージカルが『レント』だったんですよ。
(赤江珠緒)
あぁそういう事か、うん。
(町山智浩)
はい。そのホームレスとかエイズの人とかゲイの人達の事を真っ正面から描いて、それで、これがまぁ1996年に上演されてですね、大ヒットして、そのミュージカルの最高峰であるトニー賞は取るし、ピューリッツァー賞も取って。まぁすごい事になるんですけども、大成功するんですねこの『レント』が。でもね、ラーソンはそれを知らないんですよ。
(赤江珠緒)
えっ?
ラーソンは『レント』の大ヒットを知らない
(町山智浩)
知らないんですよ。彼は、その『レント』の開幕日の早朝。に、動脈瘤破裂で、急死しちゃうんですよ。
(赤江珠緒)
えーーーーー!開幕日の日に・・!
(町山智浩)
そう。その前の晩のリハーサルしか見てないんですよ。
(赤江珠緒)
えええええ。
(町山智浩)
で、この開幕日にもう大絶賛されて大ヒットしてくんですけど、彼はそれも見てないで死んでったんですよ。
(赤江珠緒)
そうなんですか・・!
(町山智浩)
そうなんです、35歳だったんですよ。
(赤江珠緒)
若いね・・若すぎるね・・。
(町山智浩)
ねぇ。だから彼が30歳になる時に焦ってたのは間違ってなかったですよ。
(山里亮太)
そっか・・!
時限爆弾は誰にでもある
(町山智浩)
そう。人は本当にいつ死ぬかわかんないんですよ。だから、実は時限爆弾に彼は例えてたけど、実は時限爆弾は誰にでもあるんですよ。ただ、いつ爆発するかはわからないんですよそれが。というね、まぁちょっとそういう事が分からないとこの映画の衝撃的な感じっていうのはちょっとね、分かりにくいんですけど。はい。
(赤江珠緒)
そうですね。
(町山智浩)
で彼はね、この『tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!』っていうまぁミュージカルで、これから僕は自分の愛する人達のために、世の中をミュージカルにしてこうっていう決意を込めた歌を歌うんですけど。それがね、このね『Louder Than Words』。言葉よりも物語るものという歌を歌うんですけども。この歌詞がものすごい政治的な内容で、こういう歌詞でね。
「政治をちゃんとしない政治家の事をなぜ支持する?」って言うんですよ。でっ「世の中は破滅してしまうまで、世の中は本当に革命が起こらないのか。僕らの世代は一体どうしたら目覚めるんだ。目覚めないならこの国を国ごとを揺さぶってやるんだ!君はかごの鳥でいるのか?自由に空を飛ぶ鳥か、どっちを選ぶんだ。その答えは、口に出さなくていい。行動で示してくれ。行動は言葉よりも雄弁だから。」っていう歌なんですよ。
(山里亮太)
はぇ〜・・。
(町山智浩)
これはすごい歌で、で、彼自身は実際にそれを本当に『レント』というミュージカルでね、実際にやってみせた。そういう話でね、でもコメディですからねこれ!基本的に笑うシーンがいっぱいあって、すごく楽しい映画になってますけどもね。
(赤江珠緒)
へ〜。でもその神様の残酷な結末がね・・。その、『レント』のヒットはねぇ、彼に届けてあげたかった所ありますね。そして今もね、いらっしゃったらその後の作品とかも、もっともっとね。変わっていかれたかもしれないですね。
(町山智浩)
そうですね。ただ彼は夢は叶えたですね。僕実は来年60なるんでね、30歳2倍ですけどね。ラーソンの倍ですけど、もうそろそろ本当に時限爆弾なんで。
(山里亮太)
いや!まだ!まだチクチク来てないです!
(町山智浩)
そろそろ時限爆弾ですね。チクチクブーンなんで。もう来年、還暦ですからね。だって普通会社、勤めてたらだって、アレですよ。定年ですよ僕の。学校の頃の友達はね。
(山里亮太)
そうですねぇ。
(赤江珠緒)
まぁ最近ちょっと延びてるとはいえね。
(町山智浩)
でもやっぱりね、60過ぎて65になるまでは給料半分にされたりするんですよ。
(山里亮太)
そっか、そうですね。
(町山智浩)
だからもうね、還暦になったらね、もう仕事全部辞めてね、
(山里亮太)
えっ?
(町山智浩)
やりたい事をやっとかないともう人生、残り少ないんでね・・っていうような事を思いましたよ。倍の歳ですけど。(笑)
(山里亮太)
なんかそういうの、考えるキッカケになるのかな?見ると。
(町山智浩)
僕はキッカケになりましたね。
(赤江珠緒)
町山さんはでも、仕事を超えて映画を愛してるからね。
(町山智浩)
まぁね。でもやっぱり、結構なんていうか仕事の、なんて言うか細かい仕事を結構やってたりするじゃないですか。でもそれはもう、ねぇ。いいかっていう気がしてきてるんですよ。でもね、皆さんもね時限爆弾誰にでもあるんでね。
(山里亮太)
確かに。本当にそうですね。
(町山智浩)
本当に時間を無駄にしないでね、皆さんそれぞれの夢に向かった方がいいと思うんですよ。本当に。
(赤江珠緒)
ね。じゃぁ自分の人生を見つめ直すというか、それぐらいのメッセージ性があるんだな。
(山里亮太)
しかもコメディですからね。わかりやすいし。
(町山智浩)
ねぇ。色んな夢、あるじゃないですか。世界1周するとかさ、パティシエになるとか、フルマラソン走るとか、色々あるじゃないですか。AV男優になるとか色んな夢があると思うんですよ。
(赤江珠緒)
だいぶ色んな・・ピンポイントな夢が出てきましたけども。(笑)
(山里亮太)
いやそりゃなりたい人もいるよ。
(町山智浩)
という事でね、色々と考えさせられる映画『tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!』でした。
(赤江珠緒)
『tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!』は、Netflixでもう配信中という事でございますね。
(町山智浩)
はい。是非ご覧ください。アカデミー賞たぶん主演男優賞いくと思います。
(赤江珠緒)
町山さん、ありがとうございました。
(山里亮太)
ありしたーっ!
(町山智浩)
どもでした!
※書き起こし終わり
○○に入る言葉のこたえ
②日本語タイトルが間違っていて本当は「チックチックブーム!」
③意味は、時計の音と爆発音でチックチックドカン!