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さがすの映画ポップコーン編集部の解説レビュー

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2022年02月21日更新
町山さんが「すごい日本映画が出ちゃった」と絶賛!ポン・ジュノ監督作品「母なる証明」の助監督を務めた片山慎三監督のおすすめ映画「さがす」です!

『さがす』を解説します

2022年1月21日公開の日本映画。監督は本作が長編2作目にして商業映画監督デビュー作となる片山慎三、主演は佐藤二朗。PG12指定。300万円の懸賞金欲しさに指名手配犯を捕まえようとして姿を消した父親と、不安を抱えながらも彼の行方を追う娘の姿を描く。アスミック・エースとDOKUSO映画館による次世代クリエイター映画開発プロジェクト「CINEMUNI(シネムニ)」第1弾作品。第26回釜山国際映画祭 ニューカレンツ(コンペティション)部門正式出品。

映画評論家の町山さんが2022年暫定1位と大絶賛されていた

TBSラジオ「たまむすび」にて、町山さんが「さがす」を大絶賛されていました。その一部だけこちらでご紹介します。

ちょと日本映画ですごいのが出ちゃったんでその話だけします。
『さがす』っていう映画なんですよ
(中略)
段々すごい世界に入っていって、後半が。
もう全く予想のつかない展開になってくんですよ。で、しかも時間軸がですね、こうプレッツェルみたいにこう、なんて言うかねじくれて繋がっていて。まぁすーごい内容の映画になってるんですよ。
(中略)
いや、もうこれはすごいですよ。人の心の地獄に入っていく映画なんですよ。

→全文は映画「さがす」町山さんの解説レビュー

映画『さがす』見た人の感想・評価まとめ

twitterで、『さがす』を視聴した人の感想や評価を徹底調査してみました!

『さがす』良い評価・感想

さがす:今年ベストというか生涯ベスト。完璧な映画ってあるんや。2転3転する脚本、でも最悪の最高が提示されるのはあまりにもさりげなさ……ッ最高の映画……ッカスがよ……ッとにかく「すごい映画を観た」としか言えない

 

映画「さがす」見た。
すっっっっげえよかった……すさまじい脚本とすさまじい役者の演技でずっと殴られ続けてるような時間だった……マイベスト佐藤二郎…… 

 

映画 さがす 鑑賞終了
ようやく鹿児島でも上映開始
ネタバレどうこうと言うより鑑賞後感情が入り乱れ過ぎて考えが纏まらないが正しい、映画として素晴らしい完成度の作品でした!( 'ω' )
善と悪/常識と非常識/肯定と否定
置かれた立場で答えをさがし続けてもがくほど悪化する人生の縮図の様でした。

 

「さがす」を観た。
心を掻きむしられ、映画館の帰り道、心がザワザワした。
映画の中に出てくるこの街には、過酷な現実の人達が沢山いる。
過酷な状況で生きている人間が犯罪の一線を超える瞬間というのはなんなんだろう。
何が正しいのか、生きる為には。いろんなことを考えさせられる映画でした

映画さがすの感想や評価を探すと、「マイベスト佐藤二朗!」「素晴らしい完成度の映画」など良い評価ばかり目に付き、9割以上が褒めの意見でした。

『さがす』悪い評価・感想

一方、悪い意見は殆ど見当たりませんでしたが、このような意見もありました。

『さがす』、面白くなかった
内容やアクションシーンは『チェイサー』、長回しは移動撮影はポン・ジュノっぽいのだが基本的には会話劇
ここの会話が軽妙なだけでユーモアが無く全然ハマれなかった
暴力シーンもマイルドで必然性を感じず、逆に必要な場面で描写しないので物足りない
正直言って凡作

 

「さがす」自分はダメだった。なんかスンっ...となってしまう事がチョコチョコあって観ているうちにこの映画から自分の気持ちが離れてしまった。話の設定中の無理くりさや過激さとケレンみの按配など全て自分には合わなかったという感じ。妻やエロジジイの設定も好きくなかったし。(伊東蒼さんは👍✨

探すのが大変なくらい、映画「さがす」はマイナスな感想が少ないのですが、

・自分には合わなかった
・ハマれなかった
・暴力シーンが物足りない

という意見の方も。父親が万引きをしたり、懸賞金目当てで連続殺人犯に接触しようとする現実離れした設定が無理くりと感じる方もいるようです。

『さがす』映画ポップコーンによる徹底解説

さがすのストーリー

「岬の兄妹」の片山慎三監督が佐藤二朗を主演に迎え、姿を消した父親と、必死に父を捜す娘の姿を描いたヒューマンサスペンス。大阪の下町に暮らす原田智と中学生の娘・楓。「指名手配中の連続殺人犯見たんや。捕まえたら300万もらえるで」と言う智の言葉を、楓はいつもの冗談だと聞き流していた。しかし、その翌朝、智が忽然と姿を消す。警察からも「大人の失踪は結末が決まっている」と相手にされない中、必死に父親の行方を捜す楓。やがて、とある日雇い現場の作業員に父の名前を見つけた楓だったが、その人物は父とは違う、まったく知らない若い男だった。失意に沈む中、無造作に貼りだされていた連続殺人犯の指名手配チラシが目に入った楓。そこには、日雇い現場で出会った、あの若い男の顔があった。智役を佐藤が、「湯を沸かすほどの熱い愛」「空白」の伊東蒼が楓役を演じるほか、清水尋也、森田望智らが顔をそろえる。

さがすを見た感想 ネタバレなし!

私はとても好きな映画でした。テンポがよく中だるみもなく飽きさせない。良い意味での裏切りや予想外の展開もあり、メッセージ性もあり、連続殺人犯を追う内容からグロテスクなストーリーかと思いきや、この映画が1番伝えたい内容は実は家族愛なのではという点も。

いつも笑える役を演じられる佐藤二朗さんがシリアスな配役なのもいい。でもさすが佐藤二朗さん。シリアスな展開を邪魔しない塩梅でクスリとくるお芝居。随所に佐藤二朗らしさを感じられ、「マイベスト佐藤二朗」と評する方がいるのも納得です。

映画評論家の町山智浩さんが

もう全く予想のつかない展開になってくんですよ。で、しかも時間軸がですね、こうプレッツェルみたいにこう、なんて言うかねじくれて繋がっていて。まぁすーごい内容の映画になってるんですよ。

とおっしゃっていた通り、途中から全く予想のつかない展開になっていきます。ですので、ネタバレなしで、前知識なしで鑑賞される事をおすすめします。

映画「さがす」の英題は「Missing」

さがすの英題はMissingで、日本語訳すると「行方不明」「尋ね人」「失踪者」のような意味合いになります。
Missingは「欠けた所」「紛失した」という意味もあるので、冒頭で刑事が「君は一体、誰を探してるんや?」という意味深なセリフを言ったように、”失踪した父親を探す”という意味と「父親の欠けた部分」というダブルミーニングになっているのではと推察できます。

片山慎三監督はポン・ジュノ作品の助監督を務めた

アカデミー賞作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』の監督として有名なポン・ジュノ監督。片山監督は、そのポン・ジュノ監督作品『母なる証明』の助監督を務めました。ポン・ジュノ監督作品の助監督を務めたのは片山監督が日本人唯一だそうです。

映画「ジオラマボーイ・パノラマガール」のポスター

映画「ジオラマボーイ・パノラマガール」のポスター

片山監督は「ポン・ジュノ監督らしいと言われないように意識的に演出したつもりですが、気付かないうちに出ている部分があるとは思います。」とインタビューに答えていました。私はパラサイトが生涯ベスト10の映画に入るので、映画「さがす」もかなりのヒットでした。

ムクドリを演じた森田望智さん

ムクドリを演じた森田望智さん。全裸監督でAV女優、黒木香を演じていた森田望智さんなんです。

映画「ジオラマボーイ・パノラマガール」の画像引用:IMDB.com

彼女は出演する作品によって見事に役を演じ分けていて、ムクドリを森田望智が演じていると気付きませんでした。彼女の演技にも注目です。

 

ここから下はネタバレありの解説なので、さがす未鑑賞の方はご注意下さい。

ネタバレあり:プレミアムモルツの意味

さがす_ムクドリ_名無し

島で森田望智演じるムクドリを古民家で殺害するシーン。連続殺人の死体が入っているであろうと思われたクーラーボックスには、実際には大量のプレミアムモルツが入っていました。

なぜビールが?そして、なぜビールがぶちまけられるシーンをクローズアップして見せたのでしょうか?

シーンを遡って。島に行く前、卓球教室で佐藤二朗と連続殺人の犯人が話していたシーン。自殺希望者(ムクドリ)が300万円払うと言ってるので、自殺を手助けしてその300万で逃げようと佐藤二朗が連続殺人犯に言い寄るシーン。用意周到な台詞回しを疑われ、小指を噛んで潔白を証明する名シーンでしたね。

そこで、佐藤二朗が尊厳死を手伝う報酬に「酒を奢る」と犯人が言っていました。恐らく島に移動した際、犯人は佐藤二朗の事を信用しきっていて、心を開いていた。なので大量のビールを用意していたのではないでしょうか。殴られてしまった後に涙を流していたのは、完全に信用して信じていた佐藤二朗に裏切られた悲しみからだったのではないでしょうか。

一瞬ビールをうつすだけで、犯人の心情を感じ取らせる演出に鳥肌が立ちました。

ラストーシーンの卓球のラリー

卓球の長いラリーと、父娘の会話、そしてピンポン玉だけ消えて音だけが残る不思議な演出。かなり印象深いシーンで、見る人によって様々な解釈の仕方ができると思います。

『パラサイト』でも金持ちと貧乏人の間に境界線が描かれる演出がありましたが、映画「さがす」でも行ってはいけない犯罪側と、娘のいるこちら側の境界を卓球台を使っていました。佐藤二朗が妻の殺害を犯人に依頼した時も、折りたたまれた卓球台を境界線にしています。

ラストシーンの卓球のラリーは、父娘が会話をしながらその境界線をピンポン玉が行き来します。ピンポン玉はいずれ消えてしまい音だけになりますが、それは卓球がなくても父娘の心と心のラリーが出来るようにになったという事を表現しているのではないでしょうか。

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映画「さがす」オススメです

連続殺人犯を追って失踪してしまった父親。父親は絶対にもう・・と思わせてからの、父親の苦しい心境の変化の描写や、種明かしのように展開する演出に食い入るように見入りました。2022年の最初からとても良い作品に出会えました。おすすめです!

オススメ情報

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