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引用:IMDb.com

ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘いの町山智浩さんの解説レビュー

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2022年03月09日更新
これね、2016年にアカデミー賞のドキュメンタリー部門にノミネートされたことがあったんですけれども、2015年にあった、ウクライナで起こったですね”マイダン革命”と言われる市民の抵抗運動の記録でですね、これ普通のドキュメンタリーと少し違って撮影者が10人ぐらいいてですね。その市民の抵抗してた人達が撮ったですね、スマホの映像とかそういうのをいっぱい集めて編集している物です。(TBSラジオ「たまむすび」より)

映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)で、『ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘い』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。

町山さん『ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘い』解説レビューの概要

①Netflixのドキュメンタリー映画。
②ウクライナへのロシアの侵攻に対してNetflixは抗議をしyoutubeで無料公開している
③2016年にアカデミー賞のドキュメンタリー部門にノミネート
④マイダン(広場)革命と言われる市民の抵抗運動の記録
⑤市民が撮影したスマホの映像などを集めて編集した
⑥当時のウクライナ大統領、ヤヌコビッチが、ロシアのプーチン大統領と取引をしていた事が判明
⑦ヤヌコビッチ政権は武装警察で徹底的に市民のデモに対し弾圧を始める
⑧ヘルメットを被ると逮捕という無茶な法律まで作られてしまった
⑨それに対してのウクライナのデモ隊の対抗策は○を被る事だった
⑩政権側が市民を狙撃し射殺するまでに
⑪これを見ると何故こんなに今、ロシアに対して市民が戦えるのがよくわかる

※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。

引用:IMDb.com

『ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘い』町山さんの評価とは

※なぜウクライナがロシアに降伏しないで徹底的に戦い続けるのがわかる映画2選の、1本目の映画はこちらです。
→赤い闇 スターリンの冷たい大地での町山智浩さんの解説レビュー

(町山智浩)でもう1本はね、今の『赤い闇』の方は劇映画なんですけども、もう1本の方はですね、『ウィンター・オン・ファイヤー』というタイトルのドキュメンタリーです。で、副題が『ウクライナ、自由への闘い』というタイトルなんですが、これはねNetflixで見れます!日本語字幕がついているやつはNetflixにあるんですが今回ウクライナへのロシアの侵攻に対してNetflixは抗議をして、YouTubeでタダでこの映画を公開してるんですが、ただ日本語字幕が付いてないんで。日本語字幕を読む為にはNetflixで見なきゃならないんですけども。

(赤江珠緒)あぁ、そうか。

(町山智浩)これね、字幕入りのやつをね、日本のNetflixもタダで流すべきだと思うんですが。

(赤江珠緒)うん!

(山里亮太)確かに。

2016年にアカデミー賞のドキュメンタリー部門にノミネート

(町山智浩)これね、2016年にアカデミー賞のドキュメンタリー部門にノミネートされたことがあったんですけれども、2015年にあった、ウクライナで起こったですね”マイダン革命”と言われる市民の抵抗運動の記録でですね、これ普通のドキュメンタリーと少し違って撮影者が10人ぐらいいてですね。その市民の抵抗してた人達が撮ったですね、スマホの映像とかそういうのをいっぱい集めて編集している物です。

(山里亮太)へぇ〜!

(町山智浩)これね、2013年から2014年の冬にかけて起こったんで、『ウィンター・オン・ファイヤー』っていうね、”燃える冬”というタイトルなんですけれども。

まずね、ヤヌコビッチという人が大統領になるんですね。この人はですね、お母さんがロシア系なのかな?比較的ロシア寄りの人なんですけれども、そのEU、ね。そのヨーロッパ共同体にウクライナを参加させるという事を約束として掲げてウクライナの大統領になるんですね。で、ずっとウクライナはロシアの一部とされてたんですけども、EUに入る事でロシアから独立して、ウクライナとしてね、ヨーロッパに参加できるという事で国民がそれをすごく支持するんですが。ところが、EUとの契約。調印しないんですねこの大統領、ヤヌコビッチ大統領は。

(赤江珠緒)ほうほう。

引用:IMDb.com

ヤヌコビッチ大統領の裏切り

(町山智浩)その一方でこっそりとロシアのプーチン大統領と取引をしていたって事が段々わかってくるんですよ。要するにまたロシア寄りの国にね、しちゃおうとしてるんだと。ベラルーシなんかがそうですよね。結局独立してない、傀儡国家みたいな事になっちゃうんじゃないかと。言う事で市民が怒って、約束が違うじゃないか!という事で、ヤヌコビッチ大統領の解任を求めてデモを始めるんですね。2013年の11月に。で、独立を記念して作られた街の中心にある広場に、人が集まってくるんですけども、これに対してですね、このヤヌコビッチ政権は武装警察で徹底的に弾圧を始めるんですよ。

(赤江珠緒)ええっ?

(山里亮太)はぁ・・。

(町山智浩)で、そこから90日間、約3ヶ月に及ぶ、この反ヤヌコビッチと、ヤヌコビッチ政権との戦いが始まるんですね。で、最初は本当に小さな平和的デモなんですけども、これ武装警察、これはベルクトという武装警察なんですが、それが徹底的にこうまぁなんと言うか殴る蹴るでですね、あと鉄の警棒で人の頭を叩き割ったりしてですね、そのデモ隊を弾圧するので、彼らは弾圧する事によってデモ隊が減ると思ったんですね。逆にどんどん増えてくんですよ。最初は小さなデモだったのが、殴れば殴るほどそれに参加する人が増えてくるんですね。で、ものすごい人数になって、広場からはみ出るぐらいのもう、大変な群衆になっていって。しかもその人達がそこで暮らし始めるんですよ。

(赤江珠緒)ほぉ〜!すごいですねウクライナの人、はい。

(町山智浩)で、真冬なんてものすごく寒いんですけど、火を焚いたりしてね。そこで炊き出しをやって。そこで暮らし始めて、でも、徹底的に、そこに軍隊経験者の人がいっぱいいるんでそこに来るんですけども、「絶対に武装警察に口実を与えるな。」と。武装警察に。「絶対に暴力をふるうな。って言うんですよ。

(赤江珠緒)ええっ・・難しい事ですね、その状況でねぇ。

(町山智浩)そう。もし、彼らは待ってるんだと。こっちが暴力ふるうのを。そしたらそれこそ撃ってくるだろうと。銃撃してくるだろうと。だからどんな事があっても、暴力ふるうなって言ってるんですが、そのうちに警察側が実弾を撃ってくるんですよ。

(赤江珠緒)実弾!

ついに警察側が市民に対し実弾を使用

(町山智浩)それで死者が出るんですね。でもうこれは、戦うしかないって事で、今度は火炎瓶を作っていきます。デモ隊の方が。そしたらですね、そこあたりからがすごいんですけども、芸能人の人達どんどんそのデモ隊に参加していきます。今ね、ゼレンスキーというウクライナの大統領でロシアと戦ってるあの人はこの間までコメディアンをやってた人ですからね。お笑いの人なんですよね。

(赤江珠緒)そうですね、うん。

(町山智浩)でも、この2013年から2014年にかけての反大統領の抵抗もですね、1番の国民的歌手とかロックバンドとかがどんどんどんどんそのデモ隊に参加してくんですよ。で食料とかを援助したりね、して。この辺がね、まぁ日本の人達は見てほしい所なんですね。芸能人とかテレビ出てる人達が積極的にここへ参加していく訳ですよ。で、こうなってくるともう大統領側も、これはもう徹底的にやるしかないっていう事でまず、「デモ禁止法」っていうのを作っちゃうんです。議会をね支配しちゃってて、大統領側が。デモ隊が例えばヘルメットを被っていたらそれで逮捕していいっていう法律を作っちゃうんですよ。

(赤江珠緒)はぁはぁ。

引用:IMDb.com

デモ隊が例えばヘルメットを被っていたらそれで逮捕していい

(町山智浩)そう、だからヘルメットで身を守ることはできないんで、毛糸の帽子とか被っていると、ボコボコに殴られる訳ですね。で怖いからってヘルメットを被るとそれで逮捕されちゃうんです。で、それに対してデモ隊がどう抵抗したか?鍋を被るんですよ。

(赤江珠緒)ほ〜お!

(町山智浩)お料理の鍋を。家から持って来て。鍋だったら逮捕はできねえだろって事ですね。これもすごいです。あとね、宗教関係者が次々と参加していきます。

(赤江珠緒)あっ、デモに?

(町山智浩)はい。デモに。ウクライナはいわゆる東方正教会なんですけども、そこの司教さん達がですね、聖書を持ってデモに参加するんですよ。で、彼らを、怪我した人達を保護する為に教会を解放しますと。これもすごいですよね。これね、デモ隊の人達が警官隊に殴られそうになると、その間にね聖書を持った司教が入ってくるんですよ。でもやっちゃうんですけどね、警官隊は司教を殴ったりしちゃうんですけど、あの司教も撃たれていますね。これすごいんですけど、命だけで宗教家の人たちが守ろうとするんですよ、デモ隊を。で、その中で、とうとうですね、もうこれはダメだと思ったと思うんですが、警官達が。そのデモ隊が膨れ上がるの抑えられないと思ったんですね。狙撃用のスナイパーライフルで、市民を1人1人射殺していきます。

(赤江珠緒)いやちょっとちょっと、市民をでしょ?

(町山智浩)はい。

(赤江珠緒)政権側が?

政権側が市民を狙撃し射殺

(町山智浩)はい。そうです。暴動の鎮圧ではなくて、完全に狙撃なんですよ。でね、このねドキュメンタリーがすごいのは狙撃される瞬間がいっぱい映ってます。で、誰かをわざと狙撃して怪我をさせて、足とか撃って倒れると、それに担架を持って助けに来る人がいるじゃないですか。それを1人1人射殺していくんですよ。助けに来た人達を。それは結構、狙撃の基本なんですけど、1人を怪我させて助けに来る人を殺すっていうのは。それを、戦争でやる手段を市民達に対して使うんですよ。100人以上亡くなるんですけど。

(赤江珠緒)狙撃する方も・・市民ですけどね・・。

(町山智浩)市民なんですけどね、まぁ警官ですけども。で、その中でヤヌコビッチ大統領は100人も市民を殺したから、これはもうダメだと思ってロシアに逃げちゃうんですよ。まぁだって裏切り者ですからね。そこでヤヌコビッチ大統領が倒れて、政権が倒れて、新政権が出来るって事で、ウクライナはここで初めて本当にロシアから独立したんだと。いう事になるのがこのマイダン革命で、”マイダン”っていうのは”広場”っていう意味なんですね。それを最初から最後までこう捉えている映画がこの『ウィンター・オン・ファイヤー』っていう映画で。これを見るとですね、何故こんなに今、ロシアに対して市民が戦えるのがよくわかるんです。彼らは素手で、スナイパーライフルを持ってる警官隊と戦った経験が8年前にあるんですよ。

(山里亮太)そうか・・!

(町山智浩)だからロシアと戦えるんですねウクライナの人達は。それに命がけで本当に血を流して100人以上の人の命を犠牲にしてやっと勝ち取った、掴み取ったロシアからの独立と自由だから、そう簡単に手渡しませんよこれは。

(山里亮太)そうですね。

引用:IMDb.com

だからウクライナの人はロシアと戦える

(町山智浩)というね、映画・・というかドキュメンタリーなんですけども、その中でね、すごく感動的で、これは日本でもテレビで紹介されたんですが、そのマイダン、広場でですね、今ピアノが流れて来てるんですけれども、バリケードの為にピアノを置いといたら、そのピアノで20歳ぐらいの学生さん、女性の学生さんがピアノを弾き始めるんですよ。で、弾いているのはショパンの『革命』なんですね。

〜音楽〜

(町山智浩)このね、革命を弾いたっていう事はすごく意味があって、ショパンっていうのはポーランド人だったんですけども。祖国ポーランドはやはりロシアに占領されたんですよ。で、ポーランドの人達が立ち上がって革命を起こした事について歌ってるんですね、あ、この曲はね、それを表現してるんですけども。それをこの女性ね、その時に音楽学校の女子学生だったアントワネッタ・ミシチェンコさんっていう人が弾き始めると、それまでは銃撃してたような警官隊も、みんなね、黙ってこれを聞くんですよ。これはね、音楽の力ってものがすごくよく分かるシーンでしたね。という事でね、この『ウィンター・オン・ファイヤー』ね、今Netflixで見れますけども、これ是非見てもらうと、何故ウクライナの人が戦えるのか。8年前に戦ったんですよ!

(赤江珠緒)そうですね。そしてその『赤い闇』聞いても何度も何度もロシアは来てるんですね。

(町山智浩)そう。この2つを見ると、どうしてロシアが、彼らがそんなに従わないのかね、あっさりと。それと何故戦えるのかが非常によく分かる映画なんで、是非ご覧頂きたいと思います。

(赤江珠緒)『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』は各配信サイトで今見る事ができるとなっておりますね。そして『ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘い』は、Netflixで配信中です。本当ね、もうアメリカの方の世論もどうなんですか、町山さん。

(町山智浩)直接の対決はやっぱり恐れてますね。米露戦争になったら世界の終わりですからね。すごく難しい所ですね。

(赤江珠緒)ねぇ。はい。町山さん、ありがとうございました。

(山里亮太)ありした!

(町山智浩)どうもでした。

※書き起こし終わり

○○に入る言葉のこたえ

⑨それに対してのウクライナのデモ隊の対抗策は鍋を被る事だった

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