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オフィサー・アンド・スパイの町山智浩さんの解説レビュー

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2022年05月20日更新
何が正しい、何が間違ってるとかね。まぁ、あらゆる色んな問題がこのドレフュス事件とこの映画『オフィサー・アンド・スパイ』には詰まってると。いう事で問題作ですね。はい。(中略)本当に色々複雑でね。なんとも言えないんですが。ただ、この『オフィサー・アンド・スパイ』っていう映画は非常に美しくて、素晴らしい映画でしたね。(TBSラジオ「たまむすび」より)

映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)で、『オフィサー・アンド・スパイ』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。

町山さん『オフィサー・アンド・スパイ』解説レビューの概要

①フランス映画『オフィサー・アンド・スパイ』
②オフィサーは○○○の事
③世界の歴史を変えた大事な事件、ドレフュス事件の映画化
④陸軍情報部がズサンな所だった
⑤ユダヤ系のドレフュスを証拠なしでスパイと決めつけた
⑥国家ぐるみのデタラメを告発するも、もみ消されてしまう
⑦ロマン・ポランスキー監督もユダヤ人

※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。

フランス映画『オフィサー・アンド・スパイ』

(町山智浩)今日ご紹介する映画は、もうすぐ公開の映画で、フランス映画なんですが、『オフィサー・アンド・スパイ』という映画です、はい。で、フランスで大ヒットして色んな賞を取ったりしてるんですけども。6月3日から公開ですね。で、『オフィサー・アンド・スパイ』の”オフィサー”というのは軍隊の士官の事ですね。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)で、”スパイ”はスパイですが。(笑)これは1894年にフランスで実際に起こったドレフュス事件という事件の映画化です。はい。これ聞いた事あります?

(赤江珠緒)いやドレフュス事件・・ちょっと存じ上げないのですが。

(町山智浩)これは実はその後の世界の歴史をものすごく大きく変えた大変な事件なんです。

(赤江珠緒)えぇー!

引用:IMDb.com

世界の歴史を変えた大事な事件、ドレフュス事件の映画化

(町山智浩)この事件があったかなかったかで、その後の世界の歴史は変わってるんです。で、これはですね1849年にフランスの軍人のアルフレド・ドレフュス大尉がですね、隣のフランスの隣の国のドイツに大砲に関する情報を売っていたという事で、陸軍の情報部。だからCIAみたいな所ですね。そこに告発されて、ドレフュスさんはスパイ容疑でですね有罪になるんですよ。で、この映画はですねそのドレフュスさんが公衆の面前で、みんなものすごい人が集まってる所で、軍服から階級章を引きちぎられてですね。軍刀、あの刀ですね、サーベルを折られて軍の帽子、軍帽を破られて、軍人としてのですね身分を全部剥奪されて刑罰を受ける所から始まるんですよ。

(赤江珠緒)えぇ・・うん。

(町山智浩)でドレフュスさんはその後ですね、南米にあったフランスの領土のギアナっていう所にあった悪魔島という絶海の孤島に島流しになります。

(赤江珠緒)あら・・うん。

(町山智浩)そこはですね、脱獄不可能で、脱獄した人は”パピヨン”と言われてる人1人しかいないという所に送られるんですね。

(赤江珠緒)パピヨンよく脱獄できたね、へぇ!

映画「」のポスター
映画「」のポスター

(町山智浩)それ映画になってます!スティーブ・マックイーン主演で。その脱獄もすごいです、はい。ただこの映画はですね、『オフィサー・アンド・スパイ』はオフィサー、つまり士官の人が主人公になるんですが、その人はドレフュスじゃない軍人なんですよ。ドレフュスが有罪になった後に、その彼を有罪にした陸軍情報部の長官に任命されたピカール中佐という人が主人公です。

(赤江珠緒)ふんふんふん。

(町山智浩)で、このピカールさんがですね、その情報部に入ってみるとですね、まぁデタラメなんですねそこは。もう機密の保護とか全然してないし出入りは自由だし文書の保存とかしてないし、もうズサンな所だっていうのがわかるんですよ。

(赤江珠緒)ほう。

陸軍情報部がズサンな所だった

(町山智浩)で、このドレフュスがですね、ドイツの大使館に情報を売ってたと。手紙のやりとりをしてたとしてドイツ大使館に忍び込ませていた掃除のおばさんから、その破った文書を拾わせて、それを証拠としてですねドレフュスを有罪にしたんですが、その証拠の手紙っていうのも筆跡を見たら明らかにドレフュスと違うんですよ。

(赤江珠緒)ええっ!?

(町山智浩)全然違うんです。完全に冤罪で、別に犯人がいるんですよどう考えても。

(山里亮太)えっ!!えっ!!

(赤江珠緒)あーららら。

(町山智浩)で、「なんだ、これ?」っていう事でこのピカール中佐がですね。これはどうして起こったんだと。いう事で周りの人達に聞いてくと、ドレフュスという人はユダヤ系だったんですね。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)でユダヤ系だったんで、どうもこいつだろうっていう事で適当な、なんていうかまぁ証拠なしで、差別と偏見で彼がスパイだと決め付けちゃったんですよ。

(山里亮太)えぇっ!

引用:IMDb.com

ユダヤ系のドレフュスを証拠なしでスパイと決めつけた

(町山智浩)しかもそれがですね。報道されると、この冤罪に非常に差別的な右翼的な新聞が飛び付いてですね、「ユダヤ人はスパイだ!危険だ!」という記事を、まぁキャンペーンをやったんですね。で、そのフランスにいたユダヤ人に対するその・・ユダヤ人とか移民とか、そういった人達に対して反発する人達が大騒ぎして、政府もそれに乗っかるという事で、国家ぐるみのデタラメな事が行われていたという事がわかって。で、このピカール中佐は、全部わかりましたと。証拠は全部これですと言って、自分の上司である陸軍大臣とか、そのトップにいる大統領にそれを提出するんですよ。

(赤江珠緒)うんうん!

(町山智浩)そうすると政府の方はですね。「お国が間違ったという事になると、政権の威信に関わるから黙ってなさい。」っていう事で、もみ消される事になっちゃうんですね。

(赤江珠緒)ええっ・・。

(町山智浩)という事件がドレフュス事件なんですけども。これがですね、フランスにとって非常にそのなんて言うか歴史上の汚点となってるんですよ。

(赤江珠緒)まぁ完全に間違ってますもんね。

(町山智浩)はい。で、1番大きいのはですね、フランスは1940年にナチスドイツに戦争で負けて占領されるんですけども、そこからフランス国内でのユダヤ人狩りというのが始まって、フランスはドイツに占領されたから仕方なくユダヤ人狩りをしたんだっていう言い訳をしてたんですね。でも、その占領されるよりも40年も前に、フランスではものすごい差別があったって事を証明しているのがこのドレフュス事件なんですよ。

(赤江珠緒)あぁそういう事か。

(町山智浩)はい。元々ユダヤ人差別があった国なんですよフランスは。で、この映画の監督はですね、ロマン・ポランスキーという監督でですね。この人自身もユダヤ人なんですよ。

(赤江珠緒)そうですよね。

(町山智浩)ポーランド人でですね、6歳の時にポーランドがナチスに占領されて、そこから6歳なんですけど子供だったからね。色んな善意の人達の家に匿われて、6年ぐらい生き続けたんですけれども。で、戦争終わって1人生き延びたんですが、親はアウシュビッツで殺されてしまったというのがこの監督なんですよ。だからそのユダヤ人差別に対して、ものすごい怒りを持ってる監督なんですね。

(赤江珠緒)そりゃそうですね、うん。

(町山智浩)でね、このでっち上げ事件というドレフュス事件っていうものはね、すごくこの後、変な展開にどんどんなっていくんですね。このピカール中佐が、告発をしようとしたから逮捕される事になっちゃうんですよ。

(赤江珠緒)え、今度はピカールさんが?

ピカール中佐が逮捕される事に

(町山智浩)何も悪い事してないでしょ。告発したからこいつを黙らせようっていう事で政府から逮捕されそうになるんですよ。で、逮捕されたらこれはもうどうしようもないっていう事でもって新聞にリークするんですね。こういうのがあったと。で、新聞が出るんですけど、逮捕される直前にね。それで記事を書いたのは、エミール・ゾラという小説家なんですね。この人の名前は聞いた事があると思うんですけど、『居酒屋』という小説が大ベストセラーになったんですが、フランス国内の非常に貧しい人達の生活を非常にルポルタージュ形式で徹底的に調べて書いた、自然主義文学という物を確立した大作家なんですね。当時からもう、世界的な作家だったんですが。このゾラさんが新聞の一面に「私は弾劾する」というですね、タイトルの記事で、大統領とか政府に当てて、ドレフュス事件はでっちあげで、その後の隠蔽とか証拠隠滅を政府ぐるみでやっていたと。いう事をまぁ告発したんですよ。で、これでフランスが真っ二つにわかれちゃって。その”ドレフュスは無実だ”という人達と、”ドレフュスは有罪だ”っていうユダヤ人差別的な人達とでもってフランスが二つに分かれて大変な論争になっていくんですね。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)で、あのルノアールという画家がいますよね、かわいい女の子の絵を描いて。

(赤江珠緒)キレイな色のね、うん。

(町山智浩)ねぇ。あの人もその当時ですね、ドレフュスとかユダヤ人、あんな奴は出てけ!っていう事を言ったりしてるんですよね。

(山里亮太)へぇ〜〜!

(赤江珠緒)なんかすごく平和的な絵を描いてるイメージですけどね。

(町山智浩)そうなんですよ。だからやっぱり差別意識があったんですよ。その人の中にもね。はい。で、どうしてそういう事になっちゃうかと、これもまたややこしくてね。なぜそのドレフュスみたいなユダヤ系の人がフランスにその頃いたのかと、言うと、彼はアルザスという地方の人なんですよ。これ、『最後の授業』という有名な話を聞いた事ありますかね?

(赤江珠緒)ありますね。うん。

(町山智浩)あれアルザスの話なんですよ。あそこはドイツとフランスの国境なんで、ドイツになったりフランスになったりする所なんです。

(赤江珠緒)ほーお。

(町山智浩)で、『最後の授業』っていうのはだからドイツ語の授業が最後になっちゃう時の話かな?逆だっけ忘れた、まぁいいや。だからドイツになったりフランスになったりしてるから、そこにいたユダヤ人なんで信用されない訳ですよ。ドイツの仲間なんじゃないかっていう風に思われるんです。

(赤江珠緒)はーーなるほど。

(町山智浩)すごくもう複雑な事情があってですね。で、ゾラも世界的な作家なんですけれども、政府に対して、まぁこういう隠蔽をやってる!って言ったら、それに対して政府はどうしたと思います?政府っていうかまぁ、政治家たちは。

(赤江珠緒)ええっ?やってるって言ったら政治家達は・・?

(町山智浩)名誉毀損で彼を訴えたんですよ。

(赤江珠緒)また?

(山里亮太)そっちか。そりゃ潰しに来るよね絶対。

引用:IMDb.com

日本でも同じような事が起こりえる

(町山智浩)これ、とんでもない話で、いわゆるスラップですね。で、有罪になっちゃうんですよゾラは。で、これね、アメリカではこういった事は禁止されてるんですよ。日本ではその法律がないんですが、アメリカでは政治家とか、公務員であるとかですね、政権とかそういった人達を批判する記事に関しては、公益性があるので。つまり、世間にとって大事だから、人々にとって大事だからそれを名誉毀損で訴える事はできないという法律があるんです。

(赤江珠緒)あ〜・・そっかそれ言いますね、うん。

(町山智浩)はい。反スラップ法というのがあって、いくつかの州にあるんですね。まぁ殆どの州にあるんです、30州ぐらいあるんですねアメリカは。これ、その当時のフランスにはなかったんですよ。つまり名誉毀損で黙らせる事ができるんです権力者とか、自分が批判された時に。これ、日本にも実は反スラップ法はないんです。日本はジャーナリストとかが政治家とか政府を批判した時に、名誉毀損でやられる可能性があるんですよ。

(赤江珠緒)そうなると、萎縮していきますもんね。

(町山智浩)はい。これ100年以上前のフランスなんですけど、日本は今でもその状況だっていう事をちょっと覚えていてほしいんですけど。で、この後にドレフュス事件に関わった人達がですね、捏造に関わった役人が自殺したりって、よくある話ですね、日本でも。今でもあります。100年前にフランスであった事が今でも日本であるんですけど。あとまぁドレフュス側の弁護団の人が、右翼に襲われて銃撃されたりとかですね。どこかで聞いたような話ばっかりなんですが。という事が起こって、どんどん大変なですね、フランス中を揺るがす大事件になっていくという話がこの『オフィサー・アンド・スパイ』なんですね。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)で、これね、日本ではね、実は1930年にすごく大きく、ちゃんと取り上げられたんですよ。大佛次郎さんっていうジャーナリストがいるんですけど、『天皇の世紀』とかで有名な人ですけど、フランスでこういう事件が起こってるって事を日本に紹介してるんですよね。これは大変な事だ、ユダヤ人差別っていうひどい事があるぞ!って言ってるんですけどその後日本は、ユダヤ人を虐殺するドイツと手を組んだりするんですけどね。

(赤江珠緒)あ〜・・そっか。。

(町山智浩)わずか10年ちょっと後で。10年くらい後だ。だから色んな問題がね、この映画の中には含まれていて、1番・・じゃぁ何故、これ現在と関わっているかって言うと、これを見ていた1人のジャーナリストがいるんですよ。ハンガリーから来たジャーナリストが。で、ドレフュス事件を取材していくうちに、証拠が何もないのに、ユダヤ人だというだけで、あんなやつを追い出せ!あんなやつ有罪でいいんだっ言ってる人がこんなに多いんだっていう事を知って愕然とするんですね。そのハンガリーから来たジャーナリストは、テオドール・ヘルツルという人なんですが、で、彼自身がユダヤ人なんで、怖くなっちゃうんですよ。これは大変な事が起こってると。これね、実はその頃オーストリアのウィーンでは”ユダヤ人を差別しない”っていう法律ができて、ユダヤ人の人達が匿われたりしてた状況があったんですけど。これもいつひっくり返るかわからないぞと。

(赤江珠緒)あぁ・・。

(町山智浩)もう一瞬にして、差別っていう物は爆発するんだと。怖い!っていう事に気がついて、このヘルツルという人は、もうダメだと。ユダヤ人はユダヤ人の国を作らないと殺されてしまうと。で、実際にその彼の危惧は当たる訳ですけど、そのわずかね。40年後にホロコーストが起こるんでね。

(赤江珠緒)そうですね、うん。

(町山智浩)で、このヘルツルさんは、ユダヤ人国家を作るんだと。つまりはパレスチナのある所に戻ってユダヤ人が。で、イスラエルを作るんだっていう事を初めて言った人なんですよ。

(山里亮太)えぇっ。

イスラエルを作る

(赤江珠緒)あ〜、そうか。

(町山智浩)この人が言わなければ、イスラエルっていう国は生まれなかったんですよ。だからこの歴史を変えたっていうのはそこなんですよ。つまりドレフュス事件があったから、怖いっていう事でイスラエルっていう国を作ろうという事になって。だからもし差別がなかったらイスラエルを作らなくて済んだんですよ。

(赤江珠緒)でもそこまでも、やっぱりヨーロッパの色んな地域でユダヤ人というのは差別されてる状況だったんですか?

(町山智浩)ユダヤ人がなぜ差別されてるかって言うと、実はその紀元1世紀にですね、ユダヤ王国って言うのがあったんですけど、パレスチナにね。そこがローマ帝国内にあったんですよ。ところがまぁ、完全な独立をしたいって事で、ローマ帝国に逆らったんで、ローマ帝国に潰されて国が完全に消滅してしまって、そこに住んでたユダヤ人たちがヨーロッパ全土に住まなきゃなんなくなっちゃったんですよ。彼らは難民なんですよ実際は。今難民、どれだけいて差別されてるかって事ですよ、世界中で。難民問題の、世界最初の難民問題と言ってもいいぐらいなんですよユダヤ人問題っていうのは。

(赤江珠緒)あぁ、そうか。

(町山智浩)その後2000年続いたんですよ。ユダヤ人難民問題っていうのは。

(赤江珠緒)今もなお、ね。そうですね。

引用:IMDb.com

ウクライナでも同じ事が起きそうになっている

(町山智浩)だって今ウクライナっていう国が消滅しそうになってるじゃないですか。そしたらウクライナの人達は世界中に散らばるんですよ。ユダヤ人問題っていうのは常にずっとある問題なんですよ。で、またね、この『オフィサー・アンド・スパイ』がまたややこしいのはね、このピカールという中佐がすごく正義の男として描かれてるかっていうとそうでもなくて、結構、なんて言うか女ったらしなんですよ、ハンサムで。で、自分の上司にあたる人の奥さんとエッチしてるんですね。それが途中でバレて、そのドレフュス事件を隠蔽しようとする側に、ピカールというのはスケベ野郎だって事を書かれてマスコミでバンバン叩かれちゃうんですよ。これも現在、ある問題じゃないですか。

(赤江珠緒)そうですね。(笑)なんか、デジャヴ感ありますね。

(山里亮太)100年・・。

(町山智浩)ねえ。彼自身は戦おうとしてる訳ですけど、政権と。すると、シモの方の事で暴かれて叩かれるというね。

(山里亮太)なーるほどねぇ。

(町山智浩)もう今も全部通じてる事なんですね。で、またこのロマン・ポランスキー監督自身がそれをなんでちゃんとここで描いてるかっていうと、彼自身が1970年代にアメリカで未成年の女の子と行為をしてしまって、でその女の子からレイプで訴えられて。で、事実関係はよくわからないんですが、彼はそのままアメリカから逃げて、フランスに逃げてる状態なんですよ。フランスというかヨーロッパにね。だから、フランスでもアメリカでも、こういうレイプ野郎の、ロリコン野郎の事は絶対に許さないって言ってる人達が今もいっぱいいるんですよ。で、これもどうしたらいいかわからない問題なんですよ。だからもう本当にね、すっごい複雑でね。たぶんこの映画は、ロマン・ポランスキーが監督してるから絶対に見ないっていう人は日本にもいっぱいいると思いますよ。

(赤江珠緒)あーそっか・・、そうですか。

(町山智浩)だからもう本当に何が正しい、何が間違ってるとかね。まぁ、あらゆる色んな問題がこのドレフュス事件とこの映画『オフィサー・アンド・スパイ』には詰まってると。いう事で問題作ですね。はい。

(赤江珠緒)これでも、フランスからするとね、ちょっとやっぱり汚点みたいな事件じゃないですか。でも映画としてはヒットしてるんですね?

(町山智浩)ヒットしたんですよ。でもそれでもフランスの女性監督とかで、この映画を評価する事は絶対に許さないと。ポランスキーが監督だからっていう風に言ってる人もいて。

(赤江珠緒)あ〜・・そっちはそっちで、そういう問題で。

(町山智浩)だから非常に難しい問題なんですね。あのチャップリンがですね、『独裁者』という映画でヒトラーのユダヤ人虐殺、まぁその頃は虐殺してるってわからなかったんですけど、ユダヤ人迫害というものを非常に批判した人なんですけど、チャップリンも少女と結婚を繰り返してた人で、絶対に許さない!っていう人達はいるんですよ。で彼も、アメリカを追放されてしまったんですね最終的には。だからね、本当に色々複雑でね。なんとも言えないんですが。ただ、この『オフィサー・アンド・スパイ』っていう映画は非常に美しくて、素晴らしい映画でしたね。

(赤江珠緒)へぇ〜〜!そうですか。いやちょっとその事件の事もね、知っておくべきじゃぁ事件なんですね。『オフィサー・アンド・スパイ』は6月3日からTOHOシネマズシャンテ他、全国公開でございます。まぁでも清廉潔白な人の作品しかダメって言われると、世の中ね。どれだけの人が作品出せるのか、みたいな所も出てきますけどね。難しいですね。かといって、認める訳にもいかないという思いもあるのかぁ。なるほどぉ・・。はい。町山さん、ありがとうございました。

※書き起こし終わり

○○に入る言葉のこたえ

②オフィサーは軍隊の士官の事

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