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引用:IMDb.com

ミセス・ハリス、パリへ行くの町山智浩さんの解説レビュー

2022年10月31日更新
この映画がすごくいいのは、夢についての映画なんですよ。彼女はドレスを持つ、もう超高級なドレスを持っていう夢を持つ事によって、老後真っ暗だった人生が明るくなるんですよ。目指すべき物を見つけたから。(TBSラジオ「たまむすび」より)

映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)で、『ミセス・ハリス、パリへ行く』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。

町山さん『ミセス・ハリス、パリへ行く』解説レビューの概要

①すごくいい映画!町山さんが本当に感動した映画
②1957年のロンドン、家政婦をして働いてきたおばさんが老境に差し掛かる頃の話
③当時のイギリスは階級社会で、たくさんの貧乏な労働者と少しの貴族だけで出来ていた国だった
④社会の中で注目されず、発言権もなく、表に出る事もない自分達の事を”○○○○女性”という
⑤ハリスおばさんは家政婦の雇い主の家でディオールのドレスを見つける
⑥200万円以上するドレスを買う為に奮闘するコメディ
⑦この映画がすごくいいのは、夢についての映画

※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。

『ミセス・ハリス、パリへ行く』町山さんの評価

(町山智浩)今日はですね。すごくいい映画!です。もう本当にね、感動した映画で、『ハリスおばさんパリへ行く』というタイトルの映画を紹介します。これね、僕は今タイトルを言いましたけど、これは原作のタイトルなんですね。日本の映画のタイトルはまだ決まってないんですけど。(日本タイトル『ミセス・ハリス、パリへ行く』に決定しました。)原題は『Mrs. Harris Goes to Paris』っていうそのまんまなんですけど、これ1957年のロンドンから話が始まります。で、主人公のハリスおばさんという人は、ずっと家政婦として働いてきたおばさんで。もうすぐ老境に差しかかろうという年齢なんですね。で、この人は10年以上前にですね、第二次世界大戦で旦那さんが行方不明になっちゃって戦場で。生きてるか死んでるかもわからないと。まぁ子供もいないんで、女手1人で生活してて、まぁあんまりお金がない、貧乏なんですね。当時のイギリスはね階級社会で、ものすごくたくさんの貧乏な労働者と、ものすごく少しのですね貴族だけできていた国だったんですよね当時は。

引用:IMDb.com

当時のイギリスは階級社会で、たくさんの貧乏な労働者と少しの貴族だけで出来ていた国だった

(町山智浩)で、そこで彼女は家政婦さんなんですけど、通いの家政婦さんで、いわゆるメイドさんみたいな感じじゃなくて、色んな金持ちの家をバスで周って、掃除や洗濯や炊事全般をしていると。いう仕事の人なんですね。で、ハリスおばさんは朝から晩までずっと1人で頑張って働いてきた人なんですけれども、お花が好きなんですけど、それ以外は特に趣味もなくて、もちろん子供もいなくて、非常に慎ましい生活をして、もうそろそろおばあさんになっちゃうって歳なんですね。で、仕事仲間のね、同じような家政婦をしてる仕事の仲間はこう言うんですね。私たちは見えない女性なのよと。invisible womenなのよって言うんですね。

見えない女性

(町山智浩)で、それはまぁ雇い主の人達が、金持ちの人達が家政婦さんを全然気にしないで、目の前で着替えたりするっていうのだけじゃなくて、社会の中でも決して注目されずに、いるかいないかわかんないっていう感じで、殆ど発言権もなくね、表に出る事もなくされてるんで、”見えない女性”なんだって言うんですけれども。はい。ただ、そんな地味なハリスおばさんがですね、ある日お金持ちのお家で、タンスでドレスを見つけちゃうんですね。

(山里亮太)はい。

(町山智浩)そのドレスがまぁものすごいかわいいドレスで、ちっちゃい花の刺繍でできた、なんていうんですかね、 刺繍ってだけでなくて糸で作られた細工のお花がいっぱい付いてる、すっごい豪華なドレスなんですよ。

(赤江珠緒)へぇ〜!

(町山智浩)で、彼女はお花が好きなんで、あぁなんて素敵なドレスなのかしらってもうウットリと見てると、その家の奥さんがね、それ私のよと。クリスチャン・ディオールという人が作ったオートクチュールなのよって言うんですね。

(赤江珠緒)おー。なるほど。ディオールじゃないですか。

引用:IMDb.com

ディオールのドレスに惚れ込んだハリスおばさん

(町山智浩)そうなんですよ。最高級の注文服で、1人1人体から直接ですね、寸法を取って、一品しかない一点物なんですね。で、この奥さんはわざわざパリまで行って、寸法を取って作ってきた物なんですよ。それを聞いてですね、まぁなんて素敵なのかしらと。奥様このドレスはおいくらなの?って聞いたら、500ポンドって言うんですね。これね、今で言うところの200万円以上らしいんですよ。

(山里亮太)おっ!

(町山智浩)で、このハリスおばさんは、家政婦さんとして働いてて、そんな貯金ない訳ですよ。でもね、ダメだわと思わないでね、あれを私、買うわ!って決めて、めちゃくちゃに働き始めるんですよ。

(赤江珠緒)うわっ!すごい!そこまで惚れ込んで!うん。

(町山智浩)でも、とても届かないんですよね彼女がいくら頑張ってもね。

(赤江珠緒)そりゃ1着200万ですもんね。

(町山智浩)200万なんですよ。彼女自身の年収とあんまり変わらないぐらいなんですよね。で、もう本当に色んな事して、その辺がコメディに・・これコメディですからね!もう本当にドタバタするんですけれども、ある奇跡が起こって。500ポンドを手に入れるんですよ彼女が。

(赤江珠緒)おおっ!

(町山智浩)それで、一生海外旅行なんて夢にも思ってなかったパリに行くんですね、ハリスおばさんは。ただね、これパリに行くとねちょうど清掃局員の人たちがストライキをしていて、街中がゴミだらけだったりするんですけど。

(山里亮太)ははは、憧れのパリが。(笑)

(町山智浩)憧れのパリが。でもパリってね結構汚いんですよ。

(山里亮太)ええっ!

(町山智浩)あのね、うんこ片付けないんで飼い主が。そう、うんこだらけですよパリ。結構びっくりしますよ。

(山里亮太)へ〜!キレイなおしゃれなイメージだった。

(町山智浩)拾えよと思うんですけども。それでハリスおばさんはパリのディオールに行くんですけど。これね、本店って言っても、ショーウインドーとかないんですよ。その頃は要するに既成服を作ってないんですよディオールは。

(赤江珠緒)あっ!そういう事か!既製服じゃなくもう自分達のオーダーだから。

当時のディオールは既製服を作っておらずオーダードレス

(町山智浩)そうなんですよ。そこにね、潜り混んじゃうんですね、ハリスおばさんが。すると、あんたなんですか?って、そのハリスおばさんの服を見てディオールのマネージャーの人がね、あなたのような人の来る所じゃないですよ。って言うんですよ。ここは私達が招待した、ごく少数のご婦人方が私達がやるファッションショーを見て、それで、これがいいわって言った物を一品だけ作るという所なんですと。この頃ね、いわゆるそのパリコレってあるじゃないですか。ファッションショーで。あれは、一般の人に開かれてるんですけど、それは最近の事なんですよね。

(山里亮太)ええっ!

(町山智浩)この当時は、ファッションショーという物は、ごくごく少数の大金持ちの人達だけを密室に集めて見せてた物なんですよ。

(赤江珠緒)わー、、うん。

(町山智浩)そこに来て、あんたみたいなおばさんの来る所じゃないんですよと言われるんですけど、いきなりここでね、ハリスおばさんね、いきなり現金を出すんですよ。

(赤江珠緒)うわ、すごい!

(町山智浩)買えるだけのお金、私持っているわよ!って。一生懸命、家政婦として働いて稼いだお金よ!って言うんですよ。そうするとそれをね、ちょうど見てて聞いてた人達が、そのディオールでドレスを作ってるお針子さんたちなんですよ。

(赤江珠緒)ふんふん。

(町山智浩)で、彼女達もやっぱり”見えない女性”達なんですよ。ディオールのドレス見て、それを実際にチクチク縫って作ってる人の事なんて、全然みんな気にしない訳ですよ。だから彼女達、お針子さん達はもうこのハリスおばさんを応援するんですよ。頑張れー!って感じで。自分達も一生自分達が作ったドレスを持てないかもしれない訳ですから。で、そこでまた奇跡が起こって、このハリスおばさんはこの個室のショーケースを見る事ができて、なおかつですね、ドレスを注文することができて・・それからフィッティングにね、1週間かかるんですよ。大変なんですよ。

(赤江珠緒)わーーすごいそれは本当に・・敷居が高い買い方だったんですね。昔はもっともっとね。

引用:IMDb.com

フィッティングに1週間

(町山智浩)そう。でね、これね本当に当時はドレスっていうのは本当にこうやって一品物で、1個作ると他に絶対に2個は作らないんですよ。被っちゃうとまずいから。

(赤江珠緒)あー・・。

(町山智浩)今ハリウッドスターですからドレスが被ったりして笑われてるけど、当時は絶対にありえなかったんですよ。

(赤江珠緒)そっか。社交界に行く時に被ったりしたらありえないと。

(町山智浩)ありえないから。でまぁ、本当に今と全然違うのは、当時ねデパートはもうあるんですけれども、まだまだデパートでも当時は寸法を測って作ってたんですよね。で、既製服ってそんなにまだまだ一般化してなくて、僕が子供の頃まだ、既製服ってそんなになかったですよ。

(赤江珠緒)あ〜。。でも確かにうちの親世代とかも、やっぱり自分でデザイン見せて作ってもらわないとって言ってましたね。

(町山智浩)そう。服はね、作ってたんですよみんな。庶民も。自分達でね。で、そういう型紙がいっぱい付いてる雑誌がいっぱい出てまして当時。それこそ『ドレスメーキング』とかね。

(赤江珠緒)そうそうそう。昔の母親の見てる雑誌とか確かに型紙ついてましたね。

(町山智浩)そう。で、子供の服は基本的に親が作ってたんですね。

(赤江珠緒)そうそうそう。

当時は既製服があまりなかった

(町山智浩)女の子は特に。で、アッパッパってあったの、覚えてますよ?

(赤江珠緒)あ〜覚えてます。

(山里亮太)あっぱっぱ・・?

(町山智浩)あ〜知らないか。夏の服なんですよ。

(赤江珠緒)なんかね、おばさんとかそう、スースーしてこう着やすいから、ガバッと被るようなドレスみたいな。サマードレスみたいな。

(町山智浩)そうそう。立体裁断じゃないから、ああいうのみんな、夏服は基本的に自宅で作ってたんですよ。

(山里亮太)『カンフーハッスル』でおかみさんが着てたやつかな?

(町山智浩)そうそう。ああいう奴ああいう奴。デパートとかで出来あいのその吊るしの服を買うっていうのは、実は最近のことですよ。

(山里亮太)へぇ!

(赤江珠緒)そうか。吊るしって、そうですね。

(町山智浩)で、僕のおじいちゃんとかね、母方のおじいちゃんはね江戸っ子でね。日本橋の蛎殻町で魚屋をやってたんですけど、イギリス製の生地で1着だけ、スリーピースを持ってたんですね。

(山里亮太)かっこいい!

(赤江珠緒)ああ〜!もう生地から自分で選んで。

(町山智浩)そうそう、生地から選んで作ってもらうっていう。で、1着だけすごい一張羅ですけど、すごい高級な物を持ってるっていうのは結構ね、昔の日本人の庶民の結構あり方だったですね。女の人はお母さんとかは1着だけすごい着物を持ってるんですよね。それは親からもらったもんだったりね、して。男もいい靴とかを、靴を直してね、何代も履くんですよ、昔は。その代わり、1足が何十万円もするんですけどね。最初に買うお金が。そういう時代だった頃の話ですよ。使い捨てファッションってのはなかったんですよ、当時はね。

(赤江珠緒)そうですね。うん。

(町山智浩)で、そこでいじめられながらね、ハリスおばさんはドレスを作ろうとするんですけど。するとまたあのマネージャーが意地悪をするんすよ。あなたね、そのドレスを手に入れた所で、どこに着ていくの?って言うんですよ。

(赤江珠緒)うわ〜、嫌なことを言う〜。

(町山智浩)ね、あなた舞踏会とか行くの?オペラ座とか行くの?とか言うんですよ。

(山里亮太)わ〜やだもう。

(町山智浩)エスコートしてくれる男性はいるの?とか言うんですよ。

(山里亮太)わ〜もう、典型的な。(笑)

引用:IMDb.com

ドレスを着てどこへ行く?

(町山智浩)でもね、ハリスおばさんはそんな事考えてもいなかったんですよ。ただ素敵なドレスが着たかった、それだけだったんです。

(山里亮太)いいねぇ。

(町山智浩)でも、それでもいいじゃないですか。ねぇ。人の事なんて考えなくてもね、自分が着たい物を着ればね。で、こういう非常に自由な心のおばさんなんで、彼女が入ったディオールと、その彼女が接した人達がどんどん逆にハリスおばさんの影響を受けていくんですよ。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)そう。凝り固まったねぇ、階級意識の、凝り固まった人達がだんだん彼女によって、心をほぐされていくっていう話なんですよ。でね、これね非常に大きい歴史的背景があって、1957年なんですね。で、1955年ぐらいにロックンロールが出てきて、そのエルヴィス・プレスリーが出てくるんですけども。そこから世の中って大きく変わってくんですよ。つまり、ポップカルチャーっていう物が出てくるんですね。”ポップ”っていうのは”ポピュラー”って意味なんですけど。大衆っていう意味なんですね。それまで階級社会はもう本当にたくさんの貧乏な労働者と、ほんのちょっとの金持ちだけに分かれてたんですけど、その中間の中産階級っていう物がどんどん生まれてくるんですよ戦後に。

(赤江珠緒)あ〜〜そうだ、前もね町山さん仰ってたね、それね。

(町山智浩)そう。それがどんどん大きくなってって、日本でもアメリカでもヨーロッパでも、それが最大の消費者になってくんですよ。そこで出てきたのがプレタポルテなんですよ。高級既製服なんですよ。そう。中産階級が出てくるから、彼らが買う服を買うために、その商品を作っていくんですよね。で、この時代はそういう時代になる直前の話なんですよ。革命が起こる直前なんですね。で、その革命を起こすキッカケがこのおばさんっていうとこがいいんですよ。

(山里亮太)わー!

中産階級ができ、既製服が出来る革命のキッカケがハリスおばさん

(町山智浩)で、このハリスおばさんさんを演じる人はね、レスリー・マンビルさんっていうベテラン女優さんで現在66歳かな?なんですけど。この人この前に出ていた映画がね面白くてね、『ファントム・スレッド』っていう映画に2017年に出てるんですけども、この映画の中では1950年代、全く同じ頃ですよ。の、ドレスメーカーの話なんです。『ファントム・スレッド』は。

(山里亮太)真逆の!

映画「」のポスター

(町山智浩)真逆なんです。そのドレスメーカーのマネージャーの役なんですよ。今回いじめられてるんですけど。

(赤江珠緒)じゃぁ逆の立場の!

(町山智浩)逆の立場で両方やってるんですよ。だからね、女優ってすごいな〜と思って。両方できるんですよね。この人はもう名優でね、アカデミー助演女優賞候補にもなっている人なんですけど、まぁ彼女が素晴らしいんですね。でね、何度も何度もくじけるんですね、いじめられてね。で、くじけるんですけど、その諦めるかける時もあるんですよ。もうドレス私には作れないんだと。ただその時に、お針子さんたちが一生懸命にドレスを作るのを見るんですよ。一針一針、丁寧に縫ってね。で、職人技なんだと。これは単なる服じゃなくて芸術品なんだと。それは、私と同じような、見えない女の人達が作ってるものなんだと。それがわかって、「絶対にこの服を、私は買うわ!って決意するとこもなかなかいいんですよ。

(赤江珠緒)ほうすごい!へ〜!

(町山智浩)もう遠い物だと思っていたんだけど、そうじゃないんだと。私達みたいな人がが作ってるんだと。という風に思うとこがすごくまた良くてね。ただね、このディオールがそういうお針子さん達を解雇しなきゃなんない状況になってくんですよ。

(山里亮太)え!

(赤江珠緒)あら?

(町山智浩)経営が良くなくなっちゃってんですね、実はディオールは。ていうのはさっき言ったみたいに中産階級がどんどん出てくるんですけれども、金持ち階級は逆に少しずつ没落し始めるんですよ、この頃。

(赤江珠緒)そっかぁ。。

引用:IMDb.com

ディオールの経営が傾いていく

(町山智浩)で、仕事が段々段々減ってくるんですね。オートクチュールの超高級服はね。で、超金持ち達が舞踏会をするような貴族的な文化っていうのは段々段々減ってくんですよ。大衆化してくんで社会全体が。だからディオールは経営がちょっと良くなくなっていくんですよこの頃。で、どうなるかっていうと、そこでディオールの若手デザイナーで、眼鏡をかけたハンサムなアンドレという青年が出てきて。で、いじめられているハリスおばさんに一生懸命味方してくれるんですよ。自分の部屋に住まわせてあげてね、その1週間フィッティングをしている間。で、このアンドレという若手デザイナーはですね、サルトルの・・フランスでその頃人気だったサルトルの実存主義を信奉してるんですね。

(赤江珠緒)おー!ほうほう。

(町山智浩)実存主義というのは、人間は生きる為には、世の中を変えなければ意味がないっていう哲学なんですよ。ただ生きててもしょうがないと。社会を変革する事に参加しようっていう哲学なんですよね。で、それを読んでるんですよ、このアンドレという人が。それで、実はこのアンドレのモデルはイヴ・サンローランなんですよ。

(赤江珠緒)へぇ〜!

(町山智浩)イヴ・サンローランてのは17歳かなんかでディオールの弟子になって21歳でトップデザイナーになるんですよディオールの。彼は本当に実存主義に影響されて、庶民の為のブランドを出そうって事で、初めてその高級既製品服のプレタポルテを始めるんですよ。66年に。

(赤江珠緒)それがサンローラン?イヴ・サンローラン!?へー!

(町山智浩)それは、こういうお洒落っていう物は、全ての人に開かれるべきだっていう革命的思想だったんですよ。

(赤江珠緒)へぇ〜お洒落にも歴史があるな。

(町山智浩)歴史があるんですよ実は。で、それにハリスおばさんが実は関わってたって話なんですよ。すごい話でね。実はすごい深い話になっててね。で彼女は実は料理もできてね、お掃除も得意で、とにかくもう色んな能力があるんだってことを段々みんなが知っていくとこもすごくいいんですけどね。でこれね、『ハウス・オブ・グッチ』っていう映画を前に紹介したんですけど。

映画「」のポスター

(町山智浩)あれは完全に逆方向の映画で、大衆化することによってグッチというブランドの職人技が滅んでいくっていう話だったんですけど。この辺は難しいんですよね。

(山里亮太)なるほど。どっちがいいのか。

(赤江珠緒)ほんとですね、うん。

(町山智浩)どっちがいいのかね。完全に大衆化しちゃうと、ものすごい高度な職人技というものは滅んでしまうんでね。すごく難しいんですけど。ただね、この映画がすごくいいのは、夢についての映画なんですよ。彼女はドレスを持つ、もう超高級なドレスを持っていう夢を持つ事によって、老後真っ暗だった人生が明るくなるんですよ。目指すべき物を見つけたから。

(赤江珠緒)その一点突破ですもんね。ドレスってだけでね。

(町山智浩)そうなんですよ。でも、60過ぎて、もう人生終わりかけてた時に夢がなかったら生きてくのはつらいですよ。だからこの間、紹介した『ファントム・オブ・ジ・オープン』に非常に似てるんですよ。あの『ファントム・オブ・ジ・オープン』っていう映画はほら、定年まで身を粉にして働いてきた港湾労働者のおじさんがね、老年に足を踏み入れて、俺の人生は一体なんだったんだ、何もないじゃないかと思った時に、ゴルフをやろう!って決めて。

(赤江珠緒)全英オープンに出ちゃうんですよね。

(町山智浩)そう。全英オープンに出ちゃうという、とんでもない話なんですけど。で、やっぱりあのハリスおばさんと同じで、貧乏人をつまはじきにするゴルフの世界にいじめられながら無理矢理入ってくっていう話でね、すごくよく似てるんですよ。どっちもね。本当に夢についての映画で、なんて言うか、決して届かない夢でもいいじゃないかと。その夢を見る事で人は生きていけるんだから。還暦を過ぎて夢見たっていいじゃないか。なんといのかな、こう、夢がないまま生きてくのはね、夢にたどり着けないけど夢見ながら死ぬよりもずっとつらいことですよ。

(赤江珠緒)か〜・・なるほどなぁ。

(山里亮太)確かに。

(町山智浩)というね、素晴らしい映画がこの『パリスおばさんパリへ行く』なんですけども。日本では東宝東和が給権を持ってるんすけど、公開予定に入ってないんで早く公開しろと思いますね。

(赤江珠緒)わ〜〜本当ですね、見たい見たい!

(山里亮太)えっ!!これはなんか、色々と感じる事ができそう!たくさん。

(赤江珠緒)また町山さんの情報を参考に、日本公開してほしいですね。

(町山智浩)はい。イヴ・サンローランのこととかね。ということで、本当に夢と勇気をくれる、もう本当に素敵な映画でした。はい。

(赤江珠緒)聞いてるだけなんかワクワクする感じでしたね。

(山里亮太)ね〜見たくなるね!

(赤江珠緒)『パリスおばさんパリへ行く』はまだ日本では公開未定という事です。

(山里亮太)お願いします!

(赤江珠緒)町山さん、ありがとうございました!

(町山智浩)どもでした!

(山里亮太)ありしたーっ!

(町山智浩)はいはい〜。

※書き起こし終わり

※映画タイトル『ミセス・ハリス、パリへ行く』2022年11月18日に日本公開が決定しました!

○○に入る言葉のこたえ

④社会の中で注目されず、発言権もなく、表に出る事もない自分達の事を”見えない女性”という

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