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引用:IMDb.com

おやすみ オポチュニティの町山智浩さんの解説レビュー

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2023年01月16日更新
アルツハイマーなんですよ、一種の。認知症を起こすんですよロボットが。(TBSラジオ「たまむすび」より)

映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)で、『おやすみ オポチュニティ』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。

町山さん『おやすみ オポチュニティ』解説レビューの概要

①今年のアカデミー賞”長編ノミネート賞”にノミネートされるだろう作品3本
②”オポチュニティ”っていうのは○○○○の名前
③スピルバーグとルーカスが組んだ大作映画
④火星に着陸し探索を始めた探査ロボットが15年活動したというドキュメンタリー
⑤太陽光電池で動くので、朝おはよう、夜おやすみと言う、家族のような愛着がわく

※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。

※1つ前の記事

→『ファイアー・オブ・ラブ 火山に人生を捧げた夫婦』町山さん解説

『おやすみ オポチュニティ』町山さん解説書き起こし

(町山智浩)次はアマゾンプライムで配信中の、『おやすみ オポチュニティ』というね、ドキュメンタリーなんですが。これ”オポチュニティ”っていうのはロボットの名前です。2004年の1月25日にアメリカのNASAが火星に向けて打ち出して火星に着陸して、探索を始めた探査ロボットの名前がオポチュニティさんっていうんですね。女の子なんですが。で、最初は90日間だけの耐久度しかないと言われていて、90日経ったら、3ヶ月経ったら動かなくなると思ったら、すごく優秀なロボットで、その後も働き続けてですね。2019年2月14日まで15年間も活動したというですね。

(赤江珠緒)えっ、当初と・・予定と全然違うじゃないですか。

(町山智浩)全然違うんですよ。3ヶ月のはずが15年も活動したオポチュニティというロボットのドキュメンタリーなんですけど。これねオポチュニティはカメラ積んでるんですけど、彼女の一人称しかないので火星の中で彼女が、ロボットが活躍してる部分はなんとルーカスフィルムによる特撮CGで映像化されてます。

(山里亮太)えっ。

(町山智浩)すごいんですよそれは。で、この映画自体はプロデュースがアンブリンというスピルバーグの映画会社が制作してて、スピルバーグとルーカスが組んでるんですよ。

(赤江珠緒)ふ〜ん!

引用:IMDb.com

スピルバーグとルーカスが組んだ大作映画

(町山智浩)だから大作なんですけど、でとにかくね、これがすごいのはですね、15年間もNASAの人達はこのロボットの面倒を見ているので、段々家族みたいになってっちゃうんですよ。

(赤江珠緒)そうですよね、なんか健気ですしね。

(町山智浩)そうなんですよ。ロボットだからね、もう働くの嫌とか言わないんですよ。こんな所に1人で置いてきぼりにしてひどいわ!とか言わないんですよ。黙々と働くいい子なので。でね、太陽光電池で動くんですね。太陽光電池で動くんで、昼しか活動できないんですよ。夜になると止まっちゃうんですね。だから毎朝、起こして。おはようって言って起こして、おはようございますって動き始めて、で日が暮れてくると、おやすみオポチュニティって言って夜になると。だからタイトルは『おやすみ オポチュニティ』なんですよ。

(赤江珠緒)はぁ〜!

(町山智浩)でも、毎朝おはようって言って、夜おやすみって言ってたら、家族になっちゃうよね。

(赤江珠緒)それは愛着がわきますよね、うん。

家族のような愛着がわく

(町山智浩)ねぇ。だからだんだんこれでNASAのスタッフがどんどんどんどん、彼女との精神的なですね家族関係が作られていくっていう話なんですよ。これも一種のラブストーリーですね。でね、これ要するに2004年から2019年までだから、2004年の打ち上げ時に、それをテレビで見て憧れた高校生とかの女性とかがですね、そのまま勉強して大学を出てNASAに就職するんですよ。研究者として。

(赤江珠緒)うんうん。

(町山智浩)で、彼達が今度オポチュニティを操作する係をやるんですよ。

(赤江珠緒)わ〜、それは嬉しいでしょうね。

(町山智浩)嬉しいんですけど、その最初のスタッフたちはオポチュニティは自分の娘みたいに思ってるんですよ。でも、後からそれによって育って入ってきたNASAのスタッフは、オポチュニティはお母さんなんですよ。

(赤江珠緒)はぁ〜。

娘のような、お母さんのような

(町山智浩)立場が。だから、お母さんのように扱うんですよ。もうそのなんというか完全に家族の一員になってくんですけど。そうするとどうなるかっていうと、やっぱり15年も経つとどうしても劣化していくんですよ。どうしても例えば腕とかが動かなくなったりね。こう足のタイヤが動かなくなったりするんですよ15年も使ってればね、誰もメンテナンスしない訳ですから。でも、それでもロボットだから。腰が痛いから私はもう歩けないわよとか言わないんですよ。で、彼女の、そのオポチュニティの使命というのは、火星にかつて水があった証拠を見つけるっていう使命があるんですよ。

(町山智浩)で昔水があったららしいんですよ、どうも。

(赤江珠緒)火星に。うん。

(町山智浩)そう。で、それを見つけるために火星中を15年走り回るんですよ。で、もうロボットだからそれしかないんですよ頭の中には。でも、あちこち動かなくなる。でも文句を言わないんで、スタッフがまるで老人の関節炎みたいにですね、こうなんて言うか、意味がないのかもしれないけど、大丈夫?大丈夫?って感じで、まだできる?って感じで大事にですね、コミュニケーション取るんですよ、このオポチュニティと。あと、メモリが入ってるじゃないですか、どうしてもコンピューターの中にね。それも劣化するんですよどうしても。物質だから。そうするとね、短期記憶がなくなってくんですよ。アルツハイマーなんですよ、一種の。認知症を起こすんですよロボットが。これね、これだけ長い間活動したロボットってね、たぶん殆どないので、例として。そういうロボットが老化するっていう事をたぶん実際に検証した例がないんですよね。でもこれは初めてそれがわかるんですけど、そうすると彼女によって育ってきた人達が本当におばあちゃんを扱うように大事に扱っていくんですよ。

認知症を起こすロボット

(赤江珠緒)ほぉ〜。おもしろ。

(町山智浩)そういうね、非常に泣かせる話になってまして。非常に感動しましたね。はい。これがね、『おやすみ オポチュニティ』っていうんですけど、僕見ててね、これアメリカ映画なんでもったいないんだけど、これ松任谷由実さんのね『VOYAGER』をね主題歌でつけてほしかったですね。本当にあの歌がぴったり合うようなね、感動的なね、ドキュメンタリーですね。はい。それが『おやすみ オポチュニティ』でアマゾンプライムなんですが。

3本目いきますけども、3本目はネットフリックスなんです。『クロティルダの子孫たち -最後の奴隷船を探して-』というタイトルなんですね。

※書き起こし終わり

○○に入る言葉のこたえ

②”オポチュニティ”っていうのはロボットの名前

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