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べイビーわるきゅーれの町山智浩さんの解説レビュー

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2023年04月27日更新
僕見れなくて、見たかったんですけど、やっと見れてね。アメリカでね、評価がね、Rotten Tomatoesっていう批評を集めたやつで100%なんですよ。(TBSラジオ「こねくと」より)

映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『こねくと』(https://www.tbsradio.jp/cnt/)で、『ベイビーわるきゅーれ』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。

町山さん『ベイビーわるきゅーれ』解説レビューの概要

①辛口批評サイトRotten Tomatoesでなんと100%!
②殺しがすごい!さらに笑える
③主人公はダメな子ちゃんの10代女子2人
④殺しのシーンに○○力がある
⑤殺しをやっているのに貧困
⑥ベイビーわるきゅーれの制作費はおそらく○○円

※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。

『ベイビーわるきゅーれ』町山さんの評価とは

→『キル・ボクスン』町山さん書き起こし 

(町山智浩)だからコメディがちょっと入ってるんですね。それがね『キル・ボクスン』で。これが韓国映画なんで制作費が結構あって、10億円ですね。8.8ミリオンドルなんで。まぁすごいんですけど。で、3本目がですね、今日紹介する殺し屋映画で、日本映画です。これ『ベイビーわるきゅーれ』というタイトルで、これ既に2021年に公開かな?なんですけども、これアメリカでやっと最近見れるようになったから僕見たんですよ。で、すごい面白かったんですよ!

(でか美ちゃん)今ね、2がね、公開されてるんですよ日本だと。その1作目って事ですよね?

映画「」のポスター

(町山智浩)1作目です。はい。で、僕見れなくて、見たかったんですけど、やっと見れてね。アメリカでね、評価がね、Rotten Tomatoesっていう批評を集めたやつで100%なんですよ。

(石山蓮華)えっ!それって結構辛口なサイトとかじゃなかったですか?

(町山智浩)そうそう。ものすごく辛口なんですけどRotten Tomatoesって。そこで100%なんでね、ものすごいんですよ。

(でか美ちゃん)何がそこまで評価されてる要因だと思いますか?

引用:IMDb.com

Rotten Tomatoesで100%!

(町山智浩)これね、殺しがね、今まで紹介した3本の中で1番すごい。(『ジョン・ウィック4』『キル・ボクスン』『ベイビーわるきゅーれ』の3本)で、1番笑える。

(でか美ちゃん)へ〜!ちょっと意外な気もしますよね、日本の作品がそれだけっていうのは。

(町山智浩)そうなんですよ。『ジョン・ウィック』はね、確かにすごいんだけど、ずっと単調なんですよ結構。工夫がちょっとなくて。結構飽きてくるんですよゲームっぽいからね。繰り返し繰り返しでね。

(でか美ちゃん)そうか。人数は重ねていくけど。

(町山智浩)そうそう。『ベイビーわるきゅーれ』はね、凝っているんですよ、それぞれが。

(石山蓮華)どんな所にその凝りが出てくるんですか?

(町山智浩)これはね、これ主人公が2人がですね、女子高生っていうか10代の女子なんですよ。で、人殺しをやってるんですけども、なんというかですね、ダメな子ちゃんなんですね。

(石山蓮華)ダメな子ちゃん。

(でか美ちゃん)今っぽい感じなのかな。

(町山智浩)今っぽい感じなんすよ。とにかくね、だり〜とか言って。いつもだり〜とか言って。

(でか美ちゃん)Z世代の感じね。私らよりもさらに年下のね。

気合いの入らないキャラクター

(町山智浩)そう。何やるにもあんまり気合い入んない感じなんですね。で、例えば最初にコンビニのバイトの面接を受ける時も、あーい、あーい。みたいな感じで、絶対に採用しねぇ!みたいな感じなんですよ。で、そこからですね、一気に殺しの方に入るとものすごい動きなんですよ。早くて。

(でか美ちゃん)わあ!そのギャップはちょっとグッと来ますね。

(町山智浩)そうなんですよ。で非常にね説得力があって。例えば女の人が殴ったりする時って、そのパンチ力がいくらあっても男の人をパンチ力で倒す事はできないじゃないですか。相当鍛えてないと。だから、ちゃんと肘打ちなんですよ。

(でか美ちゃん)あぁなるほど。理にかなったことをやってるんですね。

(町山智浩)そうそう。ものすごく説得力があるんですよ。戦うシーンが。でもね、やっぱりだるくて、殺した後、あ〜疲れた〜って言うんですよ。

(でか美ちゃん)へ〜!なんかその緩急、いいですね。

引用:IMDb.com

殺しのシーンに説得力がある

(町山智浩)すごいいいんですよ。まさに緩急なんですよ。緩い所はものすごく緩くて。でも、殺気はものすごいんですよ。

(石山蓮華)へぇ〜!この『ベイビーわるきゅーれ』って主演、お2人ともこの若い女性なんですね?

(町山智浩)はい。この伊澤彩織さんという金髪の方の女性の動きがものすごいです。

(でか美ちゃん)うわっ、これ要チェックだ。見よう、すぐ。

(町山智浩)はい。ただこれ見ててね強烈なのはね、その日本の若い人達の貧困度なんですよね。

(でか美ちゃん)そこちょっとリアルな描かれ方というか。

(町山智浩)そうなんですよ。だって殺しやってんですよ、殺しやってんだけど、さっき言った韓国映画の同じ殺し屋のね、キル・ボクスンがどういう生活してるかっていうと、さっき言ったみたいに豪邸に住んでね、父母会とかに行く時も全身シャネルみたいな格好でね、ハイブランドのバッグとか持って、乗ってる車はベンツですよ。ところがこの『ベイビーわるきゅーれ』の2人はね、1DKの安アパートに住んでるんですけど、鶯谷ですよ?ラブホテルとかいっぱい並んでいる所、安アパートに住んでるし、で、着てる服がね、わかるかな、なんていうか寝間着みたいな服着てる子っているじゃないですか、よく。

(でか美ちゃん)あぁまぁジャージファッションというか。そういう感じかな。

(町山智浩)そうそうそう。ドンキで買ったみたいな。

(石山蓮華)はいはい。ゆるっとした。

殺しをやっているのに貧困

(町山智浩)そう。それ、寝間着のまま来てねぇ?みたいな格好でね、しかも乗り物はあっちがベンツなのにこっちはママチャリですよ。

(石山蓮華)ママチャリ!

(町山智浩)ママチャリで殺しに行くんですよ?

(石山蓮華)でも女子高校生が、ママチャリで殺しに来るの、めちゃくちゃかっこいいですね!

(町山智浩)めちゃくちゃかっこいいんですけど、殺し自体は。ママチャリですよ?(笑)はい。

(でか美ちゃん)でもなんか、ちょっとなんだろう切ないというか、日本のリアルな社会感じますよね。どれだけ重要な働きしても、ちょっと貧困から抜けられないっていうか。

(町山智浩)そう。抜けられないんですよ。彼女達は、でも自分達は貧乏だと思ってるんだけど、メイドカフェで働く時にね、お昼ご飯としてコンビニのサンドイッチを持ってくんですよ。と、他のメイドカフェで働いてる子達が、あぁ、コンビニの300円のサンドイッチ買えるなんて、お金持ちなんですねって言うんですよ。

(石山蓮華)切ないな。

(でか美ちゃん)うわ!みんな自炊してるんだ。

引用:IMDb.com

日本の貧困

(町山智浩)そう。日本の貧困どこまで落ちたんだっていうね。殺しをしても儲からない、せめて殺し屋にはちゃんとしたお金をあげてほしいと!

(でか美ちゃん)変な1変な訴えですそれ。(笑)

(町山智浩)思う訳なんですよ僕は本当に。

(でか美ちゃん)でもフィクションとの中でそのリアルさがあるっていうのは結構ね。

(町山智浩)結構ね。あとね、リアルだったのはね、殺されるおっさん達ね。殺される人達が・・そうそう。だから安い殺しばっかりなんで、本当になんかちっちゃい事で頼まれてるんで殺しの代金も安いみたいなんですけど。

(でか美ちゃん)あっそうか。やっぱこのキル・ボクスンとかジョン・ウィックはもうちょっと壮大な殺しの目的やテーマがあるかもだけど・・。

殺されるおっさん達、安い殺し

(町山智浩)そう。敵が大物でマフィアのボスとかそういうのなんですけど、政治家とかね。こっちはもう本当に安い、近所の人を喧嘩で殺すみたいな話なんですけど。

(でか美ちゃん)ちょっとしたトラブルというか、あぁそういう感じなんだ。でも、なんだろう?感情移入しやすいかもですね。

(町山智浩)だからものすごく感情移入しちゃって。で、殺される人達がおっさんなんですけど、みんな、この『ベイビーわるきゅーれ』の女の子2人をイラッとさせるんですよ。

(石山蓮華)あ〜!

(でか美ちゃん)あ〜!

(町山智浩)あ〜!って2人一緒に同時に言ったね!(笑)

(でか美ちゃん)大丈夫です、町山さんの事依頼したりはしないです。(笑)

(町山智浩)どういう風にイラッとさせるかっていうと、そのおっさん達がね、昔の漫画やアニメの引用をするんですよ。

(石山蓮華)あれ?あれ?

(でか美ちゃん)なんか、聞いた事があるような。

(町山智浩)聞いた事あるでしょう?ジョジョとかラピュタとか、そういうののセリフを引用するんですよ。すると、この女の子達は心の中で「知らねし。古いし。生まれてねっし。」みたいな感じなんですよ。

(石山蓮華)あれ?なんか先週とか先々週とかぐらいに。。

(でか美ちゃん)そんな目に遭ったような。

(石山蓮華)なんか嘘つきおじさんが。

引用:IMDb.com

リアルなおじさんのイラつきポイント

(町山智浩)でしょう?超リアルでしょう?で、この女の子達、頭の中でそのおっさんを殺したりね、本当に殺したりしてるんですよ。だから俺もこれ見てて、あぁ俺は頭の中で殺されてんだ・・!って思ったんですよ。

(でか美ちゃん)さすがにそんな事ない!(笑)

(石山蓮華)そこまではしてませんよ町山さん。(笑)

(町山智浩)殺される!って思いましたよ。(笑)

(でか美ちゃん)私がジジイ!!って言う時は、頭の中で町山さんと肩組んでコサックダンスを一緒にやってますから。ぐらいの愛情表現でやってますから。(笑)

(町山智浩)(笑)なぜコサックダンス!(笑)

(でか美ちゃん)息合わせてやってますから。(笑)依頼しない!安心してほしい。(笑)

(石山蓮華)安心してください。(笑)

(町山智浩)でも色々とね、身につまされるのがねこの『ベイビーわるきゅーれ』でね。でも本当アクションシーンはすごいんですよ。ものすごいリアルでね。

(石山蓮華)この監督の阪元裕吾さんも割と若い方なんですね。

(町山智浩)若い方ですね。だからこの監督自身のね、そのジョジョを引用するやつに対する苛立ちがね、すごいあるんだろうと思うんですけど。(笑)

(でか美ちゃん)そうか実体験。(笑)私達、32歳、31歳世代だとジョジョとかラピュタの引用は全然わかりますけど、ちょっとね、それより下になると本当に通じないとかはやっぱあるから。阪本さん自身の体験と自戒を込めてとかもあるかもですよね。

(町山智浩)まぁ色々あるでしょうね、思わず言っちゃうっていう事はね。

(でか美ちゃん)わ、ちょっと見たい。楽しみだな。

(町山智浩)本当に僕はこれからね、なんかそういうのを言いそうになったら、頭ん中で殺されてる・・って思いながらね、もう本当に自制したいと思いますけど。でね、これね、2の方が今劇場公開中らしいんですけど。

(でか美ちゃん)あぁそうですね。日本では公開中ですね。

(町山智浩)2の方はやっぱりね、この2人のナンバーワンの殺し屋を狙ってくる別の殺し屋っていうね、みんな同じ話になってく。(笑)

(でか美ちゃん)確かに、似てる展開が。

ベイビーわるきゅーれの制作費

(町山智浩)みんな似ているんですけど、これね制作費ね。これ言うの忘れたこの『ベイビーわるきゅーれ』っていうのはおそらく制作費1億円かかってないですね。すごい安い。

(でか美ちゃん)100億円(ジョン・ウィック4)、10億円(キル・ボクスン)、そして1億円(ベイビーわるきゅーれ)。はー。

(町山智浩)そう。100億円、10億円、1億円っていうね、このアメリカ、韓国、日本の大会!殺し屋祭り。じゃぁ誰が優勝かって、僕はこれ、『ベイビーわるきゅーれ』が優勝ですね。

(でか美ちゃん)わーその制作費の中でって思うと。

(町山智浩)100億円に勝ちましたよ日本が。

(でか美ちゃん)でもやっぱ日本の映画界、頑張れ!って気持ちにもなりますね。

(石山蓮華)そうですね。

(町山智浩)みんな、野球は応援してるけど、殺し屋の方は応援はしないんで、ちゃんと殺し屋も応援してください!

(石山蓮華)映画の中でですね。(笑)

(町山智浩)で、『ベイビーわるきゅーれ』。タイトルがですね『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』ですね。現在公開中なんで、僕見てないんですが、絶対に面白いと思いますよ。はい。

(石山蓮華)じゃあ町山さんの代わりに日本のリスナーの皆さんは是非見に行ってください。ありがとうございました!

(町山智浩)どもでした!

※書き起こし終わり

○○に入る言葉のこたえ

④殺しのシーンに説得力がある
⑥ベイビーわるきゅーれの制作費はおそらく1億円

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