ジュリアンの町山智浩さんの解説レビュー
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映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『こねくと』(https://www.tbsradio.jp/cnt/)で、『ジュリアン』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。
町山さん『ジュリアン』解説レビューの概要
①○○○○についての物語です
②日本では2024年3月8日、共同親権制度を盛り込んだ改正案が閣議決定した
③日本は共同親権に必用なものが全然整備されていない
④アメリカでは養育費を払わないと財産を差し押さえられる
⑤アメリカやフランスは虐待の通報があると警察が強制的に突入する
⑥ブラッド・ピットも親権がとれていない
⑦演出はほとんどホラー映画
※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。
『ジュリアン』町山さんの評価とは
(町山智浩)今日はですね、実はちょっと前の映画で7年ぐらい前の映画なんですけども。Amazonプライムで見れるようになったんですね。で、ちょっと。今見ないとならない映画なので紹介しますが、『アイアンクロー』みたいな話なんですけど。『ジュリアン』という映画なんですよ。フランス映画です。これをなぜ今、見なければいけないかと。日本の人は。と言いますとね、これはアメリカタイトルが『Custody(親権)』っていうタイトルなんですね。親権っていう意味なんですよ。親の権利。そういうもう完全に親権についての映画で、この中で具体的には共同親権についての物語ですこれは。
(でか美ちゃん)日本も今ね。
(石山蓮華)今、改正って言いながら。
(でか美ちゃん)どうなんだっていう展開。
(町山智浩)というかまさに今国会でやっていて下手すると今週来週中に決まる可能性がありますよ。
日本では2024年3月8日、共同親権制度を盛り込んだ改正案が閣議決定した
(石山蓮華)かなり反対の声も出てますが、なんか進んでて。本当になんか、進んじゃっていいのかなって。
(でか美ちゃん)なんで押し切ろうとしてるんだろうみたいな感じでね。
(町山智浩)共同親権というのはアメリカとかヨーロッパではもう使われてる形なんですけれども、離婚した後も、父親と母親が、五分五分の形で子供の面倒見るという方式なんですが、具体的にはですね1979年にアメリカで始まってるんです。そんなに歴史がないです。で、お2人生まれてないのでわからないと思いますけども、1979年というのは非常に大きい出来事があったんですよ。『クレイマー、クレイマー』という映画が大ヒットします。
(石山蓮華)はい。
(町山智浩)アカデミー賞も獲りました確か。これは、ダスティン・ホフマンという俳優さんが演じる旦那がいて、それで息子が1人いるんですけども、メリル・ストリープさん扮する奥さんが家を出てっちゃうんですよ。で息子と、夫が取り残されて、それで2人で何とか生きようとするんですけれども、まぁ家事がまったくできないのでダスティン・ホフマンは。で、会社を辞めて。広告代理店かな?で、なんとか父親になろうとするという話で。途中から、その親権を巡る裁判になっていくんですね。で、その頃は単独親権しかなくてアメリカでも。父親に引き取られるか母親に引き取られるかのどちらかしかなかったんですよ。それで子供が引き裂かれていくという内容の映画が『クレイマー、クレイマー』なんですね。これが、アメリカで1979年に大ヒットして全世界で大ヒットします、日本でも。そこがすごく共同親権にとっての始まりだったんですよ。で具体的には一体どうしてそれが起こったかというと、父親の権利運動というのがあったんですね、その背景に。アメリカでもほとんどその離婚すると、母親の単独親権になったんですね。で、父親はその子供に会えないと。いう事で、権利を求めて裁判を繰り返していく中で、父親がまぁ権利を認められるという事があって、それが少しずつ。カリフォルニアから始まって、アメリカ全体に広がってったんですけども。で、ヨーロッパでもそういう形に現在なってるんですね。でただ、日本はそれを実施しようとしているんですが、その背景に必要なものが全然整備されていない状態です。
日本は共同親権に必用なものが全然整備されていない
(石山蓮華)穴の多い共同親権が導入されそうになってるって事なんですか?
(町山智浩)はい。そうなんです。アメリカでは共同親権のまず1番大きな要素としてある養育費の問題なんですけども、アメリカでは養育費を払わない場合は、財産を差し押さえられます。毎年、税金の申告時に養育費の問題をチェックされます。僕みたいに離婚してなくても言われますよ。どこかにお子さんはいませんかと。
(石山蓮華)はいはい。
(町山智浩)養育費を払ってませんかと。子供がどこかにいて養育費を払ってないと、財産が強制的に差し押さえられるんですよ、アメリカでは。で、そういう法律が日本にはあるかっていうと、まだないですよ。
(石山蓮華)そうですね。
(町山智浩)これがなければ意味がないんですね。で、共同親権になった場合に子供の養育費の財産の計算はどうなるのかっていう問題も1つあって。お母さんが仕事がなくても、旦那の方に仕事がある場合に、お母さんの方の生活保護が打ち切られたりします。
(石山蓮華)えぇ。
アメリカでは養育費を払わないと財産を差し押さえられる
(町山智浩)ね。そういうような事があって、色んな形でめちゃくちゃになってるんで。今共同親権をそのまま実施していいのかっていう問題があるんですよ。虐待の問題がまず1番大きくあって。例えばフランス、この映画なんかそうなんですけど、フランスは、子供の虐待に関しては特別部隊があります警察の中に。突撃していくんですよ、通報があると。日本にそういうシステムあるか?ないんです。
(でか美ちゃん)日本はなんならちょっと介入が遅かったんじゃないかみたいな事ばっかりね、結構話題になるんで。
(町山智浩)アメリカも強制的に突入します警察が。通報があった場合。日本はしません。ね。だから虐待の癖のある父親との離婚の問題の時に、そのシステムなしでやっていいのかって事ですね。
(石山蓮華)うーん。何かが起こってしまってからではもう取り返しがつかないんですもんね。
アメリカやフランスは虐待の通報があると警察が強制的に突入する
(町山智浩)実際既に共同親権がない状態でも離婚した父親が母親を襲ってる事件が日本では続出していて。アメリカでも起こってますけど、フランスでも起こってると。ただ、アメリカの場合には共同親権を許すか許さないかの審査がものすごく厳しいです。1番わかりやすい例はブラッド・ピット。2016年に離婚して子供が6人いるのかな?で、共同親権を求めてずーっと裁判をしてたんですけども、勝てなくて諦めました。
(石山蓮華)は〜ぁ。
(町山智浩)ブラッド・ピットの場合にはアルコール依存症であるという事でそれは事実なんですよね。でまぁ暴れたと。子供に対してちょっと怒鳴ったり暴力を振るったという事で、彼自身は親権を取るためにですね、酒を完全にやめました。リハビリ施設も行って、それでも、親権取れてないんですよ。まだ。
(でか美ちゃん)子供とか元妻からしたら、今治ったって言われてもされた事忘れていないしとか思っちゃいますもんね。ブラッド・ピットに限らずというか。
(町山智浩)ブラッド・ピットみたいな地位のある人でもダメなんです。それぐらい厳しい。海外での共同親権の審査については。で、この『ジュリアン』という映画なんですが、ジュリアンっていうのは男の子で11歳の男の子なんですね。フランスなんですけれども、でまぁ共同親権になっちゃって。母親のもとで暮らしてるんですけども、父親に会わなきゃなんないんですね。定期的に。そうすると母親は父親に会わなきゃなんないじゃないですか、息子を引き渡す時に。
(でか美ちゃん)はい。
(町山智浩)彼女はそれがもう嫌なんですね。というのはDV夫だったから。で、上にお姉ちゃんがいるんですけど、お姉ちゃんは暴力を振るわれてるんです。
(石山蓮華)夫から。
(町山智浩)夫から。ただ、それは子供が嘘をついたんだっていう風にして家裁の方がですね、共同親権を許しちゃうんですよ。で、お父さん外面いいんですよ。おとなしくて。ところが、彼はすごくその別れた奥さんに執着してて、ストーカーをしてるんですね。で、実家の前に張り込んだりしてるんですよ。元妻のね。ただ、息子に会う事になったんで息子はもうずっと尋問されるんですよ。会ってる時は。
(でか美ちゃん)じゃぁ息子を利用してるんですね。息子に会いたいってよりは。
外面のいい父親
(町山智浩)そうなんです。息子に会う権利を取ったから息子を利用して奥さんの居場所を探し出そうとしてるんですよ。
(でか美ちゃん)わっ、ちょっと可哀想過ぎる、子供が。
(町山智浩)これ、これね、もう演技に見えないんだこのジュリアンくん。もうずーっとやられるわけですよ。お母さん本当はどこに住んでんだ、言え!って。で、直接殴る訳にいかないからその周りを殴るんですよ父親が。
(でか美ちゃん)うわぅ。
(石山蓮華)でもそれもDVですよ。
(でか美ちゃん)恐怖心与えてるんだから。
(町山智浩)そう。これね、夫婦間の本当にありそうな話なんですけど、演出はほとんどホラー映画。
(石山蓮華)かなり怖いって事ですね。
(町山智浩)ものすごい怖いです。ドキッ!とするところが何ヶ所かありますね、見てて。で、そうなっちゃうとお母さんは何をしてても、いつこの親父がどこかに潜んでないか。 乱入してこないかっていう事にビクビクで何もできないんですよ。あとその父親の方が共同親権を取った理由で1番大きかったのは、お母さんがやっぱり女性で子供を2人抱えてるって事で就職できないんですよ。日本でも子供がいる女性で就職するのすごく難しいですよ。うちのかみさんは、これじゃダメだっていうんでアメリカ来て就職したんですよ。
(石山蓮華)そうだったんですね。
子供のいる女性の就職のむずかしさ
(町山智浩)本当に難しいですよ。日本は。子供のいる女性が就職するのは。正社員になろうとしたらもうほとんど不可能に近いですよ、まだ。だから父親の方が仕事があるから、親権を取られちゃうんですよ。共同親権ですけどね。養育費がちゃんと払えるようにっていう事で。だから逃げられないんですよ。
(石山蓮華)人生がなんかこう、ね。握られちゃうような感じが、しますよね。
(町山智浩)そうなんです。だから、とにかく夫が暴力的で怖いから別れたいって事で離婚したのに、共同親権っていうそのなんて言うんですかね。鎖みたいなもので繋がれてしまって。このお母さん逃げられないんですよ、この夫から。
(石山蓮華)なんで離婚したんだろうって思っちゃいますね。自由になりたいから離婚を決めたのにっていう。
(町山智浩)そうなんですよ。だから、ちゃんとした形での審査が行われない場合の共同親権というのは離婚というもの自体を、もう本当に無にしちゃうんですね。ここですごく怖いのは、じゃぁ離婚をしても共同親権によって、DV夫に縛られる事があるよって事に、日本がそういう法律になっちゃうと、結婚する人が減っちゃいますよ。
(石山蓮華)そうですよね。結婚をして、共同生活を始めてから相手の加害性がわかるっていう事もすごくこうよく聞く話なので。
(町山智浩)そう、特にパワハラとか、あとモラハラについては、わからない場合が多いですよね。
(石山蓮華)そうですよね。
(でか美ちゃん)しかも本当にその外面がよかったりするって言いますよね。そんな人に見えないみたいな。
(町山智浩)そう。だからその家裁でもちゃんと審査してくれない場合もある訳ですよ。
(石山蓮華)そこの目を欺くように振る舞える人がいるっていう事ですもんね。
(町山智浩)そう。そうなんですよ。外面がよくてね。だからこの『ジュリアン』っていう映画がすごくよくできてるのは、なんでこの父親がこんなに暴力的なのかって事がフッとわかるシーンがあるんですよ。
(石山蓮華)は〜。
(町山智浩)それは、『アイアンクロー』なんですよ。
(でか美ちゃん)わ〜、結局。
(町山智浩)連鎖するんですよ。やっぱりDVっていうのは。そういうとこも含めてね、この『ジュリアン』という映画は共同親権というものが実際に行われているフランスですらも、こんなひどい事が起こってると。ただフランスの場合は通報すると警察は飛び込んでくるんですけどね。日本はそのシステムもないんですよ。
(でか美ちゃん)ちゃんとこう厳しくやりますよっていう上で、もちろんその男性が本当に親権を取りづらいっていうので本当に苦しんでる方も中にはいると思うんですよ。なんか、そういう人のためのものであってほしいのに、なんか悪用されちゃう感じだったらやっぱり反対するしかないって私は今のところ思ってるので。
(町山智浩)安全策としてね。そう思うんですよね。これやりだすと家裁もすごい負担になってくると思うんですよ、家庭裁判所も。で、今早急に決めようとしてるのは非常に危険じゃないかって事がこの映画だとよくわかると思います。
(石山蓮華)ちょっと見てみましょう。今日はAmazonプライム・ビデオで配信中の映画、『ジュリアン』をご紹介いただきました。町山さん、今日もありがとうございました。
(町山智浩)どもでした。
■後日談
(石山蓮華)先週はフランスの共同親権を描いた『ジュリアン』という映画をご紹介いただきました。私、石山もでか美ちゃんも見てきました。
(町山智浩)怖かったでしょ?
(石山蓮華)怖かったですね〜!本当に。例えばすごくこう細かいところで実感・・うーん、私はDVを受けた経験はないんですけれど、でも実際こういう事なんだっていう事をすごく感じる映画で、例えばその、夫が妻の手を握るシーンがあるんですけど。なんかこう、やばい人ってこういうふうな手の握り方をしてくるんだよなっていうのを思い出したりとかしました。
(でか美ちゃん)そうそう、なんかこうゾッとするなんかこう芝居力みたいなものに圧倒されてた90分だったんですけど。なんかそのジュリアンという息子が、板挟みって言ったら妻の方が悪く聞こえちゃうかもしれないけど、まぁ結果的にそうなってしまっていて、という話じゃないですか。なんかね、そのDVをしている父親のなにがずるいって、もうハッキリ物言えたり、物事の区別とか判別がつきそうな娘側にはそんなに行ってないんですよね。小さな子供から、なんとかかんとか、その子の母親?自分の妻の情報を聞き出そうとしているという、そういうズル賢さあるよね、こういう加害者って。っていうのもすごい思ったし、なんか映画の内容どこまで踏み込んでいいのかわからないですけど、私はその最後のシーンも、なんかまぁまぁ一段落感はあるんですよ。とりあえず一段落っていう感じではあったけど。全く安心できないっていうか。ここからがジュリアン一家にとっての本当の意味でのまたつらい課題が始まるっていう。
(町山智浩)そうなんですよね。終わってないですよねあれね。
(でか美ちゃん)終わってないですよ。
(町山智浩)あと、最初に奥さんの家に入ってきて暴力を振るうのかと思ったら、なんかごめんなさーい!みたいな事言って、あの泣き落としにかかるとこも怖かったですね。
(石山蓮華)怖かったですね。
(町山智浩)僕が悪いんです〜!とか言ったりするんですけど、その時だけなんですよね。
(でか美ちゃん)ね。俺は変わったんだとかそういう風なシーンもあったけど。仮に本当にね。改心して変わってとか、また別のパートナーには絶対そういう事はしないとか、そういう方ももしかしたら。もしかしたらと言うかまぁいるとは思うんですけども。された側は相手が改心してようがしてまいが、された事実は揺らがないから、一生ね。なんかそういう視点ってやっぱ加害者側は抜けるのかなって思って怖かった〜。
(町山智浩)怖かったんですけど、フランスは共同親権の先進国ではあるんですけど、これやっぱり警察の動きが早いんですよ。
(でか美ちゃん)ね。早かったですね。
(町山智浩)警察がね、パリ警察のなんていうか児童虐待部署を描いた映画もあるぐらいでですね。もうとにかく児童が虐待されてるとか奥さんが虐待されてると警察がすごいスピードで突っ込んでくるんですよ。フランスは。それがあるから、共同親権もまぁ何とかやっているんですよ。それでもやっぱり事故が起こる訳ですけど、この映画みたいに。で、アメリカは共同親権の審査がものすごく厳しいです。もう本当に、この間も言ったんですがブラッド・ピットが一時的には共同親権を取れそうになったけれども結局取れませんでしたね。はい。ブラッド・ピットでダメなんですよ?
(でか美ちゃん)ね。だからそれだけフランスやアメリカは厳しく審査があったり警察の動きが早いっていうのまぁありきで、あるけど、日本は色んな事がなんにも精査されないまま、可決されちゃいましたからね。
(町山智浩)共同親権がね。『ジュリアン』でも出てきて、ジュリアン自身が、子供自身が親をどう思ってるかって事をちゃんと家裁でね。証拠として扱ってましたし、ブラッド・ピットが共同親権を取れないのも子供たちが嫌だって言ったんですよ。で、子供たちの意思を1番に尊重するような法律の制度ができてるんですけど、アメリカやフランスでは。日本そんな事も何もやってないですよ。
(石山蓮華)しかもその、養育費もしっかり取れるのか取れないのかわからないような状況で、この共同親権を運用していこうみたいな今流れになってるのは本当にちょっと私はどうしてどうしてっていう。
(でか美ちゃん)ね。反対しかないだろうって思いますし。その数値がイコールじゃないと思うけど、そもそも75%ぐらいの人が養育費をね、未払いのままっていうのもあるから、そういうその養育費も払わずにいるみたいな元夫達が、俺にも親権があるんだって言ってると思うと。
(町山智浩)アメリカは強制的な支払い制度があるんで、俺みたいに別に離婚してない人でも聞かれるぐらいですから。どこかに養育費の義務があるんじゃないですかと必ず言うんですよ税理士とか。日本はそういうのも何もやらないままね共同親権だけ通しちゃうっていう。それでいてね、同性婚とかね、夫婦別姓とか何がなんでも日本の国会は通さないじゃないですか、国会って。
(でか美ちゃん)なんかとにかく、女性を家に閉じ込めようとしているのかなって思っちゃいますよね。個人的には。
(町山智浩)そうなんですよ。とにかく家父長制を維持するためだったらどんな事でもすると。いうのが日本の体制で、まぁとんでもないんですけど。
(でか美ちゃん)なんか男性側が親権取りづらいのって、私は個人的にはそれはそれですごい問題だなって思うから、なんか別の、その共同親権とかじゃない方法があるだろうとは思うんですけどね。なんか女性にばっかり親権が行っちゃう問題もすごいわかるはわかるんで。
(町山智浩)そうですけどね。とにかく審査が大変になっちゃうんですよ。ところが家庭裁判所って人手不足でまったく機能してないんですよ日本って。それで共同親権やったらたぶん審査まともになんないですよ。家裁の。もう、何もかもがおかしいと思いますね。
(石山蓮華)人の命に関わってくる事をこんなにスッスと決められていいんだろうかっていうのを本当にこの『ジュリアン』を見て考えました。
(町山智浩)ですよね。これはフランスでずっとやってるけどこうなるんだっていう事なんでね。だから最初に家裁の判事さんの、裁判官から始まるっていうのも重要で、彼女はいくつもある裁判の1つとしてしかやってないんですよやっぱり。
(でか美ちゃん)はいはい。そうですね。
(町山智浩)だからそんなに真剣にやれないんですね数がいっぱいあるから。それででも、ものすごくその夫婦や子供の運命が決まってしまうっていう事もちゃんと描いてる映画でしたね『ジュリアン』。
(石山蓮華)『ジュリアン』、Amazonプライム・ビデオで配信中ですので、まだの方ぜひぜひご覧ください。
※書き起こし終わり
○○に入る言葉のこたえ
①共同親権についての物語です