映画と実際の映像との無限ループにハマる
2021年2月15日 09時50分
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総合評価:
4.0
企画から完成まで8年かかったということだが、スタッフ・キャスト共に
相当苦労しただろうな、という感じが画面からも伝わってくる。
特にキャストたちは、一歩間違えばモノマネのコントになりかねない危険を
はらんでいた訳で、そこを乗り越えてここまでのものを作り上げたことに敬服する。
しかしよくよく観ると、作りはどこかいびつな感じもする。
レコード会社の役員室に呼ばれ、楽曲「ボヘミアン・ラプソディ」を批判されるシーンでは、
妙なアップの抜きとか、その他随所に演出と演技がかみあっていないような感じも受けた。
また、クイーンは当初本国イギリスではウケず、
日本での大人気から再評価された歴史があるにも関わらず
そこは描かれていなかったりとか、事実との相違もあるものの、
それらの文句を言わせない圧を画面から感じさせてくれる。
その一番の理由はやはりクイーンの楽曲の良さだろう。
簡単に言えば、クイーンの楽曲は映画向きなのだ。古くから「フラッシュ・ゴードン」や
「ハイランダー」で楽曲提供しており、そのドラマチックな作風は映画との相性がメチャクチャ良い。
そしてラストのライブエイドのシーン。
クイーン圧巻のパフォーマンスを再現してくれており、この映画を観た後、You Tubeで
元の映像を見るとその再現度合いが分かって更に面白くなり、
また映画が観たくなるという、無限ループに陥ってしまうのだ。
エンディングの「 Don't Stop Me Now」を演奏するクイーンも良い。
やはり楽曲の良さが映画全体の底上げをしているということなのだろう。