ぶつけ合う感情とジャズのリズム
2021年9月24日 18時15分
役立ち度:0人
総合評価:
3.0
ただひたすらジャズドラムの練習に打ち込んで、華やかさとは無縁なキャンパスライフを送るアンドリュー・ニーマン。せっかく映画館で知り合っていい感じなった女子大生のニコルとも、疎遠になってしまうのが残念ですね。そんなニーマンを「楽しんで演奏しろ」のひと言で自身のバンドにスカウトするのがテレンス・フレッチャーですが、その笑顔に騙されてはいけません。
痛烈な罵声や容赦ない叱責はもちろん、時には人種差別的な発言や手が飛んでくることも。日本であればパワハラ指導者として即追放されそうなフレッチャーが、なぜ名門シェイファー音楽院で指揮を執り続けているのか理解に苦しみます。「ネイビーシールズ」など戦争映画のイメージが強いJ・K・シモンズが演じているので、教師というよりも鬼軍曹のように見えてしまうでしょう。
一度は師弟関係を解消したふたりが、場末のバーでお酒を飲みながら語り合うシーンが心に残りました。そこまで完璧なレッスンにこだわる本当の理由、さらには冷徹なフレッチャーが一瞬だけ素顔をさらけ出してしまうので見逃さないでください。