冒頭で、父親が連れ込んだ女性に「水を飲んでもいい?」とチャーリーが聞き「あなたの家でしょ」と返されるシーンがあるのですが、チャーリーが自分の家ですら居場所の不確かさを覚えていたことが覗えます。
そんなチャーリーにとって、勝てなくなれば売られてしまう競走馬ピートは、いつか追い出されるかも知れない不安を抱く自分と重なったのかも知れませんね。
子供にこんな思いをさせるなんてヒドイ父親だ、と言いたいところですが、女にだらしないとは言え父がチャーリーのことを愛していたことは分かるので、何というか、大人には大人の事情があるというところでしょうか。
このチャーリー役の美少年、なかなかいい演技だったなぁと思っていたら、この映画でベネチア国際映画祭の新人賞を獲っていたんですね。
そんなわけで、私だけが知っている掘り出し物感はなくなってしまいましたが、今後の彼の作品を楽しみにしたいと思います。
それはそうと、調教師の役のおじちゃん、コーエン兄弟作品常連のスティーブ・ブシェーミさんではありませんか。
かなり印象の強い顔立ちなのに、途中まで全く気が付きませんでした。
年取って渋くなりましたが、俳優としてはなんだか個性がなくなっちゃってちょっと寂しいです。
とにかく個性的な顔でしたから(←しつこい)笑。