クリーンエネルギーや環境保護のイメージが強い北欧のフィンランドでも、膨れ上がる核廃棄物に悩まされているようですね。完全な廃炉まで40年はかかるという福島第一原子力発電所と重ね合わせてしまいましたが、海に汚染水を流し続けている日本とは発想がひと味違いました。
前衛芸術家としても創作活動を続けているマイケル・マドセン監督が、カメラ片手に建設中の施設内に潜入しています。地下を幾層にも掘り進めていく工事の様子は、巨大な地底王国を建設しているかのようでその迫力はSF映画並み。
絶対的な安全性と耐久年10万年という桁外れの数値を盛んにアピールしてはいますが、我々の文明がそこまで存続する保証はどこにもありません。たとえいつの日にか全人類が滅亡したとしても、この処分場だけは静かに動き続けているかのようでゾクリとしてしまいました。10万年後に地球上の支配者となった生物が遺跡発掘気分で施設内に侵入してきたら… などと心配してしまうのは取り越し苦労なのでしょうか。