パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女の町山智浩さんの解説レビュー
記事内に商品プロモーションを含む場合があります
映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)で、『パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。
町山さん『パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女』解説レビューの概要
①パーフェクト・ドライバーは○○○屋のこと
②ヤバイ人や物を車に載せて、警察を巻いて逃がす
③依頼先に行くと、依頼主は殺されていて、男児だけ残されていた
④子供を守る、『○○○』の韓国版
※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。
パク・ソダム主演『パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女』
(町山智浩)こないだ韓国行ってきたんで、色々ね流行ってるもの見てきたんですけども、今週日本公開の映画で、『パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女』という映画と、来月の16日ぐらいにまぁバレンタイン公開って事で、ラブストーリーの『別れる決心』という2本の韓国映画を紹介します!はい。で、『パーフェクト・ドライバー』の方はですね、あの『パラサイト 半地下の家族』で、長女がいたでしょ?
(山里亮太)はい。
(町山智浩)非常に冷めた目の。もう本当にもう世の中もうどうしようもないわもう終わったわ〜みたいな顔で、冷めきった目の、あの女優さん。パク・ソダムさんの単独主演第一作っていう感じなんですね。
(赤江珠緒)へ〜!
パク・ソダムさんの単独主演第一作
(町山智浩)で、あの『パラサイト』のあの本当冷めきった感じで世界的な人気が出たんで、その後どんどん映画出るかと思ったんですけど。あの、がんになっちゃってて。
(赤江珠緒)あっ、そうだったんですか。
(町山智浩)そうなんです。それで治療してたんで、なかなか映画に出れなくて。世界中からこう呼ばれてたみたいなんですけど。それでやっと治療が終わって復帰して、第一作なんですねこれが。
(赤江珠緒)うん。
(町山智浩)で、彼女はその韓国の女優さんでは珍しく、目をいじってない人なんですね。
(赤江珠緒)うーん!確かに。
(町山智浩)あの一重のね、冷めきった目がね、今回の映画でも非常にハードボイルドな感じでよく出ててですね。北朝鮮から脱出してきて散々な目にあったんで、もう世の中を完全に諦めて、ただ自分の事しか考えなくなったプロの”逃がし屋”を演じてます。”パーフェクトドライバー”ってのはそういう事なんです。”逃がし屋”ってのはまぁ、非常にヤバイブツとかですね、ヤバイ人を車に乗せて、まぁ警察を巻いて逃がすという仕事なんですけど。これ英語でも”Getaway Driver”って言ってそういう職業あるんですよ。
(赤江珠緒)へぇ〜!
パーフェクトドライバーは逃がし屋の事
(町山智浩)有名なのは『トランスポーター』という映画がそうでしたね。
(町山智浩)あと『ベイビー・ドライバー』とかね。
(山里亮太)はいはいはい。
(町山智浩)古くは『ザ・ドライバー』とか一杯そういう映画があるんですけど。
(町山智浩)あとは『ドライヴ』とかね。
(町山智浩)山ほどあるんですが。まぁただ少し、韓国で撮ってるんで釜山で撮ってるんで、ものすごく入り組んだ・・韓国の道ってめちゃくちゃ入り組んでて、まっすぐ通ってないんですよね。その狭い道をガンガン、ものすごい疾走してですね。ヤバイ物を運ぶというのがパク・ソダムなんですけど。いつもはとにかくヤバイ仕事ばっかりやってて、お金を受け取るとそれっきりっていう彼女が、野球賭博でギャングと警察から追われてる男を逃がそうとして、行ってみたらそこにかわいい男の子しかいないんですよ。5、6歳の男の子しか。実はそれは野球賭博の悪いやつの息子で、その父親はですね、もう賭博の元締めに捕まってリンチされて殺されてんですよ。
(赤江珠緒)あ〜もう消されてしまってる、うん。
(町山智浩)はい。で、この子だけを助けなきゃならないとなって、最初は嫌がるんですよ。こんな子供を抱えてねぇ。私ヤバイ仕事をしてんだからできないよと思うんですけど。この追っかける元締めというのは警察官なんですよ。
(赤江珠緒)うーん?
(町山智浩)要するに腐敗した警察官で、警察のネットワークを使って追っかけてくるんですよ、この子供を。
(赤江珠緒)え〜。
(町山智浩)で、その子供が実はものすごい大金の隠し場所と繋がってるんですね。
(山里亮太)なるほど。
(町山智浩)で、この子を何とか逃がさなきゃなんないと。いう話なんですけど。これは『レオン』ですよね?
(赤江珠緒)あぁそうですね、『レオン』ね。確かに、女の子ね。
韓国版『レオン』
(町山智浩)あれはナタリー・ポートマンがまだ少女だった頃にね。
(赤江珠緒)はい、守ると。
(町山智浩)マフィアに狙われた家族が皆殺しになって、それを殺し屋のレオンが助けるって話だったんですけど。それの韓国版っていう感じで、で『レオン』はね、とにかく敵の襲ってくる悪徳刑事が、ゲイリー・オールドマンがやってたんですけど、ものすごいめちゃくちゃだったんですよ、演技が。ジョーカーみたいな感じでね。ふざけながら人をガンガン殺してくるやつで、それに今回の敵も非常に近いんですよ。
(赤江珠緒)はぁ〜。
(町山智浩)で、凶暴で手がつけられないんですね。で、このパク・ソダムさんがですね。実際に格闘してもめちゃくちゃ強くて。そのへんはね、『キック・アス』のヒットガールになってたり、いくつの映画をね、1本の映画に盛り込んでるんだっていう感じの、もう本当にアイディア盛りだくさんというか、アイディアというか他から持ってきた物ですけども。
(山里亮太)いいとこ取り。(笑)
(町山智浩)でも、食材は最高にいい食材を揃えてて。いい職人が作ってるんで、めちゃくちゃ面白かったですよ。
(赤江珠緒)へ〜!
色々な映画のいいとこどり
(山里亮太)確かに。
(町山智浩)これはねやっぱりね、韓国の職人技がね、よくわかる映画ですね。何も欠点がないんですよね。
(赤江珠緒)へぇ〜!
(町山智浩)何も新しいアイディアはないんですけども。(笑)
(赤江珠緒)ははは、そうですか。じゃぁ私は絶対に失敗しないという言葉もなんかねぇ、ちょっと日本だと。(笑)
(町山智浩)そうそう、アレみたいなね、失敗しない人みたいな感じなんですけど、色んなものを盛りだくさんにして、それで全然ね、あぁダメだなというところが全然ないんですよ。
(赤江珠緒)あ〜すごい。
(町山智浩)これはやっぱり韓国映画の職人技が本当にすごくなってんだと思いましたね。
(赤江珠緒)へぇ〜そうですか。それが『パーフェクト・ドライバー』。
(町山智浩)はい。パーフェクト・ドライバー。まさにパーフェクトな感じなんですけど。でもう1本の方は、逆になんだか訳がわからない映画なんですよ。職人技とは全く逆の方向です。
※書き起こし終わり
○○に入る言葉のこたえ
①パーフェクト・ドライバーは逃がし屋のこと
④子供を守る、『レオン』の韓国版