ザ・ホエール & エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスの町山智浩さんの解説レビュー
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映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)で、アカデミー賞に向けて『ザ・ホエール』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。
町山さん2023年アカデミー賞解説レビューの概要
①アカデミー賞総なめの『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
②○○○○映画がアカデミー賞をこんなに取るって前代未聞
③娘がいる人には本当に泣ける映画
④インディージョーンズでアジア人子役を演じたキー・ホイ・クァンさんも助演男優賞候補
⑤アジア系の男性の若手俳優の役がハリウッドにない為、久々の復活
⑥ザ・ホエールでアカデミー賞主演男優賞候補のブレンダン・フレイザー
⑦彼もハムナプトラ以降、10年ほど表舞台に出てこれなかった
⑧特殊メイクで体重を300キロぐらいに増やした
⑨食べ続ける事で緩慢な○○をしようとしてる
⑩今回のアカデミー賞はハリウッドから締め出された人達の復讐戦
※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。
アカデミー賞が目前に迫る
(町山智浩)来週の月曜日なんですけど、ずっと僕もやってるアカデミー賞ですね、アメリカの。・・僕がやってる訳じゃねーよ!?(笑)
(赤江珠緒)ははは、主催かのように。(笑)
(町山智浩)俺がやってるみたいなね、今の言い方ね。(笑)違うってそれね。町山賞みたいな感じだけどそうじゃないんです。(笑)WOWOWっていうところでアカデミー賞の授賞式の中継をしてまして。僕が解説をしてんですけど、それが来週の月曜日の朝ですね、日本時間はね。放送があるんですが、今年はすごい画期的で、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』という映画が、作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、編集賞、衣装デザイン賞とか全部取るだろうという事で。
(赤江珠緒)そんな総なめした事はさすがにないですか?
(町山智浩)すーごいですよこれ。しかもこの映画は、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』というのはカンフー映画なんですよ。
(山里亮太)そうなんですよね。
(町山智浩)カンフー映画がアカデミー賞でこんなに取るって、前代未聞ですよこれ。
(赤江珠緒)確かに。
カンフー映画がアカデミー賞でこんなに取るって、前代未聞
(山里亮太)なんでなんだろう?
(町山智浩)大変な事なんですよ。これまだご覧なってません?
(赤江珠緒)まだ見てないんですよ、はい。ご紹介は頂いたんですけどね。
(町山智浩)これは娘さんを持つ親御さんなら、もう号泣の映画ですよ。
(山里亮太)えっ!
(赤江珠緒)うわ〜そっか。
(山里亮太)見よ。
(赤江珠緒)見よ。
(町山智浩)あぁそっか、2人ともそうだもんね。(笑)
(山里亮太)そうなんですよ。
(町山智浩)これ親の愛の話なんだけど娘が拒否する訳ですよ。
(赤江珠緒)そっかそっか。
(町山智浩)宇宙の果てまで追っかけてくんですよ。
(赤江珠緒)親が?
親の愛の話
(町山智浩)親がですよ。もう本当に泣ける話なんですけど。まぁ反抗期になるんですね娘さんがね。成人してからね。
(赤江珠緒)そういう話かぁ。3月3日から日本ではもう公開されているという事ですからね。
(山里亮太)大分ブッ飛んでる話だって聞くんですけど、すごいぶっ飛んだ映画だって。
(町山智浩)ぶっ飛んでますよ。だってこのミシェル・ヨーさんっていう、ジャッキー・チェンと昔ね。『ポリスストーリー3』とか出てたカンフーの得意な女優さんがもう今年で60ですよ、還暦。僕と同い年ですね。
(赤江珠緒)60!はい。
(町山智浩)アメリカで洗濯屋さんをやってるんですけど、その娘さんが30ぐらいで”女性と結婚する”って言い出すんですよね。で、なんかそれが受け入れなくて、娘を拒否しちゃったら、なんと・・まぁこれは言っちゃっていいと思うんですけど、その親子喧嘩がですね、全宇宙を巻き込んだ戦争になってくんですよ。
(山里亮太)いやもう。(笑)
(赤江珠緒)『スター・ウォーズ』じゃあるまいしみたいな。(笑)
(町山智浩)『スター・ウォーズ』ですよ。(笑)基本的にね。ただ、それがマルチバースっていう色んな宇宙が並行して存在して、この世界ではミシェル・ヨーさんは洗濯屋さんなんですけども、別の世界では本物のミシェル・ヨーと同じで、アジアのカンフースターで世界的な映画女優になってるんですよ。っていう世界もあって。で、色んな世界があってっていう話で、それを絶えず行ったり来たりしながら話が進むんですよ。だからめちゃくちゃややこしいんですけど。
(赤江珠緒)そうですよね、それが獲る?は〜!
(町山智浩)すごい事ですよ。これはやっぱり非常に素晴らしい映画だからですね。で、助演男優賞のね、候補がこのミシェル・ヨーさんの旦那さんを演じるキー・ホイ・クァンさんっていう人なんですけど、この人ベトナム系中国人なんですが、『インディ・ジョーンズ/ 魔宮の伝説』ってご覧なってます?
(赤江珠緒)はい!見ました。
(町山智浩)見てます?あの猿の脳みそを食べたりするやつ。
(赤江珠緒)猿の脳みそね!パカッてやって切って。スプーンですくう。
(山里亮太)あー見た!
(赤江珠緒)デザートで出るやつ。
(町山智浩)見た?ねえ。カブトムシ食べたり、すごいやつですね。あれで、主人公のインディ・ジョーンズ、ハリソン・フォードの相棒のアジア人の男の子がいたでしょう?
(赤江珠緒)ああ!はい!
(町山智浩)覚えてる?野球帽かぶってた。あの子なんですよ、このキー・ホイ・クァンさんて人が。現在50いくつで。あの映画はスティーブン・スピルバーグ製作の超大作で全世界で大ヒットして、彼はその準主役なんですけども。その後、仕事が一切なくなっちゃったんですよ。
(赤江珠緒)え。あんなにヒットしたのに?
(町山智浩)そう。『グーニーズ』っていうには出てたんですけど、その後なくなって。つまり、そのアジア系の男性の若手俳優の役っていうのはないんですよ、ハリウッドには。
(山里亮太)へぇ〜!
(赤江珠緒)そういう事かぁ。。
アジア系の男性の若手俳優の役がハリウッドにない
(町山智浩)昔はなかったんです。でも、どうしてもハリウッドで仕事をしたいっていう事で、彼はカンフーを修行しまして、武術指導家になってたんですよしばらく。で、それからまぁ30年ぐらい?それでハリウッドのカメラには映らない方。裏方さんに回ってたんですね。キー・ホイ・クァンさんは。ところがミシェル・ヨーさんが何年か前に出た『クレイジー・リッチ!』っていう映画があって。それハリウッド映画なんですけど全員アジア人っていうコメディなんですね。それを見て、あ、アジア人でもいけるんだと。もう1回チャンスがあるはずだって事でオーディションを受けて、この映画に、ミシェル・ヨーさんの旦那さんの役で出て。で今回、助演男優賞は彼に決まりと言われてますね。
(山里亮太)へぇ〜!
(町山智浩)つまりさっき言ったような、あらゆる可能性がある訳ですよね、世の中にはね。人にはね。スターなる可能性もあったね。大金持ちになる可能性もあった、色んな可能性があるんだけど、どんな可能性があったとしても、僕は君との人生を選ぶよっていう旦那さんですよ。もう泣けるでしょう?
(山里亮太)泣けますね〜!
(赤江珠緒)いいですね〜!
(町山智浩)もう思い切り泣かしにかかってる映画なんですけど。という事でね、何年か前にね、『パラサイト』という韓国映画が、完全な韓国映画なのにハリウッドの賞であるアカデミー賞を席巻しましたけども。
(赤江珠緒)そうでした。
(町山智浩)それで今度はアジア系の俳優達が集まってる『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』。これ監督も香港から来た、アメリカ人の人なんですね。中国系アメリカ人なんですけども。これが、あらゆる賞を独占するというね、すごい事になってますよ。アカデミー賞も。はい。それで、これは是非ね映画館で見て頂きたいなと思います、今公開中なんでね。
(赤江珠緒)はい。
ザ・ホエールでアカデミー賞主演男優賞候補のブレンダン・フレイザー
(町山智浩)それで、今回紹介する映画もアカデミー賞絡みなんですけど、主演男優賞なんですね。今、主演男優賞で、もうこの人が取るんじゃないかって言われてる人がいて、ブレンダン・フレイザーという俳優さんなんですよ。ブレンダン・フレイザーって、10年ぐらい前大スターだったんですけど、覚えてないかな、『ハムナプトラ』シリーズっていう映画があったんですよ。
(赤江珠緒)ありましたね。『ハムナプトラ』。はい。
(町山智浩)ハムナプトラの秘宝シリーズっていうのがあって、1、2、3と3本あってですね。大ヒットしたんですけど。エジプトのね。
(赤江珠緒)なんか砂がバーッと集まってくる・・怪人みたいになるやつですよね?
(町山智浩)そうそう。顔になったりするやつね。まぁ『インディ・ジョーンズ』みたいな話なんですけどね。エジプトのピラミッドとかに行って、秘宝を探す話なんで、ハムナプトラの秘宝って言うんですが、それで主人公の冒険家を演じてた人がブレンダン・フレイザーなんですよ。
(赤江珠緒)はぁ。今ちょっとその写真がありますけど。全然違う!
(町山智浩)そう。すごいイケメンだったんです爽やかな。
(山里亮太)ほんとだ。
(赤江珠緒)そうですね。
(町山智浩)で、今はまぁすごくお太りになられて。
(赤江珠緒)今のねこの役ではね。本当に全然別人みたいになってますね。
(町山智浩)はい。今回の映画『ザ・ホエール』って映画では特殊メイクで体重を300キロぐらいに増やしてるんですけども。
(赤江珠緒)あ〜なるほど。
特殊メイクで体重を300キロぐらいに
(町山智浩)でも実際の本人も、素でもちょっとお太りになられてるんですけど。あとやっぱり髪の毛が歳なんで俺もそうですけど、すごく薄くなっちゃって。まぁこれはしょうがないですよね、この歳になるとね。で、まぁ見た目がすごく変わったんですけれども、彼は今回アカデミー主演男優賞を取るんじゃないかと言われているんです、この『ザ・ホエール』っていう映画で。『ザ・ホエール』っていうのは、吠えるんじゃなくて。(笑)昔、大洋ホエールズっていう野球チームがあったんですけど。覚えてます?
(赤江珠緒)ありますあります、クジラですね。
(町山智浩)TBSでよく中継してましたけど。今はチーム名変わっちゃったんですけど、クジラの事ですね。クジラって言われてるんですよ、ものすごく太ってるんで。彼がね。で、アイダホっていうものすごいアメリカのド田舎でですね、大学の英語の。だから国語の先生をやってて、生徒の作文の添削をしたりしてるんですけども、自宅からですね、ネットを使ってオンライン授業だけやってて。で、オンラインでも自分のカメラのところにテープを貼っちゃって、自分を映らないようにしてるんですよ。
(赤江珠緒)へぇ〜・・うん。
(町山智浩)やっぱりすごい体になっちゃってるから恥ずかしいから生徒に見せられないという事で。で、それだけじゃなくて、ものすごく太って動けなくて部屋からも出られないと。しかもそれでものすごい勢いで食べ続けるんですよ。
(赤江珠緒)そうか。まぁ300キロ近いというとね、なるほど。
(町山智浩)で、なんでそんな事をしてるかっていうと、まぁストレスというか、メンタル的にものすごい苦しんでるんですね。で、苦しんでる理由が2つあって、チャーリーという主人公なんですが、ブレンダン・フレイザーが演じるのは。チャーリーはかつて、ある男性を愛してたんですけども、その男性と同居をしてたんですけども、その彼が自殺してしまって。それからショックで引きこもりになって食べ続けてると。いう事と、もう1つは、もう死にたい気持ちなんで、食べ続ける事で緩慢な自殺をしようとしてるんですよ。
(赤江珠緒)はぁ〜。。うん。うん。
食べ続ける事で緩慢な自殺をしようとしてる
(町山智浩)で、それにはもう1つ理由があって。実は彼には奥さんと子供がいたんですね。このチャーリーには。ところが若い男性を好きになって駆け落ちてしまった為にその奥さんと子供を捨てる形になったんで、娘が8歳の時に。で、その娘に会いたいっていう気持ちがあるんですよ。なんとか娘に対して謝りたいっていう気持ちがあって、そしたら娘が高校を卒業する時にですね。作文の授業をやってて、感想文の授業をやってて。それをお父さんが英語の先生なんで、添削してほしいっていう事で家に来てくれるようになるという話で。ところが、娘はすごくその父親チャーリーを憎んでるんですよ、家を出てったから。
(赤江珠緒)その経緯を聞くとね、うん。
(町山智浩)で、この娘となんとか仲直りができるのかっていう話なんですね。で、これはですね、ほとんどこの部屋から。・・殆どって言うか全く出ない映画なんですよ。
(赤江珠緒)ふ〜ん!
(町山智浩)彼、出れないから。家から。特殊メイクもものすごいんですけどもね。これはね、僕が見てすごく泣けたのはね、僕、親父とこんな感じで再会してるんですよね。
(山里亮太)えっ?
(町山智浩)自分の。僕はね親父がね、中三ぐらいの時に離婚して、それからずっと会ってなかったんですよ。で、40ぐらいになって、だから30年ぐらい後に親父が結婚してる相手の人から連絡があって、動けなくなっちゃってるから会いに来てくれないかと。で、行って会ったら、肝臓をやられてて、で足がパンパに膨れ上がって歩けない状態で動けなかったんですよ。で30年ぶりの再会をして。会って色々話してこっちの怒りとかもぶつけましたけどね。そしたらその1ヶ月後に亡くなったんですよね、親父が。だからね、あぁと思って、他人事じゃないと。
(赤江珠緒)あぁ、そうか。。
他人事ではないストーリー
(町山智浩)そういう気持ちで見てたんですけど、このブレンダン・フレイザーという人はアクションスターだったんですよ?だって『ハムナプトラ』に出てた訳ですからね。ロック様と戦ったりとかそういう事をしてたんですけど。それがもう、完全にそういうアクションを封じた、まぁ体重300キロですからね。内面的な演技でね。非常に評価を受けてるんですけど。これね、監督がね。ダーレン・アロノフスキーっていう監督なんですけど、この人はこの前に『レスラー』という映画を撮ってるんですよ。これはご覧なってるかな?あの、ミッキー・ロークという俳優が昔いたんですよ。
(山里亮太)はいはい!
(町山智浩)昔イケメン俳優でね。すっごいイケメンだったんですけど、仕事なくなっちゃったんですよ。まぁ、なんていうか傲慢でね。威張り散らしてたんで。で、ハリウッドから干される形になって、ボロボロになって麻薬とか色んなのもあってね。で、その彼をプロレスラー役で復帰させた監督がこのダーレン・アロノフスキーなんですよ。で、その『レスラー』という映画は、ずっとレスリングをやってきて、プロレスラーって飛び降りる技が多いから、みんな体がボロボロなんですよね。で、これ以上やると死ぬぞって言われて。心臓とかボロボロだから。で、エッと思ってずっと会ってなかった娘に会おうとする話なんですよ。そのプロレスラーが。同じじゃん!っていう。
(赤江珠緒)本当ですね。
(町山智浩)同じだろお前って思いましたけど。(笑)でもミッキー・ロークはそれをやって、死ぬ前になんとか自分の尊厳を取り戻そうとする男を見事にその『レスラー』で演じて、アカデミー賞にノミネートされたんですよね。それを作ったダーレン・アロノフスキー監督なんで、ここではブレンダン・フレイザーを、このブレンダン・フレイザーって『ハムナプトラ3』以降、突然映画界から消えちゃったんですよ。
(赤江珠緒)この人も?はい。
(町山智浩)消えてたんですずっと。だから日本でも殆ど見てないと思います。この人は実はハリウッドで干されてたんですねずっと。この人イケメンで筋肉もモリモリで、すごいかっこいいんですよ。ゴールデングローブ賞というのがありましてアメリカには。ハリウッド外国人記者クラブというのがあって、その会長のおっさんにイタズラされたんですね、この人若い頃。性的なね。で、それをまぁ告発したんですよ。そしたら、ブラックリストに入っちゃって急に仕事が来なくなっちゃったらしいんですね。
(赤江珠緒)うっわ。。ひどい。。
性的加害を告発した為、干されてしまった
(町山智浩)実力者だったんで相手が。で、ずっと仕事がないまんま、引きこもる形に近くなって、その間にまぁ太ったりした訳ですけども、だから日本の映画ファンで彼のファンとかすごく多かったと思いますよ。『ハムナプトラ3』の時に共演のミシェル・ヨーと2人で来日してるんですよ。
(赤江珠緒)え〜!
(町山智浩)日本に。『ハムナプトラ3』の共演って、ミシェル・ヨーなんですよ。
(赤江珠緒)そうなんですね。ここでまたミシェル・ヨーさん。
(町山智浩)そう。で、今回アカデミー賞で復活なんで、今回のアカデミー賞はかつて映画を諦めたり、ミシェル・ヨーさんもだから、ずっとアカデミー賞を取るような活躍をしようとして、なかなかハリウッドが中国系の人キャスティングしないんで、もう20年以上苦しんでたんですよ。そういったハリウッドでずっと苦しんでた人達が、起死回生の大逆転をしたアカデミー賞なんですね、今回は。
(赤江珠緒)いや〜でもそれだけのブランクがあって、またこう評価されて、すごいですね。
(町山智浩)いやミシェル・ヨーさんがすごいのは、この人は2000年の『グリーン・デスティニー』っていう映画がアカデミー作品賞になったんですよ。カンフー映画ですけどそれも。で、このままハリウッドに進出するか?って言われてたら、やっぱりアジア人の仕事がないって事で、20年ぐらいだから苦しんでたんですよ。色んな形で・・さっき言った『クレイジー・リッチ!』に出たりね。で、やっと掴んだ栄光なんですけど、自分自身で切り開いてるんですよね、この人達。だから今回のアカデミー賞はちょっと今までのアカデミー賞と違うアカデミー賞ですよね。
(赤江珠緒)は〜・・そうなのか。
(町山智浩)ハリウッドから締め出された人達なんですよみんな。彼らの復讐戦なんですよ。ハリウッドに対する勝利なんです。
(赤江珠緒)確かにそういう人達ばっかりがね。へぇ〜!
ハリウッドから締め出された人達の復讐戦
(町山智浩)だからこれちょっとすごいんですよね。で、アカデミー賞とかハリウッドって2015年にはその『攻殻機動隊』っていう日本のアニメを映画化の時に、主人公の日本人の草薙素子をスカーレット・ヨハンソンに演じさせたりですね、本来アジア人のキャラクターを白人にやらせてて大顰蹙買ってたんですけど、それから7年で本当に改善されたんですねハリウッドは。
(赤江珠緒)変わりましたね。
(町山智浩)あの頃はアジア人の役があっても白人にさせてたんですよ、わずか7年前には。だから本当に今回のアカデミー賞は、もう日本の人にとっても非常に大きな社会変革のね、結果ですんで。それはみんなが勝ち取ったものですね、この人達が頑張って。だから是非ご覧いただきたいと思います。来週月曜日です。(アカデミー賞は。)で、『ザ・ホエール』は4月7日、日本公開です。
(赤江珠緒)はい。そうなんですね。なんかグッと意味合いがね、深まったね。町山さんも感慨深い物がありますね、そういう意味でね。
(町山智浩)ずっと授賞式やってますからね。まさかカンフー映画がアカデミー賞になると思ってませんよ本当に。ブルース・リーが天国で泣いてると思います。はい。
(赤江珠緒)町山さん、ありがとうございました!
(山里亮太)ありしたっ!
(町山智浩)どもでした!
※書き起こし終わり
○○に入る言葉のこたえ
②カンフー映画がアカデミー賞をこんなに取るって前代未聞
⑨食べ続ける事で緩慢な自殺をしようとしてる