スケールの大きさと人間とは?と問いかけられる。
2020年12月29日 09時48分
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総合評価:
5.0
今年の締めくくりに選んだら、熱量が凄かったし、長かった。長さを上回るムンムンした熱量が凄まじくて、「圧倒される」とはこのことか、とエンドロールを観ながら放心状態だった。
約66年前に上映されているとは、到底思えないスケールの大きさ。
それを感じさせないストーリー。
ザックリ言うと、村を荒らす集団を農民が、侍を用心棒として雇う話。
その中に散りばめられた様々なストーリー。
ジャケにもなっているけど、三船敏郎がたまらない。お茶目なムードメーカー的存在。あのミフネがお茶目!演じる菊千代は、他の侍よりも農民のことをよく知っている。
侍探しの時に見つける、ただならぬ雰囲気の侍が、勘兵衛。それが、もうカッコいい。性格もTHE SAMRAIで堪らない。
彼の癖から、色んな意味が読み取れる。「仕方ないなぁ」「参ったなぁ」「どうしたものか」
他の久蔵のクールさも良かったし、と挙げていくと、全員カッコいい侍。1人を除いて。
ラストは、人間とはなんぞや?と考えさせられる、というかクロサワに突き付けられ
る。
早口で何言っているのか分からない所があったり、暗過ぎて細かい所が見えないのは、仕方ないな、と思いつつも、気になって仕様がなかった。
スマホやネット、情報社会になっても、昔の作品を観れば観るほど、人間の変わらない本質に、悲しいため息が出てしまう。
このご時世に、観れて良かった。