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引用:IMDb.com

ソウルフル・ワールドの町山智浩さんの解説レビュー

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2021年01月21日更新
ベストワンな感じの映画・・はい。今年見た映画の中でね、本当、まぁ1番に・・(中略)「夢を信じろ」とかいうものってすごく多いじゃないですか。でも、それってひとつのプレッシャーなんですよね。もっと大事なものがあるんじゃないかっていう映画なんで。まぁぜひ、『ソウルフル・ワールド』は本当に大人が・・まあお子さんも一緒にいてもいいんですが。(笑)心に響くのはやっぱり大人の人だと思いますから、ぜひご覧になってください。(TBSラジオ「たまむすび」より)

映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)
で、『ソウルフル・ワールド』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。

映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。

町山さん『ソウルフル・ワールド』解説レビューの概要

①町山さんが2020年1番感動した映画。
②実は大人向けの哲学的なストーリー。
③子供に○○○は絶対に言ってはいけない。

※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。

町山さん『ソウルフル・ワールド』評価は

(町山智浩)
はい町山です。よろしくお願いします。

(赤江珠緒)
年内これ最後です町山さん。

(町山智浩)
これ最後か。なんか今年ってなんにも旅行とか殆ど行ってないし、かえって一年経つの早かったですね!

(赤江珠緒)
なんかそういう感覚ありますよね。気がつけばもう年末になってたみたいなね。

〜中略〜

引用:IMDb.com

2020年ベストワン!?感動した映画

(町山智浩)
それでね、今日は今年の最後なんでね、もうちょっとベストワンな感じの映画・・はい。今年見た映画の中でね、本当、まぁ1番に・・まぁ、最近見たっていうのもあるんですけども。(笑)それで感動したね、『ソウルフル・ワールド』っていう映画についてお話したいんですが。

ディズニープラスというディズニーの配信サイトで25日から全世界で同時に配信が始まってるやつなので、もう見てる人も多いと思うんですけど。これね、『ソウルフル・ワールド』っていうタイトルで原題は『Soul』っていうんですが、ジャズミュージシャンの映画で、主人公は45歳のおじさんなんですよ。

(山里亮太)
はいはい。

(町山智浩)
だからね、ちょっとちっちゃい子は見たがらないと思うんですけど。(笑)これはね、でもね、大人の映画なんですよ。完全に。
たぶん、アカデミー賞に引っかかってくると思うんですけれども。本当にそれこそ40歳ぐらいの人達・・子供がいる人はぜひ見た方がいいなと思うんですね。で、ピクサーっていつもね、そういう映画ばっかり作っていて。前も紹介したんですけど『トイ・ストーリー4』・・ご覧になりましたか?『トイ・ストーリー4』は。

トイ・ストーリー4のようなピクサーらしい作品

(赤江珠緒)
はい!あ、4?4は見てないですね。

(町山智浩)
4は見てない?あっ4はね、たぶんね、赤江さんが見ても何も感じないと思う、まだ。

(赤江珠緒)
えっ、なぜ?(笑)

(町山智浩)
4はね、ずっとウッディっていうおもちゃがね、父親のいない少年の、父親代わりとしておもちゃ生活を頑張ってきたわけですよ。ところがその少年が大人になっちゃったのね。そしたら、何のために生きているか分からなくなっちゃうっていう話なんですよ。子育てが終わると。

(赤江珠緒)
あっちょっと空の巣症候群みたいな?

何のために生きているのか

(町山智浩)
そう。空の巣症候群っていうやつになってしまって。それで「自分は何のために生きているんだろう?」っていう事で、大変なアイデンティティークライシスになるっていう話なんですよ。だからね、たぶん赤江さんはね、まだ真っ最中だからわからないんじゃないかと思うんですよね。

(赤江珠緒)
そうですね。育児真っ最中ですね。

引用:IMDb.com

ピクサーは、子供のために映画を作ろうとしない

(町山智浩)
僕なんかはすごい衝撃だったですよ。強烈な映画だったですね『トイ・ストーリー4』は。今回もね、そうなんですけど、このピクサーってね、作ってる人達が「子供のために映画を作ろう」ってあんまりしないんですよ。自分のために作るんですよ。だからそれが他の、日本とかのアニメーションとかなり決定的に違うところなんですよね。

で、これね、『ソウルフル・ワールド』の監督は、ピート・ドクターという人なんですけど、この人僕は何回か会った事があるんですけど、『モンスターズ・インク』の監督なんですね。あれは子供を怖がらせるのが仕事のモンスター達が2歳ぐらいの子供を抱えてしまって、右往左往する話なんですよね。あれは本当に監督自身が娘ができて、どういう風に付き合っていいのか分からなくて苦労した時の事をそのまま映画にしてるんですよ。

(赤江珠緒)
うんうん。

(町山智浩)
で、このピート・ドクターっていう人がその後に作った映画が『インサイド・ヘッド』っていう映画で。

(赤江珠緒)
あー!見ました!

ピート・ドクター監督の前作インサイド・ヘッド

(町山智浩)
あれはやっぱりその娘さんが10歳かそのへんで思春期の手前に差しかかった時に、うつ病になっちゃったんですよ。で、お医者さんに周ってるうちにですね、どうして人間の精神はそうやってうつ病になったりするのかっていう、そのシステムみたいなものを習ったんで、それをそのまんま映画にしたのが『インサイド・ヘッド』だったんですね。

(町山智浩)
だからすごくアニメーションという手法でしかできない事なんですよね、人間の頭の中、心の構造を絵で見せるってのはこれ、実写でやったらバカみたいになっちゃうんで。

(赤江珠緒)
ヨロコビとかカナシミとかイカリとかね。それぞれ出てきましたもんね。

アニメーションだからこそできる

(町山智浩)
そうそうそうそう。これ、アニメーションだからこそできるっていう事をやってる人なんですね。で、しかもそれぞれが自分自身と子供の関係でできた非常にリアルな話なんですよ。

で今回の『ソウルフル・ワールド』っていう映画は、もっとさらに踏み込んで、人はなぜ生きるのか?っていう話なんですよ。

(山里亮太)
子供向けじゃないですね!(笑)

(赤江珠緒)
哲学的!そうだね。(笑)

(町山智浩)
哲学なんですよ。で『Soul』っていう原題なんですけども、『Soul』っていうのは「魂」なんですね。魂を表現するのにアニメでやってるので、これも人間がやるとすごくバカみたいになるんですけど。(笑)アニメだからできるんですよね。クラゲみたいなものとして表現されてますけど、魂は。はい。

引用:IMDb.com

主人公はジョー。45歳の黒人のピアニスト。

で、これ主人公はジョーという45歳のですね、黒人のピアニストなんですけれども、彼はジャズミュージシャンとしてプロになる事を夢見てはいるんですが、なかなか芽が出なくて、ニューヨークの下町のクイーンズっていうところで、地元の中学校で音楽の先生をしてるんですね。

(赤江珠緒)
うん。

(町山智浩)
で、ただね、非常勤なんてあんまりお金をちゃんともらえてないですけども。まぁずっとやってきたんで、ちゃんとした正式の教師になれますよって校長先生に言われるんですよ。すると、嬉しくないんですよ。

(赤江珠緒)
あれ?

(町山智浩)
「俺は金儲けのために学校の先生をやってたんで、本当はプロのミュージシャンになるはずだったのに。こんな事で埋もれちゃちょっとマズいだろう。」っていう風に思っていると、そこにすごいプロのサックスプレーヤーから抜擢されてですね、プロミュージシャンとして表に出れるチャンスを掴むんですよ。

(赤江珠緒)
ほおーっ!

ジョーに襲いかかる不幸

(町山智浩)
夢が叶うと。ところがそこで事故でですね、意識不明になってしまって、生死の境をさまよって彼自身の魂は天国への階段を上り始めちゃうんですよ。ね。で、「死にたくない!」と。「今、俺のチャンスが、俺のミュージシャンとしてのチャンスがやっと掴めるっていう時なのに!死にたくない!」って言って、その天国の階段から暴れて落っこっちゃうんですよ。

(赤江珠緒)
ははははは、うん。(笑)

(町山智浩)
で落っこちて、どこに行くかっていうと、彼は死後の世界に行くところだったんですけども、死後の世界と全く逆の生前の世界っていうところに行っちゃうんですよ。生前の世界っていうのは、これから生まれる魂が、ソウルが、いっぱいいるんですよ。赤ちゃんの魂が。

(山里亮太)
生まれる前の?

スパークとは

(町山智浩)
生まれる前の。これから人間として生まれるのを待ってる状態のところに落っこっちゃうんですね、彼は。で、自分もその穴から落っこって、自分の肉体に戻ろうとするんですね。自分の体が一種の脳死状態になってるんで、そこへ戻ろうとすると、戻されちゃうんですよ。

(赤江珠緒)
戻されちゃう?戻れない?

(町山智浩)
「戻れないよ」って言われるんです。「どうして?」って言うと、「通行許可証が必要なんだ」と言われるんですよ。「それがないと、逆流しちゃうだろう。」って。で、「その通行許可証はどうやって取るの?」って聞くと「”スパーク”を感じたら取れる。」って言われるんです。で、「スパーク」っていうのは、”きらめき”とか”ひらめき”とかね、色々な訳があるんですけども、一番わかりやすいのは片付け先生のこんまりさんっているじゃないですか。こんまりさんは「ときめきが大事なのよ」っていつも言っているでしょう?

(赤江珠緒)
あぁ!物を捨てる時にね。

(町山智浩)
あの人は今アメリカでものすごい成功してるんですけど、あの「ときめき」は「Spark」と訳されています。

(赤江珠緒)
ほおーー!

(町山智浩)
だから「ときめき」ですよ。それがあるかないかで、人間に生まれ変われるかどうかが決まるっていう風に言われる。そこではですね、その生前の世界では、その生まれる前の魂、ソウル達にスパークを与えるために先生がですね、死んだ人達がそこに先生として呼ばれて、家庭教師みたいな事をやらされてるんですね。

(赤江珠緒)
あ、講師役で?昔死んだ人が?

引用:IMDb.com

豪華な登場キャラクター

(町山智浩)
そうなんです。昔死んだ人が。例えばね、リンカーン大統領が呼ばれてるんですよ。すると、リンカーン大統領は「自分が奴隷制度を無くすためにこれだけ戦ったんだ!」っていう人生を子供に見せるんですね。子供と言うか、生まれる前の魂に見せるんですよ。で、それを聞いて「あっ!」って感動してスパークした人は、そこでライセンスをもらって、パスをもらって人間に生まれるんですね。

(赤江珠緒)
ふーん!なるほど。

(町山智浩)
そういう感じでいろんな先生が呼ばれていて。例えばモハメド・アリとか・・ボクサーのチャンピオンの。大昔の人だと、地球が太陽の周りを回ってるっていう事を提唱した天文学者のコペルニクスとか、そういった人達が呼ばれて子供達に科学や音楽やいろんな事を、自分の人生を見せると、子供達がピンと来たら、そこで生まれる事ができるんですね。

(山里亮太)
きらめいたら。

22番の魂

(町山智浩)
きらめいたら、ときめいたら。で、その主人公のジョーもその先生と間違われちゃって。で、その22番の魂の先生をやらされるんですよ。で、ジョーは「自分が少年時代にジャズを聞いてスパークを感じて、ジャズピアニストを目指したんだ。」みたいな話をするんですね。ところがね、その22番の魂は何も感じないんですよ。で、「今まで私にはいろんな先生が付いた。」と。「マザー・テレサもついたし、リンカーンもガンジーもついたし、モハメド・アリも、もう色んな人がついたんだけども、私は何も感じないんだ、彼らの話をいくら聞いても。だからもう、生まれたくないんだ。」って言われちゃうんですよ。

それで何も人間として生きていく事は何も面白そうに思えないんですって言われちゃうんです。そうするとね、ものすごく頭に来るんですよ。そのジョーは。だって自分はやりたい事があって、それなのに死んじゃったんだもん。

(赤江珠緒)
そうね!なるほど。

ジョーと22番の魂のドタバタに

(町山智浩)
イライラするわけですよ。「てめえ!」みたいな感じなんですよ。で、この要するに生きるたいのに死んじゃったジョーと、生きなきゃならないのに生きる理由がわからないこの22番のドタバタになっていくんですよね?

それがね、『ソウルフル・ワールド』っていう映画なんですけども。これ、すごいのはね、ピクサーだからできるんだと思いますよ。だって、映画会社とかでお金を集めなきゃならないじゃないですか。投資でね。で、今度の映画は”何のために生きるか?”という映画を作るんですって言ってもお金は集まんないですよ。哲学だから。

(赤江珠緒)
そうね。

(町山智浩)
ねぇ!電通とか絶対にお金を出さないですよ!そんな事言っても。だからすごい大きなテーマを扱ってて。で、このスパークっていう、ときめきっていうのはすごく大事なものとして描かれていて。でね、やっぱり生まれた後そのスパークを見失っちゃう人が出てくるですよ。

(山里亮太)
あぁ、なるほど。

引用:IMDb.com

ソウルが真っ黒

(町山智浩)
自分のスパークが分からなくなっちゃう人。で、この映画の中では、『ソウルフル・ワールド』の中ではね、ヘッジファンドで働いている証券マンが出てくるんですね。で、彼はもうそれこそ何億円もの金を稼いでるんですけど、もうそのソウルが真っ黒なんですよ。それが彼のスパークじゃないから。

(赤江珠緒)
あらー!

大昔のディズニー映画の『メリー・ポピンズ』と同じ話

(町山智浩)
そう。もういくら金儲けても楽しくないし幸せじゃないんですよ。で、真っ黒な迷子の魂(ロストソウル)になっちゃうんですよ。でね、これはね、すごいなと思ったのは、これね、大昔のディズニー映画の『メリー・ポピンズ』と同じ話なんですよ。『メリー・ポピンズ』見た人は分かると思うんですけど、銀行員家の家にメリー・ポピンズは家庭教師としてやってくるんですね。で、子供達と遊ぶんですけど、本当の主人公はその銀行家のお父さんなんですよ。銀行家というか、ただの銀行員ですね、ごめんなさい。

彼はとにかく下っ端の銀行員として毎日毎日働いてて、笑顔も全くないお父さんなんですよ。これはね、この『メリー・ポピンズ』の原作者のパメラ・トラバースという人のお父さんが実際そうだったんですよ。で、本当は詩が好きで、文学の道に行きたかったんだけれども、生活のために銀行員として働くうちに、どんどん心を病んでいって、酒に溺れて死んでいったんですよ。そのお父さんは。

(赤江珠緒)
自分を殺しちゃってたっていう所なんですね。

(町山智浩)
殺しちゃってたんですよ。魂を殺しちゃってたんですね。それを見た娘が書いた話が『メリー・ポピンズ』なんですね。お父さんを救うっていう話だったんですよ。だから結構ディズニーは昔からそういうのをやってきてるんですね。でね、あとこの人生とかっていう意味について語るっていう形でもね、ピクサーは既に1回やってて。死後の世界を描いたアニメで『リメンバー・ミー』っていう映画がありましたね。ご覧になりました?

(山里亮太)
あぁ!はい!!はい!

死後の世界を描いたリメンバー・ミー

(町山智浩)
あれ、結構きつい映画で。人間は2度死ぬっていう話をするんですよね。

(山里亮太)
はいはい。忘れられちゃったらね。

(町山智浩)
そう。死んで、あの世に行った後も、誰も生きている人達がその人の事を覚えていなくて忘れちゃったら、あの世でもう1回死んで本当に完全に存在が消えうせるっていうんですよ、存在が。きつい話なんでね。で、家族に愛された人だけが思い出される事であの世でも生き続けるんですけども。それで、あの世で生き続けてるのにはもうひとつあって、死んでからも愛され続けている芸術家とか偉人とか、フリーダ・カーロっていう画家だったりとか。

(赤江珠緒)
著名人ね。

(町山智浩)
著名人はみんなに愛され続けているからあの世でずっと生き続けるんですけども。でもこれ結構きつい話ですよこれ。孤独に生きて世の中に知られなかった人には生きる価値がいないのかっていう風にも見えてしまうんですよ。

で、『ソウルフル・ワールド』もそういう感じにも見えるんですよ。出てくる偉人達が、リンカーンだったりガンジーだったり、世の中のために戦って世の中を良くした人達なんですよね。

(赤江珠緒)
確かに。成し遂げてる人ですもんね、何かを。

引用:IMDb.com

人間の役割、使命

(町山智浩)
成し遂げてる人達なんですよ。で、その人達が「なにも・・私が言う事になにも感じないのか?」っていう風に言うわけですけど。それって「人間1人1人には世の中に生まれてくる役割があるんだ。使命があるんだ。」っていう風に聞こえてくるわけですよね。でも、それに対してどうもピンと来ない人っていうのもいるんですよね。

(赤江珠緒)
いやそりゃそうですよ。多くの人がね、使命って・・って。

(町山智浩)
そう。おそらく、多くの人はそうなんですよ。で、ジョーはイライラするんですよ。自分は音楽がやりたくて、死ぬほど音楽をやりたかったのに死んじゃったんで。で、その「何もやりたくない。やりたい事が分からない。」っていうその22番にイライラして、「君はやりたい事がないのか!君の人生の目的は何なんだ!?」って問い詰めていくんですよ。

(赤江珠緒)
おおーっ!

子供に言ってはいけない

(町山智浩)
これは、やっちゃいけない事ですよ。これはね、子供に言っちゃう時があるんですよ。親は。

(赤江珠緒)
いやーっ・・そうかぁ。。

(町山智浩)
特に進学の時に。「何がやりたいの?やりたい事、ないの?」って。

(赤江珠緒)
あぁ、それは確かに言っちゃうだろうね。なんかね!

(町山智浩)
絶対に言っちゃうんですよ、どの親も。でもそれは、もうそれを聞く時点でその何がやりたいのかが、親から見えてないわけだから、それを言ったら子供にはものすごいプレッシャーなんですよ。絶対、聞いちゃいますよ。そういうのが見えないと。

(赤江珠緒)
そうですね。うん。

やりたい事

(町山智浩)
でも、恐らく多くの人達、大部分はそうだと思います、子供の頃は。でもね、何かやりたいものはあるんですよ実は。ただ、それが社会に出ていく時の自分のアイデンティティーと結び付いてないだけなんですよ。

(赤江珠緒)
はぁぁぁぁ・・!

(町山智浩)
あのね、うちの娘はとにかく勉強が嫌いで、K-POPばっかり見てたんですよ。で、どこ行きたいの?って。アートに行くんだったらアートでもいいし、どこの学部でもなんでもいいから、やりたい事をやっていいよって言っても、「別にぃ」っていう感じで、それで勉強してないでK-POPばっかり見てたんですよ。でね、どうなったかって言うとね、今は韓国語ペラペラですよ。

(山里亮太)
へぇーー!!

(町山智浩)
ただね、その時に僕は「それ役に立つのかよ!?」とか「そんなんでメシが食えるの?」みたいな感じだったんですよ。

(赤江珠緒)
えっ、町山さんが?えー町山さんでも?

引用:IMDb.com

町山さんがすごく反省した

(町山智浩)
そう。だって、勉強に結びつかないっていうか、勉強してないんだもん。K-POPばっかり見てて。そしたらね、やっぱりずっと好きだったからね、韓国語がベラベラになっているんですよ。だからね、何かあるんですよ。ただ、それで食えるの?とかは絶対に言っちゃダメなんですよ。絶対に言っちゃダメだと思った。だから僕、すごく反省したんで、この映画がすごく心に響いてるんですよ。

(赤江珠緒)
へぇー!

(町山智浩)
でね、この主人公もね、「ミュージシャンになる。成功する。」っていう事を考えてたんですけども、そもそも成功とか名声とかを夢見てきたけれども、そのために音楽をやってるのか?っていうね。成功するため、金持ちになるため、世の中に認められるためで、あとは世の中の役に立つため。それは目的とか結果ではあるんだけど、音楽はそのためにやってたわけじゃないんですよね、彼は。

(赤江珠緒)
そう・・ですね!わっこれ深い話だな、町山さん!

人生はゲームじゃないし、勝ちも負けもない

(町山智浩)
そう。だからこの中でね、トロンボーンを吹いてる子が「私、トロンボーンをやめたいです」っていう生徒が出てくるんですね。「先生!」って。私、音楽家になるわけじゃないから、音楽をやっても意味ないし、受験に関係ないしって言うんですよ。

でもその子はトロンボーンを吹いてる時に楽しそうなんですよ。それでいいんですよ。人生はゲームじゃないし、勝ちも負けもないんでね。という話なんですよ。

(赤江珠緒)
そうかー!なるほど・・なんかついつい、損得みたいなジャッジでね、やってしまう事ありますもんね。

(町山智浩)
そんなの関係ないんですね。それで今、かかっている曲がね、『It’s All Right』っていう歌なんですけども。これが主題歌で最後に流れるですけど。これがね、「気にするなよ。大丈夫だよ。自分を大切にするんだよ。ソウルがあるから。」っていう歌詞なんですよ。

だからね、本当にね、「夢を信じろ」とかいうものってすごく多いじゃないですか。でも、それってひとつのプレッシャーなんですよね。もっと大事なものがあるんじゃないかっていう映画なんで。まぁぜひ、『ソウルフル・ワールド』は本当に大人が・・まあお子さんも一緒にいてもいいんですが。(笑)心に響くのはやっぱり大人の人だと思いますから、ぜひご覧になってください。

ソウルフル・ワールドもピート監督の体験談?

(赤江珠緒)
これもやっぱりピートさんのその体験談の中からなんでしょうね。

(町山智浩)
おそらくたぶんね娘さんに何か言っちゃったんだと思うんだよね、俺。(笑)

(赤江珠緒)
なんかね。(笑)

(山里亮太)
なるほど!それで反省して?

(町山智浩)
「やりたい事はないの?」とか言ったんだと思います。(笑)それで失敗したんだと思います。(笑)

(赤江珠緒)
『ソウルフル・ワールド』はディズニープラスで現在、配信中でございます。なかなかいいですね、見たいなと思いますね。町山さん、今年も1年、色々と映画、ありがとうございました!

(山里亮太)ありがとうございました!

(町山智浩)どもでした!


※書き起こし終わり


○○に入る言葉のこたえ

③子供に「やりたい事ないの?それで食えるの?」○○○は絶対に言ってはいけない。
でした!

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