検索 映画ポップコーンについて
登録/ログイン
引用:IMDb.com

ロスト・キング 500年越しの運命の町山智浩さんの解説レビュー

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

2023年09月23日更新
歴史的な真実においてのリチャード三世は違う!という風に信念を持ってる普通の女性、OLの中年の女性が、あらゆる歴史学者が見つけられなかったリチャード三世の真実を突き止めたっていう実話の映画化です。(TBSラジオ「こねくと」より)

映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『こねくと』(https://www.tbsradio.jp/cnt/)で、『ロスト・キング 500年越しの運命』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。

町山さん『ロスト・キング 500年越しの運命』解説レビューの概要

①リチャード三世というイギリスの王様についてのお話
②リチャード三世はシェイクスピアの劇でものすごく○○い王様として描かれる
③普通の女性がリチャード三世の歴史的な真実を突き止めた実話の映画化
④主人公の女性は慢性疲労症候群という病気に
⑤慢性疲労症候群のせいで周りから怠けてると思われてしまう
⑥同じく身体障害で悪役にされたリチャード三世に共感していく
⑦リチャード三世の復権をする為に彼がちゃんと王として死んで墓に埋葬されたことを証明する

※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。

『ロスト・キング 500年越しの運命』町山さんの評価を書き起こし

→『オアシス』町山さんの解説レビュー

(町山智浩)ねぇ。本当にあれは泣きましたよね。いや、今日ね紹介する映画もちょっと似てるんですけど。あの『オアシス』は脳性麻痺の人というのを見ると、普通の人はその、なんていうか脳性麻痺の事を知らない人は、知能とか精神に問題があると思い込んじゃうんですよね。

映画「」のポスター

(でか美ちゃん)そうですね。ただ体が不自由なだけなのに、ちょっとこう見た感じの印象で決めつけちゃうというか。

(町山智浩)決めつけちゃうんですよ。でも、実は体が単に不自由なだけなんですよ。だからそういう事があって、非常に偏見で見られるんですけども。今回の話もね、そういう話なんですけど。『ロスト・キング』というイギリス映画です。これ『500年越しの運命』というタイトルがついてて日本では。9月22日からTOHOシネマズなどで公開なんですが。これはですねリチャード三世というイギリスの王様についてのお話なんですよ。

(でか美ちゃん)ほう。

(町山智浩)でリチャード三世というのはシェイクスピアの劇になってるんですけども。あのものすごく悪い王様とされてるんですね。王になるために、そのまぁ王位継承権を持つライバルを達を次々と陰謀で殺していって、で自分が殺したライバルの奥さんもですね口説いて、自分の物にしたりね。あと甥っ子がいたんですけれども、甥っ子の方が王位継承権で上にあったんで、甥っ子は少年2人だったんですけれども、王子様2人。それを殺したりね。そういう事をして権力を握ろうとする男としてシェイクスピアはそのリチャード三世を描いてるんですけども。1番冒頭でお客さんに向かって挨拶をするんですよね。リチャード三世が。お芝居ですから。私は見ての通り体が不自由だと。で、その芝居の中では体をねじ曲げるんですね。リチャード三世が。で、私はこんなに不自由だから女性から愛されないと。だから私はもう世の中を憎んで、悪党になってやる!っていう所から始まるんですよ。

(でか美ちゃん)あぁ、その悪役として描かれているその彼にも事情がというか。

(町山智浩)要するに身体の障害と心の悪逆さを結びつけちゃってるんですよこれは。

引用:IMDb.com

身体の障害と心の悪逆さを結びつけた演出

(でか美ちゃん)あぁそういう事か。そういうイメージを植え付けるキッカケの作品だったんですね。

(町山智浩)はい。もう名作とされているんですけど、このシェイクスピアのドラマはね。それに対して異を唱える人々がいるんですよ。そうじゃねぇだろうと。

(でか美ちゃん)確かに。

(町山智浩)それは差別だし偏見だし、いくらシェイクスピアといえ許されないぞって思ってる人達もいっぱいいるんですね。で、そういう女性が、歴史の真実のリチャード三世を突き止めるっていう話なんですよ。

(でか美ちゃん)ほう。なるほど!一般的にはこう言われてるけれど。って言う。

(町山智浩)そうそう。こう言われるけどそんなものは作り話でしょう、歴史的な真実においてのリチャード三世は違う!という風に信念を持ってる普通の女性、OLの中年の女性が、あらゆる歴史学者が見つけられなかったリチャード三世の真実を突き止めたっていう実話の映画化です。

(アンジェリーナ1/3)うわっ!実話っていうのがすごい!

普通の女性がリチャード三世の歴史的な真実を突き止めた実話の映画化

(町山智浩)はい。これはですね、2018年のアカデミー賞主演主演女優賞を『シェイプ・オブ・ウォーター』で受賞したサリー・ホーキンスさんという人がですね、主役のフィリッパさんという人を演じるんですが。

映画「」のポスター

フィリッパさんは、スコットランドのマーケティング会社で働いてる女性で。これ2020年ぐらいの話なんですけども。その時既に50歳ぐらいなんですよ。で、病気になっちゃうんですね。これね、慢性疲労症候群という病気なんですけども、これねはっきりした原因はわかってないんですけど、どうもウイルス性の病気にかかった後、その体中が疲れて、もう何もできなくなっちゃうという後遺症が残る事なんですね。

(でか美ちゃん)なんか色んな症状がめっちゃ出ちゃうやつですよね。

(町山智浩)そうそう。最近コロナでなった人もいるんですけども。要するに感染性の病気なんですね。で、その後遺症なんですが、それで仕事ができなくなっちゃうんですよ。会社からも、君はいつも疲れた感じで、もうダメだねっていう感じですごく差別的に低い評価を受けて。しかもまぁ中年というか50歳ぐらいの女性なんで、会社の中で居場所がなくなっていくんですね。

(でか美ちゃん)うーんなるほど。

(町山智浩)で家ではね、旦那がね他に女作って出て行っちゃうんですよ。

(でか美ちゃん)えっ。病気の時ほど支えてよ。。

(町山智浩)そうなんです。お子さんが、息子さんが2人いるんですけども、子育ては続けてくれるんですけど旦那は。ただ家は出て行っちゃうんですね。シングルマザーをしているんですよこのフィリッパさんは。で、精神的にも肉体的にもどん底にある状態で、それでリチャード三世というお芝居を見に行くんですよ。で、そこで見たらさっき言ったみたいにそのね。体の不自由なリチャード三世が悪党になるっていう話なんで、頭にきちゃうんですね。

(でか美ちゃん)そうですよね。そんなんじゃないよって言う。

(町山智浩)そうなんですよ。彼女フィリッパさん自身も体が具合が悪くなって、で具合が悪くなって周りの人がなんか怠けてると思う訳ですよ。病気なのに。

(でか美ちゃん)ね。理解されづらい病気ですもんね。

引用:IMDb.com

慢性疲労症候群のせいで周りから怠けてると思われてしまう

(町山智浩)そうなんですよ。で、もう周りから差別されて、すごく良くなく見られて、彼女自身が苦しんでいるんでリチャード三世に共感してくんですね。で、これはおかしいから絶対に私は真実を突き止めようとして、歴史的な研究を始めていくんですよ。で、どうも、王子を殺したとか、そういった事は実はちゃんとした証拠がない事がわかっていくんですよ。デマなんですね。

(でか美ちゃん)へ〜!なるほど。

(町山智浩)だから、この間もその在日朝鮮人の人達が関東大震災の時に暴動してるっていうデマがあって虐殺された話があったんですけども。

『福田村事件』解説書き起こし

リチャード三世も背中が曲がっていたので。これね、脊椎側弯症だったみたいなんですよ。側弯症って今でもかなりいますけれども。それで、そこから逆に、彼は悪い人なんだという事を決めつけられていったみたいなんですね。で、彼女は色々データを調べていく訳ですよ。徹底的に。で、その中で、リチャード三世協会という人達と仲良くなるんですね。で、それはリチャード三世は悪くないと信じてる素人さんの集まりなんですよ。

(でか美ちゃん)へ〜。有志で集まった方々というね。

(町山智浩)有志で集まって。で、どう考えても不当だと。なんとか彼の汚名を晴らすんだと。いう事で頑張ってる人達と一緒に協力しながら、色々資料を見つけてくんですけども。で、彼が実はそのイギリスの王家の血統の中から外されちゃってんですね。リチャード三世は。

(でか美ちゃん)なぜ?ってなりますね。

(町山智浩)つまりは陰謀によって、暗殺とか陰謀によって王としての資格を取ったから。っていう事で外されてたんですよ。で、彼の復権をするためには、彼がちゃんとした王として死んで、墓に埋葬された事を証明すればいいと。

(でか美ちゃん)なるほどなるほど。

リチャード三世の復権をする為に彼がちゃんと王として死んで墓に埋葬されたことを証明する

(町山智浩)ところが、リチャード三世は伝説の中では、悪党だったから、惨殺されて川に捨てられたって事になってるんですよ。

(でか美ちゃん)そうか。最後はひどい人がひどい結末を迎えたって事になってたんですね。

(町山智浩)なってるんですよ。それでお墓もないと。遺骨もないと。いう事になって、じゃぁ私は絶対に彼がちゃんと埋葬された証拠を見つけるんだという事になったんですね。で、色々調べると実はその薔薇戦争ていうおんが当時イギリスであって。それは、そのイギリスの王家の2つの家系があったんですけども。ヨーク家というのと、チューダー家という2つの家系が争う内戦状態になったんですね。で、リチャード三世は、ヨークだったんですよ。ところが戦争で負けて、チューダーという家系がその後イギリスの王家を継いでいくんですね。でも、チューダーの方は実は傍系なんですね。乗っ取った形になってるんです。で、その後に歴史を彼らが支配してくんで、自分達を正当化するためにリチャード三世は悪者だったという歴史の改ざんを行ったらしいっていう事がわかっていくんですよ。

(でか美ちゃん)都合のいいようにされてたんですね。

(町山智浩)されてたんです。まぁ、ね、結局権力を握った方が歴史を書きかえちゃうから。で、その辺から彼女は今度は歴史学者達と戦っていく事になるんですよ。でも相手にされないんですよ。

(でか美ちゃん)だって普通の人ですもんね。

(町山智浩)そう、ただの人でしょって。私達は学者でね、何百年も歴史学やってて、わかんない事は君みたいにちょっと歴史をかじっただけの人にわかる訳ないだろうみたいな感じなんですよ。

(でか美ちゃん)なんなら1回通った道じゃいって思われそうですしね。(笑)

(町山智浩)そうそう。そんな事はもう既にね証明されてんだよとか言って、相手にされないんですよ。ところがどんどん彼女が、それでもくじけないのは、彼女の前にリチャード三世が現れるんですよ。

(でか美ちゃん)ええっ!あれ?どういう事だ?

(町山智浩)で、彼女を導いてくんですよ。これね、僕は映画の嘘だと思ってたんですよ。

(でか美ちゃん)うんうん、ちょっとファンタジックすぎるような。

引用:IMDb.com

リチャード三世が現れる

(町山智浩)ファンタジックすぎるんですけど、かなり本当で。彼女は多くの場合、直感的にリチャード三世から直接教えてもらった訳じゃないんだけど、ここに間違いない!っていう事で、次々に証拠を見つけてくんですよ。

(でか美ちゃん)へ〜!ピンと来たぞっていう連続で。

(町山智浩)そうなんですよ。だからたぶん、リチャード三世が死んでね、さんざん悪党にされて、映画とかでも非常にものすごい悪いやつに描かれてるから。なんとか誰か俺の本当の事を証明してくれないかってずっと思ってたんだと思うんですよ。

(でか美ちゃん)ずっと魂があったんでしょうね。

(アンジェリーナ1/3)状況を変えてくれ!っていうね。

(町山智浩)そうなんです。で、彼女の前に、このフィリッパさんの前に現れるんですよ。

(でか美ちゃん)あ〜〜!

(町山智浩)非常にハンサムなリチャード三世が。リチャード三世ってお芝居だとねものすごいね、気持ち悪いメイクとかにして。怪物みたいにして出てくるんですけども。実際はそうじゃなかったみたいなんですよ。

(アンジェリーナ1/3)あぁそうなんだ。

(町山智浩)絵が残ってるんですけど。そんなに悪くないんですよ。

(でか美ちゃん)ね。綺麗なお顔立ちされてますよ。

(町山智浩)そうなんですよ。で、これはね。結局彼女は実は修道院という教会があるんですね、カトリックの。そこにちゃんと埋葬されてるっていう記録を見つけ出すんですよ。

(でか美ちゃん)お〜すごい!

(町山智浩)ところがその修道院存在しないんですよ。

(アンジェリーナ1/3)えっ!なんで。

修道院が存在しない

(町山智浩)イギリスは、ヘンリー八世という王様が離婚して新しい嫁さんをもらいたかったから、離婚はカトリックで禁じられてたんで、カトリックをイギリスから追い出して。イギリスの国王もずっとカトリック教徒だったんですけども、カトリックをやめて、英国教会という教会を新しく作って離婚したんですね。そこからイギリスではカトリックを全部排斥するという運動が起こってくんですよ。

(でか美ちゃん)そっか・・。

(町山智浩)で、カトリックの教会とか全部打ち壊されたんです。

(でか美ちゃん)うわぁ。

(町山智浩)徹底的に破壊されて。だから、そのリチャード三世が埋められてた教会も見つからないんですよ。

(でか美ちゃん)そうか。だから色んな歴史の積み重ねで、リチャードの事実はどんどん消されてったんですね。

(町山智浩)どんどん消されてるんですよ。でもそこにまたリチャード三世が現れるんです。で、こっちだよって言ってね。フィリッパさんを導いていくんですよ。

(でか美ちゃん)実話なのがすごいな。

(町山智浩)という話で。でもその先にね次々と色んな大学とかね、学者達がね、途中から彼女が実は本当にすごい発見をしそうだっていう事がわかると、彼女を妨害してそのその手柄を横取りしようとするんですよ。

(アンジェリーナ1/3)そういう人絶対出てきますもんね。

(でか美ちゃん)だって最初はバカにしてたのにって感じですよね。

(町山智浩)そうなんですよ。学者達が俺達はプロでやってんだから素人にこんなん取られてたまるかよみたいになっていくんですね。しかも、その修道院があったと彼女がその発見した場所っていうのは、駐車場になってるんですね。(笑)現在。

(でか美ちゃん)え〜!まさかまさかそんな所にって思いますね。

(町山智浩)そうなんですよ。で、その駐車場を壊して、発掘をしなきゃなんないってなると、ものすごいお金がかかる訳ですよ。でもそんなお金ないんですよ。

(でか美ちゃん)普通の人だもんだって。

(町山智浩)でしょう?そこでどうするかっていうのはまぁ映画を見てのお楽しみなんですね。

(アンジェリーナ1/3)わぁ〜気になる!!

(でか美ちゃん)ちょっとね本番前に予告編を見たら、バーッと色んなシーンがあるので一言一句たがわずは言えないですけど、究極の推し活がここに!みたいな予告編だったんですよ。(笑)

(町山智浩)そうなんですよ!あぁそうか見ればわかるか。予告編見れば。(笑)

(でか美ちゃん)でも、どういう事だろうって正直予告編だけだと思ってたんですけど。リチャード三世という推しと出会ってって事だったんですね、簡単に言うと。

(町山智浩)そうなんですね。ファンなんですよ。フィリッパさんは。まさに推し活で。(笑)

(でか美ちゃん)リチャード三世協会は、私がいつもハロプロのライブを終わった後にみんなで集まってるのと同じような、

(アンジェリーナ1/3)ファンクラブみたいな空間。(笑)

(でか美ちゃん)有志で集まってるみたいな、愛情が深いあれだったんですね。

(町山智浩)それがね、全世界に広がってるんでね。実はリチャード三世は悪くないと思ってる人は彼女達だけじゃなくて、ものすごいいたんですよ。実は。全世界に。

(でか美ちゃん)じゃぁちょっとこの9月22日公開の『ロスト・キング』、楽しみに見たいと思うんですが。

※書き起こし終わり

○○に入る言葉のこたえ

②リチャード三世はシェイクスピアの劇でものすごく悪い王様として描かれる

オススメ情報

↓↓みんなが読んでいる人気記事↓↓

【2024年】動画配信サービスおすすめランキングに注意!人気を無料や利用者数、売上で比較!徹底版

→【すぐわかる】動画配信サービスおすすめランキング【忙しいあなたへ】人気を無料や利用者数、売上で比較!簡易版

映画のレビューを書くと、あなたの好みの映画が見つかります!

解説レビューの評論家について

解説レビューの作品情報

この記事の著作者

映画好き🎬話題の映画や、無料で見られる映画、映画の見る前情報、見た後の映画解説など1サイトでぜーんぶ出来る映画ポップコーン🍿を広め隊🌸
アマプラ、Netflix、Disney+をよく見ます😋

似ている作品

町山智浩さんの他の解説レビュー

町山智浩さんの映画解説をもっと見る