天才ゆえの苦悩と嫉妬
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年8月16日 00時20分
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総合評価:
5.0
天才モーツァルトの早過ぎた死が
同じ時代に生きた作曲家でライバル、サリエリの影響という目線からの作品。
モーツァルトの天才過ぎるゆえの
万人受けの無さや、
サリエリのただただモーツァルトへの才能への嫉妬からくる憎悪が怪演されている。
モーツァルトはやりたいように生きた中で、
唯一父親からの心からの自立が出来ないまま大人になってしまった。
その深い心の溝を利用してサリエリが弱っていくモーツァルトを操っていく。
映画の中では
才能溢れるモーツァルトの寂しい死に方、
葬られ方は心締め付けられる思いになるが、
サリエリはそれを罪とし償いの一生を終えるのだ。
モーツァルトとサリエリの確執については諸説あるが、この映画ではそれを見事なサリエリ目線で仕上げている。
モーツァルトの才能にそこまで嫉妬したのは
サリエリがやはり素晴らしい音楽家だったからだろう。
記憶に残る音楽家となるとやはりモーツァルトだが、サリエリ目線のこの映画に私は強いロマンを感じる。