ヒッチコックの頭の中は…
2021年9月2日 19時23分
役立ち度:0人
総合評価:
5.0
ヒッチコック監督は新作の撮影が始まる前に、完成したその映画がすべて頭の中に出来上がっているのだという。撮影が始まったら、その脳内映画をそのまま作るだけなのだと。
映画の神様というか怪物というか、とにかく尋常ではない脳みその持ち主なのだ。
今作のオープニングの長回し。何故かひとりでに開くカーテン、窓へと進むカメラの移動、階段を駆け上がる猫の動き、向かいアパートの住民たちを一人ずつナメていくパン撮影、カメラの急速後退からジェームズ・スチュワートのアップへのピン送り、彼の額にジャストタイミングで流れる汗。すべての情報が過不足なくスクリーンに提示される冒頭数分間、こんなオープニングシークエンスが撮影前から監督には完璧に見えているのだ。まさに映画の怪物。
コマ落としのスローモーションで登場するグレース・ケリーの美しさももちろん神がかり的。
最高の脚本、最高の演出、最高の俳優。ハラハラドキドキのサスペンス、うっとりするようなラブロマンス、洒落た音楽、クスリと笑わせるブラックユーモア。
何度でも見返したい、映画のマスターピースとはこれだ!
イメージワード
- ・楽しい
- ・笑える
- ・恐怖
- ・知的
- ・ロマンチック
- ・ゴージャス