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引用:IMDb.com

セッションの町山智浩さんの解説レビュー

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2021年05月21日更新
ジャズ映画ってそれ、面白いのぉ?って感じだったんですよ、最初。これが面白かった!!!!すごかった!!これ去年見たんですけど、去年見た映画の中でも、クライマックスは最高でしたね!(TBSラジオ「たまむすび」より)

映画評論家の町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』(https://www.tbsradio.jp/tama954/)で、『セッション(原題:Whiplash ウィップラッシュ)』のネタバレなし解説を紹介されていましたので書き起こしします。
映画視聴前の前情報として、また、映画を見た後の解説や考察レビューとして是非ご参考ください。

町山さん『セッション』解説レビューの概要

①ウィップラッシュは、鞭打ちという意味
②ジャズ映画に興味はなくても、面白かった!
③サンダンス映画祭でグランプリと観客賞を受賞
④デミアン・チェゼル監督のデビュー作がこのセッション。後に『ラ・ラ・ランド』『ファースト・マン』を手掛ける。
⑤ジャズドラマーを目指す主人公がニューヨークの名門音楽学校に入学。
⑥有名コーチのフレッチャー先生にビッグバンドジャズのドラマーに抜擢される。
⑦フレッチャー先生の○○○が始まる。
⑧クライマックス10分間、○○○が殆どない。
⑨はっきり言ってボクシング映画。
⑩2014年に見たどんな映画のバトルシーンよりもバトルでしたね。

※○○の中に入る文章は、この記事の1番最後で公開しています。
TBSラジオたまむすびでラジオ音源を聞いて頂くか、書き起こし全文をご覧頂くか、この記事の1番最後を見て頂く事で判明します。

(町山智浩)
はい!今回ね、ジャズ映画なんですけども。『Whiplash ウィップラッシュ』(邦題:セッション。放送時、邦題がまだ未定だった為。)っていうね、ちょっと言いにくい覚えにくいタイトルなんですけど、ウィップラッシュっていう映画です。

(赤江珠緒)
はい。

(町山智浩)
ウィップって言うのはね、鞭。ムチですね。バチンバチンってあの〜お尻を叩いたりするムチですね。

(赤江珠緒)
笑。

(町山智浩)
で、ラッシュって言うのは、激しく叩く事なんで、”ムチ打ち”って言うタイトルなんですよこれ。ウィップラッシュって言うのは。

(赤江珠緒)
へーえ!えぇ。

セッションの原題Whiplash ウィップラッシュは、ムチ打ちという意味

(町山智浩)
これね、ウィップラッシュっていうジャズの名曲があってそこから取ってるんですけども、この映画自体がね、ムチ打ちのようなね、ムチでしばき倒すような映画なんですよ。

(赤江珠緒)
ジャズの映画なのに?

(町山智浩)
ジャズの映画なのに。で、ジャズ映画って聞くと、ジャズとか興味ねーし!って思うじゃないですか。そうでもないですか?

(山里亮太)
難しいし・・

(赤江珠緒)
こじゃれた感じ?みたいに思いますけどね。

(町山智浩)
そうそうそうそう。僕も、ジャズ映画ってそれ、面白いのぉ?って感じだったんですよ、最初。これが面白かった!!!!

(赤江珠緒)
へー!

引用:IMDb.com

クライマックスは最高!

(町山智浩)
すごかった!!これ去年見たんですけど、去年見た映画の中でも、クライマックスは最高でしたね!

(山里亮太)
えーー!

(赤江珠緒)
あぁ、そうですか!

(町山智浩)
はい。最っ高に燃える映画でした!で、これはあの、サンダンス映画祭っていうアメリカのインディペンデントの、まぁ低予算の映画祭があるんですけども、そこでグランプリと観客賞を受賞してるんですよ。

(山里亮太)
へー!

サンダンス映画祭でグランプリと観客賞を受賞

(町山智浩)
観客賞を受賞したっていうのはそれだけ熱い映画なんですね、この映画。

(赤江珠緒)
まぁそうですよね・・!

(町山智浩)
でね、これ監督はですね、デミアン・チェゼルっていう人なんですけど、この人デビュー作です。

(赤江珠緒)
えっ!デビュー作でいきなり!?

デミアン・チェゼル監督は29歳、デビュー作でサンダンスでグランプリ受賞

(町山智浩)
デビュー作、自分で脚本書いて、29才でもういきなりサンダンスでグランプリをとってるんですけど、これはね、彼自身の、その・・監督自身が昔ジャズドラマーになろうと思って挫折した経験があって、それをもとに書いたシナリオなんですね。

※デミアン・チェゼル監督は後に『ラ・ラ・ランド』や『ファースト・マン』を手掛けます。

映画「」のポスター

映画「」のポスター

(町山智浩)
で、これ主人公は19才のアンドリューっていう男の子で、世界的なジャズドラマーを目指してですね、ニューヨークの名門の音楽学校に入学するんですよ。これたぶんね、ジュリアード音楽院をね、モデルにしてるんですけど、だけど家は貧乏なんですね。それで、お父さんがあんまり稼ぎが良くなくてお母さん逃げちゃってるんですよ。

(赤江珠緒)
うーん。

引用:IMDb.com

ジャズドラマーを目指す19歳の男の子が主人公

(町山智浩)
で、お父さんは兄弟からも・・だから叔父さん当たるんですけど、アンドリューの。ちょっと馬鹿にされてるんですよ、人生失敗した男として。で、彼はすごくこのドラムでもって身を立てたいと。お父さんを楽にしてあげたいとか、自分は金持ちになりたいっていう気持ちでそこの音楽院に入るんですね。で、要するにお金がないから奨学金で入るんですけども。で、安アパートに住んで家具もなんにもなくて。この人ね、このアンドリュー君はジャズドラマーになることしか考えてないから、本も何にも読まないんですよ。

(赤江珠緒)
うん!

音楽院の有名なコーチ、フレッチャー先生

(町山智浩)
で、部屋に何もないの。で、その音楽院に行くんですけども、そこではすごく有名なコーチがいるんですね。フレッチャー先生っていう先生がいて、その先生のやっている、そのビッグバンドジャズってやつなんですけど、ビッグバンドジャズのオーケストラに入る事ができれば、もう世界的なドラマーになれると。言われてるんですね。で、そこに入りたくて頑張っていて。ただ、一軍、二軍、三軍みたいになっててですね、下から上がっていかなきゃいけないんですけど、抜擢されるんですよ、このアンドリューくんは。そのフレッチャー先生に。

(山里亮太)
おー!

(町山智浩)
で、このフレッチャー先生の所に入れた!俺はもうこれで栄光を掴めるんだ!みたいな感じになるんですね。

(赤江珠緒)
ジャズマンとしてやっていける!

フレッチャー先生「朝6時集合」

(町山智浩)
ジャズマンとしてやっていける!と。で、フレッチャー先生に言われるんですよ。「明日の朝6時に集合だから、練習始まるから来いよ。」って言われるんですね。で、朝6時に学校に行って着くと、誰もいないんですよ、その部屋には。

(赤江珠緒)
ほう。

(町山智浩)
で、9時になってやっとみんな来るんですね。

(赤江珠緒)
えっ?

(町山智浩)
もう最っ初からイジメなんですよ!

(赤江珠緒)
あっわざと!?

(町山智浩)
嘘の時間を教えたんですよ先生は。3時間早い。

(山里亮太)
えっ!?

(町山智浩)
そこからもう延々とこのフレッチャー先生のイジメが始まるんですよ。

(山里亮太)
ええっ!?

引用:IMDb.com

フレッチャー先生の厳しい指導、イジメ。

(町山智浩)
すーっごいイジめるんですよ、この主人公のアンドリュー君を。徹底的に。これがまぁ・・すごくてですね!lこうなんて言うか・・お前ちょっとリズム叩けって言われて叩いていると、んー、走ってるね、リズムがね、うんっつって、ちょっと遅くすると、うーん遅れてるねっつって、今度また早くすると、走ってるね、うん遅れてるねって言ってバーン!って物投げてくるんですよ、いきなり。ドーン!って。

(赤江珠緒)
うわぁ。。

(町山智浩)
お前、自分が走ってるか遅れてるかもわからねーのかぁ!!って言うんですよ。

(赤江珠緒)
はい。

フレッチャー先生の平手打ち

(町山智浩)
で、わかりません・・って言うと、よし。じゃぁ口でリズム言ってみろって言って、はい。1、2、3、4ってリズムを刻んでみると、1、2、3、4・・って言うと、パーーン!ってほっぺたを引っぱたくんですよ、その先生が。フレッチャー先生が。

(赤江珠緒)
えぇっ・・。

(町山智浩)
もう1回、1、2、3、4、パーン!ってやるんですよ、また、ほっぺたを。1、2、3、4パーン!って。それを、延々と繰り返すんです。

(赤江珠緒)
ええーっ!しごきですね・・!

ひどい指導が繰り返される

(町山智浩)
もうこれ、酷いんですよ。これね、見てると、スタンリー・キューブリック監督のベトナム戦争映画で『フルメタル・ジャケット』っていう映画があったんですけども、そこであの、アメリカの海兵隊に入った若い兵士達が徹底的にしごかれるんですね、教官に。お前は人間のクズなんだー!とか言って。それにすごく似てるんですよ。

(赤江珠緒)
えっでもそっちは兵士じゃないですか!こっちは・・!

(町山智浩)
兵隊なんで。(笑)戦場に行くた為にね、マシーンにする為のその訓練なんですけど、これはジャズなんですよ。(笑)ジャズバンドなんですよ。

(山里亮太)
すごい才能を買ってて、こいつをなんとか育てたいっていう熱意とかなんですか?

引用:IMDb.com

1番ダメな言葉”Good Job”

(町山智浩)
うーん、それでね、そういう話もするんですよ先生がね。要するにまぁ、偉くなりたいと。立派になりたいと思う人間にとって、1番ダメな言葉って言うのは”Good Job”っていう言葉なんだと。「Good Job」って言うのは、よくやったねっていう意味なんで、それを言ったら人間ダメになっちゃうんだと。言うんですよ。

(赤江珠緒)
あー・・。

(町山智浩)
で、こういう話を知ってるか?と。チャーリー・パーカーって有名なそのジャズミュージシャンがいたけれども、彼は天才と言われながら16才の時に、演奏している時に上手く吹けなくてですね、まぁサックスなんですけども。ジョー・ジョーンズっていうすごく有名なドラマーがですね、チャーリー・パーカーに向かってですね、シンバルを投げつけた!という話をするんですね、先生が。そのシンバルを投げられて、彼は屈辱で、だから一生懸命頑張って、バードと言われる天才ジャズマン、まぁなんて言うか、モダンジャズの先駆者になったんだと。その時シンバルを投げつけられなければ、チャーリー・パーカーはバードになれなかったんだ、みたいな話が出てくるんですよ。

(赤江珠緒)
ほぉ〜、悔しさに・・着火するみたいな。そういうもんなんですか?

バディ・リッチも目指し猛烈に練習するアンドリュー

(町山智浩)
そうなんですよ。それでアンドリューはその言葉を信じてですね、もう徹底的に練習し続けるんですね。このアンドリューが目指しているドラマーっていうのはバディ・リッチというですね、1960年代の超人ドラマーでですね、この人はものすごくスピードが早いドラマーだったんですよ。

それで、いわゆるデスメタルを超えるスピードの高速ドラミングが有名で、それを目指して、ずーっとこのアンドリュー君が練習するんですね。すると、血がね・・手から・・スティック持っている手からですね、血が滲んできて、その血がだんだんもう血しぶきになってですね、白いドラムの皮の所に飛び散るんですよ。鮮血がピピピッと。で、このシーンの血は本当なんですって。撮影の時に本当に血しぶきが出てるんですって。

(山里亮太)
えっ?えー!

本当の鮮血

(赤江珠緒)
この俳優さんの?

(町山智浩)
これね、吹き替えなしでやっててですね、この男の子、新人なんですけれども、マイルズ・テラー君がですね、本当に血が滲むほどドラムを叩いてるらしいんですよ。

(赤江珠緒)
へぇ〜!!

(町山智浩)
凄まじいんですけど。で、もっとやっぱりすごいのはですね、この鬼コーチのフレッチャー先生を演じるJ・K・シモンズっていう俳優なんですよ。

(赤江珠緒)
はい。

引用:IMDb.com

アカデミー助演男優賞を受賞したJ・K・シモンズ

(町山智浩)
で、この人の鬼コーチぶりがもう、これアカデミー助演男優賞は決まりだろうって言われてるんですよ。今回の。

(赤江珠緒)
うーん!

(町山智浩)
この人ね、写真を見ると殿山泰司さんに似てません?

(赤江珠緒)
へへへっ(笑)ん?(笑)

(山里亮太)
どなたですか?

(町山智浩)
殿山泰司さんっていう日本の名脇役がいたんですけども、殿山泰司がデカくなったみたいな感じなんですよ。

(赤江珠緒)
はははっ(笑)まぁでもなんか、このすごい吠えている感じとかがねぇ。

(町山智浩)
そうなんです。この人ね他の映画ではすごく優しいお父さんの役が多いんですよ。

(山里亮太)
えぇっ!鬼みたいな顔してるけど・・。

普段は優しいお父さん役が多いJ・K・シモンズだが・・

(赤江珠緒)
あぁそうなんですか。

(町山智浩)
『JUNO/ジュノ』っていう映画があったんですけど、女子高生が妊娠しちゃう映画でコメディーだった・・それで優しいお父さんの役をやったりしてて。

(赤江珠緒)
あぁ本当だ、こっちを見るとぜんぜん違う。

(町山智浩)
そう。優しい役が多かったのにね、今回はもう凄まじいですよ、もう。要するにもう、パンパンパンパン顔を殴って涙が思わずこぼれると、そんな7才の小娘みたいに泣きやがって!このクズが!とかってやるんですよ。

(山里亮太)
うわぁ。。

(赤江珠緒)
容赦ないですねー!えー!

人種差別的な悪口も

(町山智浩)
あとね、要するに人種的な悪口もメチャクチャ言うんですよ、あらゆる人種の悪口を言うんですよ。言っちゃけいないその差別用語があるんですね、その人種ごとに。それを全部言うんですよ。この男の子はユダヤ系なんですけど、言っちゃいけないそのユダヤ系の、まぁいわゆる・・言っちゃいけない放送禁止用語があるんですけども、それでもって、お前はどうしようもないユダヤのクズだとか言ったりするんですよ。

(赤江珠緒)
はー!えぇー!

(町山智浩)
もうヒッドイんですよ。もう相手の心を全部こう、ぶっ潰していく感じなんですね。

(赤江珠緒)
でもこれ、監督が自分の体験談を元にって事は、やっぱりそういう世界なんですか?

(町山智浩)
これね、本当にそういうコーチがいたんだって言ってますね、監督は。(笑)

(赤江珠緒)
えー!

引用:IMDb.com

伝説になれれば、それでもいい

(町山智浩)
それに対する恨みで作っているんですけど。(笑)そう。でね、どんどんどんどん追い詰められていくんですね。それでもってボロボロになってくんで、親戚とかも心配するんですよ。そんな事してどうするんだと。言うんですけれども。チャーリー・パーカーみたいになりたいんだ!みたいな話になってきて、そのチャーリー・パーカーって言うのは、その34才で自分を音楽的に追い詰めていって麻薬で死んだんだぞと。ねぇ。そんな人生でいいのかって言われると、伝説になれれば、それでもいい!って言っちゃうんですよ、この男の子は。

(赤江珠緒)
えーっ!ちょっと・・命がけですよ。。

(山里亮太)
こわっ!先生に火がついちゃう。。

(町山智浩)
すごい事になってるんですね。で、どんどんどんどん追い詰めて、そのコーチとの戦いの中でですね、あの・・大変な事になっちゃうんですよ・・

(山里亮太)
えっ!!あぁまぁそうか・・何があったんだろう?

(町山智浩)
言えないんですけど。

(山里亮太)
わー!大事な所だ!

音楽の為、ドラムの為に何もかも捨てる

(町山智浩)
大変な事態になっちゃうんですよ。でもう、考えられる限りの・・要するにもうこの人は友達も作らないんですよ、全部競争だと思ってるから。で、彼女もできたんだけど、それも切り捨てていくんですよ。ドラムのためには、女なんかいらねえって。

(赤江珠緒)
えーっ!音楽の世界・・。。

(町山智浩)
で、ドラム以外何もしてないから、何も知らないし、何もできないんですよ。で、自分をドラムだけのマシーンにしてったのに、大変な事になっちゃうの。

(赤江珠緒)
やーー!どうなるんでしょうね!?

(山里亮太)
ねぇ!

クライマックス10分間はセリフが殆どない

(町山智浩)
で、これで何もかもお終いか!?って見てて思ったんですよ。で、この先生がですね、・・・あぁ〜〜!言えないんですけど、ウニャウニャウニャッとあってですね、最後はですね、クライマックスがすごいんですよ、これ。クライマックス10分間、セリフないんですよ、殆ど。

(赤江珠緒)
へえー! 

(町山智浩)
10分間ね、ある曲、非常に有名な曲なんですけどキャラバンっていうスタンダードがあるんですね、ジャズの。それのバディ・リッチバージョンを演奏するんですね、クライマックスは。それは言ってもいいと思うんですけども。そこがものすごいんですよ!!これね、殆どね、はっきり言うとボクシング映画ですね。

(山里亮太)
えっ?

(赤江珠緒)
ボクシング!ジャズドラマー・・?

引用:IMDb.com

はっきり言ってボクシング映画

(町山智浩)
だからドラムっていう事で音楽映画のように見えるけど、実際はもう、ボクシングなんですよ。黙って最後はもうドラムを叩き続けるんですよ、彼は。で、もう見ているうちに、観客もですね、みんな知らず知らずのうちにこう拳を握ってシャドーボクシングしてるんですね、体を揺らして。

(山里亮太)
はっはっは!(笑)

(赤江珠緒)
ええっ!?

(町山智浩)
オラオラオラ!!みたいな感じで。

(赤江珠緒)
そんな戦う感じの映画なんですね。

(町山智浩)
本当にそうです。だからこれね、結構ジャズに詳しい映画評論家からは酷評されてるんでよ、この映画。

(赤江珠緒)
へ〜!!

(町山智浩)
これはちょっと・・ジャズっていうのは音楽なのに、この映画ではジャズが格闘技じゃないかと。

(赤江珠緒)
うん。そこまで!?

2014年に見たどんな映画のバトルシーンよりもバトルでしたね

(町山智浩)
これちょっと違うと。(笑)これはジャズじゃないよ、これはケンカじゃないかと。という風に批判されてるんですよ結構。でもね、僕とかジャズとかわかんないから、そんな事はどうでもいいんですね。これはもう、2014年に見たどんな映画のバトルシーンよりもバトルでしたね。

(山里亮太)
えー!どんなバトルするんだろう?

(赤江珠緒)
だって武器なんか一切ないのにね。

(町山智浩)
ジャズとか全然知らなくてもね、もう・・!もう、色んなバトルあったじゃないですか。銃撃戦だの、エクスペンダブルズだの、ロボットが戦ったり、ゴジラが戦ったりしたでしょ?

(赤江珠緒)
そうですよねぇ。いや〜ありましたよ、はい。

(町山智浩)
もう、色んな色んなバトルがありましたけど、これはウィップラッシュの最後の10分間のドラムは、最高のバトルシーンでしたよ。

(赤江珠緒)
スティックのみで!

(町山智浩)
もうセリフなんかないですけど。

(赤江珠緒)
どういうバトルを最後見せてくれるのかねぇ!

是非見てほしい

(町山智浩)
これはもうね、音楽とか興味なくてもね、是非見てほしいっていうかね、僕これ見てね、思い出したのはですね、『ペーパー・チェイス』っていう映画が1970年代にあったんですけども。アメリカ映画で。それね、ハーバードの法学院に通う学生の話だったんですね。

(赤江珠緒)
えぇ。

(町山智浩)
で、ハーバードの法学院っていうのはオバマさんも出てますけども、一流の弁護士や政治家になるための大学なんですね。

(赤江珠緒)
うん。

(町山智浩)
で、そこに行ったエリート学生がですね、ものすごく意地悪な教授と出会うんですよ。

(赤江珠緒)
ほお!

引用:IMDb.com

教授をぶっ潰す

(町山智浩)
その教授は全然生徒を評価しないんですよ。それで生徒を全部潰していくんですね。で、生徒は次々と潰されていくんですけども、主人公は潰されそうになって戦うんですよ。戦いっていうのはこの場合、勉強なんですけども。その法学の勉強なんですけども、それを徹底的に戦って、そのうちに最初は偉い弁護士になりたいとか政治家になりたいとか出世したいとか、そういう法律を覚えたいとか、そういう事でその学校に行ったのに、段々それが全て消えてって、あの教授をぶっ潰すっていう戦いになっていくんですよ。

(赤江珠緒)
ほお〜!見返してやりたいっていう・・?

(山里亮太)
ぶっ倒したい・・?

(町山智浩)
もう要するに、なんて言うか人間っていうのはやっぱり戦う為に生きてるんですよね。戦いがそこにあれば戦うんですよ。理由なんかどうでもいいんですよ。

(赤江珠緒)
ん〜!

(町山智浩)
でもう、最後は純粋に戦い続けるんですね、『ペーパー・チェイス』っていう映画は。法学の勉強をするっていう事で。それもね見た時に、勉強の話なのにものすごく格闘技みたいに見えたんですよ。

(赤江珠緒)
へ〜!

格闘技に見える映画

(町山智浩)
それと非常によく似た映画でしたね、このウィップラッシュっていうのは。

(赤江珠緒)
そうかぁ〜いや〜そう思うと、そこここに戦いって言うのがあるんですね、やっぱりね。生きていく上にはね。

(町山智浩)
これまぁロッキー・・みたいなもんですからね。(笑)どん底から。最後、映画館出る時はもう、コレモンですよ、もうヤクザ映画見た後みたいな感じで。

(山里亮太)
あぁ、肩で風切るじゃないけど。

(赤江珠緒)
あぁそんな感じ?

(町山智浩)
オラー!!みたいな。(笑)やったるぞ、オラァ!みたいな感じになって映画館を出て行くというね。

(山里亮太)
どっちの目線でそうなっちゃうんだろう?

(赤江珠緒)
えっ、町山さん、そのジャズに対する音楽に対してもちょっとなんか認識が変わったりとか、されました?

ロックよりすごい

(町山智浩)
いや、僕ジャズは全然詳しくなくて知らなかったですけど、これはもうロックよりすごかったですね。で、今流れてますよね。(裏で音楽が)

(山里亮太)
ん?あ、なんかパンパンパンって。

(町山智浩)
聞こえます?

(赤江珠緒)
うん。

(町山智浩)
そう。これがね、映画の中でこの、アンドリュー君が最後にね、演奏するキャラバンなんですけども、これが9分以上続くんですけど、まぁ・・すごかったですよ。もうセリフなんかないんですよ、ずっと叩いているだけなんですよ。だから、どうやってそのクライマックスに持っていくかっていう感じで、はい。でこれ、4月に日本で公開されると思いますけど。

(赤江珠緒)
そうですね。日本公開は今年4月と。

引用:IMDb.com

ジャズ映画に興味ない方でも楽しめる

(町山智浩)
はい。ジャズ映画だから関係ねーやって感じじゃなくて、ロッキーとか、ゴジラとか、エクスペンダブルズとか、好きな人も見て下さいっていう感じです。

(赤江珠緒)
まさかそっち方向に行くとは思いませんでしたね!

(山里亮太)
ちょっとおしゃれな感じの映画なのかな?と思ったけど。

(赤江珠緒)
うん。スマートにね。

(町山智浩)
いやもう全然違いますよ。ちょっと落ち込んでいるとか、なんか、あぁ〜やる気なくなっちゃって・・とか、もう俺はダメなんだと思ってる人はみんな見て、映画館出た後、オラーーー!って感じで出てくると思いますよ。(笑)

(赤江珠緒)
ははは。(笑)ねぇ、去年見て町山さんがすごい面白かったというオススメの映画。今日はアカデミー賞候補作のウィップラッシュ(邦題『セッション』)、ご紹介頂きました。

※書き起こし終わり

○○に入る言葉のこたえ

⑦フレッチャー先生のイジメが始まる。
⑧クライマックス10分間、セリフが殆どない。

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