破綻したストーリーと映像美
2020年7月11日 10時19分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
監督のコッポラ自身が「この映画を撮っている途中で分からなくなってきた」と言うぐらいですから、相当なシロモノです。ベトナム戦争が舞台で、主人公が命令を無視した兵士を暗殺するためにジャングルの奥地へと向かう…というストーリーです。ですがコッポラが言うように、話はあっても無いに等しいくらい、段々と物語が破綻しています。それが乗れるか、乗れないかが評価の分かれる所です。
ジャングルの奥へと向かうに従って、段々と常識が揺らぎ、狂気が増していく。非日常の前線では狂った世界が当たり前。それらを観ていると、次第にこの映画に引き込まれいてきます。撮影を勤めるのは、名匠ヴィットリオ・ストラーロ。混沌とした狂気の世界を、美しい映像で捉えています。
音楽の使い方も良いです。ドアーズの「ジ・エンド」、ローリング・ストーンズの「サティスファクション」が効果的に使われています。中でもワーグナーの「ワルキューレの騎行」を聞きながら、ヘリを飛ばして村を攻撃するシーンは、同時とても話題になりました。