僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング
このレビューにはネタバレが含まれています
ロング・グッドバイ
あの伝説のTVドラマ『探偵物語』に影響を与えたと言われる、「オフビート」さでは空前絶後であろうハードボイルド探偵フィリップ・マーロウ映画の変わり種。 原作の舞台は第二次世界大戦の記憶も新しい1950年代のロサンゼルスだが、本作は1970年代前半の撮影時そのままという、ある意味「ふざけた」作りであるのだが、その実、原作のエッセンスは忠実な映像化作品よりも濃厚であるという、矛盾した面白さ。 エレベーターが特徴的なマーロウのアパート(隣人のヒッピー娘とか50年代には存在しない)や、飼ってる猫の餌を24時間営業のスーパーに買いに行くくだりの、店員との「しょーもない」やりとりなんかは、カッコ良さが微塵もないにもかかわらず「ハードボイルドさ」はビシビシと伝わってきて、まだ本筋も始まらない超序盤なのに満足度はかなり高く、むしろこの辺りの描写こそが「本編」なのでは?と勘繰ってしまうほど。 ジョン・ウィリアムズの劇伴と歌の憂いを帯びた旋律もシーン毎のアレンジが絶品で良くマッチしていて、とても印象的。 ラストの「Hooray for Hollywood」の余韻の不思議さは、普通の映画ではなかなか味わえないと思います。
SPY/スパイ
基本的には勧善懲悪のスパイ映画ですが、アクションと同じくらいコメディに力が入っており、内容も少し変化球気味です。 まず目を引くのがジュード・ロウ、ジェイソン・ステイサムをはじめとしたという豪華な俳優陣ですが、主人公のスーザンはメリッサ・マッカーシーが演じておりコメディ女優らしくコミカルな場面が多いです。 スーザンの職業もCIAのエージェントではなく分析官で、志願してエージェントの任務に従事するものの、元は一介の内勤職員なのでスパイ映画によくあるスタイリッシュで人間離れしたアクションもありません。 しかし、スーザンが次々に訪れる危機を時には幸運で、時にはもっともらしい理由と口八丁で乗り切り、仲間の協力も受けながら核爆弾とマフィアを追う展開は笑えてドキドキもする見事なストーリーです。 また、ジェイソン・ステイサムはいつもの渋くちょい悪な見た目で、性格もぶっきらぼうでワイルドなのとは裏腹に、おかしな変装をしたり肝心なところでミスをしたりとドジを連発するのが見た目や俳優へのイメージとのギャップもあり面白いです。 スパイ映画としては少し変化球の入った作品ではありますが、肝心なところはきちんと押さえ、実力派の俳優陣の演技も活きている良作です。
ザ・マスター
メイズ・ランナー:最期の迷宮
アウトポスト
アフガン北東部の米軍の前哨基地の話ですが、周囲を山に囲まれていて、さらに味方のところに行くには崖沿いの山道を何時間も車で走らなければならないところにあります。 そのことだけを見ても、いかにアフガンを軍事的に支配するのが困難なのかが解る映画になっています。 小規模な攻撃の後に、数百人の敵が攻撃してきますが、米軍のライフルに光学照準器が付いていても、相手が多いと一人を狙って撃っている間に、他の敵がどんどん迫ってくるというところが、上手く映像で表現されていました。戦闘シーンで多くの敵に囲まれて攻撃されるという状況を上手く映像化している映画です。 周囲からの攻撃にさらされて手に負えなくなると、装甲車両や建物にこもって味方を待つというのは、米軍の標準的な戦術なのでしょうか。 何かと海外映画の日本版の映画のポスターは、色々と詰め込みすぎでデザイン的に良くないとの指摘がありますが、本作でも日本版のポスターは米国版と比べ、色々詰め込み過ぎでいていまいちでした。
ザ・サークル
世界的なSNSの企業に、普通の若い女性であるメイ(エマ・ワトソン)が偶然に入社する話ですが、恵まれて育った高知能な若者達が、カリスマ的経営者に率いられどんどん社会を変えていくようなネットの仕組みを作ってゆく話です。 主人公のメイは何かと違和感を覚えつつも、勤務環境の良さや、その企業の恵まれた健康保険に引き寄せられ、どんどんと深みに入ってゆきます。 妙に明るく清潔な社内の風景が、観る人によっては理想的な職場に見えたり、言いようのない違和感を持ち見えたりしそうでした。 何かと社会の分断について報じられている米国でも、言いようのない違和感を覚えつつもその経済的影響から、大手IT企業への不信感を表明しない人が多いのだろうと思いました。 技術的に可能になったことを深い考えなしにどんどん実用化するので、様々な事が起きてきますが、経営陣はその面倒な部分の影響を受けないために、あらかじめ対策をしているという話です。 NHK-BSで、ある識者が次のヒトラーが出てくるのは企業からかもしれないと言っていたのを思い出しました。
メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮
MINAMATAーミナマター
水俣病に関する報道を米国でした、ユージーン・スミスを描いた映画ですが、最近のジョニー・デップとは違う役柄を演じています。海賊映画などのエンタメ物を一通りやったので、以前から関心のあったことを製作兼主役として製作したのでしょう。 この映画の中では、公害の原因となった企業にとっても被害が大きすぎるので、賠償できる範囲も限られてくるという展開ですが、いかに企業などによる環境破壊などの公害を事前に防ぐ必要があるのかがよく解る内容でした。 米国映画で日本が描かれるときには、何かと違和感を抱く描写が多いですが、本作ではそのようなところはあまりありませんでした。 被害者の代表を演じるのは真田弘之さんですが、アクションシーンのない普通の人の役でも説得力のある演技を見せていました。 チッソの社長役は國村隼さんですが、最近は様々な国の様々なジャンルの映画に出演しています。本作でも賠償しようにも手に負えなくなった立場をじっくりと演じていました。
アメリカン・ソルジャー
監督のジェイソン・ホールは『アメリカン・スナイパー』の脚本を手掛けた方です。 戦争映画ではなく、帰国後の兵士のことを描いた映画になっています。 主人公のアダム(マイルズ・テラー)はイラク戦争から帰還しますが、フラッシュバックや不眠などのPTSDの症状で苦しみ、軍にいたときの仲間のトーソロ(ビューラ・コアレ)は爆発に巻き込まれた事による記憶力などの認知能力の低下で日常生活に困難をきたしています。 アダムは、自分は五体満足で帰れたのだから、恵まれている方だと周囲には話しています。 そして退役軍人省に行きますが、病院で診察を受けられるのも数ヶ月後と告げられます。さらにトーソロは記録の不備から、自分で負傷時の記録を探して提出する必要もあるのでした。 この20年ほど続いたイラク戦争やアフガンでの紛争が、いかに従軍した兵士の心身を破壊しているのかがよく解る映画になっています。 この映画の主人公のアダムのように、一見五体満足で帰ってこられても、PTSDなどで社会に戻れず、ホームレスになっている帰還兵も多数いるとのことです。 なぜアメリカで違法な薬物が帰還兵たちのあいだで蔓延しているのかも分かる内容になっていました。
メイズ・ランナー
シャン・チー/テン・リングスの伝説
羊とオオカミの恋と殺人
ウ~ム、映画としてはハッキリ言って不出来です。 穴を覗くオハナシだからってワケじゃないですが、とにかく穴だらけの設定で。。。 まあ、本作に整合性などを求めるのはそれこそナンセンスというもの。 本作最大の魅力、それは女殺人鬼役の福原遥が可愛すぎるというその一点に尽きます! も~ファーストコンタクトのオムライスのケチャップ舐めからしてゾクゾクとしてスゴく可愛い・・・。 第一声からして天使のアニメ声でメチャクチャ可愛い・・・。 そうです。この映画はニートと殺人鬼の超変化球ラブコメディであると同時に、福原遥ファン垂涎のアイドル映画に他ならない! ・・・というワケでファンである僕は総合評価は甘めです。 正直、映画として至らない点は山のようにあるのですが・・・。 特に後半の多人数を相手にした時のダンスみたいなダッサイ殺陣はなんとかならんかったのか・・・? でも主人公の言葉を借りると「それでもやっぱり可愛いんだよなあ」ってコトで、許せてしまうのでした。
マーベルコミックスもDCも原作が好きで読んでいたが このシャンチーは見事にスルーしていた。 原作では魅力的に感じなかったからだ。 今回、MCUでシャンチーをやります!となった時は やはりそそられなかった。 休日たまたま暇だったからフラッと映画館に。 たまたま席が空いていたからチケットを購入。 いつものようにポップコーンとLサイズのコーラを 買って席に着く。 面白かったらラッキーくらいだな、と思って高をくくっていた。 これが大きな間違いだった。 MCUは複線のオンパレードだが、このシャンチーに関しては 別に他作品を知らなくても何の問題もない。 新たなフェーズが開幕し、新規ファンの取入れに関してこの作品は 適正が高いと感じている。 若干今までのマーベル作品とは違う色はあるものの、元々カンフー映画が 好きだった人やアジア映画が好きな人、マーベル映画が観たいけど途中からでは不安な人 こういった方々を楽しませてくれる作品であると考えている。 ホテルマンの主人公がいきなり格闘に目覚めるような話ではない。 元々ヤバいくらい強い奴が普通を装って元に戻った話なのだ。 決して本作品を観て「僕/私にもこうなれるんだ!」といった希望は持ってはいけない。 バックボーンが違いすぎる、父親が1000歳超えているんだぞ? キャプテンアメリカが培ってきたあの格闘術もワカンダの王の格闘術も 中国1000年の歴史がある「テン・リングス」の格闘術を前に成すすべないだろう。 それくらい強い。習いたい。 中国4000年の歴史については1ミリも触れていない作品ではあるが、 みんな大好きカンフーアクション、MCUあるあるの他作品とのクロスオーバー、 良い曲たち(サントラには星野源が楽曲提供していた)、是非劇場で楽しんでほしい。 一般ピーポー枠のヒーローだが恐ろしいほど強いシャンチー。 強さランキングをつけてみてほしい。
コマンドー
劇場で公開されて早35年。 今のハリウッドでは到底見られないような 暴力・エロ・アウトローな行動の集まり Twitterではベネットの画像が時折流れてくる中、 皆はこの映画を知っているのだろうか そんなことはどうでもいい、必要なのは ピザ、それに旨い酒。 近年の映画では原作との違いやシーンごとで 描きたい人物の心情など、あまりにも考えることが多すぎる 映画館に足が伸びなくなってしまうことは映画好きな私には 悲しいことだが、本作品はとにかく何も考えなくていい また、これはぜひとも吹替で観ていただきたい 玄田哲章さんVerで観ていただきたい 内容はとにかくシンプル。 特殊部隊を辞めたジョン・メイトリクス大佐は仲間が誰かに殺されたのを知らされる。 ある日、襲撃を受け、娘が恨みのある将軍と元仲間(※こいつがベネット)に誘拐される。 持てるものは全て持ち、敵は残らず殺していくストーリーで ところどころコミカルなシーンもエロティックなシーンもある 無駄のない描き方、ぜひピザと旨い酒を用意して観てほしい
アリー/ スター誕生
ロボコップ
この映画は1987年に公開されたピーター・ウェラー演じる初代ロボコップのリメイク作品です。 そしてリメイク作品あるあるといいますか、好みが分かれる作品かなと思います。 映像の綺麗さやアクションの派手さなどは間違いなく本作の方が素晴らしいのですが、良くも悪くも洗練され過ぎてしまっているような印象を受けます。 初代ロボコップでの、泥臭い映画の雰囲気や、少し不気味に描かれるロボコップ(マーフィ)の心の葛藤や、そんな要素が好きな方にはあまりオススメ出来ないかも知れません。 ロボコップ自身もかなりスマートなシルエットになっており、初めてロボコップを見る方からしたらとてもカッコよく見えると思いますが、 初代ロボコップのマッシブな少しムチッとしたシルエットが好きな方には、この点も納得がいかないかも知れません。 しかし昔の作品を現代のクオリティーでリメイクする、そのリスペクトな気持ちが伝わる映画ですので、アクションやロボが好きな方は一度見てみてはいかがでしょうか。
ミッドサマー
ワン チャンス
Youtubeをよく観る方なら、名前くらいは知っているであろう、ポール・ポッツ氏の物語です。 物語の始まりは彼の少年時代から。合唱団でもとりわけ声に張りがあった彼。 しかし、太っていて歯並びが悪い彼はいじめられっ子でした。 歌には関わり続けていたものの、いつも自信がなくチャンスを逃すことも。 彼が有名になったきっかけはイギリスのオーディション番組です。 この動画はYoutubeで何度も観ました。 いかにも自信がなさそうで、冴えない風貌。 映画ではある程度しっかりした表情なんですが、実際の番組では本当に「冴えない」んですよね。 「大丈夫なのかな、この人」と思ったのを覚えています。 そんな彼が、どんな道を歩んできたのか、非常に興味深く観ました。 結末を知っているだけに、自信がない彼に「イケてるから頑張れ!」と心のなかで何度も応援。 オペラは一度だけ観にいったことがあります。 素晴らしい歌で紡ぎ出される物語に魅了されました。 最後のセリフにある通り、本作はポール氏がチャンスを得るまでの「オペラ」。 劇中曲も非常によかったです。 当時の実際のオーディション番組のシーンをうまく編集しているのも注目ポイントです。
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