エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
正直、ぜんぜん乗れなかった… 並行宇宙(マルチバース)…⁉ エヴリンが想像すればするだけ、その並行宇宙が生まれて、その世界に行き来できてしまうので、もうずーっとなんでもありの世界だから、エヴリンがどれだけ窮地に陥っても、見ててぜんぜん危機感を感じないし、ハラハラドキドキもしなかった。 それでその並行世界の行ったり来たりの繰り返しを、永遠と同じテンポで見せられる。 結果感想として、長い… テンポ早くて話追うの疲れる… 同じようなシーン、パターンを何度も見せられて飽きてくる… と、自分には全く響かなかった… でも、ハマる人にはハマる映画だとは思う。 笑えるところもあったし(ここもハマる人はハマりそう)。 個人的には、キー・ホイ・クァンが久しぶりに見れて嬉しかった。
バビロン
いちおうそれなりに予習してから鑑賞したけど、3時間は集中力続かず… 冒頭の豪華絢爛酒池肉林の宴シーンはすごいし、当時の映画製作のシーンも興味深かったけど、浮世離れし過ぎて登場人物たちにあまり感情移入できず、その後のストーリーに面白みを感じなかった。 個人的にもう少し話をコンパクトに、2時間くらいでまとめてくれれば見やすかったのに…と思った。
インディ・ジョーンズと運命のダイヤル
インディの最後の冒険だからなのか、陸・海・空でアクション満載だった。 アクションシーンはまぁそれなりに楽しめるんだけど、ひとつひとつが冗長で、そのせいで上映時間が長い…。 そして、なんかいろいろ詰め込みすぎて、ストーリーもアクションもとっ散らかってて、世界観に統一感もないし、終始ガチャガチャしてる印象で、いまいち入りこめなかった…。 過去作へのオマージュシーンなどもちょこちょこ見受けられるが、取ってつけたような感じで、もう少しうまい演出で見たかった。 たくさんあるアクションシーンも、オマージュシーンも、ストーリー上の必然性を感じれば面白く思えるけど、そこまでの必要性を感じる前に勝手にアクションが始まって、それを長々とずーっと見せられる感じ。 アクションを見たいなら「ミッション・インポッシブル/デッドレコニング」を観に行けば良いわけだし、個人的にはやっぱりもっとインディの秘境での冒険が観たかったな。 まぁ過去作との違いを出すのは大変だとは思うけど、もう少しコンパクトにまとめて、世界観も何かひとつに統一した方が見やすかったと思う。 登場人物もなんか中途半端…。 今回のヒロイン・ヘレナも行動や目的がよくわからないので、ぜんぜん魅力的に感じないし、ショート・ラウンド的な少年テディもそこまで熱い友情シーンとかもないから、最後まで中途半端な関係でしかない。 新たな登場人物との気分がぶち上がるシーンがほしい。 唯一、マッツ・ミケルセンはやっぱり存在感があった。(最終的な目的がなんだったのか、よくわからなかったけど。) 終盤のトンデモ展開はまぁアリだとは思うけど、今までインディがアルキメデスの時代を追っかけてるイメージがあまりないので、なんだかなぁ…と。 まぁいろいろと文句はあるけど、それでも劇場でインディ・ジョーンズを観る喜び(テーマ曲含め)はあった。
エスター ファースト・キル
大人になったイザベル・ファーマンがエスターを再演。 やはり前作より顔つきはけっこう大人だが、CG技術を使わずに体格含め子供に見えるよう、メイクや遠近法などいろいろなアナログ的工夫をしていて、そこはスゴイと感心した。 ただ肝心の話はツッコミどころ満載で、そこがいちいち気になってしまう。 もっと話の細部を詰めて、ストーリーに納得感を出してほしかった。 後半のビックリ展開は好き嫌いが分かれると思う。 個人的には「そっちに行っちゃうかー」と、望まない展開だった。 やっぱりエスターには1作目のように1番恐ろしい狂人でいてほしいのに、なんか横槍が入ってエスターの狂人ぶりが霞んで見えてしまった…。 やはりエスターは最恐で最狂で最凶であってほしい! そんな3作目なら見たい!!
土を喰らう十二ヵ月
とくに大きなストーリー展開があるわけではないので、見る人によっては退屈かも。 沢田研二ファンとしては、年老いた四季折々のジュリーを見てるだけで萌える。 ただ「キネマの神様」でも感じたが、ジュリーは現役歌手だからか役のわりに声が若すぎる… 料理好きの人は、土井善晴指導の精進料理の数々も楽しめるのかも。 個人的に野菜嫌いなので、興味ゼロだったが… あと恋人の松たか子の存在は中途半端に感じたけど、まあそこはメインじゃないのかな… メガネ松たか子は萌えました。 結果、四季折々ジュリー、精進料理、メガネ松たか子を見る大人向け映画。
マッドゴッド
ほとんど同じ世界観でほぼ同時期の「ジャンク・ヘッド」と比べると、映像のすごさやカオス度、グロ度は勝ってると思うが、ストーリーは圧倒的にジャンクヘッドの方が楽しかったな。 ジャンクヘッドがポップでわかりやすいのに対して、マッドゴッドはダークで少しわかりにくい感じ。
LAMB/ラム
羊から生まれてきたアダのビジュアルが絶妙でキモカワ。 家族で食卓を囲むシーンがシュールで笑ってしまった。 結末の意味は、人それぞれいろいろと想像を巡らすことができる。 自業自得、因果応報みたいな、そんな単純な教訓だけではないと個人的には思った。 アイスランドの雄大なロケーションが本当に美しい。 白夜のこととか、国技がハンドボールとか、いろいろ調べてしまった。 景色の美しさに対して、映画は終始不気味だし陰鬱な雰囲気で面白い。 こういうジャンルにしては、わりとテンポはゆっくりでじれったく感じる部分もあったけど、それなりに最後まで楽しめた。
フェイブルマンズ
スピルバーグが映画の道に進む決意をするまでの物語。 前半の幼少期のエピソードまではあまり面白みを感じなくて、正直退屈だった。 でも後半、高校生になり転校して学校でひどいいじめを受けるあたりから、サミー(スピルバーグ)に感情移入して見入ってしまった。 母親の不倫、ユダヤ人差別、学校でのいじめ(サミーは身体がとても小さい)、そして恋愛などで悩み、葛藤しながら成長していく。 サミーの成長を小さいころから見せられているので、やっぱり自然とサミーに気持ちが入って応援してしまう。 学校でのイケメンのいじめっ子との一連のエピソードは、とても印象的で良かった。 最終的に映画としてとても満足したのだが、それはこれが「スピルバーグの自伝」と知って見ているから興味深く見れたのであって、もしこの映画がただの創作した物語だとしたら、ちゃんと面白く思えたかは疑問ではある。 スピルバーグの生い立ちには全く興味ない人が見たら、どう感じるのだろう…。
M3GAN/ミーガン
このレビューにはネタバレが含まれています
犯罪都市 THE ROUNDUP
個人的には悪役含め1作目の方が好きだけど、犯罪都市2作目も充分楽しめた。 それにしても「犯罪都市」も「悪人伝」も「無双の鉄拳」も、見て一週間後にはストーリーが思い出せない。 結局マ・ドンソクのビンタとパンチしか覚えてない。 でもそれで良いんです!マ・ドンソクだから! あと相変わらず悪役陣はいい顔してる。 そして日本版主題歌は必要なし。
バーバリアン
予想外の展開で最後まで楽しめた。 ツッコミどころはあるけど、ジャンル映画としては充分な出来なんじゃないかと。 ちゃんとドキドキさせてくれるし。 紳士的男と女性軽視男だったり、金持ちとホームレスとか、うまく対比されててわりと社会派なのかも… とりあえず「イット・フォローズ」「ドント・ブリーズ」「バーバリアン」で、デトロイト廃墟ホラー三部作に認定!
PIGGY ピギー
この手のジャンル映画としては、十分楽しめた! まず主人公サラ(ピギー)のビジュアルだけで合格点だし、映画の宣伝ポスターの画力(えぢから)たるや!! 絶対観に行きたいと思わされた。 こんなに太った女の子が主人公の映画ってあったっけ!? 「ピンク・フラミンゴ」とかのディヴァインしか思いつかない…。 (ディヴァインはドラァグクイーンだけど。) それにしても主人公サラを演じたラウラ・ガランさんは素晴らしかった。 あの身体で、ビキニ姿で走り回り、血まみれの格闘シーンもあり、今年観た映画の中では「パール」のミア・ゴスに匹敵するインパクトキャラだった。 ストーリーも、単なるいじめられっ子リベンジ系ホラーかと思いきや、予想しない展開に転がっていき、最後まで飽きさせない。 そして結末も、サラの下した決断が実際どうだったのか、観客に考えさせられる。 まぁもちろんツッコミどころはあるけど(とくにあの男の素性や動機など…)、こういったジャンル映画でそこを深く考えるのは野暮かなと。 あと、アメリカ映画とは違うスペインのロケーション、街並みやプールなどがとても新鮮で、独特の雰囲気を醸し出していた。 兎にも角にも、見どころ満載の作品だった☆
イコライザー THE FINAL
MEN 同じ顔の男たち
「エクス・マキナ」のアレックス・ガーランド監督なので鑑賞。 DVその他…男性に対するトラウマをかかえる女性の物語。 心を癒やすための旅で、出会う男性の顔が全て同じ(に見えている?)で気持ち悪い。 というか、終始「男」は気持ち悪く描かれるし、嫌なヤツばかり。 自分は男性なので、女性から男はそんなふうに見えてるのかと心配になった… 「SNS 少女たちの10日間」での男のキモさや、「最後の決闘裁判」での男の傲慢さとか、最近は男性嫌悪的な要素の映画が増えたと思う。 そういった映画を見ると、女性に対しての行いを反省したり襟を正されるとともに、自分が男性であることがなんか申し訳なくなってくる… そして男ってほんとダメだなぁ…キモいなぁ…と男でありながら男が嫌いになってきました… あとはグリーンマンとかの神話や、終盤のトラウマ描写の意味など、自分にはわからない部分が多かったので解説が必要。 ていうか全部理解できる人いるのかな… でも主演のジェシー・バックリーも良かったし、映像も美しいし、キモい描写グロい描写も笑えるし、全体的にはとても楽しめた。
ブレット・トレイン
たぶん見たほとんどの人が感じると思うけど、「タランティーノっぽいなぁ」と…。 演出、登場人物、会話のやりとりとか… すでに実績のあるデヴィッド・リーチ監督もこんなの撮りたかったんだ⁉と思ってしまった。 …なので、演出とか諸々が二番煎じ感はあるし、クドく感じるところも正直あった。 でもやっぱりタランティーノ好きとしては、トータルで見れば充分面白かった。 登場人物のレディバグ(ブラピ)や、タンジェリン&レモンのキャラは良かったし、やりとりは見てて楽しかった。 あと、チャニング・テイタムの使い方には笑った。 真田広之もカッコよかったけど、もう少し笑わせてほしかったな。
TAR/ター
けっこう難解だったが、最後まで興味深く観れた。 ただでさえクラシックに疎いのに、意味が読み取れないシーンも多数あり、ラストシーン含め解説が必要だった。 なので単純明快な娯楽作品が観たい人にはおすすめできない。 冒頭から長々と専門的な講釈を垂れるシーンを観て、正直最初は寝落ちを覚悟したが、徐々にケイト・ブランシェット演じる天才指揮者のカリスマ性を含んだ暴君ぶりに圧倒されていく。 天才ゆえの傍若無人(思いやり全くなし)な振る舞いに、知らず知らずのうちに周りに敵を増やして、自らを苦しめていく。 その段々と追い詰められていくシーンがホラー的演出(説明不足なシーン多し)で、とても不気味で引き込まれる。 「あのシーンは一体どういう意味なんだろう??」と自分でいろいろ想像して、後で解説見ながら答え合わせして楽しむ映画だと思う。 言わずもがな、ケイト・ブランシェットの演技は圧巻だった!
ロブスター
首
賛否両論ある映画だが、個人的にはとても楽しめた。 たけしの大河ドラマなどに対するアンチテーゼにも感じた。 歴史なんて、そんな小綺麗なもんじゃねーだろ!って感じで、「アウトレイジ」にも通ずるクセの強い登場人物たちの泥臭い人間関係が展開されていく。 合戦シーンも迫力はあるが、そこがメインではなく、武将たちの人間性(非情で暴力的だったり、狡猾なふるまいだったり、臆病だったり)がコミカルに描かれた群像劇だった。 そんなたけし流アレンジに乗れるか乗れないかで、本作の評価は分かれると思う。 個人的には、このいかにもたけしらしい演出、登場人物たちのやりとりが最後まで楽しかった。 また、男色文化がしっかり描かれているのも面白い。 あくまでたけし流解釈の本能寺の変なので、史実は…とか、時代考証が…とかの批判はお門違いだと思う。 あと、たけし(秀吉)の演技がダメとか、秀吉が老けすぎとかの意見もあるけど、そこはたけしワールドの時代劇なので、自分は気にならなかったかな。 真面目な時代劇ならノイズになるかもだけど…。 あとひとつ感じたのは、本能寺の変、信長、秀吉、家康くらいは日本人なら知ってると思うけど、その他の歴史的登場人物(架空の人物は除く)やその関係性、登場する合戦やその後の歴史的流れに詳しい人だとさらに楽しめると思った。 自分は、荒木村重や高松城の水攻めなど、けっこう知らないことが多かった…。
ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE
ストーリーは少し複雑で分かりづらい部分もあるが、深く考えずカギの取り合いとして見れば十分。 あとは還暦越えたトム・クルーズのがんばりを応援しながら楽しむだけだった。 走力も健在!! 同時期公開の「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」でも列車上のアクションやカーチェイスがあったが、やはりトムのアクションの方が一枚も二枚も上手だった。 アクションシーンのレベルは抜けていると思う。 やっていることも凄いし、ちゃんと笑いもあって、見ていて楽しい。 次回作も楽しみだが、命がけのアクションが毎回エスカレートしているので、トムが少し心配だ…。
落下の解剖学
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