2作目『パール』が傑作すぎて少しハードル上がりすぎたのもあるけど、今回は物足りなさを感じてしまった。
とはいえ、好きなタイプの映画だし、80年代のルックスは観ていて楽しいし、ミア・ゴス含むなかなか豪華な役者陣もすごい良かったし、見どころはたくさんあった。
なんだけど、やっぱり『パール』の後の作品ということで、もっとインパクトの強い作風を求めてしまっていた。(『サブスタンス』も観た後だし…)
1作目は『悪魔のいけにえ』などの70年代ホラー風、2作目は『オズの魔法使い』などのハリウッド黄金期テクニカラー風。
どちらもすごい良かったけど、今回は80年代スラッシャーホラーだったり、ジャーロ映画だったり、なんかいろいろごちゃ混ぜというか…
おそらくすごい数の映画のオマージュがあって、とっ散らかってる印象を受けた。
(過去作と違い、統一感がないというか…)
まぁ今回は過去作とは違い、田舎ではなく都会(ハリウッド)が舞台だからなのかもだけど…。
あと、80年代のナイトストーカー(自分は知らなかった)やサタニック・パニックといった事象を絡めたラスボス的存在にもそんなにヤバさを感じれず、ドキドキしなかった。
なんなら、1作目『X』の老夫婦の方がヤバさも不快さも強かった。
1作目も2作目も作風は全く違えど、ちゃんとホラー映画になっていたけど、今作はホラー要素はあってもホラー映画に思えなかった。
個人的には、「ジャンル」としてホラー映画にこだわってほしかったな。
キャラクターとしてのマキシーンも、パールより薄く感じてしまった。
パールの物語にはめちゃくちゃ感情移入できて、ある種のカタルシスも感じたけど、マキシーンのアンチヒーローぶりにはそこまで爽快感を感じなかった。
マキシーンをもっと応援したくなるような動機づけがほしかった。
というか、スターになる夢が成功するにしても失敗するにしても、もっとマキシーンの爆発や狂気を見せてくれー!と思いながらそのまま映画が終わってしまった感じだった…。
とまぁ…ウダウダいろいろ抜かしたけど、3部作めっちゃ楽しんだ!