得体の知れぬスケールの大作
2021年9月3日 20時04分
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総合評価:
5.0
この映画は公開当時は、いろいろ物議を醸しだした問題作として必ずしも評価は高くなかったらしい。
ベトナム戦争を正確に描いていないとか、長すぎて結局、何が言いたいのかわからないとか、評論家からいろいろ批判されたという。しかし、制作された時代から離れ、少し距離間を持ってじっくり鑑賞すると、スケールが大きく、描かれているテーマも深遠な大作であると感じ取れる。
ロケはベトナムを模して、フィリピンで撮影されたという。
フィルム全編に東南アジア特有の湿気と暑さが写し取られている。最近のCGによる表現が多くなった現代の映画と違い、こういった味わいがフィルム時代の映画のリアリティーだと言えると思う。
ストーリーはベトナム戦争が舞台であるが、ある一人の男を探しに行くロードムービーであるともいえる。車の代わりに偵察用のボートで、川をさかのぼっていく。
その道中にいろんな出来事に遭遇するのであるが、最後に行きついた先と待ち受けていたものは想像を超えるものだった。
おそらく、製作者自身の想像、予想をも大きく超えるフィルムになったのではないか。物語の持つパワーを感じる大作である。