攻殻機動隊 S.A.C. SOLID STATE SOCIETY 3D
SACおよびGIGの熱烈な攻殻機動隊ファンとして問題のない作品.と,いうのも沖方丁やらネットフリックスやらが駄作シリーズを垂れ流してしまったおかげで,すっかり攻殻機動隊といわれても心ときめくことがなくなってしまった.だからこそ,本作は是非とも原作および前述の2シリーズのファンに強くおすすめできる仕上がりである. 少々ツメの甘さが指摘される脚本ではあるものの,取り扱っているテーマは高齢化と子供に対する虐待と,攻殻機動隊らしい内容になっている.この2つの問題を結びつける脚本は個人的にかなり好きだった. 今回の犯人は設定が魅力的なのに,最後になって説明の押収になっているのが少しもったいなかった.大なり小なり物語のあちこちで存在をちらつかせてほしかった.最後にいきなり出てきた感じがちょっともったいない.演出過剰にする必要はないが,どうもネットの向こう側で何かがうごめいている時間が長くややダレてしまう. 子供の虐待にかかわる犯人の動機について,もうちょっと感情的というか,ここまでのことをするに足る静かな怒りみたいな描写があってもいいのではないかと思ってしまう.淡々としすぎている嫌いがあった. 全体的にみて,本来の攻殻機動隊のファンに非常におすすめできる一作.中途半端に他の作品に手を出してがっかりするくらいなら本作を鑑賞するほうが圧倒的にいい.
アイデンティティー
本作は外部かとのやり取りが隔離されてしまったモーテル内に居合わせた11人を中心として物語が進展する,サスペンス映画である.主演はジョン・キューザックで彼のどこかアジア的な甘いマスクがたまりませんね. このアイデンティティはシックスセンスと並んで脚本のどんでん返しが有名な映画です.この映画の優秀なところはミスリードを散らしつつ,しっかりと伏線もバラまいているところにあります.正直,初見では気が付くことができなかったようなシーンが多々あり,結末がわかっている2回目も楽しめてしまいます. 本作のオチはたしかに少々無理があるような気がしなくもないですが,脚本として1つのギミックとして受け入れられないほどのものではありません.このオチと関係するある疾患はこのような治療法をとることが一般的にあります.この治療法の可視化というか,脚本としてもかなり斬新です.気づいたときに「ああ,そうだったんだ」という感動があります.
デッドライジング ウォッチタワー
いや~アノぶっとんだ原作ゲームをどう再現してるか気になって観たのですが、フツウにツマンナイ・ゾンビ映画でしたね。 原作ゲームっぽさはやたらとモノを投げたり、道具をくっつけて武器を作ったりとかかなあ。。。 主人公の着替えるTシャツが『ロックマンDASH』のヤツだったりしたもの、まあ原作ゲームやカプコンに対する『愛』なのでしょうか(苦笑) しかし、原作の重要な敵キャラであるゾンビ・パンデミック下で精神をヤラレちゃったサイコパスさんたちが、バイカー集団ぐらいしか出て来ないのは大いに不満でした。 (だって原作は、ある意味ゾンビより怖い彼らの存在こそがキーになって来るのですから) そして原作の主人公であるフランク・ウェストが映画内番組としてちょいちょい挿入されるニュース番組にゾンビご意見番的なコメンテーターとして出ているのですが、ショーモナイ発言ばっかのクソキャラで、しかも見た目がどう見てもニコラス・ケイジの劣化版(爆)もう原作ファンはがっくしですよ。コレならフランク出さんでも良かった。。。 何よりゾンビ映画で二時間は長過ぎます。 テンポも悪いし暗転も多いし、海外ドラマみたいな雰囲気でしたよ。 予算もあんまなかったのか、似たような場所を行ったり来たりしていて、眠気に誘われてしまいしました。 それでも好評だったのか『2』もあるみたい。。。もう多分観ませんが。
フライトプラン
このレビューにはネタバレが含まれています
Fukushima 50
恐竜が出てきたり異星人と戦ったりする映画は現実では難しいので、もしもそういう状態になったらという怖さがありますがこの映画はもう少しで日本が壊滅的な被害に遭う可能性があった実話という点でものすごい怖さがあります。なぜならその壊滅的な被害に含まれてしまう地域に住んでいるからです。あの日の地震はこれから先も経験するかどうかわからない大きさでしたし、十分に恐怖を感じましたが実際に放射能の怖さを知っている原発の人間にとっては正直な所、あきらめた部分もあったでしょう。電気系統が全てダウンしてしまって、大変に危険な状態になったときの焦りやいらつきはよく描かれていました。実際の所はもっとすごかったかもしれませんが。怖いのは原発の怖さを知っている同じ会社の人間でも、こんなに温度差があったのかという感じです。背広組と現場の対応に関する温度差はこれから先、もし大変な事があったら命取りにならなければいいなと強く思いました。国のトップも気持ちはわかるが、あそこで現場にいくのはもし事故があったらどうするんだと呆れてしまいました。この映画は平和ボケしてしまった日本人に、緊急の時の対応を勉強するように勧めていると映画のように感じます。
バニシング
三人だけで狭い島の中で六週間も過ごさなければいけないのは、プライバシーという点やすることがないという退屈な状態などで、かなり精神が参る仕事でしょう。ただそういった生活に慣れている人間なら騙し騙し過ごすこともできるでしょうが、新人には未知の体験でありそこに自分達を狂わせる出来事が起きたら果たしてどうなってしまうのか、本当に考えさせられる作品でした。仕事はかなりきついがそこまで儲かるものでないという状況が、彼らをまず狂わせる要因になっています。さらに絶海の孤島で他に誰も見ていないという特殊な環境も、狂わせる原因になっていると思います。主演のバトラーはヒーローやムキムキの戦士など強い男を演じるイメージでしたが、この映画では精神が崩壊していく男を上手く演じています。そんな事をしたくなかったのに犯罪に手を染めてしまい三、人しかいないんだから黙っていればどうにかごまかせるかもしれない。ただ人間は疑心暗鬼になって、誰も信じる事ができなくなってしまう事があります。悪い事をした自分とせざるを得なかった自分をどうしていいか分からず、精神崩壊してしまう過程はすごいです。良心の呵責に悩まされて三人に訪れるエンディングは、涙なしに見られません。
エクソシスト
カンフーハッスル
さすがチャウ・シンチ―!と思わせてくれる、スカッとするアクションコメディ作品です。 おもしろ拳法の技がたくさんでてきて、中国ならではというか、あまり日本人にはなじみがないかもしれませんが楽しいです。ブルース・リーとか好きな人はもっと楽しめるかもしれませんね。斧頭会の組長役の人はブルース・リーの役をよくしているとか。チャウ・シンチ―監督の前作「少林サッカー」ではキーパーの役をされてましたが、その時はかなり似ていました。 本作にも「少林サッカー」で観た顔がチラホラ。チャウ・シンチ―組といったところなのでしょうか。 でも本作で私が一番気に入ったのが豚小屋砦の大家さん夫婦!掛け合いが最高です!特に旦那のほうのへなちょこっぷりが笑えるのですが、後半はこの2人の印象もガラッと変わって、まさかの展開に驚きました。 ラストはチャウ・シンチ―も活躍していましたが、ほぼ豚小屋砦の人々のドラマといった感じです。正直、思っていたよりもアクションもストーリーもしっかり作られていました。 まさにハッスルというタイトルがぴったりな、誰でも楽しめる最高な作品です!
名探偵コナン 11人目のストライカー
まぁざっくりとストーリーを言うと謎の爆破予告がありスタジアムが危機に。コナンが暗号に解読する。ギリスタジアムを救い出して見せる。そしたら更に謎の爆破予告が続く。必死に解読するコナン。ついにひらめく。見事に真犯人がわかる。対決。勝つ。 とまぁいつものパターンで繰り広げられるコナンワールドの映画です。 Jリーグ20周年記念的な作品臭がすごい作品で、コラボ感満載になってます。 カズ選手のところはまぁいつものカズ節ってな感じで楽しみながら見れましたが、遠藤選手のシーンはあまりにも酷い棒読みで引いてしまいます。ゴン中山とかうまくやれそうな選手はいたと思うのだが。。。 それにとても目についたのはコナンのアクションが荒唐無稽すぎることですかね。 いくらなんでもやり過ぎなんでは? こんなことができるのなんて、もはや人間ではない気さえしてきますよ。 どっ白けです。 ただストーリー的には私は割とすんなり見られましたかね。 っていうか最近のひどすぎるコナン映画の中ではすんなり見れた。というレベルで 客観的に見れば う~ん。。。てな感じではあります。 Jリーグファンにはいいのかな?
天使のたまご
ストーリーのない、イメージビデオに近いアニメ作品です。 1985年公開と、割と古い作品のため、人物描写もやや古い感じがします。 現代のようにCGをフル活用することができる時代ではないため、手書きのセル画感が大変いいです。 キャラクター原案の天野喜孝氏の絵柄とは若干違いはありますが、元々天野氏の絵柄自体アニメ化しにくいものですし、丁度いいのかもしれません。 たまごをひたすらに大切にしている少女。人々がいなくなり、無彩色な世界の中で少女が着ている服のピンク色が鮮やかで、どこか蠱惑的なものすら感じます。 彼女の髪の表現がとてもいいです。 ふわっと広がる様子などは。全て手書きなのだろうと思うと、その見事さが際立って感じました。 一応のメタファー的なものはあるようなのですが、作中で「ノアの方舟」について語られているだけで、他については明確な答えが言及されていません。 「ストーリー」を求めて観ると失敗かも。「世界観」を求めるといいのかと思います。 私自身、作品の雰囲気自体は好きなのですが、テーマがいまひとつ理解できませんでした。
少林サッカー
過去何度も観てきた作品ですが、息子が喜ぶかなと思い数年ぶりに鑑賞しました。 20年も前の作品なんですね。いつ観てもやっぱり面白かったです。サッカーではなく野球好きの息子ですが、最初から最後まで喜んで観ていました。 今は落ちぶれた少林寺拳法の使い手たちが、もう一度輝くため少林寺とサッカーを融合したスゴ技で次々と難敵を打ち破っていく、爽快な物語です。 監督も務める主演のチャウ・シンチ―のカリスマ性が爆発した作品ですね。 設定も斬新ですし、キャラが立ちまくっている登場人物がこれでもかと出てきて、それがちゃんと活きていていい感じ。ちょっとありえねー!!な技が繰り広げられますが、そこも計算されているので馬鹿馬鹿しくも楽しく観ることができます。 パスワークなしでゴールにどんどんボールをぶち込むシーンはスカッとしました!少しロマンス要素も入っていて、それもいいアクセントになっていますね。 またしばらくしたら観たくなりそうな中毒性の高い作品です! エンドロール前のNG集も、香港映画だな~って思いました!
オーロラの彼方へ
ノウイング
その女諜報員 アレックス
THE GUILTY/ギルティ
基本電話だけでつづく物語。 主人公の表情と電話越しの声だけでストーリーが進む展開にもかかわらず、 飽きさせずに約1時間半駆け抜けます。 その中でストーリーが二転三転していく流れが新鮮です。 すこし読める展開もあり、アイデア先行型のイメージもあり、 残念な点もありますが、挑戦している作品は個人的には好みなんです。 思った以上に緊迫感もあり、 会話を中心にハラハラさせる展開は素晴らしい技だと感じました。 だからこそ最後のオチは少し弱かったかな。もう一押し欲しかった~。 でも想像力は掻き立てられ、 想像すればするほどヒヤヒヤドキドキしてきます。 そして最後はタイトルの「ギルティ 罪」が沁みますね。 そこまで予算をかけてない映画だと思いますが、 アイデア次第ではいい映画が作れるんだな、と改めて感じました。 余談ですが、 ワンシチュエーション映画っていい映画が結構多いですね。 個人的に好きなだけなのかな… 有名どころでは「CUBE」や「SAW」かな。 個人的には邦画では、 「笑いの大学」「12人の優しい日本人」「キサラギ」 (少しテイスト違うかな) 洋画では 「フォーン・ブース」「月に囚われた男」 がこの映画を観てまた観たくなりました。
ブレードランナー 2049
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、やりますね。 あの伝説的SF名作の「ブレードランナー」の続編をよく引き受けられました。 コアファンもいる名作の続編ですよ。 基本、非難の対象にしかならないですよね。 でもうまく前作の世界観を壊さず、かつ独自のエッセンスを取り入れながら、 1作目を超えるであろうう作品に仕上げました。 この監督、個人的には好きなんです。 特に「メッセージ」「ボーダーライン」は大人な雰囲気と渋さが滲み出てます。 もちろん今回の「ブレードランナー2049」もです。 レプリカントの切なさ、やるせなさがハードボイルドです。 人間とは、を問う素晴らしい作品になっています。 前作から35年、引き続きハリソンフォードも出演。 いい感じで前作から30年後の同役を演じております。 そして主人公K演じるライアン・ゴズリング、「ラ・ラ・ランド」とは全く違った演技で魅了してきます。この役者さんも大注目です。 「ドライブ」「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ」 で気になり動向はチェックしております。 話はそれましたが、この「ブレードランナー2049」 は前作を観たのちじっくり鑑賞して頂きたいです。 本物感がある映画です。レプリカントである切なさ、そして生とはなんなのか。 いろいろ考えさせてもらえる作品にです。 2時間43分と長尺ですが、たまにはじっくり映画の世界の没頭したいときには是非。 余談ですが、昔のゲーム「スナッチャー」がやりたくなってきました。
2つ目の窓
オオバヒルギからマングローブ、ガジュマルにタコノキまで。物語の舞台となる奄美大島に豊かに生い茂る原生林と、晴れ渡った青い空の色には癒されました。波打ち際に漂着した見知らぬ男性の遺体に、いち早く気がつくのは主人公の男子高校生・界人。夜空に光輝く満月の美しさと海面の静けさによって、まったく残酷なイメージはありません。 この島でユタとして信頼を集めているイサの、「死は生の始まり」という言葉が全編を通じて力強く響いていますね。イサの娘でもあり界人に想いを寄せている杏子役に扮した、阿部純子にも魅せられます。まさに珊瑚礁から湧いて出たマーメイドのようであり、少女と大人の女性の間で揺れ動いているかのよう。 時おり映し出されていく都会の街並みの猥雑さとのコントラストと、離れて暮らす界人の父親・篤との距離感も絶妙です。 久しぶりに再会を果たした親子がいかなる会話を交わすのか、都会と島のどちらに居場所と幸せを見出すのか注目してください。
パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間
ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル
風の電話
東日本大震災で生気を失ってしまった女の子が、再びそれを取り戻す帰郷の旅路。 失礼ながら、目元が眠たげな顔立ちのモトーラ世理奈が主人公ハルに凄くマッチしていて、ロードムービーな内容とも相まって、まるで実在の少女のドキュメンタリー映画のよう。 前衛芸術映画のごとく殺風景な郊外の造成地に死体のように横たわる(自殺未遂?)ハルで幕を上げる本作は、百凡のドラマとの違いを明確に、静かに突き付けてきます。 ナレーションやモノローグも無く、ひたすらに、徐々に移り変わっていくハルの言動から、その揺れる想いを類推していくのみ。 とは言え、暗い重い作品では決してなく、ヒッチハイクで出会う人達は皆それぞれに自然体でハルに接してきて、ハルのみならず観客もまた少しずつエネルギーを分けて貰えた気分になりますし、ハルも笑顔を見せるように変化していきます。 三浦友和、西田敏行、西島秀俊と錚々たる名優陣が優しく、ときには厳しくハルと向き合う中で、彼ら自身もまた自分の生き様を見つめ直す描写がまた、とても味わい深い。
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