ハムナプトラ 失われた砂漠の都
このレビューにはネタバレが含まれています
ザ・ファブル 殺さない殺し屋
ローン・サバイバー
わたしはロランス
30歳と言えば多くの人が気力も体力も充実していて、仕事でもプライベートでもターニングポイントを迎えていることでしょう。そんな大事な時期に昨日まで男性として社会生活を送ってきたロランス・アリアは、バッチリメイクにスカート姿で教壇に立ちます。受け持ちの生徒が唖然としてしまうのは致し方ありませんが、教職員による会議が招集され辞職に追い込まれてしまうのが痛切です。 比較的リベラルで寛容なイメージが強いカナダでも、まだまだ性的マイノリティの人たちが生きづらさを抱えているのかもしれません。誰よりもロランスのことを愛していると自負するフレッド・ベレールでさえ、どこまでついていけるのか危ういですね。 春の空から降ってくる雨、夏のテラスで傾けるシャンパングラス、秋の並木道に舞い散る落ち葉、冬の町にはためく洗濯物。離れてはくっついてを繰り返すふたりの関係性が、移ろいゆく季節を背景に映し出されていて目を奪われました。カラフルな街並みや最先端のファッションの中にも、昔ながらの価値観や周囲の無理解が隠れているのを見逃さないでください。
MEG ザ・モンスター
太古の昔の生物が現代にもし生きていたらという設定の映画はジュラシックパークのようですが、海の中の生物という点が大きく違いますね。水の中の生物と戦う時は船の上が最も多いと思いますが、この作品は水の中での潜水艇を使ってのバトルや船の上やビーチでのパニック状態など場面を使い分けて飽きさせないようにしています。深海に住んでいたサメがなぜ上まできたのか、どのくらい大きな生物なのか上手に説明もされています。はちゃめちゃな軍人などを演じるのが上手いジェイソンステイサムですが、レスキューチームのプロを演じるのも問題ないようです。年齢を感じさせないアクションは健在なので、パニック場面も非常にしまった仕上がりでした。だんだん盛り上げていく方式というよりは、場所を変えてそこで起きるパニックを描くので盛り上がりが何度もくるのがいいです。水の中は人間の得意とする場所ではないので、苦労する所がまたいいのです。こういうメチャクチャな戦いにジェイソンステイサムは欠かせないですね。
エイリアン2 完全版
大ヒットした前作より印象深くするためにキャメロン監督になって、近未来の世界の戦いがよく描けています。前作が一匹のエイリアンがどこにいるかわからない中で仲間が1人づつやられていってしまう心理的恐怖を描いて映像の怖さがあったのですが、今作はとにかく多いです。簡単にいえば彼らの巣のようなところに侵入してしまったんです。かなり地球から離れた所まで行けるようになった時代なんですが、武器は今の時代でも使っているようなものなのですね。この辺はどうしてなのか、光線のようなものだと建物や宇宙船を壊してしまうからなのかちょっとツッコミどころかなと思います。とにかくうじゃうじゃ出てくるエイリアンに対して味方は壊滅して数名まで減ってしまっている中で、リプリーはエイリアンと戦った唯一の人間なので彼女を中心に対策を練っていく。仲間にはあまり役に立たないと思われるものもいたが、大量のエイリアンから一人で生き延びた知恵がありそれも組み込んでいく。武器も限られて相手がどのくらいいるのかもわからない中でリプリーは残りのメンバーを鼓舞していく。強い女性を演じてどんな状況でも勇気と知恵をふりしぼれば、道は開けるのだという事を教えられるような映画ですね。
オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁
ヴェノム
異様な力を手に入れて、非日常の世界に入っていく過程がスリリングで、どこか懐かしいながらもワクワクさせられる描きかたでした。 「人間以上の力を使えるようになる」「二つの人格が一人の肉体をシェアする」など、それ自体としては多くの作品にある展開でも、シンプルで飲み込みやすいお話になっている分、非常に風通しがよくて、久しぶりに「こういうの、やっぱり好きだなぁ」と思えました。 アメコミ映画は近年どんどんスケールが上がっており、今ではイベント性の高い出来事が起こるだけでは以前ほど驚かなくなってしまった自分でも、本作はフレッシュな気持ちで楽しめました。どこかノスタルジックな、調子の良いフランキーな掛け合いの響くサンフランシスコの街が出てきて、良い意味でプレーンなアクション映画になっていて、なおかつ王道の成長物語であるという、サム・ライミ監督の「スパイダーマン」を初めて観た時のような気分でした(逆に現代性と呼べるものが「他者との共生」といったモチーフのレベルにとどまっている、と不満に思う方もいるのではないか、とは思いますが)。少し毒のある締め方もクールです。 初登場は1980年代のスパイダーマンのアメコミで、基本は悪役として繰り返し登場しつつ、主人公になるコミックは継続的にではなく断続的に発表され続けたキャラクターです。元がスピンオフだったキャラの単独映像化は「スーパーガール」や「パニッシャー」など色々あるものの、そうしたキャラクターがソロの映画でキャラ立ちできる環境があるということは、とても希望があって良いな、と思いました。
ザ・フライ
あまりにも有名な作品ですが、もしかしたら、あらすじにあるシチュエーションにゾッとできる人ほど、反面、深く考えさせられてしまうような作品なのではないでしょうか。 肉体が変貌し、思考もだんだんとおかしくなっていってしまう時、一体どこまでその人をその人と認め続けることができるのか、という問題に挑んだ名作です。 蝿男になってしまう過程は、肉体の変化のような目に見えるものとしてだけでなく、少し言葉のノリがおかしい、とか、良かれと思う気持ちが先走って配慮ができない、とか、心や振る舞いの問題としても描かれています。それは、肉体の変化とともにもはや別の精神しか持てないということなのか、それとも、肉体の変化に対する彼自身の人間らしい精神の応答なのか。 自分を自分たらしめる、その人をその人をたらしめる、同一性の際は一体どこにあるのか、などとつい考えさせられてしまう作品です。色々な解釈ができそうで、しかもとてもストレートに泣けるという、ストーリーテリングの力に溢れた素晴らしい映画です。
アップグレード
紀子の食卓
東京への漠然とした憧れを抱えながらも海辺の田舎町で燻っているヒロイン、島原紀子を吹石一恵が淡々と演じています。撮影当時は23歳ながらも、野暮ったいメガネをかけてブレザーを身にまとった女子高校生姿も似合っていますよ。紀子のひとつ年下の妹・ユカにはブレイク前の吉高由里子がキャスティングされていて、こちらも初々しい表情。 姉妹を退屈な日常から解放するのがSNSではなく、インターネットの掲示板だったというのが時代を感じますね。ガラケーを片手に突発的に家出を決行してしまい、ネット上でしかやり取りをしていない自称「クミコ」と上野駅で待ち合わせをする危うさにハラハラしました。 「レンタル家族」なるいかがわしいアルバイトが、多くの顧客を獲得してビジネスとして成立しているのが不気味です。消えた娘たちを探して奔走する父・徹三は再会することができるのか、一度はバラバラになった島原家は絆を取り戻すことができるのか見届けてあげてください。
映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~
新婚旅行でオーストラリアの秘境の島に行く野原一家。その島に言い伝えられている伝説によって、野原一家ははちゃめちゃな事件に巻き込まれていく。果たして、無事に新婚旅行から家に帰ることができるのかーって話です。 クレヨンしんちゃんは国民的アニメなだけあって、大人になっても面白かったです。 子供向けなんだけど、だからこそ変な言い回しがなくてストレートに何が言いたいのかが分かるのがいいと思いました。今作では、「夫婦ってのは喧嘩もするけど、愛という絆で結ばれててその力はとてつもなく強い」ってことがテーマだと思います。 お互い助け合い、思いやる大切さを学ぶことができます。「夫婦・愛・家族」って素晴らしいですね。そんな沢山の素晴らしいを教えてくれる深い内容でした。 もちろん、深い話なんだけど、全体的にお笑いチックで、見ていて飽きないし、くすっと笑うことができました。 ちょっと日常に疲れたときとかに見るとちょーどいい作品です。
インターステラー
キネマの神様
亡き志村けんの代役の沢田研二が非常に良い。 かつては所属事務所が同じで、「全員集合」等々での共演や、山田洋次監督作品では『男はつらいよ』にも出演しており、そうした過去の記憶と沢田研二本人のキャラクターが、本作の主人公と良くマッチングしている。 若き日の主人公役が菅田将暉だということとのギャップについても、「ジュリー」の愛称で黄色い歓声を浴びまくりであったという事実が、現状の「ギャンブルと酒浸りの日々を送るしかない老いぼれ」を許してしまえる大きな要因の一つとなっている。 在りし日の松竹撮影所での日々の雰囲気が当時感を良く醸しており、往年の名女優を演じた北川景子の驚愕の美人振りや、監督役リリー・フランキーの素晴らしい台詞回し(最後の捨て台詞のカッコいいこと!)などによって、邦画の名作のメイキングを直に見ている感覚になる程。 業界の生き字引とも言える大巨匠、山田洋次ワールドに存分に浸って泣いてください。
パトリオット・デイ
聖の青春
ルドルフとイッパイアッテナ
私の中のあなた
真夜中のゆりかご
ココ・シャネル
世界中の女性たちを虜にするあの有名ブランドの創始者の、知られざる苦悩に迫っています。物語のスタート地点となる1954年と言えばココが久しぶりの新作を発表したものの、評論家から黙殺されてしまったというまさに不遇の時代ですね。 ココ役のシャーリー・マクレーンはまさに大物デザイナーといった貫禄を、存分に発揮していました。回想シーンで登場するココを演じているのはバルボラ・ボブローヴァというイタリアの女優さんですが、どうせならばシャネル5番のイメージモデルとして有名なオドレイ・トトゥを起用したほうが面白かったのではないでしょうか。 随所に映し出されているファッションショーの豪華絢爛ぶりは、文句の付けようがありません。華やかな舞台裏を支える縁の下の力持ちにも、スポットライトが当てられていて共感できるはず。 起業家としてのココの先見の明だけでなく、素材選びや縫製にも妥協を許さない職人気質な一面も印象的です。ブランド志向や流行に流されることなく、自分らしいお洒落を楽しむためのヒントも見つけだしてください。
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