日本の悲劇
孤立・無縁社会をたったひとりで背負ったかのような村井不二男の生きざまを、ベテラン俳優・仲代達矢が深い悲哀を湛えながら演じていました。精神疾患が原因で失業、入院と失踪を繰り返した挙げ句に妻とは離婚、実家に転がり込んで食事は1日1個のコンビニ弁当、生活費は父親の年金。あっという間に最底辺へと転がり落ちていく不二男の息子、義男に扮した北村一輝もいいダメっぷりを披露していますよ。 全編を通してモノクロームの映像が重々しい雰囲気を放っていますが、短くも幸せだった義男の結婚生活の回想シーンになると鮮やかなカラーに切り替わる演出が心憎いです。東日本大震災発生直後の不安感や、復興や東京オリンピック招致の期待感で盛り上がる当時の世相も効果的に絡めています。 自ら生きることを放棄した父親に向かって、分厚い壁越しに懸命の説得を続けていく義男の叫び声は胸に突き刺さるでしょう。命がけで真剣勝負を繰り広げていた親子に待ち受けている、さらなる残酷な現実から目をそらす訳にはいきません。
仮面病棟
閉じ込められる人質、なぜか通報しないわけありげな病院職員たち、仮面をつけた不気味な犯人。面白そうな要素が目白押しなのですが、序盤からなぜかひきつけられない。 キャストに魅力が感じられないというのもありますが、ストーリーもツッコミどころが多いのでイマイチ楽しめません。 坂口健太郎さんも永野芽郁さんも恋愛映画の常連といったイメージが強くてシリアスなサスペンスにはまるで合ってないし、高嶋政伸さんなんて独特の存在感なんで出演してる時点でなんかこの人怪しいな~って感じです。 脱出方法を模索してる時もなんか無理がありすぎてイライラ。 唯一江口のりこさんって個性的でいい女優さんだなと思いました。演技も素晴らしかった。 作品としてはパンチがないというのでしょうか、とにかく全体的に緊迫感もワクワク感もないものでした。結末も、だんだんと展開が読めてきての答え合わせになるのですが、それでもしっくりきません。ここまでしなくちゃいけなかったのか?と聞きたいぐらい。なんかいろいろと残念な作品でした。
MEG ザ・モンスター
サメ映画はたくさんありますが、この作品は「ジョーズ」のように実在する(した)サメとの闘いを描いているので、こんなに大きなメガロドンが本当にいたなんて、と少しリアリティを感じることができます。劇中のサメはジャケット画像ほどおおきくないと思うんですけどね。 最近のサメ映画に多い、すごい知能を持っちゃったとか、変なとこに出てくるとかありえない設定じゃないところもいい。 古代の生き残りが出現するにいたった理由もわかりやすく描かれているので、あながち実際に起こってもおかしくないんじゃないの?というワクワク感がありました。 ストーリーはどこかで観たようなお決まりの展開が多いです。 ワイルドな主人公に、ヒロイン的なキレイな女性がいたら、もうだいたい想像できちゃいます。ですがありきたりなパターンにしっかり観る者をひきつける要素が足されているので、さほど気にせずに楽しめると思います。 ガラスの向こう、少女の背後から迫ってくるシーンはかなり迫力がありますし、やはりサメが大きいっていいですね。
魔女の宅急便
このレビューにはネタバレが含まれています
もののけ姫
サイン
新解釈・三國志
良くも悪くも、福田監督の世界観が色濃く広がっています。今まで福田監督の作品を観たことがある人はだいたい想像がつくでしょうし、ファンだという方ならとても楽しめるはず。 私の場合は、「銀魂」がわりと面白かったというのと、単に三国志が好きな旦那が観たがったから付き合って鑑賞したというわけなのですが、なんとも言えないというのが正直な感想です。 お馴染みのキャストが出演していますが、やはりダラダラと話すシーンが多く、くどいボケとツッコミの応酬に疲れてきます。もっとサクッとぼけてさっと流すくらいがおもしろいのになぁと。これは「銀魂」でも思ったのですが、これはもうこの監督からしたら普通なんですね。 でも声をあげて笑ったところもあります。というわけで、この作品は単に福田ワールドにはまるかはまらないかで大きく評価が分かれるものだと思っています。 ストーリーは三国志のことがよくわかって意外でした。西田敏行さんがほとんど解説してるからっていうのもありますけどね。 福田作品が好きだから、好きな俳優が出てるからという人はきっとそれなりに満足。おもしろい映画を観たい、大笑いしたいという人には合わないと思います。
ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝
ハムナプトラ2 黄金のピラミッド
ハムナプトラ 失われた砂漠の都
ザ・ファブル 殺さない殺し屋
ローン・サバイバー
わたしはロランス
30歳と言えば多くの人が気力も体力も充実していて、仕事でもプライベートでもターニングポイントを迎えていることでしょう。そんな大事な時期に昨日まで男性として社会生活を送ってきたロランス・アリアは、バッチリメイクにスカート姿で教壇に立ちます。受け持ちの生徒が唖然としてしまうのは致し方ありませんが、教職員による会議が招集され辞職に追い込まれてしまうのが痛切です。 比較的リベラルで寛容なイメージが強いカナダでも、まだまだ性的マイノリティの人たちが生きづらさを抱えているのかもしれません。誰よりもロランスのことを愛していると自負するフレッド・ベレールでさえ、どこまでついていけるのか危ういですね。 春の空から降ってくる雨、夏のテラスで傾けるシャンパングラス、秋の並木道に舞い散る落ち葉、冬の町にはためく洗濯物。離れてはくっついてを繰り返すふたりの関係性が、移ろいゆく季節を背景に映し出されていて目を奪われました。カラフルな街並みや最先端のファッションの中にも、昔ながらの価値観や周囲の無理解が隠れているのを見逃さないでください。
太古の昔の生物が現代にもし生きていたらという設定の映画はジュラシックパークのようですが、海の中の生物という点が大きく違いますね。水の中の生物と戦う時は船の上が最も多いと思いますが、この作品は水の中での潜水艇を使ってのバトルや船の上やビーチでのパニック状態など場面を使い分けて飽きさせないようにしています。深海に住んでいたサメがなぜ上まできたのか、どのくらい大きな生物なのか上手に説明もされています。はちゃめちゃな軍人などを演じるのが上手いジェイソンステイサムですが、レスキューチームのプロを演じるのも問題ないようです。年齢を感じさせないアクションは健在なので、パニック場面も非常にしまった仕上がりでした。だんだん盛り上げていく方式というよりは、場所を変えてそこで起きるパニックを描くので盛り上がりが何度もくるのがいいです。水の中は人間の得意とする場所ではないので、苦労する所がまたいいのです。こういうメチャクチャな戦いにジェイソンステイサムは欠かせないですね。
エイリアン2 完全版
大ヒットした前作より印象深くするためにキャメロン監督になって、近未来の世界の戦いがよく描けています。前作が一匹のエイリアンがどこにいるかわからない中で仲間が1人づつやられていってしまう心理的恐怖を描いて映像の怖さがあったのですが、今作はとにかく多いです。簡単にいえば彼らの巣のようなところに侵入してしまったんです。かなり地球から離れた所まで行けるようになった時代なんですが、武器は今の時代でも使っているようなものなのですね。この辺はどうしてなのか、光線のようなものだと建物や宇宙船を壊してしまうからなのかちょっとツッコミどころかなと思います。とにかくうじゃうじゃ出てくるエイリアンに対して味方は壊滅して数名まで減ってしまっている中で、リプリーはエイリアンと戦った唯一の人間なので彼女を中心に対策を練っていく。仲間にはあまり役に立たないと思われるものもいたが、大量のエイリアンから一人で生き延びた知恵がありそれも組み込んでいく。武器も限られて相手がどのくらいいるのかもわからない中でリプリーは残りのメンバーを鼓舞していく。強い女性を演じてどんな状況でも勇気と知恵をふりしぼれば、道は開けるのだという事を教えられるような映画ですね。
オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁
ヴェノム
異様な力を手に入れて、非日常の世界に入っていく過程がスリリングで、どこか懐かしいながらもワクワクさせられる描きかたでした。 「人間以上の力を使えるようになる」「二つの人格が一人の肉体をシェアする」など、それ自体としては多くの作品にある展開でも、シンプルで飲み込みやすいお話になっている分、非常に風通しがよくて、久しぶりに「こういうの、やっぱり好きだなぁ」と思えました。 アメコミ映画は近年どんどんスケールが上がっており、今ではイベント性の高い出来事が起こるだけでは以前ほど驚かなくなってしまった自分でも、本作はフレッシュな気持ちで楽しめました。どこかノスタルジックな、調子の良いフランキーな掛け合いの響くサンフランシスコの街が出てきて、良い意味でプレーンなアクション映画になっていて、なおかつ王道の成長物語であるという、サム・ライミ監督の「スパイダーマン」を初めて観た時のような気分でした(逆に現代性と呼べるものが「他者との共生」といったモチーフのレベルにとどまっている、と不満に思う方もいるのではないか、とは思いますが)。少し毒のある締め方もクールです。 初登場は1980年代のスパイダーマンのアメコミで、基本は悪役として繰り返し登場しつつ、主人公になるコミックは継続的にではなく断続的に発表され続けたキャラクターです。元がスピンオフだったキャラの単独映像化は「スーパーガール」や「パニッシャー」など色々あるものの、そうしたキャラクターがソロの映画でキャラ立ちできる環境があるということは、とても希望があって良いな、と思いました。
ザ・フライ
あまりにも有名な作品ですが、もしかしたら、あらすじにあるシチュエーションにゾッとできる人ほど、反面、深く考えさせられてしまうような作品なのではないでしょうか。 肉体が変貌し、思考もだんだんとおかしくなっていってしまう時、一体どこまでその人をその人と認め続けることができるのか、という問題に挑んだ名作です。 蝿男になってしまう過程は、肉体の変化のような目に見えるものとしてだけでなく、少し言葉のノリがおかしい、とか、良かれと思う気持ちが先走って配慮ができない、とか、心や振る舞いの問題としても描かれています。それは、肉体の変化とともにもはや別の精神しか持てないということなのか、それとも、肉体の変化に対する彼自身の人間らしい精神の応答なのか。 自分を自分たらしめる、その人をその人をたらしめる、同一性の際は一体どこにあるのか、などとつい考えさせられてしまう作品です。色々な解釈ができそうで、しかもとてもストレートに泣けるという、ストーリーテリングの力に溢れた素晴らしい映画です。
アップグレード
紀子の食卓
東京への漠然とした憧れを抱えながらも海辺の田舎町で燻っているヒロイン、島原紀子を吹石一恵が淡々と演じています。撮影当時は23歳ながらも、野暮ったいメガネをかけてブレザーを身にまとった女子高校生姿も似合っていますよ。紀子のひとつ年下の妹・ユカにはブレイク前の吉高由里子がキャスティングされていて、こちらも初々しい表情。 姉妹を退屈な日常から解放するのがSNSではなく、インターネットの掲示板だったというのが時代を感じますね。ガラケーを片手に突発的に家出を決行してしまい、ネット上でしかやり取りをしていない自称「クミコ」と上野駅で待ち合わせをする危うさにハラハラしました。 「レンタル家族」なるいかがわしいアルバイトが、多くの顧客を獲得してビジネスとして成立しているのが不気味です。消えた娘たちを探して奔走する父・徹三は再会することができるのか、一度はバラバラになった島原家は絆を取り戻すことができるのか見届けてあげてください。
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